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読売新聞コラム 【挨拶は自分を前進させるための権利】 吉野秀 

2008年07月02日 | コラム・備忘録

 


当教室の吉野秀先生のコラムが 読売新聞 に掲載されましたので、ご紹介します。

そうなんです。うちの教室は “あいさつ” に厳しいんです。

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「こんにちはー」「こんばんはー」。私が週に何回か出向いている塾 (代々木個人特訓教室)ではこうした挨拶が授業の第一歩だ。黙ってスーッと入ってくれば、「ちゃんと挨拶して入って来い!」と講師が注意する。

極めて当たり前のように思うが、世情では予想以上にそうではないらしい。オリコンが現役で働く20―40歳代の男女を対象に、「新入社員に求めたい力」をアンケート調査(複数回答可)したところ、上位5つは挨拶力(68.1%)、行動力(51.1%)、人間力(46.1%)、発想力(35.8%)、想像力(28.9%)の順。

約70%の得票率だった挨拶力には、「すべてはここからはじまる」 「基本なくして何も生まれない」 「仕事ができても、挨拶できる子とできない子では違う」 などのコメントが散見された。コミュニケーションの重要な手法。この認識が強まる一方で、それが実行されていない現実を物語っている。 

 悪しき風習は若者に限ったことではない。先日、ある学校を訪ねた時、初老の担当者はドアをノックしないで部屋へ入ってきた上に第一声は「どーも」。腕組みして話す、私の名刺をもてあそぶ、同じ話を繰り返す……。

非礼は枚挙にいとまがなく、第一印象の悪さも手伝ってかなりの不快感に襲われた。年下だから甘く見たのかもしれないが、社会人として最低限の常識をわきまえぬさまに失望する。模範を示すべき「大人」がこれでは、先のアンケートの質問も「社会人全般に求めたい力」へ代えなければならないだろう。

 新古書店チェーン「ブックオフ」の大きな特徴は店員の「やまびこ挨拶」。1人が「いらっしゃいませ、こんにちは」と来客者へ声をかければ、店内スタッフが次々と同じフレーズを投げかけていくもの。

「従業員の協働意識を高めると同時に、お客様をもてなす方法と考えています。これをきっかけに 『今日は良い本に出逢えそう』 とワクワクしてもらえたらうれしい」 とブックオフコーポレーション会長の橋本真由美さんは話す。

 挨拶という字を音(おん)で置き換えると“相察”。造語ではあるが、相手の心境や表情、望んでいることなどを的確に察する行為の意味を私は持たせている。非常に難しいものではあるが、「こんにちは」 「こんばんは」 の一言で人間関係が円滑になるなら、実に手軽でお安いではないか。

逆に言えば、挨拶を逸すれば、「たったそれだけ」でコミュニケーションへひびが入るのだ。マナーに則った義務と思うから抵抗感をいだく。自分を一歩も二歩も前進させるための権利ととらえよう。

そんな事、指摘されなくてもわかっている……居丈高にこう言い放つ人へ問いたい。そう言う人に限って、わかっていないんじゃありませんか? わかっていても、確実に実行していないんじゃありませんか?

 


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【読売新聞コラム:ツイている人は独自の習慣術を持つ】 吉野秀

2008年02月16日 | コラム・備忘録


 当教室の吉野秀先生のコラムが 読売新聞 に掲載されましたので、ご紹介します。


そう言えば、吉野先生の担当していた小6受験生は 全員、第一志望に合格 しましたね!

抜群に“ツイてる” かも(笑)。


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 新進気鋭のダイエティシャン、佐々木由樹さん(27)(管理栄養士で株式会社創健ピーマップ社長)と知り合った。バレーボールをやっていただけあって長身、仕事の特性も活きてスタイル抜群である。いつもは少し自信なさそうに話す彼女がこう言い<切った。

 「私、今年は運勢がとっても良いんだそうです。ツキまくるらしいんです」。

 自社で運営する管理栄養士・国家試験合格支援サイトの登録者数がここ数か月で急増。4月からスタートする「特定健診・特定保健指導」(企業の健康保険組合や市町村に義務付けられ、40歳~74歳までを対象にメタボの予防改善などが目的)に合わせ、講演やインタビュー、書籍執筆といったビジネスが見る見るうちに広がった。

 彼女を観察していると、ある事に気付く。人と一緒の時、決して目をそらさずに相手をまず優先するのだ。だから人の動きを適時・正確につかめ、気配りができる。連れが先に食べ終わればティッシュを差し出す、テーブルからものが落ちそうになったらすぐ直す。「そこまでしなくても」と思う向きがあるかもしれないが、その心遣いが相手を引き付ける。目をそらさない習慣は安心感と信用度をいだかせ、ビジネス・チャンスを着実に得る武器になっていると言えるだろう。

 ●早朝にひと仕事を終える●本を1日1冊読み終える●ラジオをよく聞く●勝てる文章の書き方をする●相手に逃げ場を与える●観察力・聴察力・読察力が高い●1か月に1回だけ飲み歩く●携帯電話を受信専用にする●新聞を順不同で読む●食べたものを克明にメモする……。私が出会った一流人の例。

 ツキに恵まれている人間は独特の習慣術を持っている。中では「新聞を真ん中から縦に切り、無作為に入れ替えて読む」というアサヒビール元社長の樋口廣太郎さんのそれは私も実践中。

 習慣と言えばパターンが決まった固定的なものと捉えがちだが、そこに自分で変化をつける創意工夫はとても活用しがいがある。ちょっとした刺激は、ビジネス脳を活発化させる源だと感じる毎日だ。

 「私は、本当に、ツイてる人間なだけなんです。では、なぜ、私は『ツイてる人間』なのか、ということになるのですが、答えはいたって簡単です。昔から『ツイてる』というのが口グセだったからなんです」

 『スリムドカン』などのヒット商品を作った、銀座まるかんの創業者、斎藤一人さんは著書『ツイてる!』でこう説明している。実際はそう簡単な事ではないだろうが、徹底したプラス思考と「1%は自分の努力、99%は他人の力」を始めとする相手優先主義の習慣化は、次々とビジネスへツキを呼び込む。

 「人間は変化の中に生きている。だから、自分も変化させなければならない」は恩師が放った言葉だが、それを具現化したのが樋口さんや斎藤さんであり、佐々木さんだと思う。

 「最近は運に見放されている」「部下に恵まれないんだよねえ」と他人のせいにするリーダー達には、今一度かみしめて欲しい原理原則ではないだろうか。

(2008年2月8日  読売新聞)


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「“受験英語” の本質」 コラム (灘高キムタツの国立大学英語リーディング超難関大学編)

2008年01月11日 | コラム・備忘録



本の紹介でなくても近況を報告してという暖かいお言葉をいただき、さっそく先日ご紹介しました、灘高キムタツこと灘高の英語教師、木村達哉先生の 『国立大学英語リーディング(超難関大学編)』 に寄稿したコラムを記事にしてみました。


よろしければ、お読み下さい。


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えば、一人の 「元気で活発な女の子」 のことは、違う見方をする人からは、「でしゃばりのオテンバ娘」 と呼ばれたりします。また 「思慮深く慎重な男の子」 なら単に 「ノリの悪いヤツ」 と決め付けられてしまったりします。

そのような、一つのものに対するまったく違った見方というのが “受験英語” についてもなされます。

日本の受験英語は、実はとてもうまく組み立てられており、それが理解できれば、勉強時間に比例して英語力は飛躍的に伸びるものなのです。英文解釈や読解、暗記をすればするほど力を蓄え、まるで巨木のように成長し、大学入学後には高級英字新聞までも自然に読めるようになる生徒は珍しくありません。

ところが文法を軽視して、辞書に載っている単語の意味とカンだけを頼りに英語をやってしまうと、やっかいな暗記科目に早代わり。試験前の苦労むなしく、詰め込み知識はすぐに雲散霧消。結局、数年にわたって英語に費やした膨大な時間が無駄になってしまいます。

英語の成績が上がらないという人は例外なくこのパターンでしょう。

そうなると受験英語は激しい批判にさらされます。「中学・高校・大学と10年間英語をやって、多少読めるかもしれないけど、ちっともしゃべれない。アメリカなら5歳の子でも流暢に話すのに…」と。

