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今日の筆洗

2023年01月06日 | Weblog
明治時代、飼育用ウサギの売買が大流行した。『明治事物起原』(石井研堂著)などによると、市が開かれ商人が集まり、価格は高騰。大もうけして家を新築した者もいたという。ある時、両耳の毛が黄色に変わったウサギ一匹についた値は六百円。東京・銀座の百坪以上の地価に相当した▼売買をめぐる争いで殺人事件も起きたが、ブームは続かずやがて価格は暴落。寵愛(ちょうあい)されていたウサギは一転、河原などに捨てられ、鍋の肉にもされた。いい迷惑だったろうが、相場の天国と地獄を知る生き物といえる▼卯(う)年の東京株式市場はおととい、ほぼ全面安で幕を開けた。きのういくらか値を戻したが、芳しくない滑り出し。世界景気の悪化懸念が強いという。卯年の相場格言「卯跳ねる」の通りに今後、株価は上がるだろうか▼野村証券によると、一九二七〜二〇一一年の八回の卯年で、年末の株価が前年末を上回ったのは五回。朝鮮戦争特需に沸いた一九五一年、ITバブルのころの九九年など大きく上昇した年もある▼明治のウサギ価格暴落の要因の一つは当局による課税。過剰な流行を制御すべく、東京ではウサギ一匹あたり月一円の税がかけられたという▼そういえば、防衛費の財源確保のための増税の実施時期は来年以降のいつかで、首相の言によると、それは今年決まる。判断は、卯の跳ね具合にも影響するかもしれない。
 
 

 


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