ゆっくりと山登り

登山、写真、その他日々のことなど

甲州高尾山・棚横手 2011年4月 その2

2011-04-21 22:25:15 | 奥多摩・奥秩父・その周辺
2011年4月17日

甲州高尾山に向かって、明るい尾根道を進む。





燃え上がるような緑の若葉
見ているだけで生命のエネルギーを吹き込まれるような爽快さ




そして、枯れ木の中に静かに咲いている山桜。
こちらもひらひらと蝶が舞うかのような躍動感があります









ミツバツツジはまだ蕾




アップダウンを繰り返すと、
山の奥までの見ている林道に出ます。
振り返ると富士山が頭を出していました。
今にもかすんで見えなくなりそうですが、
やはりこの姿を見るのはうれしいもの




ひとのぼりで山頂の一角、剣が峰に到達しました。




そしてその先に進むと甲州高尾山の山頂の看板です。





ここからさらに棚横手まで開けた道が続いています。
背後は大菩薩に連なる稜線。






富士見台のあたりです。
この斜面はまだ植林が及んでいないようで、
乾いた草が覆うばかり。
火の不始末があれば一気に燃え広がってしまうのもうなづけます。









キジムシロの花でしょうか







富士見台に到着
このあたりで休憩をとるパーティーが多いようです。
私もここで一服





木がない稜線はどうにも不自然ですね。
山火事の猛威はいかばかりであったかと。

それでも南東方向に大きく景色が開けています。
彼方に三つ峠の鉄塔が見えています。







まだ時間もたっぷりあるので棚横手まで行ってみることにします。





富士見台からいったん下がって、しばらく登って
再び林道を横切ると間もなく山頂
富士見台までの風景を見てからでは割と地味な場所です。




青空に白い雲、カラマツ
穏やかなお昼時







ふたたび往路をそのまま戻っていきます。






北西がわずかに開けたところ
白い雪をかぶった金峰山が見えていました。









下り道で出会った蝶
近づいても逃げることなく静かに羽を休めていました。






甲府盆地を見下ろしながら下っていきます。
眼下にはぶどうの丘
その向こうにぼんやりとではありますが、桃の花が一面に広がっているのがわかります。














神社の桜が出迎えてくれました。








痛々しい山火事の傷跡、
燃えたのはたった数日のこと、
でも元の深い森に戻るのにあと何年かかることか。


それでも枯草の斜面に育ちつつある次の世代の木々、
いまは華奢なその幹も、いつか頼もしい巨木となって周囲を見下ろしていることでしょう。



おしまい



甲州高尾山・棚横手 2011年4月

2011-04-20 21:39:17 | 奥多摩・奥秩父・その周辺
2011年4月17日

中央線沿線にあって、それまで気に留めていなかったこの山を
最初に強く認識したのは2009年4月のこと




茅ヶ岳に登った後、桃の花が咲き誇る甲府盆地の風景を楽しみ、
丘の上から周囲の山々を見回していたとき、
盆地を囲む山の一角から煙が上がっているのが見えたのです。

それは帰りに中央高速を走っているときにも見えていました。
帰宅後のニュースで山火事があったことを知りました。

それ以来、勝沼インター付近を通るたびに禿げ上がった山の斜面を見ては
火事のことを思い出しました。




一度その山に登ってみようと思い立ち
昭文社の地図を見れば、きちんとハイキングコースが紹介されておりました。
ということで、出かけた日曜日です。



山火事の痕は、いたるところに痛々しく













それでも少しずつ植林された幼木が育ちつつあり、
4月の強い日差しの中で、緑の芽を伸ばしていました。









日曜日の朝、勝沼インターを降りて直ぐの大善寺の駐車場に車を停めました。
(参観料という名目で500円/人かかります)





そこから隣の神社を通って山道に入ります。
周囲の桜がまさに見頃





背景は春霞でうすぼんやりとしてますが、かすかに南アルプスが望めます。














最初に森の中を通りますが、まもなくそれも途切れて
稜線の端にある柏尾山まで日差しを浴びながら登っていきます。
ときどき背後の甲府盆地を見下ろしながら。
一面に桃の花のピンクが広がっているのですが
こちらもかすんでますね。












