ゆっくりと山登り

登山、写真、その他日々のことなど

八ヶ岳縦走 2011年9月 その6

2011-09-28 22:34:03 | 八ヶ岳

2011年9月18日  双子池→双子山→蓼科山→プール平


双子池にて朝を迎えました。





雨はやんでいました。
まだ周囲の山は雲がかかっているものの、
朝焼けの後に青空ものぞかせ、昨日よりは天気は良いほうに移っていると感じられます。






お湯を沸かし、まずコーヒー、そしてトマトスープパスタとビスケットで
八ヶ岳山中最後の朝食を済ませます。淡々と濡れたテントをたたみ出発の支度を進める。
双子池ヒュッテ前に戻ると、小屋に泊まった人たちが歯磨きをしたり、
軒下につるした雨具、スパッツを取り込んだりと準備中。


ヒュッテの横から双子山の登りにかかります。登山道脇に密生する笹の葉は夕べの雨でびしょびしょ。
雨具のズボンだけはいて登り始めました。





日がさしたり曇ったり、不安定でこの後本当に天気が良くなるのかどうか確信が持てません。
双子山山頂は夏ならばお花畑広がる気持ちの良い草原、
展望も広がっていて私も大好きな場所ですが、
今日はすっかりガスに囲まれ、風も強くごらんの状況。
天気については、ちと見込み違いだったか・・・


















いよいよ深くなる笹をかき分け大河原峠に降りる。


駐車場にはたくさんの車、
昨日から双子池や蓼科に入った人たちも多いのでしょう。
ここから軽装で蓼科日帰りの人も多いようです。





相変わらずガスがかかってますが、
なんとなく明るい雰囲気に。
やっぱり蓼科まで登りましょう。








前回蓼科に登った時は、プール平からの往復でした。
裏側からの方が標高差も小さく登りは楽なはず。







森の中をひと頑張りするころ、
強い日差しがさしこんできました。







おおっ!先行き期待できる展開。
ここでザックカバーを外し、一眼レフを取り出してコンデジと交代。



高度を上げるにつれ青空が広がってきました。











そして森の中を進んでいくと・・・
真っ青な空の下に蓼科が姿を現す。

気分が高揚してきます!












蓼科山荘前に到着
小屋の前にたたずむ人たちもそろって笑顔が浮かんでいます。











ベンチで一休み、水分と糖分を補給していよいよ蓼科へ
山頂に向かって真っすぐ、ぐいぐいと登っていく道。
山荘の先では登山者も増えてきました。
荷物は重いけれど、心は軽い。
汗をかきながら一歩一歩高度を上げていきます。


森を抜けて岩がゴロゴロする斜面をもうひと頑張り。
背後には浅間山も見えています。


そして山頂ヒュッテが見えてきました。






あとは岩の上を飛ぶように、山頂へ。












前回登った時は曇り空でしたが、
今日は望外の晴天
5日間の山行を締めくくるにふさわしいフィナーレ





まずは縦走路を振り返る。
スタートとなった西岳が右端に、
そこから編み笠、権現、赤岳、横岳、硫黄岳・・・
たどってきた道のり、風景を思い出しながら眺めるのもまた楽し。







