本を読もう!!VIVA読書!

【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

『最後の将軍―徳川慶喜』 司馬遼太郎 / 『幸福な食卓』瀬尾まいこ (読書感想文にお薦めの本)

2007年07月16日 | メルマガ関連記事


『最後の将軍―徳川慶喜』 司馬遼太郎


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今回の『読書感想文にお薦めの本』 の最後の二冊。まずは司馬遼太郎氏からです。拙ブログでも司馬氏の作品は 『殉死』 『二十一世紀に生きる君たちへ・洪庵のたいまつ』 『竜馬がゆく』 『坂の上の雲』 などを取り上げました。

どれも素晴らしい作品ですが、本書もまた、司馬ファンならずともぜひお読みいただきたい一冊ですね。

村井先生の紹介です。


徳川15代将軍、「大政奉還」で江戸幕府を終わらせた最後の将軍である慶喜の話です。歴史の授業に出てくるので、この人物の名前は聞いたことがあると思います。

ただ、この時代は坂本竜馬や西郷・桂、新撰組といった華やかなヒーローたちがいる中、慶喜はいつも脇役的な存在でなかなかスポットがあたらないため、慶喜は幕府のお飾りなだけ?無能な将軍?といったイメージが付いてしまいがちですが、実は慶喜はとても優れた政治力を持つ人物。

激動する時代を見通していた慶喜が、どのような想いで幕府を終わらせたのか…。今まで知らなかった慶喜の人物像を堪能できて面白いです。感想文も書きやすいと思うので、興味ある方はぜひ読んでみてください。



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『幸福な食卓』 瀬尾まいこ


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瀬尾まいこ氏は、年齢も作風も全く違いますが、人気なら、司馬氏に劣らないほどですね。氏の作品も、これまで取り上げております。『卵の緒』 『図書館の神様』 『天国はまだ遠く』 です。

これらのうちでは、確かに本書が一番感想文が書きやすいでしょう。伊藤先生の紹介です。



冒頭からどんな展開になり、家族にどんな過去があるのか・・・ちょっと変わった?家族の物語です。お父さんお母さん、お兄さんそして主人公である妹の成長物語であり、読書感想文を書く際には自分を主人公に置き換え、あるいは自らの家庭を比較しながら書けばスムーズに筆が進むのではないでしょうか。

一話ずつが短編になっていますので、とても読み易く、女の子には多く共感できるところがあると思います。中学生以上におすすめです。




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『素人包丁記』嵐山光三郎 / 『夢を叶える社長の「出会い」戦略』 倉田俊相 (読書感想文:推薦図書)

2007年07月15日 | メルマガ関連記事




 『素人包丁記』 嵐山光三郎

素人包丁記.jpg

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当教室 ならでは!という本を今日は紹介しましょう。絶対、学校では推薦図書にはしないでしょうね(笑)。昨日の文学作品とはえらい違いです。今日ご紹介してくれる先生はお二人とも、超人気講師ですが、こういうことができるのが人気の秘密?

まずは、フルヤ先生が取り上げてくれた一冊。嵐山光三郎は以前、私VIVAが 『死ぬための教養』 をブログで取り上げました。よろしければそちらもご覧下さい。


では、フルヤ先生の紹介文です。



感想文を書きやすい本とのことです。「簡単に泣ける本」 「簡単に笑える本」 を挙げたい所ですが、読んだ人全員が同じような感想を持つような本では、人と違う感想文は書けません。そこでこの本です。

元雑誌の編集長でもあり、エッセイストでもある著者が繰り広げるトンデモナイ料理への挑戦。メロンをぬか漬けにしてみたり、おむすびの中にジャムを入れてみようとしたり・・・。

突拍子もないアイデア、リズムのいい文章。読みやすく、かつ読んだ人が色んな感想を持つ本だと思います。よくあるグルメ本とは全く違いますよ。


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『夢を叶える社長の「出会い」戦略』倉田俊相



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そして、こちらは吉野秀先生のお薦めです。お~!偶然にも、上の嵐山光三郎と言えば、『笑っていいとも!増刊号』 の編集長じゃないですか。吉野先生もついこの前まで、『笑っていいとも!』 にタモリさんたちとレギュラー出演しておりました。

以前、吉野先生が読売新聞に連載しているコラムを取り上げたおりにお知らせしましたね。

  ⇒ 『吉野先生のコラム

それにしても、いったいこういった本をどう料理すればよいのでしょう。分からなければ、当教室で吉野先生の作文(小論文)講座もあります。


では、紹介文です。


受験生にとって、経営者が描くビジネス書は一見無縁なものと考えられるかもしれない。ただ、大きな目標を達成するために「効果的で創造的」な設計図を作り、それを具体的・継続的に進めていくのはまぎれもない共通点だ。

著者はカネなし・コネなし・情報なしから一躍、六本木ヒルズ族の仲間入りをした。受験を通しての人生勉強へ役立つ言葉が数多くちりばめられている。もう一度、自分の将来を考える意味でも、今までとは違った視点・発想での感想文作成に挑戦してもらいたい。




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『走れメロス』太宰治 ・ 『刺青・秘密』 谷崎潤一郎 (読書感想文:推薦本)

2007年07月14日 | メルマガ関連記事


『走れメロス』 太宰治



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『走れメロス』 はいまだに多くの中学校の国語の教科書にも載っておりますし、定番中の定番。それが画一的だと批判されるほど逆に言うと人気の高い作品です。読んでいない人はぜひ、一度読んでみて下さいね。

本当は本があると何度も好きなときに読めて良いけれど、太宰治や夏目漱石や芥川龍之介など、死後50年以上経った作家の作品は、著作権が消滅し、ネット上で読むことができるものがかなりあります。本作品もすぐに読めます。

   ⇒ 青空文庫 『走れメロス』 


monta 先生がすすめてくれました。

小学校の時読んで以来なのですが、もう一度読んでみました。人を信じるということはなかなか難しいです。だけどそれに応えたとき、築くことができる信頼関係とは一生ものです。友情、さらには人間関係が円滑にいくということは何物にも代えられない、大切なものだと再認識しました。久しぶりに読んでみても、いい小説だったなと感じます。



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『刺青・秘密』谷崎潤一郎

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こちらも文豪、谷崎潤一郎です。思い切った推薦だと思いましたが、なるほど、genio先生 の紹介文を読んで納得。

“文学青年” 最近あまり聞かない言葉ですが、本書などがきっかけになって、ゲーム少年がどんどん文学青年に変身すると良いのですが…。


 genio先生の紹介文です。


谷崎潤一郎なので、オススメの対象は高校生のみなさんです(笑)。谷崎と言えば『刺青』が有名ですが、本書に収録されている『秘密』はもっとインパクトが強かったです。

目隠しをされて怪しげな場所に連れて行かれる主人公。視界を奪われながらも秘密を隠し持つ優越感、タブーを犯す快感など、共同体から分離しきれない近代人の抱える矛盾を描いています。その奇怪さといったら、さながら都市伝説のようです。



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『五体不満足』 乙武洋匡 :『白い牙』 ジャック・ロンドン (読書感想文にお薦めの本)

2007年07月13日 | メルマガ関連記事



当教室 の7月号メルマガは、『読書感想文にオススメの本』 の特集でした。

夏休みの宿題と言えば、読書感想文ですね。

書けない人、当教室に通ってください!


