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今日の筆洗

2024年07月03日 | Weblog
お目見えは1984年というから付き合いはざっと40年。思えば、ずいぶんとお世話になった▼なるほど、うれしさと安心を与えてくれる御仁(ごじん)なれど、その人が近くにいらっしゃらないときはどれほど心細いことか。その顔に多少のうらみを覚えぬでもない。謎かけめいた書き出しをお許し願いたい。御仁とは1万円札の福沢諭吉さん▼新紙幣発行が本日から始まる。1万円札の肖像は福沢さんに代わって実業家の渋沢栄一さんがお務めになる。昭和から令和の日本経済に1万円札の福沢さんは何を見てきたのだろう▼狂乱のバブル期もあった。経済の低迷も見た。加えて最近の物価高や格差拡大。1万円で買える物も少なくなった。紙幣が電子マネーなどに取って代わられる時代でもある▼若い人から1万円札の意味で「ユキチ」と呼び捨てにされ、紙幣の顔を折り曲げられてユキチの笑顔を作ることが流行したこともあったっけ。お札の肖像になるのは名誉だが、その名を聞けば自由民権論者の功績よりも人の欲や醜さまで連想させるようになっていたとは言い過ぎではあるまい。福沢先生、たぶん、笑顔ではない。お金が「人の上に人」を造る現実に▼さて、渋沢1万円札はどんな時代を見ることになるだろう。「福」から「渋」ねえ。「新紙幣」に続けて連歌の品のない万能句をつい加える。<それにつけても金の欲しさよ>-。
 
 

 


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