そして北横岳から王岳に至る北八の山々
あんなにきつく感じた道もここからは小さく見えます。






岩石が積みあがる広い山頂、
昨日の雨に洗い流されて澄み切った空気、
展望の素晴らしさは何とも言えません。


もう見慣れた北アルプスも
いっそうくっきりと見えます。





五竜から、鹿島槍、爺ヶ岳、剱、立山・・・





鹿島槍から白馬に至る後立山







槍・穂高
今日は山肌の細かいニュアンスまで写りこんでいます。






浅間山から奥は菅平方面でしょうか







北横岳の向こうに奥秩父







この山行の無事のお礼に山頂の神社にお参り






連休の中日とあって次々と人が登ってきます。






名残はつきねど、山頂を後にします。
眼下に広がる蓼科の裾野に、ゴールとなる蓼科温泉があります。






山頂から南西に下る
一本調子の急斜面が続く。
登ってくる登山者も多く
ほとんど50mおきにすれ違うといった感覚。










女神茶屋も間近くなる登山道は、雨の後に多くの人に踏みかき回され
どろどろの道になってました。

ビーナスラインのアスファルトの道を横切り
信玄棒道と呼ばれる、戦国時代の軍事道路を下っていきます。





沢を横切るところで、水辺に降りて泥だらけになった山靴を洗う。
これで公共交通機関に乗っても大丈夫か。

ここで木の橋を渡ったのですが・・・
手すりもない木の板が張ってあるだけの橋、
濡れてぬるぬるになった表面はあたかも氷の上のように滑ります。

ずるっといって手をついたのですが、
そこには何の摩擦も生まれず、
つーーと滑って橋の下に落ちてしまった 

幸いたいした高さもなかったのでけがもなかったのですが、
思わず周りを見回し誰にも見られなかったことを確認。

やれやれ


あとは森の中の緩やかに下る道をすいすい歩いていくだけ。






コナラなど広葉樹の森から、唐松の森へと様相は変わり、
明るく乾いた道を進んでいく。

名残の蝉が鳴き、
足を踏み出すたびに、草むらから虫たちが飛び立つ。












最後は谷を渡って新湯の温泉へ。
ここで5日間の汗を流しました。




ここのホテルの浴場は、脱衣所も風呂場も畳が敷いてあります。
ちょっとびっくりしましたが滑らず、足触りも良くなかなか快適。
そもそも昼前とあって、ほかに客もなく広々とした温泉にゆったりつかることができました。


さっぱりした体で、プール平のバス停へ。
バス停脇の売店で牛乳をひと瓶一気飲み。
体中に栄養がいきわたる感じ。
バスを待つ間にカミサンへ下山の連絡メール
送信前にちょっと考え、頭に浮かんだことを書き添えました。
「夕食に生野菜をどっさり食べたい!」




おしまい



八ヶ岳縦走 2011年9月 その5

2011-09-27 22:25:20 | 八ヶ岳

2011年9月17日  青苔荘→麦草峠→縞枯山→北横岳→大岳→双子池



週間予報では土曜日から天気が下り坂となっていました。
朝起きてテントを出て白駒池のほとりに出てみます。
ちょっと不気味な色に染まった空に、予報通りの天候の悪化の予感。





何はともあれテントをたたみ、麦草峠へ
三連休初日とあって、白駒池近くの駐車場からは次々とカラフルな服装の
山ボーイ、山ガールが入山してきました。







国道のすぐわきの森につけられた小路、
それでも深山を思わせる苔がついています。












いったん開けて白駒の奥庭
溶岩のうえに根を下ろした緑
ここも遠い年月を経て苔むした森に変わるのでしょうか










再び森に入った後、間もなく笹原に出ます。







麦草ヒュッテ前の草原
ここも鹿の害が深刻になってとうとうネットが張られてしまいました。



















いったん国道に出た後、茶臼岳に向かって再び森の中の登山道に入ります。



















大石峠を越えて、さらに登っていくと中小場で展望が開ける・・・
はずですが今日はガスの流れに囲まれています。
小休止している間に茶臼山が見えてきました。







風が強く、風景も灰色で昨日までとは違った寒々とした印象






再び森に入り、じっくりと登っていきます。
気持ちには余裕があるのですが、
少しずつたまった疲労に思ったように足が進んでいきません。

背後から来る、軽装で北八周遊に来た登山者に道を譲りながら少しずつ登っていきます。



ひと汗かくころに茶臼山に到着







山頂の標識のある場所は木に囲まれて展望はありません。
ここから展望台へと数10m進んでいきますが、
展望台は濃いガスと強風の中






早々に引き揚げました。


茶臼から縞枯との間の鞍部に下る。
下ったところあたりに、ちょうど縞枯の枯れ木の帯が来ています。






縞枯山へと再び登り返す。ここはわずかな登りで展望台前へ。
森の中では意識されませんが、
開けたところでは風の強さを感じます。

2386.8の標高点
ここからからほぼ水平に進んだところに
山頂があります。






山頂付近の広葉樹は色づき始めています。





再び縞枯れの「枯」側に出て数10m進むと山頂の標識。
ここからは雨池峠に向けて急な下りが始まります。






ピラタス側から登ってきた人たちとすれ違いながら
湿った登山道を下っていきます。





曇天、
雨池峠を吹き抜ける風に雨粒が混じる、
思うように進まない足取り

このあたり気分が下り坂でした。
忠実に稜線をたどるなら(北八に明確な稜線というのもそぐわない感じですが)
雨池山、三つ岳とたどって北横岳に行くところ・・・
「三つ岳、行ったことあるし・・・」という言い訳が浮かび、
なんだか乗り切れない気分でついついピラタス方面の木道に足が向かってしまった。











縞枯山荘前では、ロープウェイから上がってきた軽装の人たちと出会う。
天気は悪いけれど楽しげに歩くグループの皆さん、
山の中なのになんだか自分の方が場違いな感覚になってしまう。

ロープウェイ駅のところでちょっと一休み
食べ物を口に入れたらまた元気が出てきました。

気を取り直して坪庭から北横岳への道に入る。






坪庭から小さな橋を渡り、急斜面にジグザグにつけられた道を登っていく。
ここは春に何度も歩いたところ。
登りといえど勝手を知る道は軽く感じます。


三つ岳への分岐点手前でで出会った男性は、茶臼で自分を追い越して行った人でした。
麦草からぐるりと日帰りコースだったようですが、
あいさつを交わすとニヤリと笑って
「三つ岳パスしたの?駄目じゃない~」
気持ちを見透かされたような一言に私も「へへ・・・」と
苦笑いするしかありません。