というわけで、先生方に読書感想文にしやすい作品を紹介してもらいました。


『五体不満足』 乙武洋匡



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乙武氏は生まれながらにして、両手両足がないという障害を持っています。テレビでもキャスターをされていましたし、本書も大変なベストセラーになりましたから、知っている生徒諸君も多いでしょう。

当塾の代々木教室にもたくさん生徒が通ってくれている戸山高校 (そして、早稲田大学)の出身ですので、個人的にも非常に親近感を持っている作家さんです。本書は代々木教室の aya先生が紹介してくれました。

aya先生の紹介文です。


中学校の国語の教科書にも採られている本です。作者の乙武さんは両手、両足がなくても障害者としてではなく、一人の人間として生き生きと生活していることがよくわかります。

乙武さんも偉大ですが、ご家族や周囲の人々も素晴らしいと思いました。

本書の読書感想文を書く時には、自分がもし、乙武さんの立場だったらどうなるか、また障害を持つ人と健常者との交流はどうあるべきなのか、障害を持つ人のために私達は今、何が出来るのかなどを考えてみると書きやすいと思います。


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『白い牙』 ジャック・ロンドン 


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こちらは世界的な動物文学の傑作です。これも書きやすいでしょう。原作は100ほど前に書かれたらしいのですが、普遍的な感動物語の一冊で、小学校高学年から読めます。(日本に同名の有名な映画がありますが、本書とは無関係です)

福原先生の紹介です。


動物物語で主人公は狼と犬の混血です。過酷な運命や厳しい自然と闘いながら、最後にようやく主人の元で安息の時を迎えるまでの力強い一生を描いてます。人間っぽい理屈は抜きです。

むき出しの愛、孤独、感動を味わうことができる一冊で、 非常に読書感想文向きの内容です。




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親が子に注意すること:東京・北京・ソウル 【教育データ】

2007年04月21日 | メルマガ関連記事




当教室のメルマガで、先月ご紹介した教育データの記事です。今日取り上げました本の内容と関係があると思いますので、ご覧ください。なかなか興味深い内容ではないでしょうか。どうぞ。


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『親が子に注意すること:東京・北京・ソウル』


◎小学生のみんな!君たちのお父さん、お母さん、こわいですか?家でどんなことを注意されますか。

実は、日本の小学生の親は中国・韓国の親に比べて、子どもに注意しないという調査結果が「日本青少年研究所」というところからつい最近発表されました。


例えば、小学生にこう聞きました。


 ■先生のいうことをよく聞きなさい■  と親から言われますか?


  この質問に “よく言われる” と答えた子どもの比率は


 東京【20.3%】 北京【45.2%】 ソウル【43.7%】 

 

えっ、もっと言って下さい、お父様、お母様(笑)。まぁでも、なぜ東京の親は子どもにそのように注意しないかというと、可能性としては、


1・すでに日本の生徒は先生のいうことをよく聞いているから (絶対違うな)

2・先生はろくなことを言っていないから (違って欲しい)

3.親が子どもに無関心だから (???)


どうでしょう。まぁ理由はともかく、東京の小学生の親は、23項目の注意のうち21項目で最下位。つまり日本の親は自分の子どもに注意しないという結果なのです。

そこで、日本の親がよく子どもに注意している順で、そのいくつかを紹介します。


■ 質問 ■: あなたは自分の親から、以下のような注意をされますか。

【“よく言われる”と答えた子どもの割合】 です。




■ 勉強しなさい ■

 東京【30.5%】 北京【31.7%】 ソウル【47.2%】


■ あいさつしなさい ■

 東京【26.1%】 北京【46.7%】 ソウル【35.5%】


■ うそをついてはいけません ■

 東京【20.9%】 北京【46.0%】 ソウル【39.7%】


■ 親のいうことをよく聞きなさい ■

 東京【18.6%】 北京【41.7%】 ソウル【38.7%】


■ もっと食べなさい ■

 東京【15.0%】 北京【37.4%】 ソウル【31.5%】


■ 友達と仲良くしなさい ■

 東京【11.1%】 北京【36.1%】 ソウル【29.8%】



他にもご紹介したいものがたくさんありますが、スペースの都合でここまで。

興味のある人は⇒ http://www1.odn.ne.jp/youth-study/

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という記事でしたがいかがでしょう。東京の小学生は、家庭ではあまり注意されていませんし、学校でもきっと昔に比べれば、ずっと少ないでしょう。

当塾ではあいさつや遅刻などは厳しく指導しますが、先生方が 『ちゃんと人の顔を見て、はっきりあいさつをしなさい』 というと、キョトンとしている生徒が多いですね。あまり言われたことがないのでしょう。


また、教室に入ってくるときに、『こんにちは』 帰るときは 『さようなら』 と言いますが、そのとき、ペコリと軽く会釈をするのが普通だと思うのですが、“やぁ” “じゃあ” という感じで、手を挙げながら、あいさつをする生徒がいます。これもどうも違和感が抜けません(笑)。どう思われますか?



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習った漢字 ゆとり教育の成果は?

2007年04月11日 | メルマガ関連記事





コラムのコメント欄で、歴史などは特に、『教科書を易しくすると逆に分かりにくくなる』 というパラドックスを紹介しましたが、国語の漢字学習だと、“まぜ書き” がそれに当たるでしょうか。“ら致” とか、“う回” とか難しい漢字を使わず、ひらがなとまぜて書くやり方です。


やはり、“拉致(らち)”、“迂回(うかい)” と漢字を書いて、難しければルビを付けてくれた方がずっと読みやすいし、子どもにとっても良いと私は思いますが、いかがでしょう。


それはともかく、その漢字に関してですが、これもゆとり教育で学習量が減りました。教科書は易しい方が良いという方もおられるようで、その易しくなった教科書の漢字を生徒たちはどの程度書けるのかという調査がありますのでご紹介しましょう。


これも、今月の当教室のメルマガで取り上げたものです。以下がメルマガの記事です。



 ■■■


『習った漢字』


中2・3年生の生徒諸君に質問です。ちゃんと頭の中で具体的に答えて下さいね。いいですか。

■ 質問 ■ 去年(中3なら2年生の時の一年間、中2なら1年生の時)、君たちが学校で習った教科書に出ている漢字、今100問テストをしたら、何問くらい正確に書けるでしょうか?


先生方にも

■ 質問 ■ 去年一年、学校で教えた漢字、生徒が今年になってどのくらい書けていれば指導した側としては満足でしょうか?


