東京新聞寄居専売所

読んで納得!価格で満足!
家計の負担を減らしましょう!
1ヶ月月極2950円です!
アルバイト大募集中です!

今日の筆洗

2021年07月14日 | Weblog

 一九三五年、結成間もない大日本東京野球倶楽部(現在の読売ジャイアンツ)は米国に遠征し、地元チームを相手に百十試合を行っている▼今年の大リーグオールスター戦の開催地コロラド州デンバーでも試合をしている。成績は大学生チームなどと二戦して二勝。いずれも伝説の名投手、沢村栄治が勝利投手になっている▼昔からデンバーは日本人選手には縁起のいい場所かもしれない。高地にあり、打球が飛びやすい当地、クアーズ・フィールドで野茂英雄投手がノーヒットノーランを達成している。松坂大輔投手はレッドソックス時代、ここで日本人として初のワールドシリーズ勝利投手となった。野手ではイチロー選手が三千安打をこの球場で記録している▼本塁打競争は惜しくも一回戦で敗退したが、本日の二刀流での出番ではおおいに活躍してくれることだろう。エンゼルスの大谷翔平選手である▼三五年の遠征では日本人選手は米国人選手の打球の速さに目を丸くしたそうだが、今は、日本のこの若者の打球と速球が米国人選手やファンの目を丸くさせている。痛快でもある▼差別に苦しんでいた当時の日系人たちは沢村投手の快投に涙を流して喜んだと伝わる。コロナ禍の暗い世相の中で、今の日本人も大谷選手の活躍に光を探しているようでもある。こんなあいさつが普通になった。「今日の大谷はどうだった?」