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今日の筆洗

2023年12月04日 | Weblog
終戦直後の淡路島を舞台にした阿久悠さんの小説『瀬戸内少年野球団』に腕っぷしの強い、やんちゃな少年が出てくる。あだ名はバラケツ。土地の言葉で不良の意味らしい▼このバラケツがお寺の子のニンジンをいじめる。ニンジンは泣かされて帰ることもたびたびで学校に行くのをいやがるようになる。バラケツを叱るのが、しっかり者の少女、ムメちゃん。「あんた、これから先、新田君のこといじめたらあかんのよ」「わかっている」「約束破ったら私が承知せえへんよ」。バラケツは恋心を寄せるムメちゃんには頭が上がらない▼こんな話ならどんなによかったか。バラケツは約束を守ったが、この投手は聞くだに不愉快な行為をなぜ、やめられなかったか。とがめるものはいなかったのか。楽天イーグルスの安楽智大投手が同僚選手へのハラスメント行為で自由契約となった▼暴言や下着を脱がせるなどの行為があったという。心底がっかりする▼ボールを一心に追う。飛びつく。投げる、走る。野球を見るものが魅了されるのは選手が表現する無心でひたむきな子どもらしさかもしれぬ。人の痛みの分からぬ子どもじみた行為とは違う。心まで幼くてどうする▼実績ある投手である。反省し、どうすれば許してもらえるかを考えるしかあるまい。反省と再生の物語を見たいが、早くマウンドに帰ってとは今はとても言えぬ。
 
 

 


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