ゆっくりと山登り

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白馬岳、朝日岳、栂海新道 2013年8月 その4

2013-08-18 15:33:01 | 北アルプス

2013年8月12日

朝日小屋にて朝を迎える。

穏やかに晴れ渡った空。

いよいよ栂海新道に入るこの日に、この旅で一番の好天を得たのは幸い。

小屋の中も、テント場も皆さん活気にあふれています。

 

 

 

昨晩に小屋のおかみさんに

「栂海新道に向かう人はどのくらいいますか」と聞いてみたら

宿帳に記入された行先を見て数えてくださった。

「今、朝日小屋に泊まっている人だけで37人はいるわね~。

栂海山荘は小さい小屋だからマナーよく泊まるように朝ご飯の時にアナウンスしておきますね。」

と有難いお言葉。

それでもおかみさんの知る限り、過去一番多かったときは70人が詰め込まれたそうです。

この日は小さな団体さんも栂海山荘を目指すコースをとるようで、

ほとんど人がいないのではないかという当ては外れてしまった。

でもよく考えてみれば、親不知まで登るか降るかしかないコース、

(中俣新道というルートもあるけれど)

この長大な縦走路の中にせいぜい37人×2倍程度であれば十分静かな山旅ではないか。

朝の白馬岳山頂付近には1000人ぐらいは集まっていたであろうから。

 

何はともあれ、まずは朝日岳を目指す。

まだ涼しい朝の空気、快調に高度を上げていく。

灌木の中を過ぎるとここにもお花畑があちこちにあり、

後方の景色も開けていて素晴らしい。

剱岳も今日は晴れ渡っているね~

 

朝日平を見下ろす

 

相変わらずお花はきれい

 

 

 

 

 

剱岳から毛勝山のほうまで

 

 

傾斜が緩むと木道となって開放的な朝日岳の山頂はもうすぐ。

 

 

到着~

 

 

山頂でこんなに展望が開けたのもこの山行始めて。

何とも気持ちの良い朝だ。

 

 

 

北にはこれから向かう栂海新道につながる緩やかな稜線が広がっている。

 

東には先週登った妙高山、火打山、あの時はガスの中だったけれど、

今日登っている人は展望を堪能していることでしょうね。

 

 

山頂でのんびりしていると、次々に小屋から人が登ってくる。

爽やかな朝と景色を共有して、みんな笑顔です。

昨日白馬からの縦走でたびたびであった、滋賀からのお二人組も登ってきました。

今日は蓮華温泉に向かうとのこと、お互いの健闘を誓って出発です。

 

 

朝日岳は全体に丸くがっしりした山容ですが、

特に北側はおおらかな斜面が広がり多くの雪田やお花畑をかかえています。

この夏は天気に恵まれない山行ばかりでしたが、

今日は「こんな山歩きがしたかったんだよ~」と思いながら

気分よく足を運んでいく。

 

 

 

 

 

千代の吹上げコル

ここで蓮華温泉への下山路を分けて・・・

 

いよいよ栂海新道へ

 

 

山の中の宝石のような池を見下ろし、出発!

 

しばらく森の中を進んだ後、またまたきれいな湿原へ。

 

 

文字を透かし彫りした金属製の丈夫な看板。

栂海新道を通してさわがに山岳会の方が建てた案内板があちこちに立っていました。

 

池の周りの斜面にはコバイケイソウ、ニッコウキスゲ、ウサギギク、タカネニガナやシロバナニガナが咲いている。

 

 

 

 

池の先で再び窪地を超えると長栂山の小さなピークが見えてきた。

 

 

 

ここからは黒岩山に向かってぐっと高度を下げてゆきます。

そのあとは右手の雲を抱えた稜線を犬ヶ岳に向かう。

 

 

まだまだお花畑は続く

 

長栂山直下の湿原がアヤメ平。

 

その名の通り、ヒオウギアヤメが咲いていました。

 

 

長栂山を振り返る

 

花の多い山だけに昆虫の活動も盛ん

 

 

キンコウカもびっしりと咲いている。

 

 

目玉池と勝手に名づける。

 

 

 

再び長栂山方面。

うっすらと雲がかかったと思ったらまた晴れてきた。

この辺りでそろそろ暑さがじわじわ効いてくる。

 

 