会話重視の英語教育やゆとり教育の指導要領改定は、こういった批判に応えるためのものでしょうが、その批判も対策も的外れ。

日本の受験英語の勉強はいうなれば漢文学習のようなやり方です。日本人はあの難解な漢字だけでできている文章に、勝手に“返り点、一・二点”などを付けて、中国人にはまったく伝わらない『子いわく…』というような読み方で、正確に“読解”してしまいました。

ところが英語と違って 「漢文を読めてもしゃべれない」 などという批判は出てきませんね。

江戸時代までは漢文を、明治以降は英語を解読することによって、他国の優れた文明を吸収し驚異的な発展を遂げてきたのが翻訳大国、日本です。現代でも、日本語で世界中の言語の本が読めると言われるほどで、読解好きは日本人のDNAと言っても良いくらい。

そもそもなぜ入試に英語があるのかといえば、経済や法律、医学や建築などの高度な専門書を英語で理解するために必要だからです。当然、そこで求められるのは、会話能力というより英文読解力です。

日本のトップレベルの生徒なら、欧米の標準的な18歳よりもずっと難しい英語をなんなく読むことができます。実際、外国人に日本の難関大学の入試問題を見せると一様に驚いて、「本当に日本の18歳はこの英語を理解できるのか」 と聞かれたりします。(そういう時には「当然だ。それほど難しくない」などと答えることにしていますが…。)

もうひとつ。 まるで神話のように、英語専門家の中にも蔓延しているひどい誤解は、「日本人は文法ができても会話ができない」 というものです。

TOEICなどの国際比較を分析すれば、日本人の点数がアジアの最低レベルにまで落ちてしまったのは、会話ではなく、読解や文法ができなくなってしまったからだと簡単にわかります。現代の日本人はすでに会話問題はそこそこできているのです。

ですから本書のようなテキストで、しっかり文法の確認と読解をして下さい。

英語が世界中こんなに広まっているのは、きっと英語が他の言葉よりずっと簡単で誰でも、読んだり話したりできるからでしょう。どんなに難解で長い英文だって、文型はたったの5つ、アルファベットはわずか26字!

東大であれ、ハーバード大学であれ、“ウルトラスーパー英文法”なんてやっているわけじゃあありません。大統領から生まれたばかりの赤ん坊まで、みんな “you” の一語で呼べんるんです。日本語よりずっと単純な英語のしくみ、きちんと理解してください。

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実は昨日もキムタツ先生から、お電話をいただきました。

次は関東なら早慶上智、関西なら関関同立などの名門大学受験生用のリーディングテキストを書かれる (公表してもいいですよねぇ) ということで “生徒の役に立つテキストとはどんなもんだろうか”  と、相変わらず、熱心に教材研究されているご様子です。


 “困った時のVIVA頼みですわ~” とおっしゃりつつ、すでに非常にユニーク、かつ有用なアイデアを実行されているようです。私もついついノッてしまい、30分ほどお話させていただきましたが、非常に有意義でした。

そんな常にポジティブなキムタツ先生に、少しでもお役に立てればと思い書いたコラムですが、受験生諸君の参考になれば、幸いです。



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【読売新聞コラム:滅入るメールはビジネスに停滞と空白を生む】 吉野秀

2008年01月10日 | コラム・備忘録


 当教室の吉野秀先生のコラムが 読売新聞 に掲載されましたので、ご紹介します。


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 先日、ラッシュ時の電車で奇妙な光景に出会った。若いサラリーマンが携帯でメールのやりとりをしている。席に座っていたので、送信するごとにコックリコックリ。返信が来るとバイブに促されて起き、また送信するパターンを繰り返していた。

10分くらい経っただろうか。その男が突然、車内ルールを無視して電話し始めたのだ。「何だよ、この書き方はよお。そんなに先輩のオレが気に入らねえのか」と響き渡る怒声。乗客はあっけにとられていたが、本人はどこ吹く風でしゃべり続け、いきなり「覚えとけよ、おい」と電話を切った。

 ビジネス・シーンでのメールにまつわる「事故」が相次いでいる。下手すると「事件」へも発展するからタチが悪い。普段きちんとした文章を書いていない人たちが乱用し始めたことで、文字面による誤解や曲解、過剰反応、友達感覚の切り口上が急増。

TPOをわきまえない受送信が、生産性の低い(と言うより皆無)、時間と労力を浪費する。「『遅刻します』『今日は直帰』とメールで送ってくるからセンスを疑うね。こっちはいつ見るかわからないのに。中には文句やグチをこぼすのもいるから驚く。

本当にメールは滅入るよ」と40歳代のマネジャーは打ち明ける。便利なものがいろいろな不便、高じて不満や不快を生んでいる現状に嘆きの声は多い。

 1か月ほど前、私のところへもこんな ”シロモノ” が届いた。「過日は大変なご無礼で申し訳ございませんでした。以後はことのほか気をつけます。ところで、ご請求書はいついただけますでしょうかお教えください」。

ネチケット(電子上のエチケット)はもちろん、社会人としても根本的に間違っている。

謝罪と依頼は少なくとも電話でするのが常識だろうし、仮にメールを送るなら前後に直接確認をすべきだ。自分にとって都合が悪くなると一方的にメールを送りつけ、それで相手が了解したかのように認識する錯覚・妄想。

ビジネス社会に片道切符はないはずなのに。さらに、「言った・言わない」はあるが、「書いた・書かない」は存在し得ない。れっきとした証拠が残るのだ。


 仕事の流れに停滞と空白を作る罪は大きい。効率・創造性高く、道義にかなった仕事をするためのメールは補助手段の1つに過ぎない。メールだけで相手に理解・納得・合意してもらえるだろうか ?

機械的なキャッチ・ボール一本では真のコミュニケーションは図れないし、ビジネスも結実する可能性は低い。お手軽なツールに頼らず、高邁なプレゼンテーション。そして、眼力(聞き手を思わずうならせる迫力)と手力(眼力を増強する身ぶり手ぶり)を駆使する人こそ一流だと思う。



■■■■■

 

確かに、友人や家族間の携帯メールでは、時候のあいさつもないし(笑)、一行、時には一単語でも自分の意図は伝わります。書き言葉というより、話し言葉の感覚ですから、非常に便利です。

ただ、それが “ビジネス文書” となると、最低限の線引きが必然的にあるはずですが、時々びっくりするようなメールがありますね。

現在進行中の仕事に関しては “(笑)” マークでは済まされないということですね、きっと。




 

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【読売新聞コラム】 “クレーム対応上手は「文句をつける」のも上手い” 吉野秀

2007年10月22日 | コラム・備忘録


 
当教室の吉野秀先生のコラムが 読売新聞 に掲載されましたので、ご紹介しましょう。


“クレーム対応上手は「文句をつける」のも上手い” 



 世間では多かれ少なかれ、トラブルやアクシデントは起こりがち。ちょっとしたミスでも対応を一つ誤ると、たちまち火の手は大きくなる。最近は学校へ無理難題を吹っかけるモンスター・ペアレント、ネット上で特定人物を攻撃するビット・ヒッターなる輩も登場。いちゃもんや言いがかり、ケチつけの広がりで深刻なトラブル社会へ突入した感が強い。

 トラ(虎)とブルドッグ(犬)がぶつかった分には事故で済むが、トラックとブルドーザーの衝突ではまぎれもなく事件。世知辛いと言うのは簡単だが、こうした現実に回避・防衛策が不可欠になったのは間違いないだろう。

 ビジネス人にとって、問題解決能力の習得と向上は従来の課題。いちゃもん社会の進行で、さらにその必要性と意義は密度を濃くしている。危機管理の一環として、マネージャー・クラスに強く求められるもので、「平時の●●君より、緊急・非常時の▼▼君」と大手総合商社のトップは話す。

 普段そつなく仕事をこなす人材(もちろん悪いわけではないが)を傍目に、混乱した場面などのここぞという時に十分に能力を発揮し、会社へ貢献していくタイプを評価する点をこの発言は意味する。

