ゆっくりと山登り

登山、写真、その他日々のことなど

双六、槍ヶ岳、南岳 2013年9月 その4

2013-10-01 20:18:01 | 北アルプス

2013年9月23日

昨夜の満天の星空にたがわず、この朝も快晴となりました。

小屋の外で日の出を待ちます。

やがて、常念岳の先、安曇野を覆う雲海の向こうから朝日が差しました。

 

 

 

 

朝日に輝く穂高連峰、

昨日の夕暮れとは違って、一片の雲もかかることなく

大キレットから北穂高、そして奥穂高へと続く険しい岩峰が目の前に迫っています。

 

 

直下に連なるキレットの痩せた尾根、その途中に長谷川ピークが突き出しています。

 

 

北側には、ゆったりとした南岳の先に槍ヶ岳が輝いています。

 

 

やがて穂高の稜線を超えて朝日が笠ヶ岳を照らしました。

 

 

小屋に泊まっていた人たち、思い思いの場所にカメラを構え

時間とともに移り変わる風景を切り取っています。

 

連休の最終日、最高のコンディションで朝を迎えることができました。

 

 

さすがに今朝は氷点下に下がったようで、霜が降りていました。

 

3000mの稜線の素晴らしい風景に別れを告げて、下りの支度に入ります。

 

久しぶりの槍ヶ岳、さすがに人気の山でした。

 

穂高もだいぶご無沙汰してますので、来年あたりは・・・

 

南岳新道の急斜面を下る。

笠ヶ岳の稜線に槍・穂高の影が写っています。

 

 

カール上の斜面はガレ場が続く。

 

 

 

F君、今回は最初から最後までナメコで通しました。

 

 

カールをぐるりと回って、南側の稜線に上がる。

 

キレットから降り注ぐ日光の向こうに北穂高

 

痩せた尾根の真下に槍平の小屋が見下ろせます。

 

 

迫力ある滝谷の壁を横目で見ながら

 

やがて森林限界の下に降り、岩と土と木の根と梯子のミックスした

歩きにくい山道をほとんど休むこともなく進んで再びガレ場に出ると

槍平はもう間近。

 

 

 

 

小屋の前に出ました。

冷たい水をくみ、エネルギーを補給してこの先の長い沢沿いの道のりに備えます。

 

小屋の前の熊さん

 

つい先ほど、肩を並べる高さだった穂高は、もうはるかに高くそびえています。

 

先ほどまでの急な下りと違って、なだらかに下っていく道

ぐんぐんと進んでいきます。

滝谷直下の沢に出ました。

 

 

さらに山道を下って、白出沢下へ

 

林道に出ました。

シメのジャンプ!

 

 

あとは林道をてくてくと新穂高へ

途中、穂高平避難小屋のところで山道を通ってショートカット。

 

このあたりは、栗などの木の実の殻がたくさん落ちていて、

山道の近くでガサゴソと動く者の気配。

幸いにして姿は見ませんでしたが、あれはきっと熊だろうということで

皆の意見が一致。

 

振り返れば、ちょうど谷間の向こうに南岳と、その南端の岩峰が見えていました。

今朝はあそこに立っていたんだな~と思うと、ずいぶんと歩いてきたことを実感。

 

 

新穂高ではソフトクリームを食べた後、

無料駐車場のわきの深山荘の温泉に向かいます。

幸い他の客の少ない時間で、ゆったりと汗を流すことができました。

途中道の駅でそばを食べた後、松本ICでF君とお別れ。

連休最終日は小仏トンネルを先頭に30kmの渋滞。

とろとろと進む車の中で、とりとめのない話をしながら過ごしました。

 

部署を異動になってからの運動不足、不摂生が祟って出足はいまいちでしたが、

今回もいい山旅ができました。

参加メンバーの皆さんありがとう。

あと不帰の険を通れば、親不知から西穂高までつながります。

それはまた来年のお楽しみに。

 

 

おしまい

 

 

 


双六、槍ヶ岳、南岳 2013年9月 その3

2013-09-30 21:03:02 | 北アルプス

2013年9月22日

 

さて、〇ィ〇ニーランド状態の行列ができている槍の山頂へと取りつきます。

槍ヶ岳山荘の前のスペースに荷物を置いて出発。

 
 
 
 
 
 
 
さすがに三連休の中日の槍ヶ岳とあって、登山者が連なっています。
 
 
 
それでも皆さんなんだか楽しげ。
 
背後の穂高連峰が素敵。
 
 
 
 
 
いよいよ最後の梯子にかかり、私は一足お先に頂上へ。
 
上からメンバーが登ってくるのを見下ろす。
 
まずはWさん
 
 
 
Hさん
 
 
 
ナメコ・・・滑るなよ~
 
 
 
そしてBさん
 
 
 
 
頂上に上がってきた一人一人とハイタッチを交わし、登頂を喜び合う。
 
 
槍ヶ岳山荘と笠ヶ岳
 
 
 
双六から三俣蓮華、黒部五郎、薬師岳、
裏銀座は鷲羽岳、水晶岳、と続く
 
 
 
 
 
遠く立山も見えている
 
 
 
こちらは常念、大天井
 
 
 
その先には燕岳の白い稜線
 
 
 
針の木、蓮華をこえて後立山の峰々へ
 
 
 
頂上の社を囲み記念撮影
 
 
 
こちらは三角点で
 
なぜか別のパーティのお姉さんも写っています。(Bさん撮影)
 
 
 
 
さて、後ろもつかえていることですし、一通り周りを眺めたら下りましょう。
 
下りも慎重に
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
無事登頂を済ませた後はランチタイム。
 
乾杯!のあとは、
 
おんなじようなコンロとコッヘルが並び、それぞれ別々にラーメンなど作り出す。
 
仲がいいのか悪いのか。
 
 
 
 
 
Bさん撮影
 
 
 
 
ナメコも満足の様子
 
 
 
 
 
 
さて、槍ヶ岳を後に今度は南岳へ
 
 
 
次のピークは大喰岳です。
 
 
 
飛騨乗越
 
日本一標高の高い峠です。
 
 
 
名残惜しげに槍を振り返りながら縦走路をたどる。
 
 
 
大喰岳に着くころ、雲がかかりだしました。
 
 
 
 
何はともあれ記念撮影、そろそろポーズもマンネリ化してきています。
 
 
 
 
 
 
ガスのかかる縦走路を南へ
 
穂高の岩峰が迫力を増してきています。
 
 
 
 
中岳への登り
 
 
 
 
今日三つ目の3000m峰
 
ちょっとポーズを変えてみました。(Bさん撮影)
 
 
 
 
あとは南岳へとゆったりとした尾根が続きます。
 
 
 
 
中岳、大喰岳、槍ヶ岳と並ぶ
 
 
 
 
そして最後のピーク南岳へ
 
 
 
 
 
今日の宿、南岳小屋もすぐそばです。
 
 
 
到着~
 
 
 
さすがに日が陰って気温が下がってましたので、外は肌寒かったのですが
小屋の土間ではストーブが焚かれてとても暖か
 
しばし談話室で、ビールなど飲みながらまったりと過ごす。
 
ふと外を見ると明るくなってきている様子。
 
小屋の外で日の入を待つ。
 
 
 
ガスが晴れてきました!
 
 
 
流れる雲の中に浮かぶ北穂高岳
 
 
 
さらに南端の岩場まで行って正面の穂高をとらえる
 
 
 
 
太陽は、ちょうど笠ヶ岳の真上に沈むようです。
 
水平線の雲がなければダイヤモンド笠ヶ岳が見られたのですが。
 
 
 
暮れゆく空の下、しばし圧倒的な景観の中に浸っておりました。
 
 
 
 
小屋に戻って食事の後は、
槍ヶ岳登頂記念のワインを購入し乾杯!
 
