映画の終わりに主人公が物語のその後にどうなったかが字幕で説明されることがある。たとえば米青春映画の「アメリカン・グラフィティ」▼ある者は交通事故で死亡し、もう一人は行方不明と説明が出る。物語の中で輝いた若者たちに暗い未来が訪れることを知らされ、見ている方はため息をつき、青春のはかなさを思う▼一九九四年のルワンダ虐殺を描く「ホテル・ルワンダ」(二〇〇四年)。やはり映画の最後に人々のために奔走した実在のホテル支配人の「その後」が紹介される。妻子とルワンダを離れ、「現在ベルギーで暮らしている」−。その説明に胸をなでおろしたものだが、まだ物語は終わっていなかったようだ▼映画のモデルとなった、元ホテル支配人のポール・ルセサバギナ氏。六十七歳。二十日、ルワンダの裁判所は同氏に対し、テロ組織に関与したとして禁錮二十五年の有罪判決を言い渡した▼判決ではテロ組織を創設し経済的支援も行っていたという。八十万人以上が犠牲になったとされる少数民族ツチらに対する虐殺の中で、難民らをホテルにかくまい、千二百六十八人の命を救った「英雄」とその判決がうまく重ならない▼現政権に批判的だったことから、政治的な見せしめにされたという見方も出ている。ルワンダにはだまされて連行されたとも伝わる。知りたいのは事実と英雄の「この後」である。