棚田部でS先生が「ヒオドシチョウの幼虫がいる」と呼んでいた。今期、テングチョウもヒオドシチョウも見ていない小生で若葉を萌えさせ始めた頃からエノキを見上げているのだが飛翔体も食痕も発見できずに至っていたのだ。
早速、指し示した場所を見れば沈泥分水池の水面に伸びた竹の一端にぶら下がっていてまだ幼虫のすがたそのままである。糸を張ってこれから蛹化を開始する態勢だ。何年か前に大発生した時があり、この時はエノキを見上げれば黒い塊になって幼虫が見え、その付近の若葉はことごとく食べられ裸枝になっていた。蛹化の時はエノキから外れて周囲のあらゆるところで蛹化したので「あっちを見てもこっちを見ても、上を向いても下見ても」蛹の満艦飾でびっくり仰天玉手箱だったのである。
ところが日を置かずしてヤマトシリアゲが大発生、と言うより蒙古襲来、いいえ大挙襲来し、ことごとく穴を開けられ吸汁された殻だけが残ったと言う事があったが、それも一度きりである。しかしなあ、この竹竿は沈泥分水池から泥水池に水を定量届けるための塩ビ管清掃用なのであった。降雨出水すれば落ち葉や小枝の残渣物が地中に埋設した塩ビ管の凹んだ部分で詰まるから、その清掃用なのだが、これで清掃用には使えなくなった。何て骨体・マーフイの法則通りだ。