 
もってきたアルコール類をすべて消費しました。
 
 
 
続く
 
 
 
 
 
 

双六、槍ヶ岳、南岳 2013年9月 その2

2013-09-29 22:18:03 | 北アルプス

2013年9月22日

朝はBさん特製のホットサンド(ホットサンド用のフライパンをわざわざ担いできた!)。

チーズがトロリとろけるサンドイッチとコーヒーで腹ごしらえ。

やや雲が多いながらも、今日も晴れそうです。

 

小屋の外で朝日に染まる空を見上げる。

餓鬼岳の方向です。

 

こちらは鷲羽岳

 

いよいよ念願の槍ヶ岳へ向かってみんなの士気は高い。

私も初西鎌尾根をじっくり楽しみたい。

 

樅沢岳に向かって歩き始めました。

 

 

 

樅沢岳山頂手前の広場

万歳するのはまだ早い!

 

抜戸岳の重厚な稜線

そこから頭一つ抜け出している笠ヶ岳

 

焼岳、乗鞍岳の遠望、その向こうにちらりと木曽御嶽

朝の光線をあびて浮かび上がる爽やかな風景

 

そして樅沢岳からの槍ヶ岳

大きな壁のように立ちはだかる3000mの稜線

 

 

その南側には穂高連峰

 

ナナカマドの赤い実が彩りを添える秋の稜線

鷲羽岳から野口五郎岳へと続く裏銀座の縦走路

 

 

 

双六岳から続く西鎌尾根は展望が開けた素晴らしい縦走路です。

 

 

 

夏には花が咲いていたであろう草原も秋の趣

 

 

 

左手には硫黄尾根の荒々しい姿。

 

オヤ!? 

千葉県とイタリア半島が見えます

 

東に向かって歩くので、日光がまぶしいこと。

 

 

ここから見る抜戸岳はどっしりとして勇壮です。

 

秋の色に染まり始めた北アルプス

今頃はそろそろ見ごろを迎えていることでしょう。

 

 

昨夜はたっぷり睡眠をとったので私も快調に足が進みます。

周囲を眺めながらの楽しい山歩きが続きます。

 

 

 

 

だいぶ槍ヶ岳が大きくなってきました。

 

 

それにつれて、道も険しさを増してきます。

 

 

千丈乗越に到着

右俣谷からの登山路を合わせて、登山者が増えてきました。

 

 

ここから始まる急登を前にとっておきのおやつをザックから出してみんなに配る。

今回はフルーツみつ豆です。

 

 

高度を上げるにつれ遠くの山も見えてきます。

 

針ノ木岳に蓮華岳、その間に白馬岳が見えます。

蓮華岳の右方には鹿島槍ヶ岳も頭を出しています。

三年前はあそこからここまでを目指したのでした。

 

 

いよいよ西鎌尾根の核心部へと進みます。

かぶさってくるように圧倒してくる岩の峰、見上げる先に肩の小屋の建物が見える。

 

 

ぐいぐいと一気に高度を上げて、飛び出した先に

大きく槍の穂先がそびえていました。

 

肩の広場もにぎわっています。

 

そして初めて見えた、槍の先の東側の眺め。

富士山から南アルプス連峰まで。

 

メンバーも大満足の大展望です。

 

 

続く


双六、槍ヶ岳、南岳 2013年9月 その1

2013-09-29 19:41:15 | 北アルプス

今年4度目の北アルプスは、槍ヶ岳へ。

このピークに立つのは、もう何年ぶりのことか。

会社の同僚A君と西穂高から槍ヶ岳へ縦走したのが最後で、

槍・穂高からずいぶん足が遠のいていました。

別に避けていたわけではないけれど、他に登りたいところがたくさんあったので。

そんな中、久しぶりに槍ヶ岳に登るはずだった2010年の夏、

鹿島槍から裏銀座を経て双六岳に至ったところで、台風接近。

西鎌尾根を前にして撤退したのでした。

その時のリベンジを果たすときがいよいよ到来。

メンバーは会社のトレッキング仲間から、今回はBさん、Fさん、Hさん、Wさんそして私。

9月20日金曜日の晩に中央道を走り、新穂高の駐車場へ。

台風後の好天続き、この三連休前後で北アルプスを狙っていた人は多く、

無料駐車場にぎりぎりで入れました。

群馬から参加のF君はすでに到着しており、まずは前夜祭。

(Bさん撮影)

 

 

2013年9月21日

翌朝、爽やかな好天に恵まれました。

さすがに連休初日とあって、どこの駐車場もいっぱい路肩駐車の車も延々と続いています。

 

 

 

 

林道をしばらく歩いてわさび平の小屋に到着。

恒例のスタートジャンプ。

 

まぶしいほどの青空!

 

 

小池真道の入り口に到着。

 

気持ちの良い風景に心も弾む。

 

 

背後には槍ヶ岳!

 

みんなの気分も盛り上がります。

 

 

背後には焼岳、乗鞍岳も。

 

しかし・・・この辺りから私は体調に異変を感じてきました。

体が重く、足がなかなか前に出ていきません。

このところ、不摂生・運動不足と昨夜の睡眠不足がたたったようです。

ガクッとペースダウンして、みんなに迷惑をかけてしまいましたね。

(Bさん撮影)

 

それでも何とかシシウドが原を超えて、鏡平はもうすぐ。

 

そして名前の通り鏡のような池に出ました。

素晴らしい槍・穂高連峰を前にしばしたたずむ。

 

そして小屋の前に出て早めのお昼休憩。

 

 

鏡平の小屋でみんながまず口にしたのはこちら。

 

 

なにせとっても暑かったのです。

そしてもちろんこちらも。(Bさん撮影)

 

 

 

食べ物を口にすると、またまた頭がボーっとしてくる。

やっぱり寝不足が大きいのかな。

 

 

それにしても景色の美しいことよ。

スーパー晴れ女のWさん、私とは違って今日は元気いっぱいで、いかんなく能力を発揮しているようです。

 

 

 

 

鏡平を下に見下ろしながら進むと、

 

弓折乗越、いよいよ主稜線に出ました。

 

記念撮影各種

槍のポーズ!

 

ナメコ千手観音

 

E.T.槍ヶ岳(Bさん撮影)

 

手乗り槍ヶ岳

 

槍ヶ岳をかじる

 

 

おふざけはこのくらいにして、双六小屋へ進みます。

 

双六岳のたおやかな姿も見えています。

 

お花平のあたり、夏はたっぷりと雪田のあるところですが、

さすがに融けて、広い砂地が広がっています。

 

 

ナナカマドの実が赤く染まっていました。

 

それにしても見飽きない立派な槍ヶ岳。

南側の3000m峰三つと北鎌尾根を従えて、盟主の風格。

 

双六のゆったりとした谷間が目前に。

 

双六小屋に到着。

小屋の前から鷲羽岳、奥は黒岳。

 

双六小屋をちょっと上がったところから槍ヶ岳。

 

小屋はさすがに満員でしたが、我々五人は4畳ほどの部屋に入ることができました。

仲間だけで一部屋を使うことができたのはラッキー。

ここからBさん、Hさん、Wさんは双六岳に往復。

不調だった私とFさんは小屋で仮眠。

少しですけど横になってうとうとしたらすっきりしました。

 

双六に行った三人は興奮のうちに下ってきました。

双六の山頂の平原でWさんは思わず駆け出したそうです。

(Bさん撮影)

 

さて今夜は自炊としました。

キノコ鍋をやろうということで、私は肉とカット野菜担当、

そのほかみんなのザックから出てきた、キノコ各種を放り込んで食べる。

マイタケ、ヒラタケ、シメジ・・・マッシュルームは別にバター焼きで食べました。

 

 

そしてみんなのザックから出てくるいろいろなお酒と一緒に消費されていきました。

そして最後は大量のナメコ。

 

ねばねばとろとろのナメコ汁が、ことのほかうまかった。

 

やがて夕暮れ時を迎え

 

テント場の向こうの笠ヶ岳も静かに夜のとばりに沈んでゆく。

 

明日の好天を期待しつつ、星空を見上げる。

ついついワインも進んでしまった。

 

体調はいまいちでしたが

大満足のうちに一日目を終えました。

 

続く

 

 

 

 


