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今日の筆洗

2022年02月19日 | Weblog

北海道北見市常呂(ところ)町のカーリングの歴史は一九八〇年に始まる。北海道と交流があったカナダ・アルバータ州の講師が、道内で開いた講習会に常呂の男性が参加したのがきっかけという▼流氷が接岸する寒冷地。漁師も農家も作業のない冬にみんなで楽しもうと、町で普及が図られた▼当初はプロパンガスのボンベを改良したストーンと竹ぼうきを使った。屋外グラウンドに水をまいて造ったリンクは社交の場。ビール片手におしゃべりを楽しみながら、プレーする人もいた。人々は試合のない日もリンクを整備しながら、語りあった。「JAところ」のウェブサイトなどに教わった▼常呂を拠点とするチーム「ロコ・ソラーレ」がメダルを争う北京五輪のカーリング女子。語りあうことは勝つためにも重要らしい▼通信社が元五輪代表の両角(もろずみ)友佑氏の評論を試合ごとに配信しているが、敗れた英国戦では、ミスとなった藤沢五月選手のショット前の選手間の話し合いに言及。「コミュニケーションを武器にしているチームにとっては珍しく短かった」と指摘した。変化する氷の状況など情報共有は不可欠。沈黙が敗北を招きがちな競技なのだろう▼コロナ禍でみんなが集まっての応援はできなくなったが、四年前と同様、常呂の各家庭のカーリング談議は熱を帯びる。残り一試合。氷上で語りあう選手たちに歓喜の時が訪れることを。