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今日の筆洗

2020年06月22日 | Weblog

恐るべき侵略者をやっとの思いで討ち果たした指導者がいると思い浮かべていただきたい。国を守り抜いた英雄に国民は熱狂し歓声を上げる。ありがとう!▼その二カ月後に選挙があったとする。指導者は圧倒的に有利だろう。なにせ英雄である。ところが英雄は相手さえあきらめていた総選挙で思わぬ敗北を喫する。事実である▼英雄とは第二次世界大戦でヒトラーから国を守ったチャーチルである。欧州戦線の勝利から約二カ月後の一九四五年七月の英国総選挙でチャーチルの保守党は福祉国家建設を掲げるアトリーの労働党に敗れ、チャーチルは首相の座を追われる。国民は英雄の功績よりも未来に票を託したか▼さて、東京都知事選である。現職の小池百合子知事が優位という下馬評がある。都知事として新型コロナウイルスと闘い、ごたついた場面もあったが、第一波をひとまず沈静化させたことが選挙に有利に働くという見立てである▼それでも選挙への関心を失うのは早すぎるだろう。英雄が敗れることはあり得るし、ましてや小池さんについてはコロナを制した英雄とはまだ呼べぬ。選挙戦を関心を持って見守りたい▼小池さんにとってチャーチルとの験の悪い一致点をもう少し。チャーチルが負けた総選挙の投票日は都知事選と同じ七月五日らしい。それにもう一つ。二人とも英語を使いたがる。最後のは冗談だが。