久しぶりの更新:先週の三連休はこちらへ・・・

2013-09-28 21:39:33 | 北アルプス

しばらくブログ界から消えておりました。

この一か月、いろいろあって頭が仕事モード+飲み対応(笑)になっていて

ブログの更新もせず、皆様のブログの訪問もできず失礼しております。

 

そんな中、先週の三連休は久しぶりに山に行ってきました。

その後、月曜日から金曜日まで連日、夜のお付き合いがありまして

ようやく本日山の後片付け+写真の整理をしたところです。

 

行先はこちら

 

今回は会社の若い仲間との山行です。

そもそもは3か月ほど前に、Wさんが「今年は槍ヶ岳に登りたい!」と触れ回っていたので、

私も北アルプスのメインルートをつなぐ旅として西鎌尾根を登ろうということで企画しました。

 

メンバーは、北岳に始まり尾瀬、北八、金時山、高原山と中心メンバーのBさん、

ナメコのFさん、金時山で首を切られそうになったHさん、そして紅一点のWさん。

 

 

会社きってのスーパー晴れ女、Wさんの威力で三日間の旅は素晴らしい天気に恵まれました。

 

 

 

ルートは下記周遊コース二泊三日

新穂高→鏡平→双六(泊)→西鎌尾根!→槍ヶ岳→南岳(泊)→槍平→新穂高

 

Wさんは念願かなって初槍ヶ岳。Hさんも初めての3000m越え

 

 

南岳からの穂高連峰を見て、B君は「来年は槍穂縦走!」と誓っていました。

 

 

 

 

 

 

みんなで作ったキノコ鍋も美味かった!

 

というわけで詳細はまた明日。

 

 


北アルプスのルート

2013-08-25 23:12:01 | 北アルプス

 

この土日は、山はオフとなりました。

先日栂海新道を歩いたこともあって、

これまで北アルプスに登った記録を振り返り

北アルプスで歩いたことのあるルートを地図に記載してみました。

(赤い線が歩いたことのあるルートです)

 

1.まずは記憶も新しい、白馬岳から親不知へのルート

 

こうして地図に赤い線を引くと、自己満足に浸ることができます。

 

 

2.次は白馬岳を中心に

 

 

どうしても東京からだと長野側から登るのが便利なので、富山側は空白。

朝日岳へ登るイブリ尾根や、清水岳から白馬岳へのルートなどは興味がありますが

アプローチが大変なのでなかなか手が出しにくいですね。

主要縦走路でつながっていないのが、不帰ノ嶮

昨年の海の日三連休に歩く予定が、天気が悪かったので鑓温泉に降りてしまったのでした。

またの機会に・・・

あとは白馬、朝日からも良く見えていた毛勝三山は気になります。

 

 

 

3.剱岳・立山、鹿島槍ヶ岳から三俣蓮華岳に至る北アルプス中心部

 

 

剱岳も早月尾根、仙人新道、下の廊下などまだまだ歩きたいルートがあります。

大日岳や赤牛岳からの読売新道、そして高天原の温泉はぜひ行かなくては。

針ノ木雪渓から、峠を越えて黒部湖に至るルート、

五色ヶ原は天気が良い時にもう一度散策したいのでそちらとつないでみるかな。

あとは赤木沢の遡行もいつか機会があれば・・・

 

 

4.そして槍・穂高近辺

 

 

 

ここも主稜線では西鎌尾根が抜けています。

鹿島槍~槍ヶ岳をもくろんだ時に、双六で台風に会い撤退したのでした。

北鎌尾根を登るのも孤高の人を読んだ時からの長い夢でしたが、

いつか果たせる日が来るかどうか。

あとは常念山脈の餓鬼岳~燕岳、蝶が岳から大滝山をへて霞沢岳。

常念山脈を餓鬼岳から霞沢岳まで縦走して、徳本峠から島々に降りるなんてやってみたい。

焼岳も今年登ったけれど全く展望がなかった。

次に登るときは西穂高から縦走して中の湯に降りるかな。

しかしよくよく考えると、槍ヶ岳も穂高岳ももうずいぶんと足が向いていない。

久しぶりに登ってみたくなりました。

 

 

地図を見ながら想像は膨らむ・・・今日は机上の登山でした。

 

 


白馬岳、朝日岳、栂海新道 2013年8月 その5

2013-08-18 17:10:20 | 北アルプス

2013年8月12日の続き

そして8月13日、いよいよ親不知へ

 

黒岩山山頂までたどり着いたのでした。

 

標高もすでに1600m台、風景も次第に変わってきます。

残雪もわずかとなっており、何より気温の上昇と日射がきつい。

北アルプスというよりは上越付近の山の雰囲気に近い。

 

 

栂海新道の特長は、これを開いた小野氏の著作にもあるように

とにかくすべてのピークをなるべく巻かずに通っていくというところにあります。

最もこの辺りの山は左右が険しく、無理に巻道を作るのもままならないかもしれません。

また地元の山岳会が開いた道ということで

大変失礼ながらもっと細くて頼りない道を想像していたのですが

ご覧のとおり、ほとんどの部分はしっかり刈り払いされていて整備されています。

 

文子の池

 

朝日岳もずいぶん遠くなった。

 

 

 

下の写真の右手奥のピークが犬ヶ岳、本日の宿、栂海山荘の建つところです。

 

 

 

サワガニ山に到着

このときがこの日一番きつかったかな。

暑くて暑くて、周囲に大きな木もないので灌木の下にシートを敷いてもぐりこんだ。

飲み物とゼリータイプのサプリメントをとるとようやく落ち着いた。

 

 

犬ヶ岳への道はまだ続く

 

 

それでもガスがわいてきて、時々日が陰るようになると

多少暑さも和らぐ。

 

北又の水場に着いた。

 

 

沢沿いに数分で湧水の出るところに至る。

冷たい水に生き返る思い。

 

 

すっかりガスに覆われた尾根を登っていくと、犬ヶ岳の標識。

 

頂上を東側に超えたところでゴールが見えてきた。

 

 

小屋に到着です。

 

一番乗りで入ることができました。

まずは小屋に入って床の埃を掃除した後、

部屋の奥に寝る場所を確保。

 

ホッと一安心したところで、とっておきのものを取り出す。

保温袋の雪はまだ融けていませんでした

キーンと冷えたビールがうまい!

 

 

しばらく小屋の前でまったりしていると、後続のパーティーが到着してくる。

いつの間にか小屋はいっぱいになってしまった。

テント組も小屋の前の広場に何張りかの居を構えあとは食事をして夜を待つのみ。

小屋の中のテーブルで食事を作り出す。

とっておきのもう一本が登場。

 

この日の晩御飯はカップヌードルライスシリーズのどん兵衛。

ソーセージ、小魚他つまみもの、そして味噌汁。

同じテーブルで一緒に食事をした若者3人プラスおじさん一人(私です)

そのうちのお一人(KMさん)はなんとここまで上高地、穂高から始まりずっと縦走してきたとのこと。

流石の若さ!元気な行動に感心。

ビールのあと、ウィスキーの残りもわけあい山談義、

 

そんな山の話をしながら夜は深けていく。

 

翌朝

 

昨日よりはどんよりした空。

それでも天候に問題はありません。

今日も午後は暑くなるだろうということで、早めに行動するのが吉。

夜明けとともに行動開始。

 

犬ヶ岳からは一気に下っていく。

看板が読みにくいですが途中のピーク、黄蓮山です。

 

 

これを超えると、周囲の灌木がブナの森に変わります。

 

 

黄蓮の水場の分岐、今回はパス。



朝日が差し込む森の中の道を進む。



菊石山到着

この付近でアンモナイトが発掘されたことに由来


さらに下って鞍部を超えると下駒ケ岳の荒々しい斜面が見えてきます。



岩場の右手の道を、木の根に捕まるように登っていくと山頂。



さらに登り降りを繰り返し、本日の山場とみていた白鳥山の登りへ。

(山場といえば全部山場ですが 

思ったほどのこともなく山頂に到着。

 