トラブル対応・処理は重要な柱で、遅い・下手・逃げちまう族に一流と呼ばれる仕事人はまずいない。抗議や苦情、申し入れを的確で迅速に処理できる人は、大半のケースで「文句上手」である。腹が立っている時はつい感情が先走り、延々と怒りの声をぶつけたり、相手の言葉尻をつかまえて不毛なやりとりに陥りがち。

 ひどい場合、論点からずれた説教をかますツワモノさえいる。蒙った被害に対して、文句上手は少しでも早く回復・代替させることを決してぶらさずに、相手がどう出てこようと打ち返せるシナリオを持っている。配慮こそするが遠慮はしない毅然とした態度を貫く。相手にしてみれば、冷静に突き進んで来られるので納得せざるを得ないわけだ。

 文句上手はクレーム対応・処理にこのノウハウを最大限にいかす。抗議者が何を今求め、いつまでに・誰に・何を・どうして欲しいかを最短距離でつかみ、ここでも建設的なシナリオを編み上げる。

 前出の商社トップは「クレーム対応上手は相手の不満や不安、不便をすぐに引き出す術に長けている。ビジネスの基本も同じで、これらを解消するモノ・サービスを商材にすれば失敗はないはず」と分析する。

 クレームをてきぱきとかたづけ、それを仕事のヒントや糧に変える――、一見したたかだが、たくましさと創造性を持ち合わせてこそ一流への道が開ける。面倒くさい、やっかい、無理難題と端から決め付けた瞬間にクレーマーだけではなく、冷徹な上司など悪魔たちが再びささやき始める……。


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“過去にすがりつくのは現在・未来を侵害すること”  吉野秀 【読売新聞コラム】 

2007年09月17日 | コラム・備忘録

 
当教室の吉野秀先生のコラムが 読売新聞 に掲載されましたので、ご紹介しましょう。

私も何度か似たような経験がありますね~。つらいつらい(笑)。 どうぞ!



■■■■■  過去にすがりつくのは現在・未来を侵害すること  ■■■■■


約10年ぶりに知人から自宅へ電話があった。この人には社会人になった当時(22年前)、大変お世話になり、現在の私へいたる礎を築いてくれたと言っても過言ではない。

「近くにいるので、会えないだろうか」。私としては懐かしさ、そして感謝の意もあって、即座にOKした。待ち合わせの場所へ着いたら電話してくれることになったので、取るものも取りあえずすっ飛んでいった。  

昔話に花が咲く。久しぶりに会った場面の一般的パターンだが、こちらから切り出す話を次から次へとさえぎる。会ってから約30分後、とうとう知人はしびれを切らしたように話し始めた。  

「今、こういう新しい事業に関わっている。それを立ち上げるためには、資金が2000~3000万円足りない。エンジェル(善意ある出資者)を紹介してもらえないか」。

それまで、知り合いに著名人がいるとか、私の実家は裕福だなどと自慢の限りを尽くしていたのが嘘のようなびっくり発言。さらにこう続けた。「私は今まで他人に頭を下げたことはないけれど、今回は相当の気持ちで臨んでいる」。  

昔の恩義を振りかざされる 「ある種の危機」 を感じた私は、適当なところでその日を切り上げた。

翌日、「昨日の資料を渡したい」と言うので仕方なくまた会った。「たかだか2000~3000万円の資金を調達できないのはおかしい」 ならまだしも、「あなたが見込めるエンジェルにこの場で電話して、アポイントを取って欲しい」と言い出す始末。私は逃げるように帰った。  

その翌日にも連絡の嵐。「至急会いたい。近くまで行くから」「エンジェルになれそうな人に、『お世話になった先輩が至急会いたがっているので』 と伝えて欲しい」……。  

知人は過日にこう言った。「過去を大事にするから現在がある」。自分の夢や希望の実現のためには、他人の人間関係でも踏みつけにしようとする行動には唖然。私は断りと別れの意をはっきり示した。  

追い込まれた・困った時に昔の同僚・知人へ泣きを入れたり、いつまでも上下関係を引きずる人は意外と多い。「何を今さら」とも考えるのは自然で、中には「困ったときだけ言ってくるんじゃないよ」と追い払いたい心境にもなるはずだ。  

ビジネスは基本的にギブ&テイクで成り立っている。「今までどうだったのか」も確かに大切だが、「今どうなのか」 「これからどうなるのか」 を重視すべきで、いくら過去に部下だったとしても相も変わらずの先輩風はルール違反。

人間関係で、恩は受けた側がいつまでも感じるもので与えた方が押し付け続けるものではない。礼節や道義が疎かになったら最悪だ。特にマネジャーの人望の有無はここで決まる面が大きいと思う。  

過去を振りかざし、現在と未来を侵害した瞬間にビジネス資源(ヒト、モノ・サービス、マネー、情報、時間)は逃げていく。できるマネジャーは成長した後輩を讃え、求められれば近況に合わせた適切な助言を与える。それが義務であり、権利ではないだろうか。

 

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吉野秀先生 【読売新聞コラム】 

2007年07月29日 | コラム・備忘録




当教室の吉野秀先生のコラムが読売新聞に掲載されましたので、ご紹介しましょう。


■■■■■ 管理能力よりも指導能力 ■■■■■


44歳にして初めて管理職(課長)になった知人は、約1年前にこう言った。

「今の若い連中は基本がなっていないから、そこから徹底的に管理しようと思っている。この日に備えて、マネジャーのノウハウ本はたくさん読んできたんだ」。

その意気込みには感心したものの、管理という言葉に私が妙な違和感をいだいたのも事実。その後は連絡がなかったので、「便りがないのは良い便り」とその活躍ぶりを信じ込んでいたのだが……。

「若いのが言うことを聞かないんだよ。管理されることに慣れていないんだな。もっとギューギューやらなきゃ」と威勢のいいメール。その1か月後、「若いのが部長にオレのスパルタを言い付け、挟み撃ちで進退窮まった。どうしたらいいんだろう。

『これはこうやるといいよ』と部下へアドバイスしても無視されるし」の電話は涙声にさえなっていた。

「管理」を辞書(角川必携 国語辞典)で調べると、「組織や施設などを、運営したり安全をはかったりすること」とある。どちらかといえば形を整えるとか、維持する旨の言葉だと言えるだろう。生身の人間に何となくそぐわないのも無理はない。

一時期はやった管理野球は成果を収めたこともあるが、決して長続きはしなかった。それは「管理をすれば(上司の言うことを聞いていれば)、良い結果が出る(成功に近づく)」の方程式をこじつけたからだと思う。  

人の上に立ったら、まず模範を示すことが重要。部下より動き、考え、実績を上げる。これらに若い人は尊敬の念をいだき、共感・共鳴するのだ。マネジャー風を強く吹かせるだけで、口先だけのデスク族では同僚の支持を得られるわけもない。

良い結果を出させて、初めて管理する資格が得られる。先の知人も実績に基づいた指導を二の次にした点が失敗のもと。一度付いた「精神論を振りかざす鬼軍曹」のレッテルはなかなか取り除けず、この先しばらくは針のむしろにいる心境だろう。

「指導」は「具体的なことがらについて技術ややりかたなどを直接教えること」(前出・辞典)。世間には教え上手と呼ばれる人がいる。余計な言葉を使わずに、ポイントだけを端的に指摘。わかりやすく指南していく。相手の課題を正確に見つけ、その解決策をタイミング良く教えられる人たちだ。

意味のない上下関係意識を取っ払っているだけではなく、課題を共有化して協働するのが特長だ。  


こんな話をすると、先の知人はこうつぶやいた。「オレにも上司(部長)がいたんだよなあ。お山の大将になったような勘違いをしちゃって。しばらくは自分を管理するよ」

■■■■■■■■■■


個人的には、なにか、耳が痛いようなお話しでした(笑)。

いかがです、夏期講習期間中、吉野先生の授業受けてみませんか。まだ、間に合います。私、VIVAの授業もぜひ(笑)。


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P.S. またまた前回記事から久しぶりのUPになってしまいました。この間もご訪問いただいた方々、本当にありがとうございます。夏期講習はまだまだ続きますが、何とか時々はUPいたしますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。


