ゆっくりと山登り

登山、写真、その他日々のことなど

北アルプス2008 その9

2008-08-31 16:50:31 | 北アルプス
8月12日 (前半)

鏡平小屋
今日もさわやかな朝です。
ベンチで食事を作り、出発の準備。



池と弓折岳



稜線までの道を登り返す。
背後には、大キレットから漏れる光線の向こうに穂高岳




稜線の分岐で、双六岳への道と別れて南下すると、
間もなく弓折岳山頂です。
景色を眺めていると鏡平からの登山者が次々到着。
皆さん笠ヶ岳までは同じ道。
それぞれマイペースで歩きつつも、
きれいな景色、花、ライチョウなどが現れるたびに
声を掛け合って進んで行きました。
千葉から来た男性、山形から来たベテランさん、
お花を教えてくださった女性二人組、大阪の若手男性トリオ、
大きい荷物を担ぎながら風のように進む健脚さん・・・




弓折岳から双六岳。
あの雄大に見えた平原もここから見ると小さく見えます。




いったん森林限界下まで下ってから、大ノマ岳に登り返す。
縦走路からちょっと外れた大ノマ岳山頂で小休止。
目の前に抜戸岳。
名前は地味ですが、ここから見るとなかなかどうして立派な山容です。



近づくにつれ秩父岩が大きくせまる。



秩父平はきれいなお花畑。ここから一気に上ります。



奇岩を横目に眺めつつ、高度を上げてゆきますと・・・



ようやく笠ヶ岳が姿を現しました。



ハイマツの中を南北に長い抜戸岳の道を辿って行きます。
日が高くなり、遮るもののない稜線上は体が焼かれるよう。
山形の単独さんは、帽子に雪を詰めて歩いてました。
縦走路の途中で山頂への分岐。
わかりにくい岩場の道を登って数分で抜戸岳です。

抜戸岳山頂から北側を振りかえる。



笠ヶ岳まではもう一息です。

北アルプス2008 その8

2008-08-30 20:21:44 | 北アルプス
8月11日(後半)


三俣蓮華岳の山頂から丸山を通って双六岳への道をたどる。



このようなおおらかな風景は大好きです。




途中、高校の山岳部と思われるパーティが休みを取っている。
若い人と出会うのは元気が出ますね。
双六岳山頂からは、雄大な風景が。
先ほどであった高校生が話している、「まるでマチュピチュの遺跡・・・」
確かに異国のようなスケールを感じる。



かつては双六岳から黒部五郎、水晶岳に至る地域は隆起によってできた高原だったとのこと。
黒部川をはじめとする急流に削られて現在のような峰々に分かれましたが、
ここ双六岳周辺には、
その太古の高原の名残がしのばれます。


双六岳の山頂を振り返る。



雲湧く槍ヶ岳



水晶岳を中心に・・・



双六岳のゆったりとした平原から、ハイマツを過ぎるとガレ場の急な下り。
三俣蓮華岳からの巻き道を合わせしばらく行くと、双六の小屋にたどり着きます。

小屋の前のベンチで昼食。
ベテランの男性とテーブルを同じくし、山登りにおける昼食メニューについてしばし語り合う。
小屋を離れ、幕営地を通り過ぎる。
双六岳と樅沢岳の鞍部を振り返ると、鷲羽岳がちょこんと頭を出している。



このあたりで周りはガスに包まれる。
淡々と縦走路をたどると弓折岳のお花畑。




さらに進むと、稜線の下に雲上の庭園、鏡平が見えてきました。




稜線の分岐からしばらく下ると
鏡平の小屋に到着。

例によってまずはビール。
雲ノ平から来たという男性が、同じテーブルで遅い昼食。
なんでも雲ノ平の小屋でご家族の一人が働いておられるとのこと。
ちょっと顔を見に行くのも大変なところで・・・と苦笑いされていました。