 

昨日黒岩山で追いついたご夫婦が先着していました。

昨晩はテントで黄連の水場の近くに泊まっていたとのこと。

失礼ながら見かけはかなりお年を召しておられるようでしたが、

なかなかの健脚、バイタリティー。

お話を聞くと、お仕事を引退してから山梨に移り住み

山三昧の生活をされているとのこと。

何ともうらやましいお話ではないでしょうか。

白鳥小屋の屋上展望台に登るお二人。

 

小屋の上からは周囲が良く見えましたが、この時は快晴でも靄がかかったように遠目が聞かず。

それでも遠くに昨日登った朝日岳、その手前に昨晩泊まった犬ヶ岳が見えています。

 

 

ここからしばらくは緩やかな縦走路をしばらく歩く。

 

 

標高1150mを切ったあたりで次第に下りは急になり、

ぐいっと下がって尾根上にピークと谷間が混ざったような複雑な地形が現れる。

その谷間に沸いているのがシキ割の水場。

 

暑さの中を歩いてきた身には本当にホッとするオアシスです。

休んでいると間もなく先ほどのご夫婦も降りてきました。

こんなところで冷たい水を飲んだ時の表情は皆さんおんなじですね。

 

 

ここから坂田峠まで一気の下り。

途中梯子や、鉄の階段も現れる険しい道です。

 

 

歩いている途中で先方に現れた人に声をかけられた。

何かと思えばTV局のインタビューだという。

TB〇の報〇特〇だそうです。

栂海新道のことでいくつか聞かれ、

特に差しさわりのないことだったので答えてあげた。

 

舗装された林道が横切る坂田峠に到着。

10時をちょっと回ったくらい。

休憩時間込みでほぼコースタイム通り。

下りが多い割には時間がかかったかな。

 

 

 

ここでコーヒーとチョコバー他で休憩。

合わせてとっておきのアミノバイタルパーフェクトエネルギーを補給。

親不知までの最後の行程に備える。

ここから海までは小さなピークをいくつか超えねばならない。

 

だんだん気温も上がって負担が大きくなってきた気がする。

キノコなんぞ見ながら頑張りましょう。

 

 

尻高山は展望のないピーク。

 

ここから西に折れて二本松峠へと下る。

この辺りはすでに北アルプスではなく奥多摩を歩いているような雰囲気。

それでも森の中はそこそこ涼感があるが、

日が差すと途端に体感気温が10度はアップする。

 

 

再び林道を横切る。

アスファルトの道を横切る5mが地獄のように暑い。

 

 

さらに下って二本松峠。

 

 

ここはかつて日本海と、上路の集落を結ぶ道が通っていたという。

今は峠道は廃道となり、栂海新道が横切っていると近くの案内板に書いてあった。

・・・

「それなら、その峠道を復活させれば、ここから登りなしで日本海にまっすぐ降れたのでは?」

・・・

といっても始まらず、栂海新道はご丁寧に次のピーク目指して登っていくのでありました。

ここを開いた小野健さんの強い意志と執念を感じさせるルート取りです。

 

二本松峠を越えてもう一度登り返したところが入道山。

山の名前の付いたピークはようやくこれが最後です。

 

 

しかしこの後さらに小さなピークを二つばかり超えて、

こんどこそ親不知に向かって降りていきます。

北アルプスの北のはずれ、日本海に向かって急角度で降りていく。

すでに国道を走る車の音が聞こえています。

逸る気持ちを抑えて着実に歩くよう心掛ける。

林道を横切るとゴールは近いぞ。

 

そしてついに出た!

国道沿いの登山口です。

 

向こう側に親不知観光ホテルが見えました。

 

ここで先着していたKMさんと再会。

私の一時間前について、すでにお風呂に入ったとのこと。

流石さすが!

一緒に記念写真を撮って健闘を称えた後、KM君はホテルの送迎で親不知へ、

私もここで温泉につかりますが、その前に海に行かねば。

このホテルはまだ標高70~80mの断崖の上なんです。

急な階段を下っていくと、

 

青い海が見えた!

 

 

逸る気持ちを抑え浜へ

 

やった~ 標高ゼロメートル

 

白馬から歩いてきて、高山植物あふれる稜線から、海まで長かった。

穏やかに打ち寄せる波の音を聞きながらしばし、ボ~とする。

 

 

再び急な階段を登ってホテルへ。

ここの温泉は栂海新道の登山者には15時のタイムリミットで

(入れる時間ではなくお風呂を出る時間ですので注意)

お風呂を提供してくれます。

親不知まで車で送迎してくれて¥1500なので

タクシー代を考えればまずまずリーズナブルかと。

何より数日分の汗を流さねば都会には帰れない。

私が付いたのがKM君に続いて二番目だったようで

お風呂は独占状態。

海の眺めがすばらしかったので、お風呂の様子も撮ってみました。

 

 

湯上りには言うまでもなく・・・

 

さっぱりして外に出ると、白鳥山で一緒だったご夫婦が降りてきた。

お疲れ様~

 

親不知まで送ってもらい、あとは電車を乗り継いで東京へ。

白馬から先は初めてのコース、雪倉岳、朝日岳、黒岩山に至るまでの

お花畑の素晴らしさは北アルプスの中でも白眉と言えるでしょう。

そのあと念願の栂海新道を歩きとおして、じんわりと満足感がわいてくる。

 

犬ヶ岳から親不知に至る道は、夏場はやはり暑くてつらい行程です。

必ずしも誰にでもお勧めとは申しませんが、

自分としては十分に満足のいく山行でした。

それにしてもこの長い縦走路、今思い返すだけでも道を開くことの苦労がしのばれます。

ここを開いたさわがに山岳会の方々に感謝!

そしてそれに限らず北アルプスをはじめとする、いろいろなルートで山登りが楽しめるのも

先人のパイオニア精神と粘り強い努力なくしてはありえないのだと実感しました。

 

おしまい

 

 

 

 

 

 

 

 


白馬岳、朝日岳、栂海新道 2013年8月 その4

2013-08-18 15:33:01 | 北アルプス

2013年8月12日

朝日小屋にて朝を迎える。

穏やかに晴れ渡った空。

いよいよ栂海新道に入るこの日に、この旅で一番の好天を得たのは幸い。

小屋の中も、テント場も皆さん活気にあふれています。

 

 

 

昨晩に小屋のおかみさんに

「栂海新道に向かう人はどのくらいいますか」と聞いてみたら

宿帳に記入された行先を見て数えてくださった。

「今、朝日小屋に泊まっている人だけで37人はいるわね~。

栂海山荘は小さい小屋だからマナーよく泊まるように朝ご飯の時にアナウンスしておきますね。」

と有難いお言葉。

それでもおかみさんの知る限り、過去一番多かったときは70人が詰め込まれたそうです。

この日は小さな団体さんも栂海山荘を目指すコースをとるようで、

ほとんど人がいないのではないかという当ては外れてしまった。

でもよく考えてみれば、親不知まで登るか降るかしかないコース、

(中俣新道というルートもあるけれど)

この長大な縦走路の中にせいぜい37人×2倍程度であれば十分静かな山旅ではないか。

朝の白馬岳山頂付近には1000人ぐらいは集まっていたであろうから。

 

何はともあれ、まずは朝日岳を目指す。

まだ涼しい朝の空気、快調に高度を上げていく。

灌木の中を過ぎるとここにもお花畑があちこちにあり、

後方の景色も開けていて素晴らしい。

剱岳も今日は晴れ渡っているね~

 

朝日平を見下ろす

 

相変わらずお花はきれい

 

 

 

 

 

剱岳から毛勝山のほうまで

 

 

傾斜が緩むと木道となって開放的な朝日岳の山頂はもうすぐ。

 

 

到着~

 

 

山頂でこんなに展望が開けたのもこの山行始めて。

何とも気持ちの良い朝だ。

 

 

 

北にはこれから向かう栂海新道につながる緩やかな稜線が広がっている。

 

東には先週登った妙高山、火打山、あの時はガスの中だったけれど、

今日登っている人は展望を堪能していることでしょうね。

 

 

山頂でのんびりしていると、次々に小屋から人が登ってくる。

爽やかな朝と景色を共有して、みんな笑顔です。

昨日白馬からの縦走でたびたびであった、滋賀からのお二人組も登ってきました。

今日は蓮華温泉に向かうとのこと、お互いの健闘を誓って出発です。

 

 

朝日岳は全体に丸くがっしりした山容ですが、

特に北側はおおらかな斜面が広がり多くの雪田やお花畑をかかえています。

この夏は天気に恵まれない山行ばかりでしたが、

今日は「こんな山歩きがしたかったんだよ~」と思いながら

気分よく足を運んでいく。

 

 

 

 

 

千代の吹上げコル

ここで蓮華温泉への下山路を分けて・・・

 

いよいよ栂海新道へ

 

 

山の中の宝石のような池を見下ろし、出発!

