先日のNHK『そのとき歴史が動いた』で白洲次郎を取り上げていました。昭和天皇から贈り物を届けにきた白洲に、マッカーサーが『そこらに置いておいてくれ』というようなことを言った。それを聞いた白洲がマッカーサーを『無礼である』と怒鳴り付けたというエピソードが残っています。『戦争には負けたが奴隷になったのではない』という信念です。
本書は白洲次郎のほか、野口英世、新渡戸稲造、岡倉天心、幣原喜重郎など、日本にいながらにして達人と呼ばれるほどの英語力を身に付けた10人の人生と英語を紹介します。(白洲だけは本当は留学経験があるので例外ですが、どうしてもこの男のことを書かせてくれ、と斎藤氏は熱く語ります)
小学校から英語を必修にするという動きがあります。私の塾でも英語を習っている小学生も多いです。しかし、必修化となると反発も多いですね。『国家の品格』の中で藤原氏がそれこそ、亡国であると述べています。石原慎太郎も批判的なコメントを出しました。私は早くから英語を学ぶこと自体は否定しませんが、英語を身に付けることの意味や、英語習得がどれほど大変かということを認識していただきたいと切に願います。本書を読めばすぐに分かることです。
さらに、留学しなければ英語はできるようにならないと信じきっている人には、本書は大変な驚きと発見があるはずです。会話重視で文法軽視という現代の英語教育は正しい道なのでしょうか。英語を学ぶことは欧米人のコピーとなり、その文化に取りこまれることではない、という強いメッセージが伝えられます。
私も機会あるたびに本書の内容を授業で話しています。英語の参考書にはすぐれたものがたくさんありますが、英語を学ぶ心構えを教えられた本としては、何をおいても本書を第一に挙げたいと思います。
英語達人列伝―あっぱれ、日本人の英語 中央公論新社 詳 細 |
http://tokkun.net/jump.htm
『英語達人列伝』斎藤兆史
中公新書:255p:798円
斉藤兆史先生の英語講座をテレビで見たことがあります。
斉藤先生は英語の発音が美しいですね。
で、番組の最後の音楽のコーナーで自分のバンドを率いて
Journy『Open Arms』をドラムを叩きながら熱唱されたのを見てぶっとびました。
それ以来、密かにファンなんです。
テクニックのほうは…言わぬが花です(^^ゞ
私は、その思い切りのよさに感激したのでした。
あまり知識も教養もない、ミーハー的なただのオバサンなのに、こうしたりっぱなブログに訪問させていただいて、よかったです。
『英語達人列伝』については、ぜひとも"Hirobuchi World"の世界ジャーナリスト廣淵升彦先生にご意見を聞きたいと、この記事を連絡しました。
お答えが、ここに届くかと、私も楽しみで待ってます。
TBありがとうございました。
すごく本を読んでおられるようですね。
私も読書好きです。
もっぱら偏ったビジネス書ですが。
また、お邪魔しますので、よろしくお願いします。
かーこさん:私もぜひ、その“思い切りの良い”演奏を聴いてみたいです。
tiakujo:いや、私は知識も教養もありませんが、面白い本ですから、紹介させていただきました。Hirobuchi World はそれこそ勉強不足で存じ上げません。楽しみにしております。
俊:こちらこそよろしくお願いします。勉強させていただきます。
昨日TBさせていただいたままになっておりまして、申し訳ありません。
英語は若い頃英会話教室に通ってみたりしましたが、今ではすっかり忘却の彼方へ状態になっております(汗)。
生きていれば100歳近い祖父が英語べらべらだったそうなので、才能がない訳じゃないだろうと思っているのですが、使う機会がなければドンドン忘れてしまいますね。
私の場合、高校程度のヒアリングなら楽勝だったのですが、言葉にして喋る事がからっきしダメで、会話が成り立たなかった思い出を思い出してしまいました。
それでは、どうも失礼いたしました。