午前中の快晴がうそのように、天気は下り坂。
鏡平では定番の池に映った槍ヶ岳を写真に撮りたいとおもっていたのですが。
池のほとりにカメラを構えた人たちが待っていましたが
無情にも雨が降ってきて、いったん撤退。
小屋で食事をとった後、再び池の前で待っていますと
ようやく槍ヶ岳の穂が姿を現しました。

シャープさに欠けますが、なんとか池にうつる槍ヶ岳の姿。



暮れゆく日に照らされる山を味わいつつ。

槍ヶ岳夕照




穂高の夕暮れ




明日はいよいよ笠ヶ岳へ

北アルプス2008 その7

2008-08-29 23:32:11 | 北アルプス
8月11日(前半)

再び水晶小屋。
稜線上で風は強いが、今日もよい天気。
双六岳へ向かう本日午前中の行程も大展望が期待できそうです。

土間の小さなテーブルで食事を取った後、外に出て夜明けを待つ。

野口五郎岳と朝日




谷間の朝靄




赤牛岳と立山連峰



鷲羽岳に向かって歩き出す。
朝のまだ冷たい空気と、コントラストの高い風景に足取りも軽く。




雪渓を見下ろす



ワリモ岳を巻いてひと頑張りで鷲羽岳。
南側から登るよりはだいぶ楽をできた感じです。
しばらく展望を楽しむ

鷲羽から三俣蓮華、双六



双六の向こうに笠ヶ岳



さらにその左手向こうには焼岳、乗鞍岳、御嶽と続く。



水晶岳を振り返る



鷲羽から黒部五郎岳



鷲羽池と槍ヶ岳




山頂を離れると一気の下り。
三俣山荘の赤い屋根が次第に近づいてくる。




三俣山荘前で一休み。水をたっぷり補給。
幕営地を脇を登っていく。
この周辺に2日もいたので、
テントを撤収している人たちの中には
これまでにすれ違った方もいて
「また会いましたね」という感じで
あいさつを交わすのが楽しい。


しばらく登ると景色は開け、三俣のカールへ。
ここも明るいお花畑の広がる気持ちの良いところ。




三俣の登りから槍ヶ岳



やがて三俣蓮華岳の山頂
改めて来た道を振り返る。
そして鏡平へ向かう後半へ。






北アルプス2008 その6 花と動物

2008-08-27 22:09:25 | 北アルプス
2008北アルプスの記録も中盤ですが、今回の山行で出会った動物やお花をご紹介します。


岩の上で凛々しい姿を見せてくれた雷鳥




その子供です。やんちゃ盛りで、お花畑の中を走りまわっていました。




ブレていてよくわからない写真ですがオコジョです。あまりに素早く、カメラで追いきれませんでした。




お花畑の主役、チングルマ。




チングルマの実





トウヤクリンドウ





シナノキンバイとハクサンイチゲ。弓折岳稜線の花見平にて。




ミヤマダイコンソウ




トリカブト




ヒメアカバナ




イワオトギリとヒメアカバナ





イワギキョウ




タテヤマリンドウ





コウメバチソウ




クロユリ  




キヌガサソウ




ウサギギク





ハクサンフウロ  photobananaさんのブログの写真はこれでしょうか...




ミツバオウレン





北アルプス2008 その5

2008-08-26 23:39:13 | 北アルプス
8月10日(後半)

祖父岳を超えて主稜線へ。
水晶岳が次第に間近に。




岩苔乗越
右も左も黒部源流です。
高天原側に、数分下ると水場があります。
今夜の宿、水晶小屋は水場がないと聞いていたので、ここでボトルを満タンにしていきました。



ワリモ北分岐をすぎて北上。
まもなく二重稜線になります。
遥か昔に、氷河の消失あるいは谷間を沢が深くえぐったことで支えを失い、稜線がずり落ちて断層になったもの。
凄まじい生い立ちにも関わらず、稜線の間の船窪地形は静かで穏やかなお花畑となっています。




