ゆっくりと山登り

登山、写真、その他日々のことなど

早川尾根縦走:鳳凰三山~甲斐駒ケ岳 2012年8月 その3

2012-08-26 18:15:13 | 南アルプス

韓国から帰ってから、ちょっと腹を壊してしまった。

昨日今日と良い天気ですが、体に力が入らずおとなしくしています。 

何とか故障したパソコンからデータのサルベージに成功し修理に出しました。

借り物のPCで書いています。

 

2012年8月16日

未明は降るような星空、今日こそは!という期待高まる。

朝ごはんはラーメン、食べていると小屋どまりの人たちはそろそろ出発しだしたようで

テント場の脇にヘッドランプの明かりとザック、ザックという足音。

ここのテント場には三張りありましたが、隣のモンベルテントから出てきた若い男性Tさんと挨拶。

ここに来る前は北岳に登っていたとのことですが、

こちらからも見えていた通り、ずっと雲の中だったそうです。

今日は私と同じ甲斐駒へのピストン、朝の良い天気にお互い笑顔がこぼれます。

 

びしょびしょのテントは張ったまま、サブザックでスタート

荷物の軽さに心も軽く。

 

背後の仙丈ケ岳、オレンジがかった光の中にくっきりと

 

 

峠にあがれば目的の甲斐駒が覆いかぶさるように迫っています。

追いついてきたTさんに撮っていただく。

 

 

雲海の上に浮かび上がった太陽、かなたには奥秩父連山

 

さて駒津峰へは、約500mの登り、ゆっくりと取りかかります。

 

森の中をしばらく行くと、一旦背後が開ける。

栗沢山にアサヨ峰、そして鳳凰山

昨日ガスの中を歩いた稜線が今日は青い空の下にずっと続いている。

こんな日にあそこを歩いたら楽しいことでしょう。

 

そうそう、その2に書き忘れたけれど、アサヨ峰、栗沢山でそれぞれ雷鳥とオコジョに出会いました。

コンデジでは反応が遅く写真に取れなかったですけど、

このあたりにも生息しているんですね。 

 

 

目指す甲斐駒を見上げながら着実に高度を上げる。

 

 

 一本調子の登りですが、時折背後に広がる景色を眺めながらの道のりは快適です。

何より荷物が軽いのがいい。

 

雲海に浮かぶ鳳凰山

 

早川尾根の山々の向こうに北岳も頭を出しました。この山行初のお目見え

 

 

こちらからの北岳は

ドレスをまとった貴婦人が振り返ったような、とりすました印象

背後の間ノ岳はどこから見ても重厚なボディーガード

 

遠くには塩見岳、悪沢岳も見えています。

 

 

高度を上げていくといよいよ富士山も頭を出しました。

 

駒津峰に到着

時折流れる雲に太陽が隠れますが、昨日のような天気の崩れはしばらくなさそう。

 

 

稜線の向こうに、鋸岳の荒々しい姿

 

 

甲斐駒も正面に大きく立ちはだかる

 

 

六方石を通過し、行きは直登ルートを取ります。

 

 

背後には仙丈ケ岳までうねるように稜線が続いている

 

 

恐竜の背中のような直登ルート

手足に花崗岩のざらざらした表面を感じつつ進んでいく。

いくつかのパーティーが取り付いていますが、皆さん岩場に難儀しながらも楽しそうです。

 

 

岩場を越えると後は頂上まで白砂の道をもう一息

 

 

 

雪の上を歩いているように、砂地がまぶしく照り返してきます

 

山頂に到着

 

 

前日、前々日の雨の景色から一転してなんともすばらしい展望です。

昨日頑張ったかいがありました。

 

八ヶ岳

 

奥秩父

 

中央アルプス

 

 

御座山の向こうには奥日光から尾瀬の山々まで

 

 

まもなくTさんも登ってきました。

健闘をたたえ写真を取り合う。

頂上の岩の上で

 

風はちょっと冷たいけれど、さわやかな空気、すばらしい景色

次々に登ってくる人たちみんな笑顔です。

立ち去りがたく、景色を眺めたり周囲の人と写真を取り合ったり

小一時間も頂上にいたでしょうか。

名残はつきねどそろそろ下りましょうか

 

帰りは迂回ルートから摩利支天に立ち寄って駒津峰まで

 

甲斐駒南面をトラバースして摩利支天の根本へ

 

 

 

山頂を振り返る。

東側にオーバーハングした特異な形をした岩は迫力です。

 

ハイマツを掻き分けて登ると直ぐに摩利支天のピークに出ました。

 

 

 

ここからの甲斐駒もなかなか勇壮です。

 

 

再び甲斐駒を巻くようにあるいて六方石へ

だいぶ日が照り付けて暑くなってきました。

 

