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■特集!教育に関する本■

2006年06月14日 | 教育関連書籍

先月は、当教室メルマガの 『入試に出題された本』 の特集をお伝えしました。今月は『教育に関する本』 がテーマです。やはり私以外に、いろいろな先生方が書かれておりますので、無記名とさせていただきます。なかなか良書がそろったと思います。



■ 『崖っぷち弱小大学物語』 杉山幸丸著(中央公論新書 756円)206p
 

崖っぷち弱小大学物語



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筆者はかの京都大学霊長類研究所の所長、日本霊長類学会の会長を歴任、世界的にも優れた研究を残しています。輝かしい経歴を引っ提げた筆者が、定年後、いくつかのオファーの中から選んだのが、本書の舞台となる、ある大学の人文学部長の職です。崖っぷち弱小大学とは、よくも言ったものですが、生徒を集めるのに四苦八苦している大学のこと。そこで、筆者が、やる気のない学生、問題意識の低い教師や職員を目の当たりにし、学校改革に乗り出していく物語です。底辺といわれる大学で何が行われているか、良くわかります。少子化がますます進むこれからの時代は、大学も中身で勝負するしかないということも実感します。非常におもしろいだけではなく、実際の大学選びにも役立ちそうです。
大学 学校選び 霊長類



■ 『学力を育てる』 志水宏吉著(岩波新書 735円)224p 
 
学力を育てる



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知識の詰め込みで獲得できる学力を『葉』思考力や判断力、論理構成力、考える力、表現力を『幹』そして、意欲や関心、態度といったものを『根』とする一本の木に学力を例え、どのように木を育てていくのか解説しています。木を大きく育てるためには学校と家庭と地域の支えが必要であり、それは連携よりも協働が望ましい、と様々なデータや調査、取材により、著者は結論付けます。最近度々目にし、耳にする学力格差についても詳しくデータから分析し、克服の成功例を挙げ、今後の公教育のあり方や可能性を説得力に満ちた説明がされており、教育関係者や保護者の方には有意義な一冊となるはずです。 学力 格差



■ 『カリスマ体育教師の常勝教育』 原田隆史著 (日経BP社 1400円)260p
 
カリスマ体育教師の常勝教育



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「生活指導の神様」とあだ名される体育教師の指導理論書です。松虫中学という荒れた学校で陸上部を指導し、7年間で13回の日本一という偉業を成し遂げています。さぞかし優秀な人材がいたのだろうと考えがちですが、氏の指導は家庭や学級での生活態度を正すことで心を強くし、どんな勝負にも平常心で臨んで勝つというやり方にその特徴があります。優勝した選手が「毎日皿洗いをしたら優勝できました」というほどです。子どもの教育だけでなく、企業の社員教育にも通ずるものがあるでしょう。 カリスマ 社員教育 陸上部 平常心 



■ 『子供の潜在能力を101%引き出すモンテッソーリ教育』 佐々木信一郎著(講談社+α新書 840円)186p
子供の潜在能力を101%引き出すモンテッソーリ教育



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 ある能力が最高に発達する時期(発達の旬=敏感期)を逃さず、独特の教育を施していくモンテッソーリ教育の方法がわかりやすく紹介されています。幼児期における学習についての方法論のため我々学習塾から考えますと、関わる以前の年代の話になりますので授業で実践できることはありません。しかし本書で示される”学びのスパイラル”は学習指導においても根本であると思いますし、”学びのスパイラル”により癒されるという記述などは非常に興味深いものです。正解が分からない幼児期の教育において、どうすれば良いのか悩まれている親御さんは一度読まれてはいかがでしょうか 。モンテッソーリ 幼児教育



■ 『叱らない教師、逃げる生徒』 喜入克著(扶桑社 1575円) 253p 
叱らない教師、逃げる生徒―この先にニートが待っている



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 今学校では何が起きているのか。実際に聞いた話のなかに、“授業中でも生徒同士で話をする”“学校でお菓子を食べる”“授業中に立ち歩く”といったことがある。これらのことは当たり前になり、この本にもあるように、教師も注意しなくなり教育現場のレベルが下がってきた。ニート・フリーターは基本的には自分の責任が大きいとは思うが、これだけ大量に増えてしまった理由として、教師の責任も大きい。生徒に指導する立場として、今何をするべきか・考えるべきかを与えてくれる本でした。 学校 教師 フリーター


 http://tokkun.net/jump.htm

サッカーのことはしばらく忘れて、読書で心を落ち着けましょう。   

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