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『学校:school』

2007年07月10日 | コラム・備忘録





以下は当教室の今月号のメルマガに、私が投稿した教育コラムです。

 よろしければお読み下さい。


 

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『学校:School』


とにかく教育を変えたい、学校を再生したいということでしょう。安倍総理大臣が登場して、教育再生会議というものができて以来、教育問題に関して、実にいろいろな動きがあります。

確かに昨年の未履修の問題やいじめの問題など、教育界にはどこから手を付ければ良いのかというほど、まだまだ多くの課題が山積みです。

つい先日も教育再生関連の三法案が可決されました。これによって、学校の先生たちの免許が更新制になり、指導力不足の教員を排除するというのですが、これとてどう運用されるのか、まだ何も解決されていません。

いったい 『学校』 というものに何を求めるのでしょう。理想の学校というのは生徒ひとりひとり、また保護者によってもさまざまでしょうから、みなが納得するような学校像を描くのはひどく難しいと思わざるを得ません。


そもそも学校って何。たまにはそんなところまで考えてみましょう

学校は英語で school。この言葉の語源は、ギリシャ語の “ひま、余暇” です。そう、学校(school) というのはもともと暇な人たちが集まるところでした。日々、宿題や部活動に追われている生徒には意外でしょう。

古代ギリシャで、仕事をせずに学問ができるのは生活に余裕のある人々しかいません。そういう人々が余暇を利用して教養を身につけるためにできたのが school:学校です。

(余談ですが…、そうなると、時々、生徒たちが、塾で出された宿題ができなかった言い訳に使う、“学校の方が忙しくて…” というのは言葉の矛盾ですね(笑)。学校は暇な人が行く所ですから。)


さて、日本でも江戸時代から寺子屋はあったものの、今のように誰でも学校に行けるようになったのは、実は比較的最近のことです。われわれの一世代前、つまり生徒たちのおじいちゃん、おばあちゃんの世代は、家の仕事の手伝いがあるために学校へ行きたくても行けない子供は日本にもたくさんいました。

そういう意味では、現代の生徒たちは、仕事から解放されて学校に行けるだけで恵まれているのですが、では、その余暇を使って、学校で何をするのでしょうか。

今度は日本語の 『学校』 という言葉を見てみましょう。 『学』 はもちろん“まなぶ”こと。そして、“まなぶ” の元の意味は、 “まねぶ”、 つまり “マネをする” ことです。『校』 は “交” という字が示すように、人々が交わるところ。つまり、教える、学ぶ(まねる)の交流の場が学校です。

学習の 『習』 という字も “手本通りにすること” ですから、『学習』 というのは徹頭徹尾、人のものまねをするということ。それによって知識を身に付けるのが学習の目的です。


そうなると学校の先生と生徒の関係が実にわかりやすくなります。生徒たちは “先生のまねをするため” に学校に来る。そのお手本となるべき人たちがいなければ学校は、本来の学校ではなくなるということです。

日々の生活の中で、親が子の手本にならなければならないように、学校の先生方も生徒たちが 『学習』 したくなる手本でなければならない、そういう重い使命が課せられていることがわかります。そのために、みんなの税金でできているのが 『学校』 というものです。

難しい法律や複雑な教育のしくみが次々にできますが、やはりその根本にあるのは、『先生』 であると思います。優秀な若者が “教師になりたい” と思うような改革であること、そして “先生のようになりたい” と思う生徒がたくさん生まれる改革であることを願ってやみません。




◎“先生”というのは単に “先”に“生”まれただけでは務まらないんですね(笑)。もちろん、塾の先生である我々の自戒を込めて…。



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吉野秀先生の読売新聞コラム 『できる人の「書きかた」「話しかた」 伝えたいことを確実に伝える表現力』

2007年06月23日 | コラム・備忘録



人気の スットコくん6月号 で、当教室の吉野先生のことを、


 “『笑っていいとも!』にタモリさんと一緒にレギュラー出演していた” 

とご紹介したのですが、ちょこっとそう書いただけで、生徒たちから反応がすごくて驚きました。『えっ、どういう人?どういう人?』 という訳ですね(笑)。やっぱり人気テレビ番組の力は偉大ですね。

笑っていいとも.jpg



そこで、本来は先生のご著書 『できる人の「書きかた」「話しかた」』 が 夏休みの読書感想文などの参考にもなるかなと思いまして、7月の夏休み前に取り上げようと考えておりましたが、予定変更で、今回は吉野先生が読売新聞で連載されているコラムをご紹介しましょう。


吉野先生は、当教室 では、高校生の小論文対策や現代文を中心に、小・中生の作文指導などを担当しております。もともとは、編集の世界の経験を活かし、読む・書く・話す"能力アップの手法を徹底研究する言語表現の達人です。


まずは連載コラムの第一回を取り上げます。どうぞお読み下さい。



■■■ 「うまい文章」よりも「わかる文章」を : 吉野秀(よしの・すぐる)■■■


先日、大阪へ出張したとき、約10年ぶりに有力企業の経営者と新幹線内で会った。

 氏は開口一番「何かもうかる商売はないですかねえ」。私は腹の中で「そんなもんあれば、誰でもやっているよ」と思いながら、「いやあ、こちらこそ教えを請いたいですよ」と皮肉な大人の言葉で切り返した。

 しばらく話していると「今、悩みがあるんですよ」と氏が打ち明ける。文章を書く機会が増えたのに、うまく表現できないというのだ。

 文章はきれいに、うまく書くのが目的ではない。

 読み手へ伝えたいことをわかりやすく、簡潔に投げかける。

 そして、理解・納得してもらい、「なるほど、その通り」と合意を得る表現手法の一つ。

 口が達者なセールスマンが優秀な営業成績を収めるとは限らないのと同じように、美文が人を引きつけるとは決して言い切れない。

 武骨だったり、口数が少ない人であっても読み手の心に訴え、記憶・印象に残る文章にこそ価値・意義がある。

 

 採用意欲の高まりは続いており、「応募者増でエントリー・シートや作文、自由論文による一次選考はもっと活発化しそう」(複数の人事担当者)の声が相次ぐ。

 これに合わせ、脚光を浴び始めたのが作文・論文を課題にした就活塾だ。

 大学教授やマスコミ関係者、校正者などを講師に招いての講義に数多くの大学生が参加する。

 うたい文句は「短期間でプロの文章力に近づける」「うまく・速く書けるテクニックをマスター」……。ここでもまた、キーワードは「うまさ」だ。

 アマチュアの叫びを企業は待っているのであって、作家センスを求めるところは皆無だろう。これを見誤ってしまうと、とんだ方向違いになる。

 冒頭の経営者にも共通して言えるのは、「何を言った方が良い」よりも、「何を言いたいか」の具体化。文章の眼目はここにある。

(2007年3月9日 読売新聞)

■■■



もちろん当教室で吉野先生の授業が受けられます。どのコースも生徒は3人までの個別指導です。

      吉野先生の講座


さまざまなコースがありますが、曜日、時間の都合が合えばいつでもOK、無料体験授業もあります。

あっ、VIVAの授業 もお忘れなく(笑)。


P.S. もひとつ、“あっ、” 灘高キムタツ先生もそのうち特別授業をしていただけるかも…。飲んだ時にただでやっていただけると約束しましたから(笑)!