黒岩平の湿原に降りてきた。

ちょうど道のすぐそばに雪田が残っているのをみて、狙っていた行動に入る。

プラティパス用の保温袋を持ってきていたのであったが、ビニール袋に雪田の雪を詰め

その中にもってきた缶ビールを埋め込んで保温袋に収める。

 

 

なにせ栂海山荘は無人小屋ですのでビールの販売はもちろんありません。

しかし本日のこの天気で小屋に着いても冷たいビールなしというのはあまりに寂しい。

朝日小屋で今日の分も仕入れておいたのでした。

缶ビール350mL二本に、雪の塊を合わせて1.5kgになったかな。

ビールにかける執念!であります。

 

黒岩平は雪解けの清らかな流れのある気持ちの良いところです。

 

 

 

黒岩平を超えて中俣新道への分岐。

 

 

そこからちょこっと登ったところが黒岩山

振り返れば朝日岳のスケールの大きな姿。

今日もだいぶ歩いてきました。

 

 

そしてこの先はこれまでとは違う印象の山々が続いています。

 

 

 

続く



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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ケン太)
2013-08-18 20:46:15
栂池新道は行った事あるのですが
このコースは高山植物が豊富ですね。
別天地みたい。あー行きたいです。
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Unknown (ブルーロイ)
2013-08-18 23:21:39
ここまで一気に読ませていただきましたが、
やっぱり晴れた時のこのルートは素晴らしいですね~
一度歩いた時は花のことをあまり知らなかったのでまた歩いてみたいものです
栂海新道まではさすがに手は出ないかもですが

毎回ビールが出るな~なんて思っていたらそのビールにかける執念はすごいなと思いました(笑)
ビールでなくても冷たいものが欲しくなりますよね
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素晴らしい写真です (えん)
2013-08-18 23:27:07
相変わらず行動範囲が広いですね。高山植物の花と遠景の山岳が絶妙です。
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Unknown (でん)
2013-08-19 10:04:04
ミズバショウにヒオウギアヤメもなんですね(@_@)
展望も良く最高ですね。
しかし栂海新道も大人気なんですね~
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Unknown (mari)
2013-08-19 10:35:53
trekkerさん おはようございます♪

ここまで一気に読ませていただきました。
今回はテントじゃなく小屋泊りだったんですね?
なんか意外な感じがしました。
それに前半はゆったりコースでお花満喫ですね♪

朝日から帰ってきたばかりですが懐かしく拝見しました(^^)
雪倉から朝日岳のお花はすごかったですね~。
今まで見た中で一番のお花畑でした。

でも暑くて暑くてしんどかったー(>_<)

雪渓の雪でビールを冷やす作戦。
私も考えたことありますよ(笑)
まだやったことないですけど(笑)
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ケン太さんこんにちは (trekker-k)
2013-08-20 07:17:11
朝日岳周辺の風景の素晴らしさ、はじめて味わいました。イブリ尾根や五輪尾根などコースを変えてまた行ってみたいものです。
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ブルーロイさんこんにちは (trekker-k)
2013-08-20 07:20:20
本当にお花が豊富な地域ですね。私も定番のお花しかわかりませんでしたが、いろいろな種類の花を見ながらじっくり歩いてみたいものです。ブルーロイさんの足なら栂海新道もなんてことはないですが、かなり後半は地味です。
私の場合、ビールは山の楽しみの大きな部分を占めていますので・・・
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えんさんこんにちは (trekkker-k)
2013-08-20 07:21:58
ありがとうございます。夏はどうしても残雪とお花畑の山に行きたくなります。今回は長い休みが取れましたので栂海に挑戦してみました。
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でんさんこんにちは (trekker-k)
2013-08-20 07:24:50
さすがに豪雪地帯の高山、雪解けに従って多様な花が一斉に花開きますね。もう少し時期が早ければさらにお花が多かったかもしれません。
栂海新道なんて歩く人はもっと少ないのだろうと思ってましたが、思いのほか人気コースで私もびっくりしました。
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mariさんこんにちは (trekker-k)
2013-08-20 07:28:24
今回は後半に長いコースだったので、足腰の不安もあって小屋泊まりにしました。白馬岳周辺はただ花を見ながらのんびり過ごしていても十分楽しめますので、たまにはこんなのも良いかと。
mariさんが直後にここを歩いていたので驚きました。そちらのレポでは鉢ヶ岳もピーカンでしたね。お花畑が輝いていたことでしょう。本当にあそこのお花は最高と思います。
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