あび卯月☆ぶろぐ

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外交官が見た昭和天皇

2006-06-22 20:51:22 | 歴史・人物
以前にも話ましたが、私の大学の講師に元外交官の方がいらっしゃいます。

そこで、今日、講義終了後にこんな質問をしてみました。

「先生は天皇陛下にお会いしたことがありますか?」

先生からは「えぇ、ありますよ。」というお答え。
大使や公使は天皇から直接、信任状を受取るのですが、
先生の場合は大使や公使ではないので直接謁見したのではなく、
外交官が集まって陛下からお言葉を賜る場があり、
そこで謁見したのだそうです。

私「どちらの天皇にお会いになったのですか?」
先生「昭和天皇です。」

私は思わず色めき立ちました。
というのも、私が歴代天皇の中でもっとも敬愛する方が昭和天皇だからであります。

私「どんな感じでしたか?」
先生「そうですねぇ・・・人間味の無い人だなぁ、と思いましたね。」

私は思わず笑ってしまいました。
なんとも、昭和天皇らしいと感じたからです。

今の天皇はどちらかというと表情が豊かで、国民と触れ合う機会も多く、庶民的なイメージがありますが、
昭和天皇は正に雲上人という感じがいたしました。

例えば、国民にお手を振られる時、
今上天皇は笑顔ですが、昭和天皇は無表情であらせられました。

というもの、昭和天皇は帝王学を心得ておられ、ほとんど「私心」のない方でした。
つまり、臣下と謁見する時は一人の人間としてではなく国家機関として会うわけです。
人間味が無いように映るゆえんです。
しかし、私は不敬な言い方かもしれませんが、
天皇はかくあるべきだと思います。
また、この「人間味の無さ」が昭和天皇の魅力の一つだと思っております。
無論、本当に昭和天皇が人間味の無い方であったかというとそういうことはなく、
私生活においての昭和天皇の人間味溢れるエピソードは数多く伝えられています。

それにしても、日本人の中で一体何人の者が一生の内に天皇に謁見する機会があるのでしょうか。
生で見るだけならば一般参賀等に参加すればよいのですが、
直接謁見する機会はほとんどないだろうと思われます。
そういう意味でも外交官とは特権的な職業だなと思った次第でした。