元日の不可を可にせん気炎かな
(がんじつのふかをかにせんきえんかな)
と、詠んではみたものの、どうも背負う荷物が重すぎて・・・・。
年立ちてはや煩悩の二つ三つ
(としたちてはやぼんのうのふたつみつ)
惜しまねばならぬ光陰年迎へ
(おしまねばならぬこういんとしむかえ)
年々、月日が過ぎるのが加速する。
今年は70歳を迎えてしまう。
12月21日~31日のつぶやき句を32句にまとめました。
悪筆に効薬無きや終弘法 己が身は安骨董で終大師
身辺を整理する齢果大師 薬漬けにても生きたく冬至風呂
余の命測るすべなく冬至風呂 万難の渦中に在りて冬至風呂
虚と実の狭間に生きて寒霞 物忘れ多き齢や寒霞
冬霞に包まれ古池静まれり 初恋はいけ火のままに老いにけり
貧しくも昭和の日々の埋火かな 寄せ合いし膝の温みの埋火かな
長考の一手を求むいけ火かな いけ炭に鬱のひとつを埋めにけり
冬雲雀独りぼっちの子でありき 冬雲雀恋とは終るものと知り
葛湯飲み鬱の一つを解きにけり ため息をひとつ洩らして吹く葛湯
痴話喧嘩かくて決着葛湯飲む あたふたと野良の逃げ行く霰かな
初恋を告白できず冬休み 追い込みの課外授業や冬休み
雀らの喰いぶちつけて注連作 朽ち古れる村の社や注連作
背の丸む祖母や夜なべの注連作 葛湯吹くそはため息か幸せか
暖冬の懐中細るばかりかな 暖冬の安値は野菜ばかりかな
山の神の荒ぶりし年斧仕舞 シリアにもあらまほしかな斧仕舞
斧仕舞恨みつらみはひとまずに 食ひ尽くして欲しき万難貘枕