一応すでに教えた漢字、習った漢字ですから100%書けるのが理想ですが、まぁそうは行きませんよね。東京都内の6校の中学生2000人以上を対象に、ベネッセが実施した漢字の書き取りテストの結果をお知らせしましょう。

概要はこちら ⇒ 
http://benesse.jp/berd/center/open/report/kanji/2005/pdf/kanji01.pdf


中学1・2年生には中学1年で習った漢字を、中学3年生には2年生に習った漢字のテストを実施しました。 で結果ですが、びっくりしますよ。


  ■ 得点 ■   ■生徒の割合■

【0点以上~10点未満】   17.7%

【10点以上~20点未満】  22.2%

【20点以上~30点未満】  21.3%

【30点以上~40点未満】  13.9%

【40点以上~50点未満】  10.5%

【50点以上~60点未満】   6.2%

【60点以上~70点未満】   4.0%

【70点以上~80点未満】   2.5%

【80点以上~90点未満】   1.5%

【90点以上~100点以下】  0.2%



何と平均点はたったの27.8点!全部習ったものですよ。 しかもこのテストを受けた生徒の中には、当然学習塾に通っている人も多数含まれているでしょうから、それを除いてテストをしたらどんなことになるのでしょう。おそろしい。

さらに学校間の平均点、一番上の学校が、32.4点もあるのに、一番下の学校では22.1点と、平均で何と10点もの大差が付いています。

このデータに今の“ゆとり教育”の問題点が集約されているような気がします。とにかく公立の学校が宿題も出さず、定期テストの時しか、生徒たちは漢字をまとめて練習せず、その時だけ覚えてもすぐに忘れてしまいます。

おそらく計算問題にしても、英語にしても、社会や理科も同じでしょう。みんな大丈夫かな?

さらに詳しいテストの内容はこちら ⇒http://benesse.jp/berd/center/open/report/kanji/2005/pdf/kanji03.pdf

 

■■■


いかがでしょう。小学校に英語の授業を入れることも議論されていますが、その前に改革することがあると思うのです。ここまでひどいとなると、もはや学校だけの問題ではないような気もしますし、塾だって力不足でしょう。家庭環境やパソコンの普及の問題もあると思います。

実際に漢字が書けないというのは、子どもに限ったことではありません。テレビの字幕にも誤字が目立つという指摘もあります。(そういえば、この前、あるアナウンサーが不手際(ふてぎわ)を 『“ふていさい”をお詫びします』 と言っていてびっくりしました)


しかし、少なくともこの調査結果は、“全員が分かるようになる” ことを目指し、学習内容を厳選したはずの、ゆとり教育の成果です。それぞれの学校にそれぞれの事情があるのかもしれませんが、何よりもこうした調査を綿密に行い、そのデータを公表することで、適切な対策も立てられると思うのです。



最後まで、お読みいただきありがとうございました。
もし記事に賛同していただければ、クリックをしていただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。
今日も何とか本の紹介もしたいと思っております。
 
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P.S. 漢字に関して、白川静先生の 『神さまがくれた漢字たち』 はすごい本だと思いました。よろしければ参考までにご覧下さい。


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卒業生に贈る一冊(3) 中島らも 内田樹 鹿島茂 

2007年03月16日 | メルマガ関連記事

 

今回の “卒業生に贈る一冊シリーズ” はこれで最後。

全部で9冊ですが、一つでもおもしろそうだ、と思えるものがあるとうれしいんだけどな…。 それイケ!



『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』 中島らも著

(集英社 460円)

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日本一の進学校灘高に入学したものの、人生を楽しみすぎて、ずるずるとエリートコースから外れて行ってしまった著者。

しかし彼は、その挫折を単に挫折で終わらせず、「笑い」の力で生きるエネルギーに変えていきます(むしろ「笑い」の力を借りなければ、生きていけなかったのかもしれませんが・・・)。

そんな彼の青春時代を描いたこのエッセイは、どんな人でも少なからず共感できるはずです。(RYU先生






『勝つための論文の書き方』 鹿島茂著

 (文春新書 735円)

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大学生になってから役に立つ本をご紹介します。

大学生になるとレポートや論文を書くことが多くなります。論文は感想文とは違います。感想文では自分の思ったことを素直に表現することが求められますが、論文では、問題設定をし、様々な資料を使いながら答えを導き出さなければなりません。

この本では対話形式でわかりやすく、問いの見つけ方、論理の展開の方法を教えてくれます。発想は面白いですが、論文にするには先行研究の分析、緻密な文献操作が必要なのではないかと読みながら突っ込むこともありましたが、読み物としては面白いです。

難しい本ではないので気軽に読んでみて下さい。卒業生だけではなく、これから小論文を書こうとする高校生にもお薦めです。(aya先生 







『疲れすぎて眠れぬ夜のために』 内田樹著

 (角川書店 1575円)

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がんばった受験生にお疲れさまの一冊。ただし、頭は働かせますよ。

内田氏はフランス現代思想が専門ですが、合気道家であり、映画評論家でもあります。書名と内容は(深いところでつながっていますが)、ほとんど関係なく、武道や、映画、能などさまざまな話題が出てきます。視野を広げましょう。

人間というもの、日本人ということの意味をじっくり考えさせられます。落ち着いた語り口で、世の中の欺瞞や矛盾といわれるものに対して自分の考え方を述べています。

仕事や友人関係、家庭の問題が中心ですが、最後まで、国や若者に対する深い愛情が感じられる一冊です。悩み、迷いというのは、誰にもあるものです。そんな時にどう考えれば良いのかのヒントを与えてくれると思います。ぜひ読んでみて下さい。(VIVA) 




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さて塾生諸君、いよいよお別れ。今年度最後の読書特集はどうだったかな。こうして9冊並べると、エッセイあり、実用書あり、小説に、箴言集など実にバラエティーに富んでいる。いろいろな先生がいろいろな本を薦めてくれたわけで、おそらくどれも名著の類だとは思うけど、それが今の君たちに合うかどうかはわからない。


良さそうだと思って実際に読んでみたら、難しかったり、おもしろくなかったりすることもある。本とはそういうもの。人間と似ているかな。みんなはそいつのことを好きみたいだけど自分とはどうも気が合わないとか、逆におとなしくて目立たないけど、話してみるとすごくいいやつとか、昔は嫌いだったけど今は親友とかね。


本にもそんなタイミングや相性がある。好きでくっついた彼や彼女とすぐに別れて後悔するように、良さそうだと思った本なら、すぐに投げ出してはいけない。彼や彼女は待ってくれないけれど、本なら文句も言わず、何年でも何十年でも君の成長を待ってくれるから、大事にしまっておけば良い。


自分に合わない本を無理して最後まで読む必要はない。それは気の合わない人と二人っきりにされるようなもので、苦痛以外の何ものでもない。でもどうしてもその人を口説きたいのなら、その本を理解したいのなら、読書百遍、意自(おのずか)ら通ず、という読み方もある。これだ!と思った本に出会ったら、試してみてくれ。不思議なことが起こるから。


そのあたりはマンガとちょっと違うんだな。おもしろいマンガはいつ読んでも、何回読んでもおもしろいからね。


良い本はある時に読んで、何にも感じなかったものが、時を経て読んでみると人生を変えてしまうほどの衝撃を受けることすらある。そういう不思議な性質がある。


だから、今までつまんないと思っていた本が、こうして受験を終えて、卒業して新しい環境になってから読んでみると意外な発見が必ずあると思う。ひとまわり大きくなった君たちが、ワンランク上の良書に出会えることを願いつつ…、あらためて、もう一度


卒業、進学おめでとう。


元気でやれよ!  いざ、さらば。




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卒業・進学おめでとう!