さてその分岐からは北横岳ヒュッテはすぐそば



連休に入り、小屋の前のベンチもにぎやかです。
ヒュッテの入り口にも今夜は予約で一杯ですとの表示。







とりあえず小屋の前に荷物を置いて
七つ池を見に行きましょう。
雪の季節に入ったことはあるんですが完全に埋もれてました。
池を見るのは初めてかも















池の前では坪庭から同時に登ってきたご夫婦が記念写真を撮ってました。
ロープウェイ下に車を置いて、北横岳から双子池を回って日帰りされるそう。






ヒュッテに戻り、再び荷物を背負って北横岳山頂へ
やっぱりガスに囲まれています。

目の前に蓼科がそびえているはずですが・・・







そして北峰へ
風が強く、あまりゆっくりする気もしません。
バタークッキーをスポーツドリンクで腹に押し込んで先に進みます。
今日は大岳を経て双子池に下り、そこで幕営の予定。
このルートは私も始めて通る道。






北横岳を超えると一気に人気が少なくなりました。








鎖場を降りたところで、単独行のベテランご婦人とすれ違う。
「たいへんだったわ~、ここは完全にバリエーションルートよ」とのお言葉。
やれやれいったいどんな様子なんでしょう。








地図で見る限りはたいした距離もなく標高差もさほどないので楽観していたんですが






岩が重なってアップダウンを強いられる。
疲れのたまった足に、荷物の重さがじわじわ効いてきて
おまけに濡れて滑りやすい。

なかなかはかどらない行程にストレスがたまります。


なかなか大岳が見えないと思っていましたが
ようやく霧の中にそれらしいピークが浮かんできました。





大岳への分岐に荷物を置いて山頂へ
ここでも空身がいかに楽か身をもって感じます。


全く展望はありませんがとりあえず山頂の標識





・・・とここでにわかに雨が強くなってきました。
急いで荷物を置いた分岐に戻ります。








ここまでは雨具なしで済ませてきましたが
本格的な降りになりそうなので上下着用し、
一眼レフもザックにしまいこんでカバーをかけます。


ついでにチョコバーをかじっているところへ
先ほどの七つ池のご夫婦が追い付いてきました。



岩場のわかりにくいルートを一緒に切り抜け、
双子池へのくだりに入ります。
相変わらず、大きな岩を一つ一つ越えながらの歩程、
雨でなおさら歩きにくくなっています。

いい加減、膝もまいってきたころ
ようやく双子池ヒュッテが見えてきました。





くたくたになって小屋に着くと
小屋の窓から管理人さんが見ていました。

大岳から下る道の途中からずっと見ていたようで、
「お疲れさん、大変な道を下ってきたね!」とのお言葉。
ここでも苦笑するしかありません。

間もなく先ほどのご夫婦も無事にたどり着きました。
お互いホッと笑顔が浮かびます。


双子池ヒュッテも今夜は満員のようですが
まだ到着した方は少ないようです。



何はともあれ雌池のほとりのキャンプ地へ行き
テントを張ります。











そして水汲みへ


ここは雄池の水がそのまま飲料水となっています。
小屋の管理人さんも保健所の検査済みと太鼓判を押してました。









とはいえ、きれいな水には生き物もたくさん。
水筒を水に沈め、周囲を泳ぐ小さな虫が入らないように注意深く水を入れていくので
思ったより手間取ってしまった。




小屋でビールを仕入れ、
八ヶ岳最後の夜を森の中のキャンプ地で迎える。

この日は参鶏湯のスープに、餅を入れた雑煮。
ソーセージや、小魚をつまみにビールを飲み
温かいスープで腹を満たす。


とりあえずほっこりとした気分でシュラフに入りましたが
夜半から雨はいよいよ強くなり、フライシートをたたく音が大きくなってきました。

体の疲れもあって、気持ちはマイナス側
明日も天候が悪いようなら蓼科はパスして下山しようか・・・
でもせっかくここまで来たのだから最後のピークは踏んでいきたい・・・


