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【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

父の日

2006年06月18日 | Pictures
ワールドカップサッカー & 父の日でした。日本ガンバレ!!!

『銀河のワールドカップ』 川端裕人

2006年06月18日 | サッカー関連
 

先日ご紹介した『もう一度キックオフ(風野潮)』 も子どもを主人公にサッカーを扱った、すばらしい一冊でしたが、こちらも負けていません。というか、前者は子ども向け、絵も挿入されていますが、本書は子どもも読めますが、400ページ近い長編です。川端氏の本をはじめて読みました。

主人公は、元Jリーガーの花島勝、フリーターのような生活をしていた彼が、ひょんなことから、少年サッカーチームのコーチを引き受けます。花島の純粋なサッカー愛と、逆に、子どもたちの大人びた、そして豊かな個性がいつのまにかシンクロし、登場人物たちがみな成長する姿がすがすがしいです。

日本一、世界一、さらに…大きな夢を追う物語で、今からでもドイツの日本チームに届けたいくらいです。ブラジル人だって、足は二本しかないし、どこでやってもサッカーボールは丸いんだ!と。(笑)

私はサッカー自体、あまり詳しくないのですが、少年サッカーの実態、“親”応援団のすさまじさは知り尽くしております(笑)。お父さんコーチの情熱や知識欲のすごさも。 “銀河” といえば、レアルマドリードだとお気付きになるはずです。

作家というのは、もちろん観察眼が人並みはずれて鋭いのですね。少年サッカーの実態だけでなく、他のエピソードを見ても、筆者が、よく観察、研究、取材していることがうかがえます(プロだから当然か)。素人にも、サッカーファン(あるいはマニアまで)にも楽しめる一冊になっていると思います。

その上、『サッカーとは何か』 『自分はサッカーが好きなのか』 『強いとは』 などという哲学的な問いかけが出てくるのが大変気に入りました。それが気になって、略歴を見てみますと、ピンポーン!筆者は東大卒で“科学哲学”専攻だそうです。

最近は、仲正昌樹氏、小谷野敦氏、赤川学氏など、60年代生まれの東大卒の学者が、個性的な良い本を書いているなぁと、常々感じていましたが、作家のカテゴリーでもすばらしい人材を輩出するとは…。

ちょっと褒めすぎです(笑)から、難点を2つ。

1. あまり必然性があるとは思われない、性描写が、わずかながらところどころにあり、塾講師としては(親としても)子どもに勧めづらい。(こんなこと書くと逆に宣伝になる(笑))

2. “鳥肌が立つ”という表現は、誤用の代表格です。筆者は“感動する”という意味で何回か使っていると思います。“感動”の文学的表現として、許容範囲なのか、あえて承知で使っているのでしょうか。塾講師としてはお聞きしてみたいところです。(鳥肌という表現:新聞のサイトにも出ていました。http://blogs.yomiuri.co.jp/wcup06/2006/07/post_e93b.html

もちろん全体的には楽しめる良書であると思いますし、今後に期待を抱かせる作家という気がします。

ジーコジャパンがんばれ!

P.S. 作家、サッカーで思い出したのですが、以前、川柳を作りました。
 『作家らが、なれないサッカー、擦過(さっか)傷』  失礼しました。


http://tokkun.net/jump.htm
銀河のワールドカップ

集英社

詳細を見る


『銀河のワールドカップ』川端裕人
集英社:378P:1995円

昨日の記事で、にほんブログ村 本ブログへ の点数がぐっと上がりました。本当にありがたいものです。心よりお礼申し上げます。この記事にはあと2つ付けさせていただきます。夢は大きく3冠王!な~んて。あっ、調子に乗りすぎました(笑)。


すみません。今後とも、よろしくお願い申し上げます。



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『文明の衝突』 サミュエル・ハンチントン

2006年06月18日 | 教養
 
少し前の田中宇氏の、メルマガのタイトルは、【文明の衝突と東チモール】 でした。要旨は、【アメリカは、冷戦後、イスラム諸国を相手に、文明の衝突をたくらみ、世界を反米に向かわせることに成功した。しかし不必要に過激な行動が、反米グループの中でも多極化を生み、東チモールがそのあおりを受け混乱している】 と理解しました。

スポーツは政治や文化とは別だ、という見方もありますが、ワールドカップサッカーなどはそう思えません。何となく文明・文化(同義ではありませんが) ぶつかっていると感じてしまいます。

日本選手は行儀が良いと感じますし、クロアチア人にとって、サッカーは生活そのものという報道もあります。イギリスは紳士の国、といいながら、フーリガンは何でしょう。 中国でのアジアカップの騒ぎは? 