三日連続で大変恐縮ですが(笑)

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卒業生に贈る一冊(2)ジェリー・メイヤー&ジョン・P・ホームズ 鍵本聡 高楼方子

2007年03月15日 | メルマガ関連記事

 

春休み、真っ最中の元受験生諸君!休みに入ってから、一冊でも本を読んでいれば立派なもんだと思うけど、どうだろう。三冊読んだなんて言われたらうれしくて抱きしめたくなる(笑)。

木陰読書.jpg



昨日に続いて今日も、おもしろそうな3冊ですが、やはり見事にバラバラです(笑)。おっ偶然ですが、全員数学、理科を担当している先生方が並びました。


 

『アインシュタイン150の言葉』 ジェリー・メイヤー&ジョン・P・ホームズ編 

(ディスカバー21編集部 1260円)

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アルバート・アインシュタインは皆さんご存知のように相対性理論を生み出した20世紀の天才の一人です。また親日家としても有名です。

思想家や宗教家ではなく物理学者ではありますが、ユーモアにあふれ好奇心旺盛だったアインシュタインが残した言葉には自然や世界に対する観察や意見は洞察力と機知、知恵に満ちています。

150の言葉の紹介だけですからすぐに読み終わりますが、何度も何度も読み返し味わってほしいと思います。

一部紹介しますと
『わたしには、特殊な才能はありません。ただ、熱狂的な好奇心があるだけです』

『観察したり、理解したりする喜びは、自然からの最大の贈り物だ』 (Pochi先生




『理系志望のための高校生活ガイド』 鍵本聡著

 (講談社 924円)

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中学生は公立入試が終わったばかりなので、少し休ませてあげたい気持ちもあり。しかし、受験勉強の時期のペースとまではいかないものの、今の時期に少しずつでも高校生になったときのことを意識して欲しいと思っています。受験は終わったものの、勉強はここで終わりではないですから。

この本は理系志望のための~とありますが、文系志望の生徒も読んでもわかりやすい本だと思います。学校生活をうまく送るコツ、出遅れてしまった科目の取り返し方、推薦入試に関するさまざまな疑問など、高校3年間の勉強方法が詳しく書かれています。

文系理系とは高校で授業を受ける際の単なる大きな区分けで、大学に入ってしまえば文系理系などの分類はそれほど大きな意味を持ちません。しかし、高校で勉強する際には高1の終わりには文系・理系の選択をしていかなければいけません。

今すぐ大学受験に向けて勉強しろ!というのはかわいそうなので、時間のある春休みにこういう本を読んでみてはどうでしょうか。

(monta先生のブログ⇒ 個人特訓教室・中川適塾日記です )

 

『十一月の扉』 高楼方子著

 (新潮文庫 620円)

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中学生の女の子が期限つきで親と離れて下宿し、そこの住人たちとの日常を描いています。登場する人物がみんな個性的で楽しい毎日を過ごします。

そして、同時進行で主人公の女の子は下宿先で出会う人々をモデルに、物語を大切なノートに書き綴りますが、これは仲良しの幼い女の子だけの秘密です。ほんの些細なことにも感動や、刺激を受け、確実に成長していく姿にほのぼのします。

しかし、下宿を離れる時期が近づいてきます。短くも慣れ親しんだ同居人との別れ、そして新しい環境へと自ら身を移すときが近づいてくる・・・この主人公の葛藤と心の成長とでも言うのでしょうか、読み応えがあります。

是非、これから新しく環境が変わる中学生(特に女子)にお薦めです。

(伊藤先生のブログ⇒代々木の個別学習塾講師が想う、あれこれ




昨日がホワイトデー、今日は何の日かなと思いましたが、確定申告の締め切り日!生徒にはまったく関係ないけど(笑)。で、要するに3月も半分が過ぎ、平成20年のセンター試験(1月19日・20日)までもう約10ヶ月しかないということですね。


新受験生諸君!よ~く覚えておこう!

 

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卒業生に贈る一冊(1) 司馬遼太郎(坂の上の雲)・茂木健一郎・エルンスト=H=ゴンブリッチ

2007年03月14日 | メルマガ関連記事




受験が終わり、いよいよ春休み、すでに多くの学校では卒業式も終えています。生徒のみんな、すっかり解放されて、ゲーム三昧なんて~、ちょっと待った!

これから4月の入学式まで、まだかなり時間があるけど、せっかく受験でギリギリまで膨らませた脳の吸収力。一ヶ月も放っておいたら、一年前のボーっとした脳に戻っちゃう(笑)。

まぁ単語暗記や、問題演習なんて気が進まないだろうから、今こそ、本を読もう!VIVA読書!学校が始まれば、最初バタバタしている間にすぐに定期テストが来るからね。今がベスト。そう言えば、今日はホワイトデー。今日を境に読書モードへ切り変えよう!


というわけで、今月の当教室メルマガの読書コーナーは “卒業生に贈る一冊” 特集でした。いろいろな先生が紹介してくれました。が、見事なほど統一感に欠けるラインアップになりました(笑)。3冊ずつ紹介します。



『坂の上の雲』 司馬遼太郎著 

(文藝春秋 全8巻 各620円) 

詳  細


学校の授業ではたった数行で片付けられてしまう日露戦争。勝てるはずのない極東の小国日本が、世界最強をうたわれたロシアバルチック艦隊を破った。人類史上初めて、白人の国家が非白人の国に戦争で敗れたことで、世界に衝撃が走る。

どういうわけか日本の教科書には載っていなくても、いまだに世界にその名をとどろかす名将、東郷平八郎など、明治の日本国家黎明期に熱く生きた男たちを描いた一大歴史巨編。

現在の日本があるのも、意を決して近代化を図り、国際社会に船出をしてくれた当時の男たちがいてくれたからこそ。受験から解放された今、長編に挑戦してもらいたい。歴史から未来に向けたパワーをもらおう。(VIVA

 


 『プロフェッショナル』 茂木健一郎著 

(日本放送出版協会 1050円) 

詳  細


NHKで放送されている番組が本になったもので、それぞれの分野で活躍している一流のプロ達を脳科学者の茂木健一郎が対話を通じて独自の視点で分析している。

卒業を迎え、また一つ上の段階に進むにあたり、自分の将来のビジョンもだんだんと見えて来たところでしょう。その道で生きていくためにこれからさらに勉強をし、力を蓄えていくわけですが、きっと今はまだ漠然としたイメージかと思います。

そこで、これらの人達がどのような経験を積んで一流と言われるレベルになったのか、苦労や挫折をどんな思いで乗り越えたのかを知ることで、より具体的なイメージも得られ、この先勉強していく上での大きなモチベーションにも繋がるでしょう。