すべては明日の朝の天気次第ということで
再び眠りにつきました。



次は最終日です

八ヶ岳縦走 2011年9月 その4

2011-09-24 22:58:52 | 八ヶ岳

2011年9月16日  オーレン小屋→天狗岳→にゅう→青苔荘→高見石→青苔荘



オーレン小屋前で迎えた爽やかな朝
峰の松目もくっきり





期待膨らむ本日の行程
トマトスープパスタ、ワッフル、コーヒーの朝食
テントをたたんで出発

小屋の裏から箕冠山へ登る道が有ります。
まだうす暗い森の中をゆっくり淡々と登っていくうちに
今日が素晴らしい天気になることがわかってきます。







箕冠山の山頂は森の中に静かに標識が一本立っています。






なだらかな山頂を超えていくと急に景色が開けます。
根石岳は箕冠山とは様相が変わって
岩とハイマツの開放的なピークです。





根石山荘のある鞍部に降りてきました。
今日は昨日以上に遠くがすっきりと見えています。


遥か彼方には雲海が浮かぶ広大な関東平野を挟んで
男体山、太郎山、奥白根と続く奥日光の山々まで望めます。







反対側、根石山荘の向こう側には北アルプス







山荘の前からざらざらとした斜面をひとのぼり。
根石岳の山頂はすぐです。
標高26百メートルに吹く朝のひんやりとした風が心地よい







目の前には天狗岳の二つの峰が迫っています。
朝のコントラストのくっきりとした光が
山を姿をいっそう引き立てています。
















展望も申し分ありません。






























昨日歩いた南八ヶ岳の稜線を振り返ってみます。








こんな景色を見ながらの稜線歩きほど楽しいことはありません。
岩の白、ハイマツの緑、空の青さ
すべてがいきいきと輝いて見えます。








岩を伝いながらの天狗岳への登りも心は軽く。
すれ違い始めた黒百合ヒュッテを出てきた人たちも
周囲の景色を楽しみながら明るい表情で下ってきます。
お互い笑顔でかわす朝の挨拶。
この場の美しさを共有するうれしさ



東天狗岳の山頂に着きました。







蓼科へと連なる北八ヶ岳の山々も深い緑に覆われた優美な曲線を描いています。







稲子岳の堅牢な崖、その向こうには今日の目的地の一つ、
にゅうの尖がりがチラリと見えます。

その彼方には浅間連山がふんわりと浮かぶ













今日は妙高、火打の山々もよく見えています。








繰り返し現れる山々にもついついカメラを向けてします。














今日の行程は時間の余裕もたっぷりあります。
せっかくですから西天狗にもよっていきましょう。








大きな荷物は山頂において
二つのピークの間に降りていきます。


先ほど歩いた根石と天狗の間の縦走路を挟んで奥秩父の山々
左の端に小さくちょこんと、両神山のあのギザギザが見えています。









西天狗山頂
前回は雪の季節だったのでさえぎる物のない展望でしたが
今はハイマツが覆っています。
それでも見たい方向に少しすすめば大きく開けた展望が得られます。






ここでであったベテランの女性の方、
景色を眺めながら登った山の話をしてくださいました。
しばしのんびりしたひと時を過ごす。


東天狗に戻ります。








東天狗の山頂も登ってくる人でにぎわっていました。
ここでもしばしおしゃべりをして過ごしたあと
中山峠に向かって下り始めました。


岩陰にわずかに残ったイワツメクサの小さな白い花が愛おしい。











天狗の奥庭に連なる広場のあたりはごつごつとした岩を越えていきます。

やがて森に囲まれた中山峠






いつもなら中山、高見石、丸山とたどるところですが
今回は久しぶりににゅうに行って見ることにします。





稲子岳に対峙する崖に沿って
森の中をずっとたどっていきます。







時折開けたところからは
天狗岳や硫黄岳が荒々しく削り取られた火口跡を見せています。














しばらく森の中を下り、小さなピークを超えるとにゅうはもうすぐ。







にゅうは小さな岩峰です。








ここからの展望もなかなかのもの






しかし少しずつガスがかかってきた。

丸山の手前に岩が積みあがった高見石と
その傍らの小屋が見えます。







明日の行程、茶臼、縞枯山から北横岳に連なる山の塊り
白駒池の向こうには青苔荘の赤い屋根も見える






にゅうのピークに立った後、
岩陰でお湯を沸かしカップヌードル(リフィル)を食べる。
あのしょっぱいスープが山で食べると素晴らしくウマイ。



本日のキャンプ地のある白駒池へは苔むした森の中を下っていきます。
国道に近いせいか、思った以上ににゅうに向かって登ってくる登山者が多い。
ここと高見石をつないでぐるりと回るのが手ごろなハイキングコースになっています。


































ゆるゆるとした森の斜面を下った後しばらく平らな道が続き
目の前がぱっと開けて湿原が現れます。














これを超えると池はもうすぐ。







池にぶつかったところの分岐を右にたどり
青苔荘前のキャンプ地へ
























受付を済ませて、まずはテントを張り今夜の宿を確保。
しかしこの日は私のを含め全部で二張りでした。









この日はまだ時間の余裕もあったので
せっかくですから高見石まで登ってみました。
再び池をくるりと周り、白駒荘の裏から登る。
荷物から解放され足もすいすい進みます。