振り返るとこんな感じ。




ひと頑張りで、水晶小屋。
おそれていた雷も、どうやら今日は大丈夫のようです。
小屋に荷物を置きサブザックで水晶岳に向かいます。




水晶岳が近づくにつれて、山様はしだいに鋭く。



頂上までは岩場を乗り越えての険しい道。



東側は、かつて氷河に削られてすっぱりと切れ落ちています。



午後遅い到着とあって、静かな山頂。
ほかにはご夫婦のパーティーだけ。
お互いに記念写真を取り合う。

今日歩いてきた雲ノ平を見下ろす。
雲間を日差しがすり抜けて印象的な風景。



しばし山頂を楽しんだ後、再び水晶小屋に戻る。
山小屋の東は裏銀座コースへの分岐。
夕方の雲を谷間にたたえ、怪異な様相です。



南方には明日の行程、ワリモ岳、鷲羽岳。



水晶岳もガスに見え隠れして、一日の終わりを迎えています。




小屋の裏の小さなピークで、ビールを飲みながら沈みゆく日を眺める。




赤く染まる雲、そして月




水晶小屋は稜線の小さな宿。
大混雑でしたが、雰囲気は悪くありません。
夕食のカレーライスは満足感のあるものでした。


北アルプス2008 その4

2008-08-25 22:32:49 | 北アルプス
8月10日
今日は雲の平を経て、水晶岳へ。

夜明前に小屋を出て登り始める。
樹林帯を抜けて、小さなピークにたどりついたころ
日の出を迎えました。


朝の黒部五郎岳




三俣蓮華岳を北側に巻いて、黒部川の源流に向かいます。
お花畑を従えた、小さな沢をいくつか横切り雪渓を渡ると、
三俣山荘のキャンプ場前へ。そこから沢沿いに下る。

黒部源流の谷間をはさんで祖父岳



黒部川水源地の標



黒部源流の沢を渡る



沢を渡ると、雲の平への急な登り。
咲き乱れるハクサンフウロの花に慰められつつひと頑張りすると、
背後に北鎌尾根の鋭い稜線を従えた槍ヶ岳。

三俣山荘越しに槍ヶ岳




ハイマツ帯に入ると間もなく道は緩やかになり、
大きな雪渓を超え、日本庭園へ。

雪渓と三俣蓮華岳




ここからは、雲ノ平ののびやかな風景に変わります。

雲ノ平のお花畑と黒部五郎岳




祖父岳を大きく回り込んでいくと、雲ノ平の中心部が見えてきました。
ここで太郎小屋で一緒だった、単独行の男性と再会。
これから薬師沢を渡って、折立にもどるとのこと。
小屋でお餅を分けていただいたり、いろいろご好意をいただきました。
感謝の言葉をお送りしてここでお別れです。

雲ノ平越しの薬師岳



本日の目的地、水晶岳の姿も大きくなってきました。



祖父岳の分岐から木道沿いに下っていくと、
雲ノ平中心部の、のびやかな高原に出ます。



スイス庭園と名付けられた、雲ノ平の木道のはずれ。
人もまばらな、北アルプス深部のお花畑でしばし景色に浸る。
眼下の谷間には高天原。その向こうに薬師岳。




太古の噴火で雲ノ平を作った祖父岳。
今は名前の通り、丸く穏やかな様相で雲ノ平を見下ろしています。



昨日の雷雨のこともあり、時がたつにつれて雲の動きが気になりだします。
祖父岳を越えて、水晶岳に至る主稜線を目指し、歩を進めました。

北アルプス2008 その3

2008-08-24 11:32:14 | 北アルプス
8月9日(後半)
黒部五郎岳の登りから黒部五郎小舎まで。
一転して、山の天気の激しさを味わう。


北ノ股岳を振り返りつつ、黒部五郎岳の登りにかかります。




強い日差しの中、歩を進めていく。




一汗かいたところで黒部五郎の肩。
山頂は目前。




山頂でコーヒーを入れ、暫し展望を楽しむ。

氷河時代のなごり。
丸く削られたカールの底は、雪渓とお花畑が広がる楽園。




山頂を後に、カールへと下る道へ
前方には、ゆったりと広がる雲ノ平の向こうに険しい水晶岳の姿




山頂を後にするころから、周りの雲が気になりだす。
まだ午前11時前。夕立ち?には早いのですが、
カールに暗雲が迫ってきました。




カールの底に下り、清流でのどを潤している頃は
まだ多少のゆとりがあったのですが・・・






このあと激しい雷雨に見舞われました。
稲光が空を走る中、とにかく山小屋へと急ぎます。
太郎平への道は、長く感じましたが
黒部五郎小舎の三角屋根が見えた時はホッとしました。
小屋には次々と登山者が逃げ込んできます。