プロフェッショナルな人達の貴重な話を知る良い機会だと思うので、ぜひ読んでみてください。 (村井先生


 


『若い読者のための世界史』 エルンスト=H=ゴンブリッチ著

(中央公論美術出版 3990円)


詳  細


歴史は「事実」の羅列でつまらない―と思っている皆さんに贈りたい一冊。

これまで歴史関係の本というと、「事実」を「事実」として理解することに重点がおかれていましたが、この本は読者に歴史を語りながら考えさせる工夫がされているのが特徴です。

細かい知識がなくてもどんどん読める内容ですし、これから本格的に歴史を勉強したいなと思っている人には是非とも読んでもらいたいです。特に受験が終わって時間のある人はじっくり味わって欲しいですね。 (genio先生



P.S.
 ところで昨日、テレビの火曜ドラマゴールドで 『私の頭の中の消しゴム』 というのが放送されました。ご覧になった方いらっしゃいますか。実はその撮影が当教室(中川適塾)の建物の下でずっと行われていました。

深田恭子さんが主演。何日もすぐ近くで拝見したんですが、テレビドラマ作るのって大変なんですね。ボクは知らずに窓から顔をのぞかせて、注意されました(笑)。適塾の生徒の自転車や毎日のように行くお店がずっと出ていて、感動的なドラマらしいのですが、内容より絵が気になって、気になって(笑)。

monta先生のブログで少し触れています⇒ 『個人特訓教室・中川適塾日記』 

完全な余談でした。




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『広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由』『人間というもの』司馬遼太郎『プロジェクトXの言葉』

2007年01月11日 | メルマガ関連記事

 

先生の読書 【元気になる一冊!特集】


昨日に続けて、熱くなる本、やる気にさせる本です。

塾の他の先生が紹介してくれました。

パワーアップしたい人!落ち込んでいる人へ!

 

Go For It !

 

 

『広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由』

スティーヴン ウェッブ著(青土社 2940円) 

広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由 スティーヴンウェッブ.jpg 詳細を見る

ちょうど中学3年生の理科は天体を勉強しており、そこで生徒達によく 「宇宙人っているよね?」という質問を受けます。私の大好きな映画『コンタクト』でも地球外生物が主題となっています。それをさらに掘り下げて考察しているのが本書です。

ここでは宇宙人がいるかを考える「フェルミ・パラドックス」と呼ばれる疑問に、「実はもう存在している」、「存在しているが連絡は無い」、「存在しない」という3つのパターンを50のテーマで考察していきます。

しかし、その答えはまだまだ追求していかなければいけないようです。星がきれいに見えるこの時期に宇宙について考えてみるのはどうでしょうか?

 

 

『人間というもの』

司馬遼太郎 著 (PHP文庫 520円)

人間というもの 司馬遼太郎.jpg 詳細を見る

司馬遼太郎作品で登場する名句、金言をテーマ別に選りすぐった一冊です。「人間とは」「組織とは」「男女とは」など、ありきたりだけと奥が深い問題に対する道標となるような言葉が散りばめられています。

これを読んでいると、今抱えている悩みを時代を超えて昔の人と共有できる気がします。「たかが人生、されど人生」とちょっと元気になれるかもしれません。

 

 

『プロジェクトX リーダーたちの言葉』

今井彰 著 (文春文庫 540円)

『プロジェクトX リーダーたちの言葉』今井彰 著.jpg 詳細を見る

NHKで放送された名物番組『プロジェクトX』の中からリーダーたちの言葉をまとめた一冊です。プロジェクトに対して、どのような信念を持って、如何なる苦難や困難に立ち向かい、克服してきたのか…。

登場する人数は18名で、それぞれ魅力的なリーダーたちであり、その言葉と行動力・実行力にはただただ敬服するばかりです。自信ややる気を失いかけている方にはピッタリの一冊だと思いますし、これから社会に出ようとしている学生、もちろん中高生にも活力を与えてくれるはずです。

  




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『偶然』ル・クレジオ 『社長が贈り続けた社員への手紙』渡邉美樹 『勝負脳を鍛える』谷川浩司・古田敦也

2007年01月10日 | メルマガ関連記事

 


 

先生の読書  【新年 やる気にさせる本!特集】

 

当教室メールマガジン新年号の読書コーナーは、

読者を熱くする本、生徒をやる気にさせる本!でした。

今日は先生たちが紹介してくれた中から、三冊を取り上げます。


燃えろ!受験生!




『偶然―帆船アザールの冒険』 

ル・クレジオ著 菅野昭正訳(集英社 2415円)


帆船アザールの冒険』ル・クレジオ著 菅野昭正.jpg 詳細を見る


アラビア語の「花」の意味から転じて「花のしるしのついたさいころの面」を指すようになったAzzarという語が、スペイン語経由でフランス語の語彙に加えられ「偶然(hasard)」を意味する語となる。

こうした語源を背景に、帆船アザール号が、黒人を父に持つ少女と生の意味を見失いかけている老映画監督を乗せ、南フランス、地中海から大西洋、カリブ海、中南米、再び南フランスへと戻る経緯を描いたこの海洋冒険小説は、二人の主人公の共に人生の門口に立つ難しさを語りながら、一方で花のような官能の香りを、他方で現実の世界でぶつかる運、不運、事故、出会いといった偶然の連なりを鮮やかに浮かび上がらせていきます。

風のように自由に生きたいと焦り、遠く去った父親の姿を追った冒険の終わりに、偶然の与える試練を引き受け、もう後ろを振り返るまいと決意する少女の決意に作者は未来への希望を託しているといえるのではないでしょうか。

 


『社長が贈り続けた社員への手紙』
 

渡邉美樹著(中経文庫 552円)


ミ長が贈り続けたミ員への手紙.jpg  詳細を見る


ワタミの社長渡邉美樹氏は尊敬する人物の一人です。彼が書いた本は今まで何冊か読んできましたが、これはグッときました。

個人的にも馴染みの深い(笑)居酒屋の、特に接客現場でのサービスの質をいかにして維持・向上させるかということに並々ならぬ情熱を感じさせます。本書は渡邉社長が常日頃スタッフに向けて「贈り」続けてきたメッセージで、社会人としての栄養ドリンクみたいなものです。

タイトルが「送る」ではなく、「贈る」というのも気に入っています。

 



『勝負脳を鍛える』 

谷川浩司・古田敦也著(PHP文庫 540円) 


『勝負脳を鍛える』谷川浩司・古田敦也著.jpg  詳細を見る


将棋の第十七世名人の谷川浩司氏とプロ野球ヤクルト球団の選手、監督である古田敦也氏との対談です。一流の勝負師たちはいったい何を考えているのか、相手を読み、先を読み、どう行動するか、毎日が真剣勝負の受験生やビジネスマンにお薦めの一冊です。

将棋と野球をほんのちょっと知っていれば、中学生でも読めるでしょう。どちらかでも良く知っている人にとっては、抜群におもしろいし、両方知っていれば一冊で二倍楽しめるまたとない本でしょう。

話は具体的で楽しいし、何より“勝つ”ことが仕事の人の話は、読んでいて勇気がわいてくる。ある世界のトップでいる人というのは情熱だけでなく、冷静で勉強家、分析・研究家であることもよ~くわかります。どんな世界でも勉強が一番!