高見石の小屋へ







高見石から白駒池を見下ろす







下りは小屋から北へ、途中台風の影響で倒木に道がふさがれていました。
テープを張った脇をすり抜けていきます。
そういえば青苔荘の管理人さんもあちこち倒木が多いので気を付けてと言ってました。


白駒池に帰ってきました。

池のほとりで一杯
(こればっかり










日が陰って涼しくなってきました。
夕食はイワシのごまみそ漬け(レトルトパック)と
マルタイ熊本ラーメン

好天の予報は今日まで
明日の行程はどうなることやら



続く







八ヶ岳縦走 2011年9月 その3

2011-09-23 10:38:53 | 八ヶ岳

2011年9月15日の続きです  赤岳→横岳→硫黄岳→オーレン小屋






赤岳頂上で登ってきた人たちと写真を撮りあい、
またあちこちの山を指さしては山座同定。
目を凝らして、かつて登った山を見つけていくのが
山頂での大きな楽しみ。










今まで赤岳の影に隠れていた北の方の山も見えています。
浅間山とそれを取り囲む山々






左に目を転じて北アルプス








阿弥陀岳越しの乗鞍岳、御嶽






乗鞍の左側には、薄く小さく白山も見えています。







さらに左手、阿弥陀岳南稜越しに中央アルプス







南側は権現岳の向こうの南アルプス







そして富士山
手前は茅ヶ岳

日が高くなるにつれて雲がポコポコと湧いてきました。
これもまた景色のアクセントになっています。






真教寺尾根と県界尾根が延びていく先に奥秩父の山々
金峰山、瑞牆山、国師、甲武信と続いていく






北側に目を戻すと、この山行のゴールと決めた蓼科山
まだまだ先は長い。






赤岳で長居してしまいました。
そろそろ先に進みましょう。
ごつごつと岩を突き出して並べた横岳の稜線に向かって
下り始めます。










赤岳展望荘の建物の間をすり抜けて縦走路をたどります。
赤っぽい砂礫地を抜けて岩場に取り付きます。






こちらは赤岳を振り返ったところ
とんがってます。








いくつかの鎖、ハシゴを伝い、
細かいアップダウンを繰り返しながら南北に長い横岳の稜線をたどっていく。
日も高く上がってきたので、岩の照り返しで暑いのなんの。
ひとつ岩を超えるごとに手拭いで汗を拭く。
たまに日陰に入るとホッとします。






やがて杣添尾根を分ける三叉峰にたどり着くと
横岳最高点の奥の院はもう間近です。








横岳到着






梅干を口に入れ水で流し込む。
しょっぱさ酸っぱさが、暑さでダレた頭を
シャキッとさせてくれます。

少しずつ周辺の雲も高く上がってきました。
蓼科も雲の流れに見え隠れしています。






奥の院から下ると、岩場はおしまい。
台座の頭をこえ、本日最後のピーク硫黄岳に向かって、
砂礫の積もる緩やかな道を歩いていく。







このころになると頭の中はアレがほしくて、いっぱいになってきます。
自然と硫黄岳山荘に向かう足取りが早くなってきます。

山荘到着、さっそく小屋に入ってアレを仕入れます。
ザックに入れてそそくさと出発。
硫黄岳山頂までちょっと我慢。






頂上までは20分程度
しかしここでもザクザクと速いペースで登っていきます。
欲が絡むと人間思わぬ力を出すものです。




山頂到着。







硫黄岳山荘で仕入れたビールは、急いだかいあってまだまだ冷たかった!
以下、東海林さだお風に表現すると、
パキッとプルトップを持ち上げて
噴き出す泡が静まるのももどかしく唇を当てて流し込む。
乾いてネバっとした口の中に、一気に流し込まれた冷たくさらりとした液体で洗われ、
そこから沸き立つ炭酸が粘膜をチクチクと刺激する。
ゴクゴクと三度ばかり喉を大きく鳴らし
「ふぁーー」っと息を吐き出すと、ほどよい苦みの余韻が広がり
頭の中が期待通りの快感にボーっとしてきます。

(こりゃ完全にアル中だな・・・)


後は落ち着いてお気に入りのおつまみ(アーモンド&小魚)をほおばりながら
ビールを味わう。




何度見てもここの爆裂火口には圧倒されます。





さあ、あとは本日のキャンプ地、オーレン小屋前まで下っていくだけです。
まずは赤岩の頭の方角へと下る。




ここの分岐のあたりは真っ白な砂
硫黄のせいでしょうか・・・






尾根を離れて北西側の斜面を下る。
最初はハイマツの中の道






次にダケカンバの広葉樹林を抜けて
やがて苔むす針葉樹の森へ






沢の音が聞こえてくると目の前が開けオーレン小屋が見えました。
キャンプ地にはすでに4~5張りの先客がいらっしゃいましたが、
まだまだ余裕です。
ここは板張りの床があるので、そのうちの一つを確保しテントを張りました。