 

しばらく森の中を進んだ後、またまたきれいな湿原へ。

 

 

文字を透かし彫りした金属製の丈夫な看板。

栂海新道を通してさわがに山岳会の方が建てた案内板があちこちに立っていました。

 

池の周りの斜面にはコバイケイソウ、ニッコウキスゲ、ウサギギク、タカネニガナやシロバナニガナが咲いている。

 

 

 

 

池の先で再び窪地を超えると長栂山の小さなピークが見えてきた。

 

 

 

ここからは黒岩山に向かってぐっと高度を下げてゆきます。

そのあとは右手の雲を抱えた稜線を犬ヶ岳に向かう。

 

 

まだまだお花畑は続く

 

長栂山直下の湿原がアヤメ平。

 

その名の通り、ヒオウギアヤメが咲いていました。

 

 

長栂山を振り返る

 

花の多い山だけに昆虫の活動も盛ん

 

 

キンコウカもびっしりと咲いている。

 

 

目玉池と勝手に名づける。

 

 

 

再び長栂山方面。

うっすらと雲がかかったと思ったらまた晴れてきた。

この辺りでそろそろ暑さがじわじわ効いてくる。

 

 

黒岩平の湿原に降りてきた。

ちょうど道のすぐそばに雪田が残っているのをみて、狙っていた行動に入る。

プラティパス用の保温袋を持ってきていたのであったが、ビニール袋に雪田の雪を詰め

その中にもってきた缶ビールを埋め込んで保温袋に収める。

 

 

なにせ栂海山荘は無人小屋ですのでビールの販売はもちろんありません。

しかし本日のこの天気で小屋に着いても冷たいビールなしというのはあまりに寂しい。

朝日小屋で今日の分も仕入れておいたのでした。

缶ビール350mL二本に、雪の塊を合わせて1.5kgになったかな。

ビールにかける執念!であります。

 

黒岩平は雪解けの清らかな流れのある気持ちの良いところです。

 

 

 

黒岩平を超えて中俣新道への分岐。

 

 

そこからちょこっと登ったところが黒岩山

振り返れば朝日岳のスケールの大きな姿。

今日もだいぶ歩いてきました。

 

 

そしてこの先はこれまでとは違う印象の山々が続いています。

 

 

 

続く


白馬岳、朝日岳、栂海新道 2013年8月 その3

2013-08-17 21:44:08 | 北アルプス

2013年8月11日

白馬岳~朝日岳の縦走の途中から

雪倉岳の北側斜面をググッと下ると、赤男山との間の広々としたコル。

正面の赤男山は西側をトラバース、

さらに奥に見える朝日岳、本日は水平道と呼ばれる巻道を通って

朝日小屋へ向かう。

 

 

今までの開けた風景から一変し、森の中を縫ってしばらく進む。

再び目の前が開けたと思ったら、荒々しいガレ場を抱えた岩壁の下を通過。

 

再び森の中をしばらく進むと小さな沢が流れ込んでくる。

冷たい水で顔を洗い、手拭いを洗って体をふくとさっぱりした気分になる。

 

 

その沢の先は、こじんまりとした、しかしとても雰囲気の良い湿原になっていました。

 

 

 

 

水の流れに沿ってリュウキンカが咲き、その先にはミズバショウやハクサンコザクラも咲いている。

 

 

 

 

 

風景に身も心もさっぱりして先に進む。

森の中の道と、湿原を繰り返し小桜ヶ原にでた。

ここもまた雰囲気の良い湿原。

 

 

 

やがて朝日岳への登路と水平道の分岐に出ます。

小腹がすいたので簡単な昼食タイム。

コーヒーを入れて、チョコバーとドライフルーツなどをほおばる。

 

キヌガサソウが端正なシンメトリーを見せてくれています。

 

こちらはまだ蕾

 

ここからネット上の山レポで悪名高き?水平道の始まり。

 

 

朝日岳から延びる枝尾根を横切りながら朝日平に向かう道、

枝尾根の谷間は木道と雪渓、湿原。

 

相変わらずお花も豊富で決して悪い雰囲気ではありません。

 

 

尾根を横切るところは必然的に登り降りとなります。

 

 

「水平道」という名前を意識すると面倒な道ですが、

縦走路のピークを超えると思えばこんなものと割り切れます。

何よりお花と緑と雪と、決して単調な上り下りだけの道ではありません。

 

 

 

 

そんな尾根と谷間をいくつか超えると、いよいよ朝日小屋が近づいてきました。

 

鎖のかかった岩場のトラバースを通過すると

右手の斜面から沢の水が流れ落ちてくる地点へ。

お昼を過ぎてだいぶ気温も上がり、体が汗にまみれている状況でこの水はうれしい。

冷たい水で示した手拭いで体を拭いて再びさっぱり。

雪倉岳の避難小屋で出会って以来、前後して歩いていた

滋賀県からいらしたお二人組がここで追いついてきました。

お二人とも同じくこの沢の水で清涼感を堪能。

 

その沢を超えて尾根を回り込むと朝日小屋の三角屋根が見えてきました。

 

最後は朝日岳からのルートを合わせて、

コバイケイソウ咲く草原の中の道を小屋に向かってラストスパート。

 

アルプスの少女ハイジのような世界。

 

そして南側には白馬岳、旭岳も姿を現していました。

 

背後には朝日岳

明日のルートを目で追う

 

 

朝日小屋に到着!

 

まだ小屋に到着している人も少なく、

部屋に案内されてとりあえず荷物を片付ける。

今晩はゆったり布団一つ分確保できるみたいです。

 

それが終われば後は小屋の周辺でのんびり午後を過ごすだけ。

何はともあれ(こればっかり 

 

小屋の前の風景、キャンプ場の雰囲気も上々。

ここはまたテントで泊まってみたいところ。

 

テン場横の湿原

雪解け水が流れる脇にチングルマの群生

 

 

 

 

ハクサンコザクラも

 

イワイチョウも

 

朝日平、とても居心地の良い空間です。

 

 

やがて夕暮れ時

 

 

私が到着してのちしばらく雲に隠れていた白馬岳も再び姿を現す。

 

朝日小屋の料理は定評ありますが、

ホタルイカや、煮物など滋味あふれる地元の料理。

おいしくいただきました。

 

 

日没後、小屋の外では三日月が輝き、夏の星座が登ってきていました。

 

 

 

 

続く

 


白馬岳、朝日岳、栂海新道 2013年8月 その2

2013-08-16 21:26:52 | 北アルプス

2013年8月11日

未明に外に出てみると、相変わらず真っ白。

今日も景色はダメかな、と思っていたが、

朝食を食べて外に出てみると霧が薄れていくのがわかる。

カメラと三脚だけをもって、白馬山荘の東側の稜線に出てみる。

 

それにしても風が強い。

軽い三脚は手でかばっていないと倒れそう。

なるべく低い姿勢でカメラを構えご来光を待つ。

山荘からはぞくぞくと人が出てきて、山荘前から山頂まで行列を作っている。

山にいるというよりはテーマパークのような状況。

やがて東側の明るさが増してきて、太陽が現れた。

 

歓声を上げる人、シャッターを幾度も切る人、静かに佇む人

それぞれに眺めを味わっている。

中には東側の岩壁のヘリで騒いでいる人もいるけれど

今日の風だとバランスを崩せば谷底に真っ逆さまだぞ!

