米大統領選挙の候補者によるテレビ討論の出来というのはその後の支持率とはあまり関係がないそうだ▼もちろん例外はある。2008年、民主党のオバマ氏は共和党のマケイン氏との討論会後、急速に支持を伸ばし、最終的に当選したが、最近は討論会後に支持率が劇的に変化することはないという▼今回はどうだろう。民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領の初顔合わせとなったテレビ討論会。ここまでの支持率は互角かハリス氏がわずかにリードというところか▼討論会の出来だけでいえば、ハリス氏に軍配を上げる方が多そうだ。トランプ氏のうそやほころびを丹念に突き、世代交代や団結を訴える姿勢は効果的だったかもしれぬ。口八丁のトランプ氏が受け身に回る場面もあった▼討論会後に支持率がさほど変わらない理由は誰に投票するかを有権者は既に決めており、その候補が討論会でたとえ打ちのめされたとしても支持し続けることにあるようだ。分断の時代。おいそれとは支持先は変わらない▼トランプさんもそれが分かっている。移民問題などで相も変わらぬ差別的な発言を展開した。新たな支持の拡大より、こうした発言で自分のファンを喜ばせ、支持層をさらに固めるのが狙いだろう。大統領選挙まで2カ月を切った。今後数週間の支持率の変化が気になる。ハリス氏は新たな例外となれるか。
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