水場も強清水と小屋の前の蛇口の水、手軽に手に入ります。
トイレも小屋の中のものを使わせていただけるので
なかなか快適。







流れる雲に隠れる峰の松目のピーク






太陽も低くなり、木々を照らす光もオレンジがかってきました。






カレーライスの刺激が残る口に、ウィスキーの水割りを含みながら
夕暮れ時を過ごします。

明日も天気は良さそう





続く






八ヶ岳縦走 2011年9月 その2

2011-09-22 21:10:47 | 八ヶ岳

昨日は、すさまじい暴風雨でした。
皆様無事に帰宅されたでしょうか。



2011年9月15日 権現岳から赤岳、横岳、硫黄岳を経てオーレン小屋へ


起きたのは3時半ごろだったか
月に明るく照らされたキャンプサイト
朝食を済ませてテントをたたみ、まだ暗い山道を歩き始めます。


青年小屋の裏からはいったん森に入っての登りですが
しばらく進むと周囲が開けてギボシ手前のピークに達します。
このころに周囲の山々がオレンジ色に染まりだしていました。
申し分なく空は晴れて遠くの山まで朝日の中に浮かび上がってきます。
ここで三脚を据えてしばらく周囲を眺めていました。

富士山のシルエット
何度見ても見飽きることのない均整のとれた姿に見とれる。





南アルプスの馴染みの山々





中央アルプス





御嶽に乗鞍





そして北アルプス







やがて編笠山にも日が射し始めました。







しばらく朝の空気と展望を楽しんだ後
ギボシのピークを目指して登り始めます。






ガレ場を登った後、岩場をトラバースするとピークは間近







ギボシに到着






ここを超えた稜線の一角に権現の小屋があります。







ギボシを振り返る
まだ赤みがかった朝日に照らされた頂上に
月が降り立とうとしています。







小屋の裏を少し上ると三つ頭との分岐となるに達します。
ここから少し三つ頭側に戻ったところが権現岳の最高点のようです。
とんがった岩のピークです。







接近するとこんな感じ
剱が祀られています。
山頂の岩にタッチしてきました。






先ほどの三叉路に戻り
これから向かう八ヶ岳の核心部を望む
キレットを挟んで赤岳も、阿弥陀岳も豪快な姿です。





さて山頂を離れキレットへと降下していきます。
最初に源治ハシゴ








特に問題となる程の悪い道ではありませんが、
荷物の重さのせいか、下り道がはかどりません。
周囲を眺めながらだらだらと歩いていくうちに時がたってゆきます。
やっぱり体重増の影響か・・・






途中旭岳をはじめとするいくつかのピークを越えて進みます。
キレットといっても、険しいところばかりではありません。
時に険しく、時に緩やかな稜線の道が続きます。






権現岳を振り返る







キレット小屋に至るまですれ違う人もなく
静かな山旅です。

奥秩父方面
金峰山も天気よさそう







ずいぶんとゆっくりとした足取りではありましたが
しだいに赤岳も大きく迫ってきます。
キレット小屋への道は、その前の台風のせいか
権現側の分岐はテープでふさがれており
裏から回るようにと指示が書いてありました。







さてキレットのくだりを終えていよいよ赤岳への登りにかかります。
標高差450m弱、東京タワー以上、スカイツリー未満といったところです。



傾斜はきついですが、ホールド、足場は豊富で難しいところはありません。
ぐいぐいと高度を上げていく達成感もあって気分よく進みます。






阿弥陀岳を横に眺めつつ自分の高度を測っていきます。







下りに比べ登りの方が楽しいかもしれない。





キレットから眺めたとがったピークはこれでしょうか・・・





権現岳もだいぶ小さくなってきました。







奥秩父の連山
なじみの山に見守られながらの山登りは楽しい







岩場を歩いていると可愛いお出迎え
イワヒバリ
かなり近寄ってもあわてて逃げるでもなく
ちょこまかと岩の上を歩きまわっていました。







そして赤岳に到着
午前中の爽快な青空

平日とはいえ人気の山だけあって、次々と登山者が上がってきては
写真を撮っています。






山頂でコーヒー入れる。
周囲の名山に目をやりながら、ゆっくりと休憩時間をとる。
この日、このコースをとったのは大正解でした。



続く



八ヶ岳縦走 2011年9月 その1

2011-09-20 21:53:31 | 八ヶ岳

2011年9月14日

一日目:西岳、編笠山、青年小屋前泊


今回八ヶ岳を縦走するにあたり南から北へコースをとりました。
天気のよさそうな前半に南八の岩場と展望を楽しみ、
曇り空の下、しっとりした北八の森を歩く
さてそんなにうまくいくかどうか・・・


