小泉首相は、いろいろなところへ卒業旅行に出かけたわけですが、国民は、のちの歴史家はこの5年に及ぶ政権をどう評価するのか非常に興味があります。
良くも、悪くも大きな話題がいくつもありました。思いつくままに挙げてみても、
■ 北朝鮮に拉致を認めさせた
■ 自衛隊を海外に派兵
■ 郵政・道路公団の民営化
■ 靖国参拝を続けた
■ 旧橋本派など派閥を徹底的に破壊
■ 不良債権の処理
■ 郵政解散で総選挙の大勝
さらにキーワードだけだと、小さな政府、日米蜜月、抵抗勢力、格差社会、変人、パフォーマンス、骨太、構造改革、小泉チルドレン、などでしょうかね。(大きいものが抜けていたらご指摘を)
野党も、社民党や共産党がますます弱体化し、自由党、民主党が一緒になったり、かなり動きました。
本書は三年ほど前に出たものです。小泉首相と山崎元自民党幹事長、そして加藤紘一氏のYKK、中でも小泉、加藤の両氏を中心に描いた政界ドキュメンタリーです。それぞれの生い立ちから、小泉政権誕生の舞台裏など側近や家族、親戚などを丹念に取材して書かれています。
YKKにとって節目となる出来事、協和献金問題や山崎派旗揚げ、森首相に対する加藤(山崎)の乱、それぞれの大臣就任、そして加藤氏の秘書逮捕から議員辞職、その時々の会話などが詳細に生々しく描かれています。
全体を通して3人の描かれ方の印象は、
■加藤氏:政界有数の実力、人望もありながら、脇が甘い。天下取りをあせって墓穴を掘った。
■小泉氏:信念を曲げないことが良くも悪くも特徴である。政治的センスは天才的で、決断力も抜群にあるが、首相として必要な世界観や経済知識はあやしい。
■山崎氏:能力はともかく人を裏切らない。
450ページにも及ぶ大作ですが、好悪は別にして小泉政治に関心のある方なら、実に多くののエピソードや周りの証言、回想などが織り込まれていて、どんどん読めてしまうのではないでしょうか。大下氏の著作はどれを読んでも読みやすく、政治家が身近に感じられるものばかりです。
http://tokkun.net/jump.htm
小泉純一郎最後の賭け河出書房新社詳 細 |
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