駒津峰に帰ってきました。

日が南側に回って甲斐駒にも光が当たっています。

正面の直登ルート、右手の摩利支天のピーク

本日のルートをおさらいしながら眺める。

 

 

あとは仙水峠へ下っていく

今の時間となっては森の中の日陰がうれしい

まだまだ登ってくる人とすれ違いますが

今日はしばらく天気は大丈夫でしょう。

きっと山頂で楽しまれたことでしょうね。

 

森の中に咲いていたツリガネニンジンの仲間

ヒメシャジンでしょうか・・・

 

峠に下りてきました。

 

 

テント場に戻って、昼飯を食べながら雨にぬれたものを周囲に広げて乾かしていると

まもなくTさんも戻ってきました。未だ残ったお休み、この先どうするか考えておられましたが

とりあえず一緒に北沢峠までご一緒することになりました。

 

テントをたたんで沢沿いの道を下っていく。

駒仙の小屋は改修中

テント場の脇に売店が有りましたが、ここでTさん目ざとく

「アイスが有りますよ100円だって

ということで即購入。

ビニールのチューブに入ったシャーベット状のやつですが

口に入れると頭にツーンとくる冷たさがうれしい

 

ここから林道をあがるとバス停前の長衛荘に付きました。

バス停の列にザックを置いたら何はさておきこれです。

 

 

今日一日の快適な山歩きを祝して乾杯!

のどに染み入る爽快感。

Tさん持参のアルプス全図を眺めながらしばしこれからの山登りの話など。

来年の就職が決まったとのTさん、

これからまだまだ行きたい所たくさん、ほしい装備もたくさん

今は学生の身でお金を節約しながらの山行ですが、

何物にも変えがたい若さと体力にあふれています。

 

結局Tさんは広河原に降りて一泊するとのこと

バスに揺られて広河原までご一緒しました。

 

雨に塗られての早川尾根縦走、道間違いもあったりして反省点も多々有れど

最終日のお天気と展望に報われて今回も満足のうちに山行を終えることが出来ました。

 

おしまい

 


早川尾根縦走:鳳凰三山~甲斐駒ケ岳 2012年8月 その2

2012-08-22 20:48:50 | 南アルプス

 

ただいまソウルにきております。

ホテルの部屋で書いてます。

家のパソコンは未だ復活してない(やっぱキーボードがおかしい)のですが

2日目までの書きかけの文章と写真はgooにアップしてあったので、その2まで書きます。

 

 

8月15日

この日は仙水小屋までが目標。

夜中には満天の星が見えていました。あるいは今日は好天との期待を持って

5時に鳳凰小屋前を出発。朝焼けに輝く岩峰を見上げながら登り始める。

 

 

昨晩の星空から変わって、所々に暑い雲がかかっているのが気になる。

 

やがて森の中の急登を終え、オベリスク直下の砂礫地帯に出ました。

 

 

左手には観音岳

 

 

ここで昨日の単独さんが追い付いてきました。今日は空身で地蔵を往復したのち

青木鉱泉に下山するとのこと、道を譲ってマイペースで主稜線を目指します。

おなじみのお地蔵さんですよ(mariさん!)

まるで花を手向けたみたいにタカネビランジが咲いてました。

 

 

 

 

さて、稜線に上がり、高嶺のピークへと進みます。

緑の高嶺、日が当たっています。

背後は暑い雲ですが。

 

ミネウスユキソウ

 

 

地蔵岳から左に切れ落ちた稜線を進み、一旦樹林帯へ、

そこから高嶺に登り返します。

 

 

高嶺手前のピーク、ハイマツ帯の開放的なところです。

 

後ろには地蔵岳、観音岳、

その背後には富士山もチラリ

 

 

 

高嶺の山頂につきました。

 

 

 

相変わらず北岳は雲の中ですね。

 

ここから先の道のり、甲斐駒ケ岳に向かって伸びる早川尾根は

途中から深い雲につつまれているようです。

 

 

高峰からの下り、ところどころ岩場が現れる急坂です。

道端にはトウヤクリンドウ

 

 

森に囲まれた白鳳峠に出ました。

 

 

このころまだ雨は降っていませんでしたが

ここまでくると断続的な雨のせいか、道端の草木はビショビショにぬれています。

道にかぶさってくる葉を掻き分けるごとに水滴をかぶり

 衣服がぬれてしまいます。

どのタイミングで雨具を付けるか、迷いながら進んでいました。

 

この峠から早川小屋の先までは、南アルプスらしい樹林帯を進みます。

苔むした山道はなかなか好ましい。

 

 

 

朝はまだ青空も出ていたのですが、

進むにつれ雲が濃くなってきました。

 

 

 

針葉樹と広葉樹が入り混じる道

 

 

セリバシオガマ

 

ひと山ピークを超えると広河原峠

 

さらに深い森の中を歩いていく

 

 