 

 

南側に目を向ければ、杓子岳の上を流れる雲がなかなかの迫力

 

そして剱岳も見えてきた。

 

太陽が昇るのを見届けて一旦山荘に戻るが、建物のすぐ横で人だかり。

何かと思えば・・・

雷鳥でした。

 

荷物をまとめて出発です。

日の出の時はきれいに晴れていた空に、またガスがかかってきた。

 

白馬山頂をこえて三国境にむかう稜線。

視界は悪いけれど、空は明るく時折日が差している。

 

まだ坂の上の厚い雲ですが、天候は回復基調。

 

 

三国境に到着

ここから小蓮華山への道を分けて

私にとっては初めての朝日岳への縦走路に入る。

 

二重山稜のむこうに鉢ヶ岳、雪倉岳。

何とも雄大な景色

 

 

 

ざくざくと礫の積もる道を下っていくと、二重山稜の間はチングルマのお花畑。

 

さらにその先では、タカネマツムシソウがゆれる

 

 

 

この辺りは乾いた砂礫地の花が多い。

 

コマクサもわずかながら咲いていた。

 

白馬の稜線からは小さく見えた鉢ヶ岳も、近づくにつれて大きくどっしりとして見えてくる。

ここはピークを通らず、東側の斜面をトラバースして通過。

 

この斜面が、何とも素晴らしいお花畑の連続。

チングルマ、コバイケイソウ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、ハクサンコザクラ・・・

 

 

 

 

 

 

 

この斜面を見るだけでも、三国境から往復する価値があると思います。

 

鉢ヶ岳をすぎて雪倉岳との間のコルに進むと雪倉の避難小屋

 

ここから雪倉岳へと登りが始まる。

振り返れば、白馬岳山頂の雲も薄れてきているようです。

 

そして雪倉岳の斜面が、また素敵なお花畑。

 

 

ぐいぐいと高度を上げると、やがて傾斜が緩くなって山頂は近い。

 

山頂には立派な石の標識が据えられていました。

 

 

雪倉岳の北側はゆったりとした斜面が続いています。

 

 

大きな雪田が残っており、その下には豊富な水が流れている。

少し離れた森の中には池。

 

そんな景色を右手に見ながら下っていく。

 

 

そして斜面のあちこちに色とりどりの花が咲く。

こんなに気持ち良く歩く山道は久しぶりな気がする。

 

 

 

北に向かう登山道は途中から険しくなり

ツバメ平に向けて一気に高度を下げ、

前方の赤男山の西側をトラバースして朝日岳へと向かっている。

朝日岳の左手の小さなピークのあたりに本日の宿、朝日小屋が小さく見えた。

 

 

 

 

 

振り返れば、ゆったりと見えていた雪倉岳の表情は消えて、

岩場の険しい様相を見せている。

 

 

ここもシモツケソウやハクサンシャジン、ハクサンフウロなど多くの花でにぎわっている。

 

 

道端に咲いていたこちらは・・・?

 

赤男山も近くなってきた。

 

ここからは乾いた稜線の雰囲気から、森と湿原の風景に変わっていきます。

 

続く


白馬岳、朝日岳、栂海新道 2013年8月 その1

2013-08-15 20:10:41 | 北アルプス

この縦走から帰宅後、昨日は山道具の後片付け、メンテナンスで、自分も完全休養日。

撮った写真を整理してましたが、ずいぶんとシャッター数だけは多かったのでなかなか大変です。

 

白馬岳から朝日岳の縦走は、いつも天気が悪くて果たせずにおりました。

今年こそはと思っていたのですが、合わせて以前より気になっていた

栂海新道を通って親不知に出るコースをつないでみたい!ということで、

先日、この道を開いた小野健さんの本「栂海新道を開く」を読んでみました。

「新しい道を開く」、というのは技術屋の端くれである私にはとても心惹かれる言葉です。

小野氏がその情熱をもって、さわがに山岳会のメンバーをや周囲の人々を巻き込んで

切り開いた成果を自分も辿ってみたくなりました。

 

さて、私の山行自体はそんな勇ましいものではなく、

いつも通りのゆっくりと山登りペースで入ります。

9日の金曜日に休みが取れましたので

この日のあずさ号で信州入り、麓に入っておきます。

 

2013年8月9日、10日 ~白馬山荘

 

猿倉のバス停に降りて山荘前で山支度。

今日はのんびり白馬尻まで

 

 

今日の天気は上々。蓮華岳の稜線が眼前に気持ちよさげに広がっています。

ただ土日は太平洋高気圧が若干弱まり

北陸・信越地方はまた雲が多い天気になりそうなのが心配。

 

 

白馬岳までは余裕たっぷりの行程を組んだので、

道端に咲く花など愛でながらゆるりと歩いていきます。

 

 

 

 

やがて沢沿いの山道に入ります。前方に白馬岳が望めます。

 

 

白馬尻の小屋に到着。

今日はここまで・・・なんと大人な山旅であろうか!

 

 

そして大人の特権を行使 

 

 

小屋の前のテント場もぼちぼちとにぎわっています。

 

 

傍らには大雪渓の雪解け水が轟々と流れております。

 

 

金曜日の午後は、まだお盆休みの喧騒の前、

小屋の周辺で花など見ながらまったり過ごす。

 

 

小屋の夕食

 

山を見上げながら夕暮れ時を過ごす。

なんだか、フェーン現象的な生暖かい風が山から吹き降ろしてくる。

頂上付近に東から流れてくる黒い雲が気になりつつ眠りにつく。

 

 

朝起きて外に出てみると、案の定山は濃いガスに包まれていた。

何はともあれ、朝食を済ませて歩き始める。

 

 

先週大雪渓を登られたraymariさんのブログにも、雪渓のクレバスのことが出ていたけれど、

こうしてみるとなかなか不気味なもの。

 

 

軽アイゼンをつけて登り始めるが、クレバスを避けて沢のヘリに取りつくあたりが歩きにくい。

オオサクラソウがたくさん咲いていた。

 

 

白馬尻に泊まった我々が雪渓の先発隊で、まだ周囲に人は少ない。

淡々と雪渓を登っていくが、時折杓子岳の方向から、

ジャラジャラと落石の音が聞こえるのが気持ち悪い。

 

 

大雪渓を終えてアイゼンを外し振り返ると

さすがにお盆休みに入る土曜日、猿倉から蟻の行列のごとく

人がつながって登ってくる。

 

 

雪渓を割と早く登り終えたので、周囲の花に目を向けながら歩いていく。

降りてくる人と言葉を交わすと、皆さんそろって昨晩の稜線の暴風の話。

ある人はテントのポールが折れ曲がり、ある人はフライシートが破れ、

なんだか大変なことになっていたらしい。

 

それはともかく流石に白馬岳、こんなどんよりした天気でも、

周囲のお花畑を見ているだけで楽しい。

 

 

 

 

 

 

標高を上げるにつれて周囲のガスが濃くなってきた気がするけれど、

しっとりしたお花畑の様子もまた乙なもの。

ただ、風が強くなってきて、だんだんブレずに取るのが難しくなってきた。

 

 

 

 

頂上宿舎に到着。

 

そして今夜の宿、白馬山荘に間もなく到着。

 

しかし到着時間が10時ごろ、山荘の受付は11時から。

いくらなんでも行動時間短すぎでしょう 

しかし、天気もこんな状況だし、先に進む理由もないので周囲を散策。

とりあえず頂上に行ってきた。

 

 

戻って小屋の受付。

さすがに早く入ったので、相部屋の端っこに入れてもらえた。

今晩は小屋も混雑が予想されるので、少しでも寝やすい場所をとるのは重要事項。

寝る場所さえ確保すれば、あとはのんびり午後を過ごすだけ。

 

 

 

 

