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【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

★入試に出題された本・No.2 ★

2006年06月29日 | 受験関連書籍

前回の 『入試に出題された本』 また、『教育に関する本』 の特集に関しまして、さまざまなご意見、ご質問などをいただきました。もっと紹介して欲しいとのご要望がありましたので、とりあえず当教室の講師陣が注目した書籍、5冊を追加いたします。



その日のまえに』 重松清著 (文藝春秋 1500円)
★芝中学・筑波大附属中学など出題★

その日のまえに



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重松氏の本は中学入試に毎年のように出題されている。しかし本書が出題されるとは・・・というのが率直な感想である。その内容は生と死をテーマにした、短編から成っており主人公も大人が中心なのである。泣けるという評判の本書であるが、意図的に泣かせようとする感じはなく、淡々と死をテーマに日常を書き綴ったもので、それだけに好感が持てる。また短編それぞれが独立しているように思われるが、実はカラクリがあり、凝っている。親子で読んで、感想を語り合うには最高の一冊だと思う。


希望格差社会』 山田昌弘著 (筑摩書房 1945円)
★北海道大学法学部出題★ 
  
希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く



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日々の勉強、仕事、暮らしに追われていると、社会を俯瞰するということがなおざりになってしまいます。親の所得格差が子どもの教育に重大な影響を与えることをデータで示した苅谷剛氏、ベストセラー『下流社会』を著した三浦展氏などのおかげで格差というものにかなり注目が集まるようになって来ました。山田氏はより広範にデータを収集し、格差の正体は『お金』ではなく『希望』であること、さらにその対処法を提言します。気鋭の社会学者が、ニューエコノミーの時代に何が起こっているのかを鋭く分析した一冊です。来年もこのテーマは必ずどこかで出題されます。


取材学』 加藤秀俊著 (中公新書 660円)
★慶応大学法学部出題★ 
 
 取材学.jpg 取材学―探求の技法



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  本書は1975年に初版が出ていますが、内容は極めて新しく、情報教育=メディア・リテラシーを意図して書かれています。慶応大学法学部で出題されたものの、一部小学生対象の教材に使われるなど、どの年齢の方が読まれても参考になると思います。特に大学生がレポートを書く際には入門書として使えるでしょう。大学の授業はつまらないなどとぼやく前に本書を読めば、「先生の使い方」が一発で分かります。


女子マラソン』 宇佐美彰朗著 (ちくまプリマーブックス1155円)
★鴎友学園女子中学出題★ 
   
女子マラソン―どうして強くなったのか



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女子マラソンの世界記録は2時間15分25秒です。日本人では野口みずき選手、高橋尚子選手が2時間19分台の記録をもっています。一昔前まではそれほど強くなかった女子マラソンが、最近は選手層が厚くオリンピック選考レースはどの大会も本番並みの激戦です。この本ではこれだけ記録が伸びた理由を中心に、マラソン選手が走っている間、いったいどういうことを考えながら走っているかということも書かれています。マラソン選手には小柄な選手が多く、どこに42.195kmも走るパワーがあるのかと思わされますが、本書を読めばわかります。


Jポップとは何か』 烏賀陽弘道著 (岩波新書 780円)
★中央大学経済学部出題★ 
 
Jポップとは何か―巨大化する音楽産業



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  バブル景気の最盛期である88年末から89年当時、邦楽を一切かけることが無かったFMラジオのJ-waveにおいて、邦楽をかける際に「Jポップ」という名前が生まれました。そもそも「Jポップ」とは単純な音楽ムーブメントではなく、レコード会社が販売促進を目的とするキャッチコピーとしての「ジャンル名」、あるいは購買動機となる価値を持たせた「ブランド名」として生み出されたものでした。このJポップの成長に絡むレコード会社、放送局、一般企業の戦略や、メディア、再生装置などの技術革新による音楽の視聴方法の変化など、ただ、音楽文化の変化を紹介するのではなく、その時代の社会や経済の動向が記されています。ポピュラーな固有名詞が多く出てくるため、社会、経済には疎い生徒でも非常に興味深く読み進めることができます。


http://tokkun.net/jump.htm



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
その日の前に (ようこ)
2006-06-30 22:14:25
旅行に友達が持ってきていて、お互い相手の存在を忘れながら読んだ中の一冊です。

個人的には、一番最後の章が好きです。

重松さんの本はいつもものすごく苦しいけれど、この本は内容の割には、淡々とした印象を受けました。
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ようこ殿 (VIVA)
2006-07-01 00:11:12
ようこそ!旅行に行ってまで、本に夢中になってしまうんですね、というか、それほどおもしろい一冊ということでしょうかね。

たくさん良書をご存知のようですから、ぜひぜひおりにふれて、コメントいただけるとうれしいです。



『その日の前に』は実は他の先生のコメントで、私は未読です。読んでみようかな。
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Unknown (ようこ)
2006-07-01 12:17:56
今見たら、ちゃんと感想のところに「淡々と~書き綴ったもの」って書いてありましたね。恥ずかしい・・苦笑

重松さんの本の中で一番好きなのは、「きみの友だち」です。これは本当に、文句なしでいい本だと思っています。
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ご親切に (VIVA)
2006-07-01 17:55:32
文句なしですか、読んでみます。ありがとうございます!!!
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