あずさ一号で新宿を立ち、小淵沢へ。
八ヶ岳の中でまだ踏んでいないピーク西岳から入るつもりですが、
このあたりは全くバスの便がなく、
ここはazmさんと同じく中高年登山的にタクシーで
富士見高原のゴルフ場前まで行きました。
¥2940なり





登山口で靴ひもを締めなおしていよいよ歩き始めます。
広い八ヶ岳の裾野、しばらくは緩やかな森の道。
赤い実に秋を感じつつ






ここから編笠山へ登るルートもありますが
西岳を示す道標に従って進む。









明るく柔らかい緑色の森を進む






やがて豊富に水が流れる不動清水へ
木のベンチも置いてあります。










一口のどを潤した後山道に入ります。






花の季節は終わったようですが
時々出会う紫の花にとまる虫







しばらくは緩い登りが続きます。
途中三度ほど、林道を横切ります。
廃道のようですが、地図と比べて現在位置を確認するにはちょうど良い。





成層火山の形通り、登るにつれて少しずつ傾斜が増してゆきます。
それでも道は歩きやすく、初日の重たいザックを背負っていても
さほど辛さは感じません。
森は広葉樹から針葉樹へ様相を変えていきます。

それにしても平日の山の静けさ、
西岳が地味な山であることも重なってか、
登り始めてから全く人に会いません。






2138の標高点あたり、ちょっとした広場になっていました。
ここで初めて下ってきた人とすれ違う。

ベテランのご夫婦でしたが、車で入って編笠から西岳を回って
降りてこられたとのこと。







先ほどまでは青い空で、森の中にも日がさしていましたが
ここらあたりでどんよりと重たい色になってきました。

小広場を過ぎて間もなく、森を抜けてがれ場の斜面に出ました。
谷間を挟んで向こう側の編笠岳頭に雲をかぶっています。
今日は展望は望み薄か・・・








西岳山頂へと高度を稼いでいきます。
うれしいことに道端にはまだマツムシソウが咲いていました。







この山行の最初のピーク、西岳の頂上にでました。






さて山頂でおにぎりを食べていると
編笠にかぶさった雲が少しずつ薄くなってきました。

空の色も心なしか明るくなってきた気がします。





編笠山と権現岳をつなぐ鞍部には青年小屋も見えています。






西岳からわずかに下った後は青年小屋までの源治新道、
ほとんどアップダウンのない道が続きます。






他に彩の少ない道を赤く飾るのは
ゴゼンタチバナの実





キノコは豊富に出ています。
中にはおいしそうに見えるものもあるんですが
ど素人の私には手が出せません。

























しばらく森を進んだ後、開けた場所に出ました。
先ほどは雲に隠れていた権現岳のギボシのピークがみえていました。
天に向かって鋭くそびえた姿はなかなかかっこいい






編笠山の上にも青空が広がってきていました。







再び森に入ってしばらく進むと、「乙女の水」
本日のキャンプ地はもうすぐ
ここで水を満タンに補給します。







有名な赤提灯が目印の青年小屋に到着







小屋前のテント場もまだひと張りしか先客はありませんでした。






私もテントを張って
最低限の荷物で編笠山を目指します。











ガレ場を登り、森を抜けるとすぐに山頂に出ました。
権現岳の先に赤岳も見えてきました。






権現岳






先ほど立っていた西岳を見下ろす。
南側には今日登ってきた尾根が長く伸びています。






南アルプスはほとんど雲の中
それでもちらりと見える山々
先ほどまでの曇天を思えば上出来といえましょう。






テントに戻って、小屋で仕入れたビール!今日も幸せ。






さてテント場の先客は単独の男性
以前5年間ほど世界中を放浪し、
その後ニュージーランドが気に入って、今はそこに住みついているとのこと。
この夏は日本で過ごし、またニュージランドに戻る前に
八ヶ岳に登ってみたということでした。

世界中を巡った時の体験話を伺い、
日本の山の話をし、
ビールを飲みながら、やがてウィスキーに切り替わり
日が傾くまでのひと時を過ごしました。
ニュージーランドのトレッキングも行ってみたいものです。

すっかり暗くなってテントに入る間際、
「これから先は長いのでしょう?私は明日はもう下山するから、
でたゴミは置いといてくれれば持っていくよ」
とうれしいお言葉、
お気持ちだけありがたく頂戴しました。