そういえばさっき通過した頂上宿舎前に、まだウルップ草が残っていたっけ、と見に行く

 

 

頂上宿舎前には自動販売機。白馬山荘よりビールは50円安いので購入。

 

 

 

 

 

再び白馬山荘周りをうろうろ

 

 

信州側は鋭く切れ落ちている崖、そんな斜面にも可憐な花は咲く。

 

 

ガスの中、山頂から降りてくる登山者。

 

 

 

 

 

 

あちこち登ったり降りたりを繰り返していると、なんだか空が明るくなってきた。

 

 

おっ!山頂が見えてきたぞ。

 

白馬山荘に戻って一服。

ここの自炊場は広くて空いていてなかなか居心地が良い。

窓の外を眺めながら、今度は冷酒で・・・

 

 

直下の小屋も雲の間から姿を現した。

 

もう一度外に出ると青空の部分が広がってよい感じになってきた。

 

見下ろせば今朝通ってきた大雪渓の谷間。

 

 

翌日の天候回復に期待しつつ眠りにつく。

 

続く

 

 


栂海新道

2013-08-13 20:12:51 | 北アルプス

 

妙高のレポもまだ書かぬうちに

お盆休みに出かけてきました。

 

2013年8月9日~13日

以前よりひそかに?狙っていたコースを歩いてきました。

ここから・・・

 

 

・・・ここまで

 

 

ちょっと「やらせ」くさい?

 

・・・ここまで

 

 

 

こんな感じで前半の天気はいまいちでしたが

 

今回はちゃんと良い風景も見ましたよ!

 

 

 

 

なんといっても花花々々・・・

 

 

開放的であちこちに湿原をまとった高山らしい趣も多々ありましたが、

 

 

途中からは、修行のような縦走路、

標高を下げつつ気温はうなぎのぼりという中で、

ひたすらピークを超える超える・・・

 

 

最終日の今日はあまりの暑さに熱中症寸前の一日でした。

今は唯々、達成感をじんわりと感じるのみ。

 

続く・・・はずです

 


徳本峠と上高地・焼岳 2013年7月 焼岳編

2013-07-21 17:27:03 | 北アルプス

2013年7月14日

三日目:

 

4時に起床、朝ご飯はカップヌードルであるが、

昨日キャンプ場の売店で購入しておいた生玉子一個を投入。

ほんのちょっぴり贅沢な気分。

 

テントの外に出ると、まだ薄暗い。空には雲がべったり。

雨具と飲み物、行動食、カメラをサブザックに入れて出発。

梓川沿いの道は早朝とあって人影もなく、

川の流れの音だけが続いている。

前方の焼岳はやはり雲をすっぽりかぶったままである。

 

・・・と同じ小梨平の方向から来た単独の男性一人、

抜きつ抜かれつで進んでいくと、西穂の登り口も過ぎてどうやら同じ目的地と推察。

声をかけようかと思っていたら、先方から先に

「焼岳ですよね~」と話しかけられた。

なかなかの健脚でいらっしゃるようで、すいすいと登山口のほうへ進むのを見送る。

 

 

林道を離れ、うっそうとした森の中をはじめは緩やかに、次第に傾斜がついていく山道を進む。

途中沢を横切るところで、さっきの単独さんが朝食中であった。

あいさつを交わして先に進む。

 

 

昨日の雨で、森の中はしっとりとしている。

予報通り、午前中は曇り空であるが雨にはなっていない。。

何とか山頂に着くまでは降らずにいてほしい。

 

 

道は次第に険しさを増す。

ところどころ梯子がかかる道をぐいぐい登っていくと

背後に岩壁を控えた灌木の道になる。

 

 

迫力のある岩の壁

ルートはあの先を巻いていくはずであるが・・・とよく見ると。

 

梯子が見えた。

 

この梯子の取り付きあたりは背後の展望が良いので一服。

上高地のU字谷が良く見える。

今日は霞沢岳もぎりぎり雲の底のあたり。

 

大正池も小さく見えている。

 

羊羹をかじっていると後ろから鈴の音、誰かが登ってきた。

先ほどの単独さん(以下、Aさんと呼ぶ)とは違う方(以下、Bさんと呼ぶ)でした。

ほどなくAさんも追いついてきた。

足の速そうなお二人に先に登っていただく。

写真はBさん

 

 この梯子の上の鎖場を二つほど通過すると

笹原の広がる中尾峠の鞍部が見えてきた。

開放的な気持ちの良い斜面、青空の元ならもっと気分が良いだろうに・・・

 

 

ここをひと登りすると焼岳小屋の前へ

こちらも徳本峠と同様、今どきの北アルプスの多くの山小屋と違って

小さく素朴な感じの小屋である。

 

 

 

早めに登ってきたためか、まだ小屋の前ものんびりした雰囲気。

ここでAさんBさんと合流。

この先は森林限界の上、

風があるしまだ雨は降っていないけれどいつ降ってきてもおかしくない様子なので雨具を着用。

Bさんなにやら足元を気にされているようだが、

どうやらビブラムソールがはがれてしまったらしい。

「しばらく靴を仕舞い込んだままだったんでね~」

ウレタンが加水分解してしまったようです。

それでもソールをザックの脇にくくりつけると

元気よく登って行かれました。

 

 

ここから小さなピークを越えていく

 

足元にウスユキソウ

 

 

こちらは後方、樹林の先は西穂高につながる稜線です。

 

 

展望台の小さなピークの向こうは、オトギリソウの群落がきれい。

 

近くの岩からはすでに暖かい蒸気が噴き出している。

 

ここから山頂までは真っ白なガスに囲まれて20~30m先は見えない世界。

 

 

溶岩ドームのごつごつした急斜面を標高差400mあまり、

ひたすら足を前に運ぶ。

 

やがて中の湯への分岐を分けると山頂はすぐそこ。

 

いよいよ硫化水素のにおいが濃く、

道端には噴出した硫黄が黄色く付着している。

 

山頂に到着、健脚のAさんBさんは先着してザックを下ろしていました。

お互いに写真を取り合ったりしてしばし休憩。

 

 

残念ながら展望は全くありません。

怪異な岩のシルエットが見えるだけ

 

 

チョコバーを口にしている間に体が風で冷えたので、

早々に下ることにします。

 

 

下っていくと、とうとう雨がぱらついてきました。

この後続々と登ってくる人とすれ違います。

悪天とはいえ、さすがに三連休の百名山です。

 

斜面の途中、サーっと雲が晴れてきました。

焼岳の荒々しい斜面が初めて見渡せます。

 

 

 

はるか下方に上高地の谷も見えてきました。

ちらっとでもこの風景を見ることができて良かった。

 

 

再び焼岳小屋の前に出ましたが、先ほどののんびりした感じとは打って変わって

あとから来た人が雨宿りをしていて小屋の前はぎっしり。

先を歩いていたBさん、とうとうもう片方のソールもはがれてしまいました。

これからの濡れた岩場と、ぬかるんだ斜面が心配です。

再び笹原の斜面を下っていく。

 

 

先ほどの梯子を超えて岩壁の横へ。

まだまだ登ってくる人がいて、梯子は渋滞していました。

 

Aさん、Bさんとしばらく一緒に進んでいましたが、

Bさんはソールがないとは思えないほど身軽に下ってゆきます。

 

Aさんはゆっくり行きますということで途中でお別れし、

Bさんと登山口まで一緒に下りました。

 

 

登山口戻ったのが10時半、このころは雨もやんでいました。

Bさんは沢渡に車を置いてきたということで、ここでお別れ。

私ものんびり小梨平に戻ります。

ここまでは人がいるといっても知れていましたが

さすがに田代の橋を超えると、一大観光地らしい大賑わい。

なんだか異次元に迷い込んだような・・・

 

