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今日の筆洗

2020年09月03日 | Weblog

「ヨーロッパ諸国を巻き込んだ三十年戦争は何年間、続いたか」。作家の井上ひさしさんが高校生の時、こんな試験問題が出たそうだ▼三十年戦争と言うのだからもちろん正解は三十年だが、どういうわけか、クラスの半分以上が間違えたそうだ。まさかそんな問題が出るはずがないと思い込んだのか。井上さんにいたっては「三十年戦争は百年続いた」と書いてしまった▼さて三十年ではなく、「六日間戦争」の話である。安倍首相が辞任を表明したのが八月二十八日。そこからわずか六日で後継の自民党総裁が事実上決まったといっても過言ではないだろう。昨日、出馬を表明した菅官房長官である▼選挙は水もの。投票が終わるまでは分からぬとおっしゃるか。その通りだが、党内七派閥の五派閥までが菅さんを支持している状況を見れば、よほどの醜聞でもない限り、菅後継は動くまい。「半沢直樹」でもこの状況からの「倍返し」はあきらめるだろう▼六日間戦争に見えるが、六日どころか相当前から後継は菅さんでと練られていたか。石破さんだけは後継にしたくない安倍さんの意向とそれに乗った党内各派。そうでなければ、これほど短期間に党員投票なしの総裁選で、後継は菅さんという流れはつくれまい▼出題「国民は開かれた総裁選を望んでいるでしょうか」。かくして自民党はこんな簡単な問題さえ間違えた。