 

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先生の読書3(田辺聖子 サリンジャー 一志治夫 速水敏彦 坂本多加雄 秦郁彦 チャルディーニ

2006年12月20日 | メルマガ関連記事

 

“心に残る、忘れられない一冊” のシリーズも今回で最後です。今日の本も、本当なら一冊ずつ読んで、取り上げたいものばかり。気に入っていただけると良いのですが…。どうぞ。



【舞え舞え蝸牛】 田辺聖子 著 (文藝春秋 935円)

舞え舞c纓牛.jpg  詳細を見る


思い出に残ると言うよりも、私の人生を変えた一冊とも言える本です。この本と出会わなければ、今、古文を教えてはいないでしょう。中学生の時、図書室で読み、古典の面白さを知りました。

内容はシンデレラと似ています。皆から落窪と馬鹿にされている美しい姫が、少将に見初められ、侍女の阿漕らの働きにより、幸せになる話です。残念ながら廃盤ですが、この小説の原作である「落窪物語」を新たに翻案したものに「おちくぼ姫」があります。多少内容は違いますが、この本も面白いので是非お読み下さい。


 

 

『影響力の武器』 ロバート・チャルディーニ 著 (誠信書房 3465円)

 

 

 

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“人は何によって動かされるのか” を徹底的に解き明かします。かなり昔に読みましたが、最近になって売れ始めたようで、じわじわと良さが広まっているのでしょう。高が知れた私の読書の中ですが、本書は同種の本の中で比較を絶してすばらしいと感じた一冊でした。

心理学者ですから、学問的な考察がなされているのですが、例証や実験が豊富で具体的。その上それを見事に体系立った形でわかりやすくまとめ上げています。こじつけの論理は一切見られず、その文章力によるものか、読めば必ず心理学(人間行動学)の基本が身に付くように書かれており、しかも実社会で活かせるような工夫が一杯です。

各章の終わりにまとめがほどこしてあるのも大助かりです。 高級品がはやったり、ラーメン屋さんに行列ができたり、川に飛び込む阪神ファンの心理までもよくわかります。

 



【兎の眼】 灰谷健次郎 著 (角川文庫 599円)

 

 

 

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海の物語』を読んだ後、灰谷健次郎の他の作品を無性に読みたくなり、代表作と言う触れ込みからこの本を手に取りました。非常に個性的な子供たちの中でともに成長していく教師の姿、子どもと大人が常に対等に書かれているなど、共通している部分が多く、一気に読みきってしまいました。

学校や生徒達の生活環境の設定や、生徒と教師の言動などは少々現実離れしているものの、良い邦画を観たあとのような澄んだ気持ちになれる作品です。(1979年に映画化もされました。)
 

 


【ライ麦畑でつかまえて】 J.D.サリンジャー 著 (白水社 550円)






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学生時代に読んだこともありますが、最近になり読み直しました。青春時代に誰もが味合う孤独感がユーモアたっぷりに描かれています。落ち込んだり進路に迷った時、読んでほしい作品です。

  

 

【他人を見下す若者たち】 速水敏彦 著 (講談社現代新書 720円)
 

 

 

 

 

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タイトルとこの本の帯に書いてあった「自分以外はバカの時代!」という強烈なキャッチコピーに惹かれ購入しました。今、いじめや自殺が社会問題となっていますが、そういったことが起きやすくなっている社会背景が描かれています。

「自分に甘く、他人に厳しい」「すぐにいらつき、キレる」「悪いと思っても謝らない」と本の帯に書かれていますが、この本の中には、かなり具体的に若者がこのようになった理由が書かれているので、今の時代が便利になっていても、決してよい方向には向かっていないような印象をもちました。

個人的には「嫌なことは吐き出す」という感情の方が最近は増えているように思えます。この本から、現在の日本人が失った何かを発見できると思います。

 

 

【昭和史の論点】 坂本多加雄秦郁彦半藤一利保坂正康 著 (文春新書725円)

 

 

 

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満州事変2・26事件、太平洋戦争などを中心に昭和時代を討論・検証する一冊です。国際社会で暴走し、翻弄され、打ちのめされた日本。今からほんの半世紀ほど前のお話です。

 

 


【魂の森を行け】
 一志治夫 著 (新潮文庫 460円)

 

 

 

 

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副題に3000万本の木を植えた男とあり、植物生態学者であるその人、宮脇昭氏の人生を綴ったものです。環境保護を早くから唱え、本物の自然とは鎮守の森であると現在も自然の再生に尽力し活躍されています。氏の生き様や信念、情熱には圧倒されます。



 

以上です。


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先生の読書2 (飯田泰之 荒俣弘 ラ・ロシュフコー 芳沢光雄 阿部夏丸 山田詠美 シャンサ)

2006年12月19日 | メルマガ関連記事




(手前みそのようで、恐縮ですが…、) 本当に力のある塾講師のみなさんはいろいろと良い本を知っているもんなんですね。だから会話も深くておもしろいし、たとえもユニークで、生徒に人気があるんでしょうね。今回もいろいろな先生から紹介してもらいました!

いや~、毎月この特集になれば良いのになどと考えております。こうしてまとめて並べるのも壮観で良いのですが、実際に自分で一冊ずつ読んで紹介したいところですね。年末年始、読む本がいくつか見つかりました。


気になる本が並んでいると思います。では、どうぞ!


 

【ダメな議論】 飯田泰之 著 (ちくま新書 714円)

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最近で一番心に残った、というか脳を揺さぶられた感じの1冊です。本書は分析的思考の重要性を説くものですが、「ダメな議論をあぶり出す手法を提示していること」と、「具体例として時事問題におけるありがちな議論を取り上げていること」が特徴です。

例えば、「近年、少年による凶悪犯罪は増加しており、道徳教育の見直しが必要とされる」という主旨の文を読んだときに違和感があるでしょうか。ないようであれば、きっと本書に揺さぶられます。

他にも「ダメな若者論」「食料安保論」 「バブル悪玉論」 「良いデフレ論」等々、まだまだたくさんの「何となく常識になっている論説」の何がダメかを論証しています。自分だけの秘密にしておきたいくらいの1冊と言ったら褒め過ぎでしょうか。

 

 

  【ラ・ロシュフコー箴言集】 ラ・ロシュフコー 著(岩波書店 789円)

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フランス・モラリスト文学の最高傑作・・・というと、やたら堅苦しい感じがするけれど、実は単なる「名(迷?)言集」。ほんの1,2行の言葉ばかりが集められた、誰でも読める本です。ただ、そこに集められた言葉は、よく言えば素晴らしい人生の警句、悪く言えば単なるひねくれ者の戯れ言です。

「人が他人を褒めるのは、そのことで自分が得をしようとしているときである」「切れ者らしく見せようという色気が邪魔をして、切れ者になれないことがよくある。」・・・うーん、耳が痛い。真面目な本もよいですが、たまにはこういうちょっと意地悪な言葉に浸ってみるのもいかがでしょうか?