森の中なのであまり影響は有りませんが

時折強い雨が降ります。

 

 

ギンリョウソウが頭を出していました。

 

 

しばらく進むと早川尾根小屋

管理人さんは近くの山の中で作業しているのか

音は聞こえるけれど、人の姿は有りません。

地蔵岳を離れてから、未だ誰にもあっていないなぁ。

 ここで早めの昼食を食べながらこの先の作戦を思案

 

ここから先、天気はさらに下り坂

時間的には早すぎるけれど、ここでテン泊と言うのも選択肢の一つでしたが

仙水小屋まで行ってしまおうということで心は決まりました。

 

小屋の奥の樹林帯を進み

ピークを超えると、縞枯山のような風景

 

 

 

いよいよ天気は悪くなっていく

 

 

高度を上げてハイマツ帯になると風と雨が吹き付けてきます。

いつも前にぶら下げている、一眼レフはバッグごとザックにしまって

コンデジを雨具のポケットに移す。 

 

 

雨の中を歩き、かろうじてガスにかすんだ風景の中に

アサヨ峰がうっすらと見えてきました。

 

 

 岩場を登りきると山頂到着。

 

 

本当は白根三山に、正面に甲斐駒と良い眺めのはずなんですが真っ白です。

雨も殴りつける感じになってます。

幸い雷雲はなさそう。

ここまでまずまず良いペースで来ております。

この調子なら15:30頃には仙水小屋につくでしょう、とほっと一息。

 

しかし、この後大きなポカが出てしまいました。

つい何の気なしに山頂を離れて踏み跡のついたところを下っていったのですが、

しばらく歩いていてふと違和感、

なんかおかしい、なんかおかしい・・・

やっぱり間違えてる!

山頂から下る方向を間違えたんです。

とにもかくにも、もう一度登り返して二度目のアサヨ峰、結果、1時間以上のロス。

 

ここははっきりした道標がついていないところなんですが、

こうした天候ではポイント毎に地図とコンパスで方向を確認するのが基本でした。

海より深く反省・・・

 

さて、もう一度ここで考え直す。

早川小屋に戻るほうがコースタイム的には短い。

予定通り進むか、戻るか・・・

まだ体力は残っている、コースタイムからみても日が沈む前には到着できるだろう。

テントもあるし、水も食料も有る、

最悪どこででも一夜を明かすことは問題ないということで

先に進むことにしました。

こんどこそ、地図とコンパスでルートを確認し下っていきました。

 

おり始めたころガスが風邪に流れて先の稜線が見えました。

前方が栗沢山。今度は間違いない。

 

 

小さなアップダウンの後山頂に到着。

 

 

ここは目の前に甲斐駒がそびえていて、迫力有る姿が拝めると聞いていたのですが、

今日はうっすらと摩利支天が見えるのみ。

これが限界ですね。

 

ここから仙水峠まで急降下

 

 

ここまでくれば後は仙水小屋までゆるりと下るだけ。

 

小屋で手続きして、テントを張ってようやく落ち着いたのは17時過ぎ。

天気も道の間違いも含め、散々な一日でした。

 

サラミをつまみに赤ワインをのみながら

野菜リゾットとトマトスープ、体があったまってようやく落ち着きました。

明日はここをベースに甲斐駒のピストン、

晴れるといいなあ~と思いながらシュラフにもぐりこむ。

 

 

残りの写真は故障中のPCの中、

続きはしばらくかかるかも

 

 


やっちまった2

2012-08-20 21:47:07 | その他

ゆうべ、ブログを書こうと酒を飲みながらパソコンに向かっていました。

多少アルコールで頭がボーとしていたのかもしれません。

手先が狂って、グラスを倒して・・・

キーボードが酒まみれになってしまった。

という訳でちょっと更新が滞ります。

(滞っているのはいつもだろう!という突っ込みはありますが)

 


早川尾根縦走:鳳凰三山~甲斐駒ケ岳 2012年8月 その1

2012-08-18 20:26:36 | 南アルプス

7月末の安定した天候のころ

皆さんの山行記録をうらやましく見つつ、お盆休みを待っていました。

行先は・・・朝日連峰?白山?栂海新道?中央アルプス?