■ついでに…、【 吉野先生や私 VIVAと一緒に働きませんか 】 ということで、塾講師も大募集しております。仮に経験が少なくても、情熱にあふれ、親身になって指導していただける講師をお待ちしております。


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『教育問題の扱い方』 教育再生会議の報告に関して

2007年06月11日 | コラム・備忘録





以下は当教室の今月号のメルマガに、私が投稿した教育コラムです。

 よろしければお読み下さい。


 

■■■■■



『教育問題の扱い方』

今月はじめに、教育再生会議から、「社会総がかりで教育再生を・第二次報告~公教育再生に向けた更なる一歩と「教育新時代」のための基盤の再構築~」 という報告がなされました。

その中には、これまでより授業を10%増やすという提案が含まれています。学校や地域によって対応が違うようですが、土曜日の授業の復活などがあちらこちらでありそうです。世間の注目度も高いようで、大きく報道されました。


どう見ても公立校の授業時間を減らしすぎてしまったと思いますから、それを増やすという方向性に異論はないのですが、なぜ10%という数字が出てくるのでしょうか。というのは、ゆとり教育で減らされた学習内容は3割(30%)と言われていたからです。


もともと3割削減すれば、生徒全員が授業がわかるようになるなどということ自体が、裏付けのない暴論でリスクが高いと思っていましたが、案の定、こうしてすぐに増やされる方向になったわけです。  


ただ、そのための改革なのですが、今回の10%という数字もまた、報告を見る限り、その根拠や検討の過程が伝わってこないのです。

(教育再生会議はホームページを開設しており、そこにいろいろな資料もありますから、よろしければご覧になって下さい。議事録はまだ公表されておりません。 

     ⇒ http://www.kyouiku-saisei.go.jp/



つまり、識者と呼ばれる方々が集まっていろいろ決めるとは言っても、何か具体的目標なり、科学的な裏付けなどがないまま、感情論や世間の風潮や思い付きによって政策提言がされていないかということを指摘したいのです。


報告書には、もう一つ、従来の「道徳」ではなく「徳育」という教科を入れるとありましたが、ねらいは何でしょう。そもそもこの二つの違いがわかりますか。変えるのなら、その前に「道徳」の授業の内容はどうだったのかという分析があってしかるべきだと思うのですが、報告書を見る限り、その形跡もありません。


単なる思い付きで、教育現場に何かを指示したり、方針を大幅に変えられたりしては、それを実行する現場、つまり学校の先生方はたまったもんではありません。


ゆとり教育導入による、相対評価から絶対評価への変更だけでも混乱しますが、総合的学習の時間、小学校の英語などなど、改善のために取り組むべき問題はいまだ山積しているはずです。  


忠実にそれに従って準備をしようとするまじめな先生ほど負担が大きく、おそらく減らされた授業の中で学力を維持することにまで、とても気がまわらないのではないかと心配になります。


その上、今度はよくわからない「徳育」の授業が入るとなれば、教科書の準備や教材研究に当てる時間が必要になります。未知の科目ですから当然です。


そもそもこの会議の座長を務める、野依良治氏。ノーベル賞を取った世界的大学者ですが、この会議の初会合で、自分が子どもの頃は、部活もやっていたし塾など行っていなかったと“個人の経験”を引き合いにして、「塾を禁止すべき」と言って失笑を買った人物です。これなら誰にでも言えますね。


再生会議の17人のうち教育現場を知っているのは二人だけという指摘まであります(藤川大祐・千葉大学教育学部助教授)。


こういう問題はノーベル賞学者や大会社のトップ、メダリストなどの有名人じゃなくて結構。  


現場を熟知している方、学力向上などの実績を上げている方々を集めて、議論をかわしていただきたい。そして何かを変更する場合には、その根拠となるデータや研究結果をぜひ公表してほしいというのが私の意見です。学校現場とかけ離れた提言は百害あって一利なしと考えます。

 

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フェアプレー(高校野球の特待生問題に関して)

2007年05月10日 | コラム・備忘録





当教室の今月号のメルマガに、私が投稿した教育コラムです。メルマガでは字数制限がありますので、少し加えました。


 よろしければお読み下さい。

■■■■■


『フェアプレー(高校野球の特待生問題に関して)』


去年の甲子園大会の決勝はすごかったですね。歴史に残る名勝負で、その主役の一人はハンカチ王子こと斎藤君。今は一年生ながらすでに東京六大学リーグで大活躍。もう片方は、今やプロ野球の代表的選手、何とルーキーで星野監督率いる北京オリンピック代表メンバーにも選ばれた楽天の田中投手でした。


ところがその盛り上がっていた高校野球界、夏の予選を控えたこの時期に残念な事件が起こりました。特待生制度に関して、多くの名門校が高校野球連盟の規則に違反していることが判明。違反していたと申告したのは全国374校、その生徒数はなんと約8000人にまで上るそうです。


私はかつて公立高校の野球部に籍を置いていたので、とても気になる問題ですが…、この特待生制度というのは、他のスポーツでは認められていても、野球だけはだめだそうですね。知りませんでした。確かにそれは不合理だと思いますから、高校野球連盟の決まり自体が時代遅れで、見直しは必至でしょう。


また、自分が違反とは知らずに特待生として入学してしまった生徒が、いきなり処罰を受けるというのも確かにかわいそうです。ましてそのために学費や生活費が足らず退学するというような事態だけは防いでもらいたいですね。


しかしながら、どんなに古くても、また本人が知らなかったとしてもルールはルールです。本当に不利益をこうむっているのは、ルールを破ってしまった特待生たちではなく、ルールを守りつつ甲子園を目指して活動をしてきた野球部員、およびその学校の方ではありませんか。


例えば、昨年の夏の甲子園の立役者、駒大苫小牧高校もルール違反を認めました。楽天にいる田中投手の入学の経緯はわかりませんが、彼の出身は兵庫県で、北海道ではありません。違反かどうかは別として、おそらく特待生でしょう。


駒大苫小牧高校と同じ予選地区にある他の高校がルールを守ったまま戦ったらどうでしょう。あるいはそういう制度自体が使えない公立高校は…。はっきり言って、すでにプロの一線級で通用する、田中君のような怪物投手、その上強打者が特待制度で同じ予選地区に来てしまったら、甲子園に出るチャンスはほとんど消えてしまいます。


また、今回違反を申告した中に、香川県の香川西高校という私立校があります。甲子園出場を果たしている強豪ですが、その時、レギュラー全員が近畿地区の出身者で、地元香川出身の生徒は一人もいないことが話題になりました。


もちろんそれでも香川県代表ですが、まるで“大阪第2代表だ”と皮肉る声もありました。 香川には他にも尽誠学園(元ヤンキースの伊良部投手・ 巨人の谷選手 (共に関西の出身) の母校) という甲子園の常連ともいえる強豪も違反をしていました。


こうなると実質、地元香川の公立高校の野球部員は出場のチャンスを違反によって奪われてきたといえないでしょうか。


もう一つ指摘しなければならないのは、特待制度は “才能を育てる” のだという教育が名目ですが、甲子園出場を果たし、自校の宣伝をするという思惑も見え見えです。はっきり言えば、生徒のためというより学校のため。


もし違うのであれば野球、サッカーなどの人気種目だけでなく、すべての種目、すべての文科系クラブでも、“才能を育てる” ための特待生制度を設けて欲しいですね。


いずれにせよ、香川県の野球が象徴的ですが、このように特待制度を際限なく認めれば、どんな活動でも公立高校は太刀打ちできません。そのうち、ロボコンや高校生ウルトラクイズも特待生に乗っ取られそうで(笑)。


ですから、大反対されること覚悟の上で申し上げれば…、今後どうするかは、さておき、今回違反がはっきりした高校は甲子園予選をすべて辞退し、そうではない高校の大会にしたらどうでしょう。


違反した高校には気の毒ですが、香川に限らず、多くの県で出場校ががらっと変わり、多少、プレーのレベルが落ちるとしても、それこそフェアプレーを示す好機ではないかと思うわけです。強豪校すべてが違反していたわけではありませんし。


昨年の履修漏れ問題もそうですが、不利益を本当に考慮されるべき側は、ルールを破った学校やその生徒たちではなく、まじめに守ってきた学校や生徒であるはずです。


■編集長コメント■

なるほど、正論です。が、過激です。じゃあ、もしそれに納得できない強豪高校があれば、集団で高野連を脱退して別の組織を作り、“裏”甲子園大会を東京ドームで開くっていうのはどうでしょう(笑)?