 



【帝都物語】 荒俣弘 著 (角川文庫 735円) 

帝都物語 荒俣宏.jpg 詳細を見る

今でもファンの多い伝奇小説です。学生時代、新刊が出るたびに徹夜でむさぼり読みました。内容を一言で言うと、帝都(東京のことです)を破壊しようとする魔神、加藤保憲とそれを阻止しようとする人々との闘いを描いた話です。

長編のため話題は様々な方面に及んでいます。この本にはまると、歴史と荒俣が作り出した架空の世界が混同してきます。読み終わると次の巻が読みたくなる麻薬のような本です。時間がある時には荒俣ワールドにどっぷり浸かってください。


 

 
【ぼくは勉強ができない】 山田詠美 著 (新潮社 420円) 

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私の思い出の一冊と言えば断然これです。高校2年生のころ初めて読んで衝撃を受けた覚えがあります。「常識」に従わず、他人の敷いたレールを歩かない・・・そういうカッコイイ生き方よりも、むしろそうしたことと引き換えに背負う孤独の方が印象的でした。

もちろん主人公時田秀美には、強い母、包容力のある祖父、そして大人の彼女がいましたが、本当のところでは一人で戦っている姿があって惹かれた覚えがあります。思春期に出会えてよかった一冊です。 

 

 

『算数・数学が得意になる本』 芳沢光雄 著 (講談社現代新書 720円) 

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本のタイトルを見て「そんなことはあり得ない!」という人も多いと思います。算数、数学が苦手という人は多いと思います。そういった人は必ずどこかでわからなくなったという経験があるはずです。例えば「分数の計算」 「証明問題」 「確率」で先生が何を言っているかわからなくなった経験はありませんか。講師としても 「どうやって理解させるか」という事が難しい単元というものがあります。

この本にはそういった算数・数学でつまずきやすい所の解説が書かれています。ただの解説ではなく教科書やゆとり教育の功罪にまでつっこんで書かれているので、つまずきの原因が的確にわかると思います。この本は、子育て中の保護者や教員、中学生以上の学生が読者の対象となっています。

「角錐の体積はなぜ角柱に1/3をかければよいのか」という質問は答えるのに窮してしまったことはありませんか?この本には微積分を使わずに視覚で理解出来る方法が書かれています。それは「大根とナイフを使って・・・」、その先はこの本の中に書かれています。


 


『峰雲へ』 阿部夏丸 著 (小学館 1785円)

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今はもう都会では味わうことが出来ない遊びがあります。本書は川を舞台に少年たちのみずみずしい感性や行動力が思い切り描かれています。入試にもよく出題される本ですが、大人が読んでも心に響く内容です。読後は満足感でいっぱいになりました。





【碁を打つ女】 シャン・サ 著 (早川書房 1995円)

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舞台は昭和初期の満州国、日本人将校と中国人少女の物語。二人が数ページずつ、交互に自分の人生を語る形で、二つの物語が展開します。どちらも、引き込まれるストーリーですが、やっと二人が出会うのは物語後半の碁会所。

過酷な現実、激しい動乱、微妙な心理を、抑揚を押えた文体で描きます。ほとんど無言で対局を繰り返していただけの二人が、満州の状況が風雲急を告げる中で互いを頼らざるを得なくなり、衝撃的なエンディングへとつながります。ため息が出るようなすばらしい小説でした。

筆者はフランス在住の中国人ですが、まるで日本人の筆によるかのような天皇の描き方、そして、兵士のはかなさは万国共通でしょう。『上海ベイビー』が話題になる時代はすでに終わり、頑迷な中国にも新しい世代が出てきていると感じました。



 

以上です。




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先生の読書1 (司馬遼太郎 会田雄次 村上陽一郎 宮本輝 横山秀夫 庄義和 マークブキャナン)

2006年12月18日 | メルマガ関連記事




当教室では、毎月発行しているメルマガで、講師の方々が、生徒や親ごさんへお薦めの本を紹介しています。

先月は 『厚さ1センチ(10ミリ)以下の本』 を特集し、大変好評でした。


12月号では、他人に薦めるというより、 ご自分の “心に残った忘れられない一冊” ということで特集をしました。講師によって、紹介の仕方も長さもバラバラなのですが、大変興味深い本が並んだと思いますのでご紹介します。


私だけでなく、他の講師も多くおりますので、書いた方の名前はふせておきますが、すべて当教室の講師陣が書いたものです。


こういう本に夢中になると塾講師になるらしいです(笑)。 おもしろいと思いますよ。ではどうぞ。

 



【竜馬がゆく】 司馬遼太郎 著 (文春文庫 全八巻 各620円)


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明治維新の原動力として活躍した坂本竜馬の生涯を描いた歴史小説。著者の幅広い知識と鋭い表現力で、気がつけばこの世界に引き込まれるはず。幕末という激動の時代、誰もが固執した考えをする中、独特の感性で時代の先を見据えていた竜馬の生き方は、この本を読んだ人の心にきっと何か響かせてくれるでしょう。

どのような志を持ち、自分の人生を生きていくのか…。この先大人になり社会へ羽ばたいていく前に、この本と出会っておくのも良いと思います。

 

 

 


【日本人の生き方】
 会田雄次 著(講談社 525円)

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本は人に貸すとなかなか返ってきませんね。本書は結局3回買っています。最初に読んだのはまだ大学生時代でした。私が受験で使った社会の科目は、倫社・政経でしたので、歴史や地理はまったく知らないまま大学生になったのですが、本書を読んですぐにそれを悔やみました。

自分が日本人であるとはどういうことか、歴史的背景抜きの英語の知識だけではどうしようもない、国際人などとんでもないとつくづく思い知らされた一冊です。大げさに言えば、自分のアイデンティティーを確認した本ということになるでしょうか。

 


 

【ペスト大流行—ヨーロッパ中世の崩壊】 村上陽一郎 著(岩波新書735円)

ペスト大流行 村上陽一郎.jpg詳細を見る

歴史を語ろうとする者なら誰も、今日の立場からの解釈は可能な限り抑制し、できる限り過去の時代そのものに肉迫しようと努めるものですが、私達が「同時代人」たり得ない以上、自らの設定した座標軸にしたがって、過去が今日の状況に対して持つ因果関係をもっぱら問うといった過ちを犯す危険は常にあります。

本書の著者は、科学の歴史を、人間が「より真実へと」近づいていく過程と見なす事に対し、常に批判的な立場から数多くの業績を残してきましたが、本書でも中世の西欧で3000万人の命を奪い、封建社会を根底から揺り動かしたペストの大流行について、無知ゆえに深刻な事態を招いたといった安易な視点を禁じ、未曾有の事態に直面した当時の西欧世界の知的枠組み、さらには伝染病が招く人心の動揺、社会の混乱といった二次的惨禍に至るまでを克明に描き出しています。

ところでペストがまさに最盛期を迎え、手の尽くしようもなくヨーロッパが滅亡の危機に瀕していたとき、ペストの伝播源であったクマネズミの天敵ドブネズミの大群が突然ヴォルガ河を西に向かって移動していったという実話をご存知でしょうか?

