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【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

『英語達人列伝』 斎藤兆史

2006年04月07日 | 英語関連書籍


先日のNHK『そのとき歴史が動いた』で白洲次郎を取り上げていました。昭和天皇から贈り物を届けにきた白洲に、マッカーサーが『そこらに置いておいてくれ』というようなことを言った。それを聞いた白洲がマッカーサーを『無礼である』と怒鳴り付けたというエピソードが残っています。『戦争には負けたが奴隷になったのではない』という信念です。

本書は白洲次郎のほか、野口英世、新渡戸稲造、岡倉天心、幣原喜重郎など、日本にいながらにして達人と呼ばれるほどの英語力を身に付けた10人の人生と英語を紹介します。(白洲だけは本当は留学経験があるので例外ですが、どうしてもこの男のことを書かせてくれ、と斎藤氏は熱く語ります)

小学校から英語を必修にするという動きがあります。私の塾でも英語を習っている小学生も多いです。しかし、必修化となると反発も多いですね。『国家の品格』の中で藤原氏がそれこそ、亡国であると述べています。石原慎太郎も批判的なコメントを出しました。私は早くから英語を学ぶこと自体は否定しませんが、英語を身に付けることの意味や、英語習得がどれほど大変かということを認識していただきたいと切に願います。本書を読めばすぐに分かることです。

さらに、留学しなければ英語はできるようにならないと信じきっている人には、本書は大変な驚きと発見があるはずです。会話重視で文法軽視という現代の英語教育は正しい道なのでしょうか。英語を学ぶことは欧米人のコピーとなり、その文化に取りこまれることではない、という強いメッセージが伝えられます。

私も機会あるたびに本書の内容を授業で話しています。英語の参考書にはすぐれたものがたくさんありますが、英語を学ぶ心構えを教えられた本としては、何をおいても本書を第一に挙げたいと思います。

英語達人列伝―あっぱれ、日本人の英語

中央公論新社

詳  細

http://tokkun.net/jump.htm

『英語達人列伝』斎藤兆史
中公新書:255p:798円


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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
斉藤先生 (かーこ)
2006-04-07 23:59:03
TB有難うございます(^o^)

斉藤兆史先生の英語講座をテレビで見たことがあります。

斉藤先生は英語の発音が美しいですね。

で、番組の最後の音楽のコーナーで自分のバンドを率いて

Journy『Open Arms』をドラムを叩きながら熱唱されたのを見てぶっとびました。

それ以来、密かにファンなんです。

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バンド?ですか (VIVA)
2006-04-08 11:40:00
そうなんですか?NHKでドラムを?知りませんでした。まさか本だけじゃなくてCDなんかも売っていたりして。気になります。情報感謝いたします。m(__)m
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TBコメント ありがとうございます (auryn)
2006-04-08 13:28:13
白洲次郎氏の「ソアラ」について、うろ覚えの記憶に自信が持てなくなり手元にある雑誌を読み散らかしてみました。その結果、やはり曖昧な記憶だったことが判明しました。おかげで記事を修正することもできました。ありがとうございました。それに、白洲さんについて読み返すこともできましたし。その中に、講和会議に向かう飛行機の中でもジーンズをはいていた。という白洲さんらしいエピソードもありました。読み返せば読み返すほど飲み込むのに租借しづらい人物だということがわかりました。(笑)
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放送大学 (かーこ)
2006-04-08 15:25:13
斉藤先生のバンドが出ていたのは放送大学です。

テクニックのほうは…言わぬが花です(^^ゞ

私は、その思い切りのよさに感激したのでした。
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"Hirobuchi World" (tiakujo)
2006-04-09 09:27:01
TB、ありがとうございました。

あまり知識も教養もない、ミーハー的なただのオバサンなのに、こうしたりっぱなブログに訪問させていただいて、よかったです。

『英語達人列伝』については、ぜひとも"Hirobuchi World"の世界ジャーナリスト廣淵升彦先生にご意見を聞きたいと、この記事を連絡しました。

お答えが、ここに届くかと、私も楽しみで待ってます。
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TBありがとうございました ()
2006-04-09 09:48:23
初めまして。

TBありがとうございました。

すごく本を読んでおられるようですね。

私も読書好きです。

もっぱら偏ったビジネス書ですが。

また、お邪魔しますので、よろしくお願いします。
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コメントありがとうございます (VIVA)
2006-04-09 11:01:45
auryn:そうですか。でも当時の鮮烈デビューのソアラ、似合いそうです(笑)。



かーこさん:私もぜひ、その“思い切りの良い”演奏を聴いてみたいです。



tiakujo:いや、私は知識も教養もありませんが、面白い本ですから、紹介させていただきました。Hirobuchi World はそれこそ勉強不足で存じ上げません。楽しみにしております。



俊:こちらこそよろしくお願いします。勉強させていただきます。
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英語についての「迷信」 (湖の騎士)
2006-04-10 09:48:08
tiakujoさんのところから飛んできました。ご紹介の本は今日にでも手に入れます。戦後の日本にはいくつもの「迷信」がはびこっていますが、英語についての迷信もひどいものです。「現地へ行かなければできない」とか「留学しなければできない」とか、「先生が悪い」「文法を教えるのがいけない」といったもろもろの迷信が、何年たっても淘汰されずに残っています。「英会話英会話と騒いでいる人たちで英語ができたためしがない」という名言を吐いている商社マンもいるくらいです。テレビ局の海外特派員を計8年務め、大学で12年間英語を教えてきた私の得ている結論としては、「英語が読めない者はしょせん英語が分からない」ということです。
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コメント恐縮です。 (VIVA)
2006-04-10 17:35:18
湖の騎士さん:ようこそおいで下さいました。コメントまでいただきありがとうございます。tiakujoさんのおっしゃっている"Hirobuchi World" は湖の騎士さんのことですね。私は大学で教えるほどの英語力は残念ながら持ち合わせておりませんが、中高生のここ数年の英語力の低下にはかなり危機感を持っております。湖の騎士さんのおっしゃる通り、本書の著者の見解通り、学校で最低限度の文法はマスターしなければならないと思っております。もし本書をお読みになられるようなことがありましたら、ご見解をおうかがいできれば幸いです。

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TBありがとうございました (知沙)
2006-04-16 09:46:50
こんにちわ。

昨日TBさせていただいたままになっておりまして、申し訳ありません。



英語は若い頃英会話教室に通ってみたりしましたが、今ではすっかり忘却の彼方へ状態になっております(汗)。

生きていれば100歳近い祖父が英語べらべらだったそうなので、才能がない訳じゃないだろうと思っているのですが、使う機会がなければドンドン忘れてしまいますね。

私の場合、高校程度のヒアリングなら楽勝だったのですが、言葉にして喋る事がからっきしダメで、会話が成り立たなかった思い出を思い出してしまいました。



それでは、どうも失礼いたしました。
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