あたり一面の雪の中だった。山の頂のようなところではなく、緩やかな広い斜面の、ところどころに枯れた木があった。
雪の中をそう苦労もせず歩いていて、ふと顔を上げると、縁に毛のついたフードをかぶった、マントを着た人が、向こう向きのまま立っていた。足を止めたぼくに、そのまま、こちらを向かずに、「やあ、やっと帰って来たね」と言った。よく響く、明るい大きな声だった。
ぼくは、相手が誰だかわからないので、戸惑ってあいまいに返事をした。「もう、ここから先、行かなくてもいいのだ」と思った。
…そこで目が覚めた。短いが、衝撃的な夢だった。
今まで、繰り返し、泥道を、冷たい雨の中を、どこだかわからない暗い道を、必死になって歩いていて、どこに向かっているのか分からない、辿り着きたい場所、帰り着きたい場所があるのだが、そこがどこなのかわからない、という夢を見てきた。
「夢の中のぼくが還るべき場所に帰りつく、ということがしばしば起こるようになったら、現実世界のぼくもまた、帰るべき場所を見つけて帰って行く、つまり人生を終える、ということかもしれない」と書いた(18/04/30)。
今朝方の夢は、その初めのひとつかもしれない。
あれはどこで、あのマントを着た人は誰だったろう。フードの縁の毛の輪が、光背のようにも見えなくはなかったかもしれない。彼が振り返ってこちらを向いたら…「もう、ここから先は行かなくていい」のかもしれない。
雪の中をそう苦労もせず歩いていて、ふと顔を上げると、縁に毛のついたフードをかぶった、マントを着た人が、向こう向きのまま立っていた。足を止めたぼくに、そのまま、こちらを向かずに、「やあ、やっと帰って来たね」と言った。よく響く、明るい大きな声だった。
ぼくは、相手が誰だかわからないので、戸惑ってあいまいに返事をした。「もう、ここから先、行かなくてもいいのだ」と思った。
…そこで目が覚めた。短いが、衝撃的な夢だった。
今まで、繰り返し、泥道を、冷たい雨の中を、どこだかわからない暗い道を、必死になって歩いていて、どこに向かっているのか分からない、辿り着きたい場所、帰り着きたい場所があるのだが、そこがどこなのかわからない、という夢を見てきた。
「夢の中のぼくが還るべき場所に帰りつく、ということがしばしば起こるようになったら、現実世界のぼくもまた、帰るべき場所を見つけて帰って行く、つまり人生を終える、ということかもしれない」と書いた(18/04/30)。
今朝方の夢は、その初めのひとつかもしれない。
あれはどこで、あのマントを着た人は誰だったろう。フードの縁の毛の輪が、光背のようにも見えなくはなかったかもしれない。彼が振り返ってこちらを向いたら…「もう、ここから先は行かなくていい」のかもしれない。