しかし直前の天気予報は思わしくなく、いろいろ迷っているうちに休みに入ってしまった。

比較的南の方が天気が良いのではないか(でも雷怖いけど・・・)ということで

以前から気になっていたルートの一つ、早川尾根の縦走を実行することに。

そういえばこれまで鳳凰三山に登った二度とも、なぜか雪の季節でした。

花崗岩の白い岩とハイマツの緑が広がる盛夏の鳳凰山も良いだろうと思い、

夜叉神から甲斐駒まで通して歩くことにしました。

 

2012年8月14日

前日に車で芦安に入り、14日朝に夜叉神峠の登山口に立つ。

やっぱり山は雲に覆われていて薄暗い雰囲気のスタートでした。

 

 

サルオガセのかかる樹林帯を峠まで登っていきます。

 

44

 

 

夜叉神峠の小屋につくころ、ぐずっていた空はいよいよ本格的に泣き出しました。

ヤレヤレ、という感じでザックにカバーをかけ、雨具を着て歩き始めます。

 

笹原のクルマユリは 雨に濡れていきいきとした色合いですが。

 

 

森の中の道と、所々に現れる展望ポイントを通過して。なだらかな尾根を少しずつ高度を上げていきます。

周囲には別のパーティーが4~5組ほど。

お子さんを連れた4人組家族、単独の男性、三人組のベテラン山ガール?(かなりのベテランでいらっしゃいます)

その三人組の歌声を後ろに聞きつつ、初日の重たいザックを肩と腰に感じつつ歩いていきました。

 

この付近からは白根三山がきれいに見えるはずなんですが、今日見えるのは根っこだけですね。

 

 

花も濡れてちょっとしょぼくれているかな。

 

 

 

山火事跡を通過して再び樹林帯。

苔むした斜面が南アルプスらしいしっとりとした雰囲気。

 

 

 

間もなく南御室の小屋前に到着。降り続いていた雨が治まる。

雨が強くなるようならここで一泊と思っていましたが、

まだ時間も早いこととて、幕営できる鳳凰小屋前まで進むことにしました。

まずは小屋前でお湯を沸かし、カップヌードルで早めの昼食。

 

 

 小屋の周囲に咲く花々

 

 

 

イチゴはもう実をつけていました。

 

 

再び樹林帯を登っていくと、木漏れ日がさしてきました。

 

 

よしよしとにんまりしつつ歩いていくと

ようやく森林限界を超えました。

 

白砂の稜線で後ろを振り返ると

夜叉神峠に至る稜線が雲に浮かんでいました。

 

 

ほとんど栄養分のなさそうな風化した花崗岩の砂地に

健気に花を開くタカネビランジ

 

 

 

前方には薬師岳と観音岳も見えてきました。

 

小さなピークを乗り越えたところに薬師小屋

 

稜線の小さなコルに咲くゴゼンタチバナ

 

 

ミヤマコゴメグサ

 

 

 

そこからひとのぼりで薬師岳です。

天気は、悪いというほどではないが良いということもない。

 

 

前方には鳳凰三山の主峰、観音岳

 

 

振り返ればはるかに南アルプスの山並みが続いています。

 

 

北岳はどうしても隠れていたい様で・・・

 

 

さて、観音岳に向かう途中

後ろを振り返ると薬師岳の向こうを覆っていた雲が少しずつ消えてきたような・・・

しばし様子を見ていると・・・

 

 

 

 

富士山!

テンションあがりますね。

観音岳の山頂にて、ザックをおろし、標準ズームを90mmマクロに付け替えて撮影

 

 

 観音岳の向こうに地蔵岳、オベリスクの下の谷間に

本日の目的地鳳凰小屋があります。

 

 

白い稜線から再び樹林帯を急降下すると、沢沿いに鳳凰小屋がありました。

 

 

ここのテント場は、きれいに平らに整備されています。

右端が私のテント。前室がしわしわですが

 

 

 小屋の周囲の花々

 

 

 

 

 

テントを張って落ち着いたら当然これ!

 

 

夜叉神から同じルートをたどった単独男性も到着。

近くのテーブルに陣取って夕食。

 

前半はうっとおしい雨の中でしたが、後半はそこそこ展望もあっていい感じでした。

さて予定外に歩を進んだ13日、明日はどこまで行こうか・・・

 


早川尾根縦走:鳳凰三山~甲斐駒ケ岳 2012年8月 速報

2012-08-17 14:29:18 | 南アルプス

2012年8月14日~16日 

 

雨の中を歩き続けた後観音岳へ登る途中、

後ろを振り返ると流れる雲のあいだから、富士山が現れた。

もう見飽きるほど見慣れた姿に、どうしてこんなに興奮するものなのか。

 

 

 

今年の夏休み、どこに行くか迷いに迷った末、

早川尾根縦走に出かけました。

 

夜叉神峠を起点に

 

 

薬師岳

 

観音岳

 

 

地蔵岳

 

 

 

・・・と三山を辿り、さらに早川尾根を縦走

 (前方の雲の中に飛び込んでゆきます)

 

今回のメインであるアサヨ峰や栗沢山は雨とガスの中

展望もなく厳しい道のりでした。

 

そんな修行のような旅も最後には報われて

 

 

甲斐駒では素晴らしい展望に恵まれました。

 

いろいろ反省点のある山行でしたが、

早川尾根、なかなかいいコースだと思います(晴れていればね

 

詳細はまた後程