そもそもが、戦争で勝ち取った相手の将軍の首を蹴りまわして、戦果を称えたのが起源だそうですから、サッカーは武器を持たない戦争だと断言する専門家も多くいますね。自国の文化の優秀さを競うという気持ちが、世界中を熱狂させるのではないかと思うわけです。

そんなことから、今日は、その、文明の衝突を取り上げます。世界中に衝撃を与えた一冊というのは、大げさでしょうか? だいぶ前に読み、あの中国の反日デモを見てもう一度読み、今日また、パラパラと読みかえしてみました。

9・11などテロの過激化やアメリカがアフガニスタン、イラクなどと戦争をすることを予言した形になっていたハンチントン氏 (田中氏の嫌いなハーバード大の教授) が、世界の文明を8つに分けて論じています。

中華と日本は別文明だということは学者の中ではほぼ同意ができているようです。キリスト教を信ずる西欧文明はすでに成熟期に入っており、徐々に衰退していく傾向であり、代わって発展してくるのが、中華文明、イスラム文明、インドを中心とした南アジアのヒンドゥー文明。

本書が書かれた時点(98年)で衝突が起こる可能性が最も高いのがイスラムだとしていたわけです。その後、中国が急速に成長を遂げた時に、衝突の確率が高いシナリオは、 “中華文明 VS 西欧文明” ですが、氏の予測では、日本は迷いに迷って、アメリカではなく、中国と共同歩調を取る方を選ぶのではないかというものでした。(2010年頃の推測として書かれています)

昨今のニュースを見ていると信じがたいのですが、何と言っても、ハンチントン氏の分析です。田中氏なら、それも、日本にショックを与える謀略だと指摘するでしょうか?

本書は 『文明』 を視座に、さまざまな紛争や歴史的できごとの分析、将来予測などが書かれています。分厚い本で、気軽に読める類ではないのですが、非常に刺激的ですので、歴史に興味のある生徒さんにも薦めたい一冊です。アメリカ社会に興味のある方は、同氏の『分断されるアメリカ』 もお薦めです。


http://tokkun.net/jump.htm
文明の衝突

集英社

詳 細


『文明の衝突』サミュエル・ハンチントン
集英社:554p:2940円



■□■□■□□■□ ここから↓は ランキングに関して ■□■□■□■□■□■□
本当に、目を疑ったのですが にほんブログ村 本ブログへ でのランキングが 1位 になっておりました。ついこの前まで大差を付けられ、相手の強さに感心し、半分、あきらめていたので、大いに驚き、感激しました。ありがとうございます。

(実は2位と1位の差は、私の場合は、プライドの問題などではまったくなく、見ていただける数が大きく違うということです。偉そうで恐縮ですが、わずかな経験から申し上げますと、2位から1位になりますと、そこからのアクセスは倍増します。したがって逆に落ちた時には、半減しました。物販・アフィリエイトなどを中心にしているサイトでは死活問題なんでしょうか?素人ながら、多くのサイトがクリックをうながすのは“はげみ”であり、“客”の数が違うということだと理解しました)

私も、これまでのように、偉そうに、バナーを貼って、置いておくだけでなく、ランキングで応援して欲しいなら、きちんとお願いをしなければならないということも分かりました。今後は目障りにならない程度に、コメントさせていただきます。

たとえ一瞬に終わるにせよ、再び、1位に押し上げていただいたのですから、これでまた、すぐに落ちますと、見ている生徒から “カッコわり~” となりそうです(確実になります) ので、1位に恥じない記事がアップできるように努力いたします。

そして、1位キープだけではつらいので、次の目標は、最大のサイトらしい  で、10位以内。そして、 で、遊馬道さんとのカップル制覇です。(アベックというのは死語に近い、歳がバレバレだと、教えていただきました(笑))。


(ここ数日ランキングの話ばかりで、不愉快に思われる方もおられるかもしれません。ご容赦下さい)