灰皿

随分古い物だと思う。
どこかの国のお土産かもしれない。
私の物心が付いた時には、もう母の実家に飾ってあった。
片方ずつそれぞれ灰皿になっている。灰皿としては一度も使った事はない。

これを数年前にもらってきた頃には私はタバコが大好きだった。
一日一箱と少し。
お酒を飲めば二箱。
ヤメル気なんて全然なし！！人生の楽しみの一つだった。
それが去年の7月。
ある一冊の本を「ホントにやめれるのぉ？？」みたいな疑いの気持ちを持って
読んだ事から思いがけず「禁煙」する事になってしまった。

読んでる途中
「これはちゃうわぁ・・」とか「洗脳？」って言う感じもあったけれど悪い事なんじゃないし洗脳されちゃおう！と思う事にしてみた。
「禁煙中の心の持ち方」みたいな物が書かれている本だった事が良かったのかもしれない。割合簡単にやめてしまった。

しかし！決してタバコが嫌いになったわけではない。
側で誰かが吸ってたら「良い香りだ」と思う事もあるし飲みに行ったりしたら
誰かが吸ってくれてた方が吸いたくなくて好都合だ。
きっと副流煙を吸ってるんだろう。

禁煙してみて思うのは、世の中喫煙者に厳し過ぎじゃないの？？
って言う事だ。
鬼の首を取ったかのように喫煙者を責めたり
タバコを吸わないヤツは喫煙者より偉いのか？？と思う態度だったりが気に入らない。
私は吸わなくなったけど吸う人の気持ちもタバコの美味しさも解っているつもりだ。

ドイツから成田まで13時間余りをタバコを吸い続ける喫煙旅客機を飛ばす
計画を聞いたりすると応援したい気分になる。

私が灰皿を使う事はもうないと思うけど
「何もここまで喫煙者を排除しなくても・・・」
と思う今日この頃だ。