道端の灌木には若々しい芽
いきいきとした色合いに囲まれて歩くのがうれしい。




























このように開けた斜面が続いていきます。






続く





自然教育園の花

2011-04-12 22:54:28 | 花や動物

2011年4月10日

目黒の自然教育園に行ってきました。
お目当てはカタクリでしたが、いつも山の中でお目にかかっている花たちに
都会の真ん中で見ることができてなかなか良かった。


イチリンソウから・・・










ムサシアブミ





バイモ






ラショウモンカズラ






ヒトリシズカ





ニリンソウ





イカリソウ






アオキの小さな花






シャガ






池のほとりの木にはアオサギがのんびりしてました。






そしてお目当てのカタクリ
見ごろにはちょっと遅かったかな。
でもいくつかはうつむき加減に清楚な花を咲かせていました。











ショウジョウバカマは一株だけぽつんと





水辺にも花が広がっています















春の花の競演なかなか見事





こちらは近所のケヤキ
この季節の薄い緑色に輝く若葉が素敵です。



















花見

2011-04-10 22:07:53 | 花や動物


2011年4月10日

東京は花見日和でした。







そういえば今年はカタクリの花を見そびれていました。
都内で手軽に春の花を楽しめるところ、
目黒の自然教育園に行って春の野草を見てきました。
園内の主役はやっぱり桜ですね。
それぞれに弁当を広げて、桜の下のベンチでくつろぐ家族連れ。

穏やかなひと時です。













































家に帰る途中の近所の公園も、花見客でいっぱいでした。

若葉とソメイヨシノ











私も、近くのスーパーでビールとつまみを調達。
竜田揚げは揚げたてでうまかった。







遠方には634君です。









そのほかの花はまた後日アップします。


倉岳山-高畑山 2011年4月 その2

2011-04-07 21:55:44 | 奥多摩・奥秩父・その周辺


2011年4月3日 倉岳山-高畑山 続きです。




立野峠から、冷たい風をこらえながら、倉岳山へと稜線をたどってゆく。





小さなピークからは南に広がる道志、丹沢方面の山が見えます。
北側の斜面は雪が残って、寒々とした風景。

手袋をはめてタッタカと登ってゆきます。
頂上直下の急登をぐいっと登ると山頂を示す立札。





松の木の間からは大月方面の盆地が見下ろせます。








山頂には先着様二名。
ここからの富士山を写した看板がありますが、
今日は駄目ですね。


山頂からは再び急坂を下ったあと、
再び穏やかな稜線の道に変わります。






振り返れば倉岳山






高畑山の間のピーク





ここから見る北側の風景





百蔵山





そして向かい側に扇山










再び明るい森の中を進む







最後にひと登り
高畑山に到着です。






相変わらずどんよりとした空





こんな時は温かい飲み物ですね





切り株に腰を下ろして昼食のおにぎりをほおばる
お昼近くには天気が良くなると思ってたのですが
富士山は今回はおあずけでした。

山頂から北側の尾根を下っていきます。
一気に下ると
苔むしたベンチがありました。





今日は冬に戻ったような天候でしたが、
確実に木の芽は膨らんで春は訪れています。








沢の近くまで降りたところ、
二股にお地蔵さん







後は流れの脇の道をたどってゆきます。





まもなく貯水池に出ました。
山道もここまで





あとは分岐ごとに丁寧に建てられた看板を見ながら進んでいけば
鳥沢駅へと到着


本日の行程を振り返る







鳥沢駅前のコンビニでビールを買って締めとします。

期待した富士山の展望は得られず。
曇り空で寒い一日でした。
それでも沢、森、落ち葉、若芽・・・そうしたものに触れながら、
ただ黙々と歩いていられることが、いかに幸せなことか。