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全国学力テストに関して (新たな教科書問題)

2007年04月10日 | コラム・備忘録





 以下は当教室の今月号のメルマガに、私が投稿した教育コラムです。少し手を加えました。

 よろしければお読み下さい。

■■■■■



 『全国学力テストの利用法』


教科書問題といえば、これまで中国・韓国から指摘される歴史教科書のことでしたが、ここへ来て新しい教科書問題が持ち上がっています。教科書の二極化、格差の問題です。

来年から使われる高校2・3年生用の教科書検定に関して、朝日新聞や産経新聞などでも大きく報道されました。 


高校教科書、二極化 学力格差浮き彫り (朝日新聞)

どこまで「あり」教科書の漫画多用 (産経新聞)



つまり、アインシュタインの相対性理論とか昨年のノーベル賞の対象になった研究を載せた、最新かつ高度な情報を含んだ教科書が出てきた一方で、逆にとても高校生が使うとは思えないような、易しいまんが本、絵本のような教科書が登場してきたというのです。


ある高校数学の教科書では、半分以上のページにイラストが付き、吹き出しつきのマンガまで載っています。別の教科書では、小学校で習う分数の計算練習まで付いているのがありますし、英語の教科書では、とうとう単語の読みを、カタカナで表記したものまで現われる始末です。


この教科書格差が出てきた理由は単純明快です。各社とも“売れる教科書” を作るためにしのぎを削っていることも確かです。ですが、何よりもゆとり教育で減らされてしまった授業数のせいで、分数計算などの基礎学力がさらに低下してしまい、これまでの教科書では難しくて使えなくなってしまったということでしょう。


心ある教育関係者は、アメリカ・イギリスで同様の現象がすでに現れたことを充分に承知しており、何年も前から日本での学力低下を必死に訴えてきました。ゆとり教育が導入されることに決まってからは、もう悲鳴に近い声を上げていたのです。


これまでずっと学力低下を否定し続けてきた文部科学省が、やっと学力の実態を把握しようと、この4月、40年ぶりに小6・中3を対象に、全国学力調査を実施します。あまりにも遅きに失したことは否めませんが、前進であることに違いありません。


ところが相変わらず、その調査に対し、教育の画一化、学校の序列化を招くとして、このテストを批判する声が教員組合を中心に上がっています。ペーパーテストだけでは測れない学力があるというような主張でしょう。


しかし、もしそれがいけないというのであれば、そもそも画一化の代表格、大学入試センター試験の即刻廃止を訴えるべきではないでしょうか。それならすじが通っています。

全国50万人、上から下まで、国立であれ私立であれ、同一のテストで振り分けるなど、画一化の権化のようなものです。日本中の大学受験生が同じ過去問をやり、同じ知識を吸収するように仕向けるのですから。本当に“個性”が大切だというのなら、各大学は、自分で入試問題を作れば済む話です。

“超画一的”なセンター試験をそのまま大学進学の条件として残しておきながら、公立の小中高では知識を測ることすらできないというのは実に不合理です。

とにかく、これ以上教育政策の失敗を隠すこと、生徒や教師に入試や学力に関する情報を遮断することは絶対に許されないと思うのです。


今、公立学校の先生方は定期テストの結果しか、学力の判断材料がないために、本番の入試の得点予測すら立てられず、とても進路指導ができるだけの情報を持たせてもらえません。特に一番失敗の許されない公立高校受験において、事態はもっとも深刻です。情報がなく、全くの手探りです。


本当に自分の生徒の進路を心配する先生なら、生徒の学力に関する客観情報、他校との比較した情報はのどから手が出るほど欲しいはずですから、学力テスト導入を批判する人は、進路指導についてどう考えているのでしょうか。

また通知表も絶対評価であれば、相対的な自分の学力的な位置は、父母はもちろん、本人ですら把握できていません。もちろん隣の学校との評価の違いもわからないというメチャクチャな状況が現実に続いているのです。これをすぐに直したいのです。塾に通えない生徒は情報ゼロ、完全に不公平です。


情報が定期テストしかないために、実際はできる生徒ができないと勘違いし、できない者ができると思い込んでしまい、本番の入試で失敗する例は実に多いのです。

いまだにテストに反対している人は、生徒のためではなく、自分たちが教員同士で競争させられ、学習指導の成果が客観的に比較されるのを恐れているのではないでしょうか。

テストを実施するだけでなく、きちんと都道府県別や学校別、科目別など細かいデータを公表し、少しでも塾に通っていない生徒や熱心な先生たちに自分の学力、学校について情報を与えるべきです。

そうすれば、成績の芳しくない地域や学校については、きちんと対策を立てられますから、上でご紹介したように、高校で小学校の分数の復習をするなどという事態はすぐに改善されるはずです。


まさか高校の教科書で小学生の内容を復習する教科書まで現われてきたこと、カタカナで英語を教える高校の教科書が登場したことを “多様化した” と喜ぶ教育関係者はいないはずです。


 
■■■■■


と強く思うのですがいかがでしょうか。最後まで、お読みいただきありがとうございました。もし記事に賛同していただければ、クリックをしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。
 
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記事別 コメント数ランキング 2006年

2007年01月04日 | コラム・備忘録




今年一番に出す本は、【21世紀に生きる君たちへ と 洪庵のたいまつ】 と決めたものの、正月中に、今年はどんな感じでブログを書こうかなぁ~とぼんやり考えていて…、

そうだ、記事ごとのアクセス集計は手間がかかるというか、ほとんど不可能ですが、コメントの数ならすぐ比べられると思い立ちました。

これまで多くの方にコメントやトラックバックをいただき、どの記事に一番コメントをいただけたのかランキングを作ってみました。もちろん、アクセス数や記事の良し悪しとは関係ないはずです。


だって、あまりにひどい記事であれば、ちょっとひとごと言いたいとなります。実際、記事とやや離れたところで、やりとりをしたものが、思った以上に上位にいましたし、そもそも半分は私がお答えした分が含まれております。


ブログを始めた当初と、現在では見ていただく方の数も違いますので、本来は一概に比べられませんが、備忘録をかねて、何か分かるかもしれないと、参考程度に作ってみました。全部で470本の記事がありました。

 

【17位~21位】 コメント数 16

ぐりとぐら の おきゃくさま』 中川李枝子(作) ・ 山脇百合子(絵) 〈12月23日〉

図書館の神様』 瀬尾まい子 〈10月29日〉

絵本からうまれたおいしいレシピ』 きむらかよ 〈8月25日〉

リスト完成』 〈7月20日〉

ジョッキー』 松樹剛史 〈5月28日〉



【14位~16位】 コメント数 17

プーチニズム-報道されないロシアの現実』 アンナ・ポリトコフスカヤ(著) 鍛原多恵子(訳)  〈10月26日〉

Enjoyed Ourselves』 〈8月4日〉


食品の裏側』 安部司 〈4月25日〉



【11位~13位】 コメント数 18

感謝・感激!アクセスカウンター 20万 HIT! ■冬期講習前に達成!■』  〈12月14日〉

雪国』 川端康成 〈8月18日〉 

いわゆるA級戦犯』 小林よしのり 〈8月8日〉



【9~10位】 コメント数 20

戦争広告代理店』 高木徹 〈9月2日〉

ビルマの日々』 ジョージ・オーウェル 〈3月24日〉



【8位】 コメント数 21

日本共産党』 筆坂秀世 〈10月22日〉



【7位】 コメント数 22

お笑い!一休さん。ひとやすみ、ひとやすみ 【ジョーク】』  〈11月17日〉



【6位】 コメント数 23

学校が泣いている』 石井昌浩 〈9月6日〉



■第5位■ コメント数 24

英語を子どもに教えるな』 市川力 〈3月28日〉

 

■第3~4位■ コメント数 26

こころ』 夏目漱石 〈8月17日〉

誤訳をしないための翻訳英和辞典』 河野一郎  〈5月23日〉

■第2位■ コメント数 28

【大晦日】 さらば2006年! みなさん今年一年、お世話になりました』  〈12月31日〉


■第1位■ コメント数 34

現在の教育問題 (いじめ ・ 自殺 ・ 高校未履修問題 )』 〈11月11日〉

 

やはり上位に来ているものは、それぞれ印象深いのですが、予想通り、自分なりに良いと思っている感覚と、まったく異なっているのがおもしろい気がします。コメントはやはりブログ継続の大きなエネルギーです。きっと他の方もそうでしょうね。