翌日は未明に起きて出発の準備、
すっかり晴れた秋の空に光る月。
シリウスも昇ってきました。

八ヶ岳の核心部を通る次の行程、
好天が期待できそうです。






続く





八ヶ岳 速報

2011-09-18 22:01:39 | 八ヶ岳




2011年9月14日~18日

会社の休みと三連休をつなげると結構ビッグな連休になるではないか、
ということで休みを取って行ってきました。
(いろいろ代行してもらった方々には申し訳ない


・・・でこの写真の右端から





この写真の左端まで、歩いてきました。





途中若干の手抜きはあったけれど
全般に天気に恵まれまして端から端まで歩けて満足。






展望も青空も満喫できました。




昨日は雨の中、しんどい思いもしましたけど







南の岩峰






北の森







それぞれに味わい深いものではありました。
速い人なら3~4日で行けるコースなのかもしれませんが、
メタボな体にはテントで4泊5日の縦走はきつかった。








高尾-陣馬 2011年9月 

2011-09-10 20:33:47 | 奥多摩・奥秩父・その周辺

2011年9月10日

土日は晴天の予報
先日の健康診断で体脂肪率アップにショックを受けたのもありまして、
おなじみのコースをきっちり歩いてきました。
トレランの人のスピードには抗すべくもありませんが
自分なりにハイペースだったので少しは燃焼したでしょうか。






やっぱり今日も暑そうなので、登りは滝コース
最初は水辺の花を見ながら、




ヤブミョウガ






ミズヒキ






ヤマジノホトトギス





登山口から次第にピッチを上げていく






森の中、水の流れ・・・暑い中にも清涼感を感じながら






この道は最後の木の階段ががんばりどころ。
今日は荷物も最小限にしましたので、まずまずのペースで山頂へつきました。




急いだ理由はこれを見たかったというのもあります。
今日の天気なら朝のうちに登れば富士山が見えるはずと思ってましたがばっちりでした。
なんだか久しぶり・・・





丹沢の山々も良く見えています。






遠くに見えるのは大山







高尾山から城山を越えて景信山へ
こちらは振り返ったところ
しかし展望が開けたところは日差しに照りつけられてタマランです。








一方、森に入るとひんやりした空気が流れて気持ちが良い
快調に進みます。






木陰から見る富士
早くも雲が上がってきました。
そろそろ見えなくなるかな。

それにしても相模湖の色が不気味
こちらも台風の影響でしょうか。




景信山頂の茶店まで来ました
ここで一服













つづいて陣馬山へ


途中だいぶ省略・・・今回は割と一生懸命進んでます。


北側に開けたところからは大岳山、御前山が見えます。






陣馬山~!
到着です






相変わらず良い天気





山頂の茶店で休憩
なにせ暑いので、日陰のベンチへ







汗をかいた後はこれこれ






それでも足りずこちらも






近くには生藤山も見えています。
時間も早いし、あそこまで行こうかなんてちらりと思いましたが
そろそろ足もくたびれたので
今日はこのくらいにしておきましょう。






山頂を後に一の尾根を下る






下りもできるだけ小走りで森の中を飛ばしてきました。






登山口到着






そして藤野の駅へ
たっぷり汗を吸ったシャツを着替えて、
駅前のお店でまたまた缶ビール

良い汗をかいた一日でした。


山の本いくつか

2011-09-04 21:46:30 | その他


台風予報で野外活動自粛の休日でした。

録画しておいたサッカーの試合を見たりして、
心臓に良くない展開でしたが、男女とも勝ってよかった!


このところ本を読んで山の気分だけ妄想してます。


最近読んだ本をいくつか
まずはazmさんの記事にもあった岳人備忘録です。







山に関しては熱い方ばかり
それぞれに世代もタイプも志向も違う方たちですが
皆さんが共通して語っているのは
主体的に山に向かう姿勢でしょうか。
自ら仕掛けて、自分のスタイルを追求して、
納得できる登山を創造していく。

アルパインでもフリークライミングでも沢登りでも
山岳写真でも低山ハイキングでも
自分らしい山行ができればそれがハッピー、
なんてことを考えました。


岳人備忘録でトップを飾るのはこの方
(この本を買ったのは岳人備忘録の前でしたが)







臨場感あふれる記述に引き込まれながら一気に読んでしまった。




だいぶ趣は違いますが、最近よく読んでいるのはこの人の本






サバイバル登山関係も読みましたが、
それとはまた別にこの百年前の山を旅するに書かれた、
登山の原点を探るような山旅、非常に興味深い内容でした。
木暮理太郎、田部重治、嘉門次、そのほか名もない人々・・・
それぞれの時代の登山を、装備も当時にできるだけ近づけて足跡をたどる旅。
こんな登山も面白い。


・・・で田部重治も読んでみました。






黎明期の登山界にあって、槍ヶ岳から立山・剱を経て早月川を下るまでの大縦走
奥秩父の沢や森をたどる旅、
現代の整備された登山道をたどる旅とは違った味わいを
彼らは感じていたことでしょう。

私も笛吹川の東沢を遡ったのはもうだいぶ昔のこと。
久しぶりにあの麗しい渓谷の姿を見に行きたくなりました。