小梨平に戻るとテントもほとんど乾いていました。

テントを撤収していると、Aさんも戻ってきました。

キャンプ場の風呂に入って食堂でお昼ごはん。

Aさんは山賊焼定食、私はカツカレー

もちろんその前に生ビールで乾杯。

カツカレーが出てくるのにちょっと時間がかかったけれど、、

とんかつが揚げたてのサクサクで、なかなか美味かった。

ここでAさんともお別れ、

ザックを背負ってバスターミナルに向かう。

河童橋のあたりからは、焼岳が見えていた。

 

 

今年は梅雨明けが早かったので、三連休には期待していたけれど、

残念な天候になってしまった。

それでも徳本峠の落ち着いた雰囲気、上高地の清流、初めて登った焼岳、

まずまず良い山旅ができたように思います。

 

おしまい

 

 

 

 

 


徳本峠と上高地・焼岳 2013年7月 上高地散策編

2013-07-20 14:22:36 | 北アルプス

2013年7月13日

二日目:

 

霞沢岳往復ということで前日は早めに寝たけれど、

強風にテントがしなる音で時折目が覚める。

未明には雨も降りだした。

せっかくの霞沢岳、こんな中を歩いても楽しくないなあと思うと

急激に気持ちがしぼんでしまい、

山頂往復はまたの機会とすることにした。

 

今日は一日上高地を散策するか、

ということでテントをたたみ昨日の道を引き返す。

 

峠の道はよく整備されているけれど

一か所沢を渡るところは、土が削られて歩きにくい。

橋が折れ曲がっているのもちょっと気持ち悪い。

 

 

サクサクとおりて今度は小梨平にベースを構えた。

 

 

時折強い風に気がゆれているけれど、峠よりは穏やかです。

 

昨日よりも雲は低く、明神岳も頭を隠している。

 

サブザックを背負って出発。

梓川の左岸をとおり明神橋から嘉門次小屋、明神池へ→右岸を通って河童橋を渡り田代橋、田代池へ→

再び右岸を河童橋まで戻るコースです。

 

ゆっくりと上高地の森を味わいながら歩いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明神館の前まで来ました。

さすがに今日は登山者も観光客も多い。

皆さん雨の中を槍へ穂高へと進んでいきます。

ここから奥宮参道へ。

 

 

明神橋

ここで再び雨脚が速くなる。

 

 

ということで嘉門次小屋で一服することに

 

 

まあ、今日は急ぐ旅ではなし、のんびり過ごすつもりです。

 

 

同席した4人組のご婦人方は、富山からいらしたとのこと。

乗鞍に行くつもりが、やはり天気が悪く上高地に方向転換したそうです。

しばし歓談ののちに腰を上げる。 

 

小屋の前の川に網をはって生簀にし、

ここでとったイワナを小屋の囲炉裏で焼いています。

 

ウェストンをはじめ、北アルプスの開拓者たちを先導した名案内人

嘉門次のレリーフ

 

さて、小屋を出て奥宮へ

明神池に入るには参拝料¥300です。

 

 

浅い池を除くと、尺サイズのイワナが悠々と泳いでいました。

ここにいる限りは釣られることもないでしょうから、のんびりしたもんです。

 

 

二ノ池へ

 

 

明神池を離れて今度は梓川の下流方向へ。

 

 

 

途中サルの群れが道端で毛づくろいなどしていた。

 

 

それにしても水の流れの爽やかなことよ。

 

 

 

湿原に出ました。

ここから見上げる六百山、堂々とそびえています。

奥の霞沢岳はやっぱり雲の中のようです。

 

 

 

河童橋から田代橋への道端にはモミジカラマツが群生していました。

 

 

田代橋から森の中の木道を辿り田代池の湿原へ

この辺りは観光客も多く、木道のすれ違いが大変。

湿原ではワタスゲがゆれていました。

 

 

 

再び田代橋を渡りウェストンの碑へ

 

 

ここに来るのも1987年の穂高-槍縦走以来です。

ずいぶんご無沙汰しておりました。

 

 

 

再び喧噪の河童橋を超えて小梨平に帰ってきました。

 

 

ここのキャンプ場の食堂で

 

 

ここのキャンプ場の管理センターには

食堂、売店、お風呂など完備しています。

売店には、飲み物や加工食品はもちろん、肉、野菜、卵、納豆!まで売っている。

生活用品もいろいろそろっていて、お金さえあればしばらく滞在しても困らないかんじ。

 

雨もやんだようで梓川のほとりに出てみる。

岳沢の向こうの穂高の峰はずっと雲の中。

 

ガッツリ山に登るのもいいけれど、こうして一日のんびりするのもまた良し。

(歳ですかね・・・

 

明日の予報は午前中は曇り。

小梨平から焼岳往復の予定。明日こそ頂上に立つぞ!

 

つづく

 


徳本峠と上高地・焼岳 2013年7月 徳本峠編

2013-07-20 14:14:40 | 北アルプス

2013年7月12日

今回は霞沢岳に、焼岳、

どちらも北アルプス南部の山の中では登り残していて、機会をうかがっていた山です。

カミさんとの連休の自動車争奪戦に敗れたため、今回は電車です。

「どうせ下山してからビールが飲みたくなるんだからちょうどいいじゃない」という言葉に

反論できない・・・

当初は島々谷からの徳本峠越えを考えていたんですが、

今回は安直な上高地からのアプローチに切り替えました。

 

ということで12日の朝のスーパーあずさに乗って、松本からバスに乗り換え上高地へ。

お約束の河童橋と穂高

 

まだ連休前日ということでそれほどでもありませんでしたが、

明日からは混雑するんだろうな~。

 

それにしても西穂はかろうじて見えていますが奥穂の向こうは雲の中。

梅雨明け後にあれだけ天気が良かったのに、三連休にかけて下り坂とは・・・

 

それでも青空の六百山を見上げ、明神への道を進む。

 

川の流れが気持ち良い。

そういえば夏の上高地は何年振りだろう。

ブログを始めてから、2月と5月の連休は来ているんだけれど

盛夏の上高地は本当に久しぶりだと気が付いた。

 

 

てくてく歩いて間もなく明神へ

 

 

 

上流には長壁山から蝶ヶ岳への尾根がのびている。

 

 

後方は西穂高

 

 

上空の雲の流れは速い。夕立が来るかもしれない。

その前に峠に着くといいな。

 

 

この季節、上高地の花は少ないけれど、モミジカラマツはあちこちに

線香花火のような花を咲かせていた。

 

 

峠道の分岐です。

 

ここからしばらくは、車も通れる(もちろん一般車は入ってこれませんが)幅広い道が続く。

 

 

 

センジュガンピ

 

標高1600mぐらい、ここいらのサンカヨウは実になっていました。

 

 

 

木の橋を渡ると細い山道になります。

 

それでもよく整備された道は歩きやすい。

少しずつ斜度を上げながら峠に近づいていく。

 

 

 

 

谷間深くに入り最後の水場。

峠のそばには水は無いようなので、ここで水を3L補給。

 

 

だいぶ高度を上げてきました。

 

 

主稜線の縦走路と合流。

峠はもう間近です。

 

・・・到着。

峠の小屋はこじんまりとしたたたずまい。

 

 

さっそく小屋の前にテントを設営。

 

 

小屋の前でまったりと食事。

今回、カップヌードルライスを導入。箱はかさばるので、ビニール袋に入れ替えてきたけど、

コッヘルでも簡単に作れるし、なかなかイケる。

 

 

しばし風景を眺めながらウィスキーなどちびちびやっていると

小屋から出てきたおばさんに、コンサートがあるから

ぜひ来てくださいと声をかけられた。

 

ランプのともる小屋、新しい木の感触もさっぱりとしていい感じです。

 

 

やがて宿泊客が集まってビオラダガンバの演奏が始まった。

曲目はいろいろあって、どれも山小屋の雰囲気になじんで良い気分になれたけれど

自分の好きなバッハの無伴奏チェロ1番のプレリュードが流れた時はちょっとジーンときた。

山の中で触れる古楽器の音色に、宿泊客一同じっくり聞き入る

望外の良いひと時でした。

 

 

夕日を拝みに外に出てみたけれど、やっぱり雲が多い。

どうやら明日は雨になりそうだ・・・

 

 

続く