案外、純粋な本の記事は少なく、本以外の記事、コラムだとか、ごあいさつの記事に関するものの方が、コメントしやすいという面もありますよね、きっと。やっぱり基本的には、教育、英語、読書ブログなんだな~と。当たり前か。

 

あまり役立たない記事でした。ごめんなさい。明日あたりから普通の記事にするつもりです。よろしくお願いします。

 

■■ ランキング ■■

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2006年父母が選ぶ 【教育界10大ニュース】 教育問題他

2006年12月15日 | コラム・備忘録




■□■ 2006年父母が選ぶ教育界10大ニュース ■□■
**************************************************

 

当教室では、毎年12月、お子さんを通わせていただいているご父母の皆さんに、この一年にあった教育関連のニュースの中で、もっとも関心の高いものを選んでいただくアンケートをお願いしております。

それをメルマガでお知らせしているのですが、今年はこんな結果になりました。解説と総括を私がしましたので、それを記事にしました。


●●●●●●●●●



■第10位■

【4年制私立大学の定員割れが全体の4割超】


少子化により定員に満たない大学が過去最多の222校です。各大学必死で特色をアピールしています。亜細亜大学では一芸入試があるためか、ジャニーズ系を含め、芸能人がとても多いですね。松たか子赤坂晃石田ひかり小原裕貴加藤あいベッキー斉藤祥太 など、まだまだいます。

四国学院大学では日本版アファーマティブアクションとして、被差別出身者、在日韓国・朝鮮人、アイヌ、沖縄および奄美諸島出身者、身体障害者、キリスト者などを対象に別枠の入試を設けています。他にもご紹介したい事例はたくさんあります。大学選びは慎重に。


■第9位■
 

【早寝・早起き・朝ごはん運動の開始】

ついにここまでやるかというニュースです。子どもの生活習慣を正すのは、本来家庭の役割ですね。『食育』という言葉もあっという間に定着しましたし、それ自体は大変良いこと、大切なことですが、何よりもまず、親の生活習慣から見直さないとどうにもなりません。

 
■第8位■

【公立学校の教員給与の見直しへ文科省が着手】

ここ数年、教員に対する風当たりは強まる一方です。確かに不祥事が多すぎますね。給与、年金他、さまざまな保障が民間と比べて厚すぎるという声も大きくなってきましたが、本当に給与にまで手を付けられるでしょうか。


 ■第7位■

【教育基本法改正法案、反発強まる】

安倍内閣の目玉とされる教育基本法改正ですが、賛否両論です。政治色の濃い問題で、議論がわかりにくいですね。基本法改正は、ここ数年、ランキングの選択肢に入っておりましたが、今年が初のランク入りです。教育基本法はわずかA4で1枚ほどです。ぜひお読み下さい。逢坂先生が4年ほど前のコラムで、問題は10条だと指摘されました。

→ http://tokkun.net/merumaga0301.htm  (逢坂先生のコラム2003年1月) 
→ http://tokkun.net/kihon.htm  (教育基本法)



■第6位■

【教員免許の更新制を検討。当初10年の期間も短縮か】

ここでも問題教員に対する、ご父母の強い問題意識を感じます。教員の資質向上が急務だとはいえますが、具体的方策は実現が難しく、免許更新が10年では長すぎると伊吹文科相は発言しました。

それだけでなく、講習会や研修の受講だけで更新できてしまうのであれば、効果も疑わしいですね。校長の人事裁量権を強化するなどして、引き受け手の無い教員を再教育、解雇するというような制度の方がずっと現実的だと思います。



■■ 第5位 ■■

【国は少子化対策も、子どもの数が25年連続減少】

これはもう教育分野を越えた社会問題です。児童手当てを少し増やすくらいでは、解決できないでしょう。女性が働きながらも安心して子育てできる環境をという考えは、言うは易く、行うは難しです。年金の問題や労働力不足の問題、ジェンダーなど、あらゆる角度から議論されます。

教育界に関して申し上げれば、少子化で、塾は自然に淘汰が進みますが、学校や教員のリストラクチャリング、理想の将来像が、具体的に議論されるべきだと思います。もっと学校間に競争をさせるのか、また国立大学が定員を大幅に減らして学力水準を保つのかなど、予算を含め議題はたくさんあります。


 
■■ 第4位 ■■

 【タウンミーティングでやらせ質問発覚】

教育基本法改正に賛成の人でさえ、この事件を聞けば考え直すのではないでしょうか。基本法改正より文科省の解体が先だと。さらに法務省や国土交通省でもやらせが発覚しており、日本の行政すべてに不信の念を抱かせます。発言を依頼し謝礼を払っただけでなく、経費の水増しまでしていたというひどい内容です。

国民の声を聞いて政策に活かすなどというのは表向き、裏で買収した上でのやらせ質問劇で、自分たちの政策を押し付けるという構図です。 国民をだましているだけでなく、税金を横領しているのに等しい行為だと思うのですが、こういう場合はなぜ誰も解雇や逮捕されないんでしょう。お金持ちである首相や閣僚などの政治家が給与を返金して片付ける問題ではないでしょう。

省や党ぐるみでやっているというのなら、根本的に国民をなめていますね。

 


■■■ 第3位 ■■■

【センター試験リスニング導入元年。トラブル続出】

今年のセンター試験から導入されたリスニングテスト。プレーヤーの不具合は約50万人の受験生の中で、460人程度と0.1%未満です。つまり99.9%以上は問題がなく、大きな混乱や影響はなかったのですが、ご父母の関心が非常に高く、3位にランクインです。やはりご自分のお子さんが試験を控えているという、当事者ならではの不安がアンケート結果に現われた形です。

 

 
■■■ 第2位 ■■■

 【未履修問題が発覚。全国663校。受験直前期に補習】

これは先月のコラムで私が取り上げました。残念ながらその後もまったく解決策は示されず、発覚した高校の不公平感は解消されません。いまだに履修漏れがあるにもかかわらず、私立校に対して都道府県は何もできません。

 伊藤先生にもお願いし、東京都の私立校を監督する私学行政課に詳しく取材しましたが、彼らは私立校に対して立ち入り調査権限もなく手が出せず、すべてを信用するしかないのだそうです。そんなバカな話があるでしょうか。 一方立ち入り調査を受けた公立高校や、自主申告した私立学校がバカを見るという、とんでもない不公正入試が行われてしまいます。

どこから手を付けたらよいのかわからないほど、大きな問題だということなのか、文部科学省に解決する気がないのか…。出るのはため息ばかりです。

→ 先月号のコラム 

→ 伊藤先生のブログ



■■■■■ 第1位 ■■■■■

 【相次ぐいじめによる自殺。報道のあり方にも問題が】

やはりいじめはなくなっていなかった。文科省発表のいじめによる自殺はここ数年ゼロでしたが、自殺した生徒の遺書や、遺族の働きかけによって、それが真っ赤なうそだと明らかになりました。自殺予告の手紙も連日大きく報道されましたし、実際に残念な自殺の連鎖も起こってしまいました。

そして、自殺そのものも大変痛ましいのですが、その度に繰り返される、いじめを認めたがらない学校関係者の記者会見を見て、絶望したご父母や教育関係者も多いのではないでしょうか。


 

●●●■■■ 2006年度教育ニュース総括 ■■■●●●

 
今年のランキングを見ますと、どれもこれも学校やあるいは教育委員会単独ではどうしようもない大きな問題が並んでいます。

お気付きでしょうか、昨年上位にランクされた、フリーター、ニートや校内暴力の問題、一昨年その前と、アンケートの上位を独占した、ゆとり教育、学力低下問題のほとんどが今年は姿を消しております。

それらは片付いたのでしょうか。いやどれひとつ解決されていない、どころか、注目されなくなった分、むしろ悪化しているとさえいえます。未履修の問題などは、ゆとり教育などの問題が伏線になって、さらに大きな問題として顕在化してきたと見ることが妥当でしょう。

つまり、指導要領にしろ、ゆとり教育にしろ、その場しのぎの答弁や政策を実施してきた、この無責任体制がある限り、いつまでたってもこうやって生徒やまじめな現場の教員や学校に“ツケ”がまわされるということです。