黒部五郎小舎で休んでいるとやがて天気は回復し、
すっかり穏やかな風景に戻っていました。
雨具を外に干して周辺を散策。

ここも草原がゆったりと広がる気持ちの良い所です。



黒部五郎岳を振り返るとぽっかりと夏雲が。




五郎平から見る笠ヶ岳




雲の平、水晶岳も近くなってきました。
明日の行程に思いをはせつつ、今日の午後はのんびりとここで過ごすことに。



このあと夕方に再び激しい雨。
外で夕食を作っていた人たちも、鍋を抱えて小屋に逃げ込んできました。
明日も予報は晴れですが、夕立が心配です。




北アルプス2008 その2

2008-08-24 09:09:46 | 北アルプス
8月9日(前半)

この日は太郎小屋から黒部五郎小舎まで。
前半部北ノ股岳を越えるまで)は景色を楽しみながらの穏やかな山歩きでしたが・・・

起きて小屋を出ると満天の星。
心弾ませつつ、出発の準備を進める。


今日のハイライトのひとつ、黒部五郎岳もどっしりとした姿を見せています。





太郎兵衛平から北ノ股岳へ歩き出す。
早朝のさわやかな空気の中、ゆったりとした道を楽しむ。





太郎山を越えると随所に湿原とお花畑。
ワタスゲのゆれる草原がありました。





ハイマツの中を登っていくと、
北ノ股岳へ向かうたおやかな稜線。




北ノ股岳の山頂間近は、見事なハクサンイチゲのお花畑。
あたりにいる人たちも、感嘆の声を上げながらシャッターを切っていました。



見下ろせば、薬師沢左俣の源流。
川面がきらめいています。



谷間の向こうには、雲ノ平、そして水晶岳からワリモ岳、鷲羽岳に続く稜線。
明日はあの上に。



そして黒部五郎岳が次第に大きくなってきます。





気持ちの良い、北ノ股岳から続く縦走路を行く。 遠くには左から笠ヶ岳、乗鞍岳、御嶽。




太陽が昇るにつれ、強い日差しが肌を射すなか赤木岳へと進む。





振り返れば薬師岳。遠く離れても、豊かで堂々としたたたずまいは変わりません。





そして黒部五郎岳の登りへと進みます。

北アルプス2008 その1

2008-08-23 21:45:36 | 北アルプス
ほぼ一年ぶりの更新です(さぼりすぎ)

今年の夏休みも北アルプス。昨年、立山から太郎兵衛平まで縦走しましたが
その続きを歩くことにしました。

折立→太郎兵衛平→黒部五郎岳→雲ノ平→水晶岳→鷲羽岳→三俣蓮華岳→双六岳→笠ケ岳

北アルプスの中心部をゆっくりと楽しむことに。

8月7日 東京をゆっくり出て富山で一泊。
空いた時間でお城見学。

特急はくたか



富山城




翌日、直行バスで折立へ。
樹林帯を黙々と登り、やがて有峰湖が見下ろせる草原の道へ。

有峰湖



たおやかな尾根道を太郎兵衛平へ




やがてガスに霞んだ小屋が見えてきました




およそ一年ぶりの太郎平小屋
まずはビール。
それから周辺を散策。



夕暮れになると徐々に霧は晴れて
明日の晴天を期待させる夕焼け




小屋の談話室で、単独行の男性とウィスキーを飲みながらお話。
お歳は70代後半とのことでしたが、自炊道具一式と食糧でかなりの荷物で登られている。
自分もザックが重いなどと言ってられません。
お互いの無事を祈り、眠りにつく。