 



 

【錦繍】 宮本輝 著 (新潮文庫 460円)

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著者は私が好きな作家の一人で、多くの作品を読みました。その中で本書は大人向けの内容としては心に強く残った一冊であり、名作と言えるかもしれません。手紙のやり取りだけで話が進みます。言葉の美しさも感じられる素晴らしい本です。

 



 

【灘中の数学学習法】 庄義和幸田芳則 著(日本放送出版協会 672円)

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灘中の数学学習法ということで、どれほどのものか興味があり手にとってみました。もちろん、灘中に通っている生徒の吸収力・レベルが高いということもあるのですが、これほどまでのスピードでカリキュラムを消化しているとは思わなかったです。

中学の段階で高校生の内容を扱えるのは、カリキュラムがしっかりしているからでしょう。普通の一般公立中学との差は大きくなるいっぽうだと感じました。また付録として、定期テストの問題と答え・使用している本などが上げられており、この一冊で日本トップクラスの数学教育を見せ付けられた感じがします。



 


【出口のない海】 横山秀夫 著 (講談社文庫 620円)

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大好きな野球と恋人を投げ打って戦争へ。任務は生きて帰れる可能性ゼロの人間魚雷。潜水艦ごと敵に突っ込むという極限の恐怖の中でも、主人公は崇高な反戦メッセージを伝えてくれます。


 


【歴史の方程式】 マーク・ブキャナン 著 (早川書房 2425円)

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歴史的な大事件や大事故が起こるたびに思い出すのが本書です。地震や台風などによる惨禍は、どうしようもありませんし、誰も阪神大震災は防ぐことができたとは考えないでしょう。しかし人やその集まりである国家が引き起こす紛争や戦争、あるいは不注意による事故ならば無くすことができる、またはそうすべきだと考えます。

ところが、現実の社会では、事故も戦争もなくなりませんし、ありえないと思われることが、実は次々に起こっています。自然災害も人が引き起こすものも実は似た法則(方程式)で起こっていて、そのカギはべき乗にあると主張する一冊です。

最新の物理の知見と歴史をミックスさせた非常に刺激的な一冊でした。  





以上です。


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春琴抄/谷崎潤一郎■ローマ人の物語Ⅰ/塩野七生■星の王子さま■竹取物語/星新一訳■土佐日記/紀貫之

2006年11月10日 | メルマガ関連記事


        ■■■ 厚さ1センチ (10ミリ) 以下の本特集! ■■■

今月の当教室のメルマガは、忙しい受験生でも読めるように、厚さ1センチ以下の本。メルマガに先立って紹介しちゃいます。

先生方に“ 1センチ以下でお願いしま~す ”と言っただけなのに、どういうわけか古典的名作がそろってしまいました!これなら、名作特集でも良かった。受験生でも読める“薄い名作選”になりました。ちょうどいいや、それ、どうぞ!


春琴抄.jpg詳細を見る


『春琴抄』 谷崎潤一郎■ (新潮文庫300円) 【106ページ・ミリ】 

春琴につかえる佐助との間の愛情を描いた作品です。春琴は薬問屋のお金持ちで、意地悪で、頑固で、わがままなお嬢様でありましたが、芸事には素晴らしい才能を持っていました。しかし幼いときに盲目になってしまい、春琴の家に奉公にきた佐助が彼女の目となり世話をします。身分や立場の違いを越え、二人は親密になっていくのですが、支配する側とされる側という関係は保たれたままであり、佐助の献身的な愛情には異様ささえ感じられます。そしてついに春琴が顔に負った火傷がもとで佐助は自らの目に針を刺してしまいます。最初から最後まで映像が目に浮かび、美しくもあり、ゾクッと背筋に何かが走る心持がし、強烈な印象を残してくれる一冊です。


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『ローマ人の物語Ⅰ』塩野七生■ (新潮社 420円) 【197ページ・9ミリ

副題は「ローマは一日にして成らず」。ローマ誕生から共和制に移るまでを描いています。ヨーロッパにはローマ帝国に関して多くの著作が残されていますが、塩野氏は独自の史観を曲面ごとに披露してくれます。神話によれば羊に育てられたロムルスが双子のレムスを殺した時からローマの歴史がスタートするわけですが、それ以前のギリシャの状況なども詳しく説明し、ローマが生まれた時代背景を浮き彫りにします。私は三国志も大好きで、登場人物、人間模様は魅力にあふれていると思いますが、やはりそこは史実から離れて、創作部分がかなり入っているためか、戦いの歴史はスピード感、躍動感に溢れていても、リアリティーに欠け、行動の動機は常に同じトーンですね。本書はそれとは違って、人々の行動の描かれ方は単純ではなく、史実を追い、諸説を紹介し、時に氏の考え方が紹介されます。Ⅱ以降も楽しみです。 


 


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『星の王子さま』サンテグ・ジュベリ/池澤夏樹訳■(集英社文庫 381円) 【143ページ・9ミリ

「星の王子さま」というタイトルを知らない人はほとんどいないと思われます。また、どこかで一度はその一部分ではあっても読んだことがあるのではないでしょうか?しかし、その内容をちゃんと覚えている人はどれだけいるでしょう。私もタイトルしか覚えていない一人でした。久しぶりに読んでみますと、その詩的表現の素晴らしさに驚いてしまいました。旧来の訳を覚えてはいませんので、実は池澤夏樹氏の新訳が素晴らしいのかもしれませんが、とても柔らかい雰囲気が漂った作品です。 



竹取物語.jpg 詳細を見る


『竹取物語』星新一訳■(角川文庫 400円) 【190ページ・8ミリ

SFの名手が挑んだ古典の名作。星新一と言えば『未来イソップ』などのパロディも多いのですが、これは結構忠実で、しかも分かりやすい。巻末には原典も載っているので勉強にもなります。小学生にも読める内容で、大学受験生にも話の筋を押さえる上で役に立ちそうな本です。話の途中途中で星新一の気の利いたコメントが入っているのもマル。



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『土佐日記』 紀貫之/三谷栄一訳■ (角川書店 399円) 【107ページ・5ミリ

今まで古文はそれほど読んではおらず、教科書に出てくるような代表的な文章くらいしか目にしたことはありませんでした。土佐日記に関しても、男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり・・・という出だしの文章だけ知っていました。今回何気なく読んでみようかなと思い読み始めたら、すぐに読み終わりました。知らなかったのですが、ページ数にして100ページちょっとという、短いものなのですね。また、その頃の日記は漢文で書かれたものが多いそうですが、紀貫之は女性の立場で仮名書きで書いています。後ろにある現代語訳とあわせながら、比較的読みやすかった文章でした。他の古文にも挑戦してみようかなと思わされる一冊です。

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