そんな中でも、ここ数年ずっと上位にランクインし続けている、従って、毎年父母が問題視しているのが、教員の質の問題です。日程的に今回アンケートには間に合いませんでしたが、ひどい事件が年末にありました。


都内の小学校教諭が、交通事故死した子供6人の写真をホームページに無断で掲載し、卑猥なコメントを書き込み、自分は 「3度の飯より子ども死体」 と名乗っていたというではありませんか。寒気がします。

その教員の存在以上に問題なのは、そういう教員を、それ以前にも警察に書類送検されているにもかかわらず、クビにもせず、チェックもせず平然と授業を続けさせていた学校のシステム、あるいはその校長の感覚です。


ご遺族の勇気ある告発で今回報道されたのですが、そうでなければ、この学校、この校長は授業を続けさせていたでしょう。

九州の、いじめに加担していた教員も、生徒が自殺したからこそ、大きく報道され、我々がこうして問題にし始めますが、仮に生徒の自殺が無ければどうだったでしょうか。

想像することさえ嫌悪感を覚えます。実際にはまだまだ問題教員がたくさんいるのではないかという恐怖感です。

こういった不安や問題の解決を先送りしていては、さらに大きな問題となってくるというのが、私の感想です。もはや、官僚や教員の自浄能力を待つより、文部科学大臣の指示で、少なくとも問題教員排除のシステムをすぐに作ること、生徒を萎縮させている絶対評価をすぐに廃止することを期待したいと思います。

 

◎お忙しいにもかかわらず、アンケートにご協力いただきましたご父母の皆さま、深くお礼申し上げます。来年こそ良いニュースが並びますように。

 

 

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。生徒の学力向上や教育問題の解決に少しでも役立てれば良いのですが…。多少なりとも賛同していただけましたら、テキストバナーにクリックをいただけると大変ありがたいです。どうかよろしくお願いします

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『履修漏れ、公教育軽視の背景(総合的学習に異議)』 未履修とゆとり教育

2006年11月14日 | コラム・備忘録
 
■ここ二日間で拙ブログにいろいろなご意見を頂戴しました。未履修問題に関し、“学校をかばう”気は毛頭ありませんが、高校がここまで多く、そういう行為に出た背景の一つには、間違いなく“ゆとり教育”の問題があると信じています。

また、いじめ、自殺報道に関して、学校や校長などのシステムを取り上げるより、家庭や社会のしつけの問題だというご指摘もあります。ただ、やはり現実的に行政機関がまず手を付けられるのは、学校教育の制度問題だと思います。


行政が、愛国心などを含め、心やしつけの問題に手を突っ込むのは極めて難しいので、できるのは制度を改革することではないでしょうか。いじめを許す、あるいは見逃している親や地域の意識に問題があっても、法律で、すぐに何かを改善するのは困難です。


そこで、予定を変更し、特に履修漏れの背景になっている高校の指導要領の一部について、こういうことにつながるのではないかと危惧した拙文を掲載させていただきます。


これは、2003年、今から3年半前の3月、私が公立高校の学力低下問題などを含め、当教室 の発行するメルマガに寄稿したものです。お読みいただければ幸いです■



■■■

 4月から公立高校で総合的な学習の時間が始まります。この制度により、教科学習の授業時間は一層減ることになるわけですが、広島県では既に10年ほど前から、高校進学希望者全入などの政策とともに、総合学科を先行実施していたのをご存知でしょうか。学習の強制や受験競争の徹底排除のためです。


 広島県教職員組合とともにその旗振り役となったのは、新聞、テレビなどに頻繁に登場している文部科学省の寺脇研氏です。当時は広島県教育長でした。


「広島県の公立高校の授業数は日本一少ない、それ以上を望むのならどうぞ私立へ」と言い放ったのでした。


 そしてその結果…、かつて教育県と言われた広島の教育に関するデータは悲惨な状況を映し出しています。大学入試センター試験の県別の成績は平成元年以降全国15位前後だったものが、平成8年には45位(10年にはついに最下位という報告も:広島市議会議事録)、人口300万人近い大都市であるにもかかわらず、平成11年、100校を超えるすべての広島県立高校を合わせても、東大合格者はわずか2名、京大は3名です。地元の名門広島大学においてさえ、広島県立高校出身の合格者数が激減してしまいました。


 それ以上に深刻な問題は青少年の非行です。いじめ、校内暴力は急増し、少年犯罪率は全国1位。ここでは細かな経緯は省きますが、広島の教育改革の思想と顛末、すなわち「強制の排除」から「学力差の拡大と全体的低下」その後「犯罪の増加」という流れは米、英で行われた改革のそれと酷似しています。

 寺脇氏はこの広島の惨状を反省するどころか、「総合学習は着々と成果を上げている」と述べ、現在はさっさと文化庁に異動してしまい、氏の大好きな映画等が「心を豊かにする」などとアピールしている始末です。絶対に自らの非を認めないこの文部官僚の体質こそ改革の最優先にすべきです。

 同じく「ゆとり教育」に失敗し、子供の非行や公立校の学力低下問題に悩むイギリスでは、昨年モリス教育相が子供の学力を上げると公言し、テストで目標点に達しなかったという理由だけで潔く辞任しました。彼我の教育行政の差はいったい何なのでしょう。

 一方すっかり教育荒廃のシンボルとされてしまった広島では、県議会、市議会でも学力、非行問題がたびたび取り上げられました。今、小中全校での学力テスト実施、学力向上対策重点校の指定など、これまでとは全く逆の競争原理の導入政策で必死に教育の立て直しを図っているところです。


 ゆとり教育推進の日教組でさえ、研修会で「総合的な学習の時間」には多くの教員が不慣れで困惑している現状が報告されました。

 「自分の専門外の指導を求められ、何を教えたらいいか分からず時間をつぶしていて、大半の学校が困っている」「総合的学習は“お荷物”で、結局、生徒の希望より教諭のやりやすい内容を押し付けてしまう」と告白しているのです。


 高校教師に対する最近のアンケートでそれが裏付けられました。何と7割近くの先生方は 「やり方が分からない」 と答え、6割は 「不必要」 とまで考えているのです。にもかかわらず、このまま日本中の公立高校で、この4月から総合的学習の授業が展開されてしまうのです。


 先生方、本当にそれで良いのでしょうか。現場を知らない官僚や大臣とは異なり、既に先生方は日頃の授業で、学力低下を肌で感じていらっしゃるはずです。

 綿密に練られた、熱意あふれる授業であれば、たとえそれが受験に関係はなくとも、子供たちにとって一生の財産になる可能性がありますが、教師が 「半信半疑」 で組み立てた授業など、双方にとって苦痛以外の何ものでもありません。このままでは子供たちはますます学習から遠ざかってしまいます。

 学校が週休二日になった上、この制度で科目学習が減らされるわけです。公立高校はただでさえ3割削減した学習内容しか身に付けていない中3生を受け入れなければならないはず。

 さらに国公立大学の入試科目は来年から7科目に増えるという状況で一体何にどう対処できるというのでしょうか。“好ましくない” という表現を通り越して、“無謀でリスキー” な改革が続いていると申し上げなければなりません。

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虚偽の申告をした高校は、もちろん許せませんし、いまだ知らん顔というのは信じがたいのですが、それとは別問題として、私が、いじめや履修漏れ問題の背景に、どうしても現場では受け入れがたいような、文部科学省の指導要領の問題があることを認めるのは以上のような認識があったからです。


当時、これほどのことがわかっていたのに、ゆとり教育を導入してしまったツケが、前代未聞の履修漏れと関連していると考えております。

また、これほど現場が反対していても、表立って、教育委員会や文科省に異を唱えることの難しい、中間管理職としての校長という立場、今になって責任を感じて自殺に及んでしまうその立場に同情を禁じえないのです。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。政治活動などとまったく関係なく、単に生徒の学力向上や精神的安定を願うのみです。こういう声が理解されるかどうかわかりませんが、多少なりとも賛同していただけましたら、テキストバナーにクリックをいただけると大変ありがたいです。どうかよろしくお願いします

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