しみじみと味わいながらの山旅でした。




倉岳山-高畑山 2011年4月

2011-04-04 23:23:26 | 奥多摩・奥秩父・その周辺

・・・ということで、活動開始しました。


2011年4月3日

倉岳山という山を知ったのは、山登りを始めたばかりのころ。
私が一番最初に買った山登りの入門書は、横山厚夫さんの「登山読本」でした。

ベテランが初心者に淡々と語りかけるような文体に、
すっと引き込まれ、何度も読み返しては次の山行に思いを巡らせておりました。

その本の中にあまり注目されない静かな山として
倉岳山から高畑山に至るコースが紹介されていました。
今でこそ手軽なハイキングコースとして登山者が多くなってきたようですが。

コースは整備されているとはいえ
比較的地味なこのコースを久しぶりにたどってみました。



曇り空のせいか、それともまだ地震の後山に登る気にならない方が多いせいか、
朝の中央本線は空いているように感じました。
梁川の駅をおりたのは私のほかはおひとりだけ。
駅であいさつを交わし、靴ひもを締めなおして歩き始めます。




桂川を渡る。空はどんより、風も冷たい。
それでも久しぶりに山に向かって歩き出す気分は悪くない。




しばらくはアスファルトの道をゆく。





道の傍らの杉の木
私の天敵です。無謀にも近寄って撮影。
薬を飲んでいたのでこの時はなんということはなかったのですが、
家に帰ってから大変なことになりました・・・






道端のスミレの花を見ながらしばらく行くと
登山口の標識が現れます。




登山届を記入しようと、受付箱を開けると
倉岳山の案内パンフレットが入っていました。

写真入りのカラー印刷ですが、すべて温かみのある手書きの文字、
作成は地元の梁川小学校5年生でした。
梁川小学校は生徒数減で2011年の3月末で閉校になるのだそうです。
最後の記念に山の案内を皆で作ったのでしょうか。

地元を愛する気持ちと、さみしさと、自分たちで調べたことを伝えたいという思いと、
いろいろな気持ちがこもっているであろうパンフレットを一枚、
ありがたくザックに入れて山道に入りました。



しばらくは沢のせせらぎを聞きながらの道
幾度か沢を横切りながら進んでゆきます。














まだ冬枯れの山の中、杉やヒノキの暗い緑のほかは、セピア色の風景。
それでも足元に目をやると、枯葉の中に緑色の息吹が顔を出していました。
若々しい色合いを見ていると、心の中に灯がともったような気がします。






一方沢の向かいの斜面には、老大木がそびえています。
先ほどのパンフレットによると樹齢500年ともいわれるトチノ木だそう。
長く年輪を重ねてきた重厚なたたずまい、
環境の変化に負けずに生き延びてきたたくましさ。










沢を詰めていくと最後の水場を示す立札





この先、斜面をジグザグに登って行くと立野峠です。






稜線に出ると、そこは冷え切った風の通り道でした。





少しずつ天気が良くなるとの予報でしたが
相変わらずの重たい雲。
ザックから手袋を出す。
身が縮む寒さ、早々に倉岳山に向かって歩き始めます。



続く




















若葉 芽 花  

2011-04-02 21:38:17 | その他

公園の桜がようやく咲き始めました













冬の間、竹ぼうきをひっくり返したようだったケヤキの木にも、若葉が生え始めました。
明るい黄緑がとても心地よく目に映ります。






競うように咲き出した花たち






















殺人的に混雑していた通勤電車も多少時間をずらすことで
落ち着いて乗ることができるようになってきました。
そんな車内で一昨日読み始めた本。

「Born to run 走るために生まれた」

先ほど読み終えました。

最初はなんだか冒険小説のようでしたが、過酷な中にも人間味あふれるレースの描写、
人類の進化に思いをはせる知的な刺激、
なかなか面白かった。

自分は走るほうはからっきしですが、
読んでいると不思議と自分にもできそうな気がしてきてしまいます。

まあそんなに甘くはないにしても、
あのきつい登りにへこたれても、また次の山を歩きたくなる
そんな心境に近いものがあるのかもしれません。


ひとりアルプスの広大な景色の中、稜線を歩いているときの爽快さを思い出しました。
そろそろ活動開始ですかね。