本を読もう!!VIVA読書!

【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

2008年 大学入試 センター試験 【英語】 講評

2008年01月19日 | 大学受験【英語】参考書など

 

大学入試センター試験の一日目が終わりましたね。

東京は晴天でしたが、大変冷え込みの厳しい一日でした。みんなトラブルなく終了していると良いのですが…。


結果はともかく、受験生のみなさん、緊張の一日はどうでしたか。とりあえずお疲れさま。 

当教室 の浪人生や高校3年生たちもたくさん受験しましたが、決戦前夜、彼らは眠れたのでしょうか?私は寝不足です(笑)。


今年は中学・高校とゆとり教育の中で育った世代が受ける、初のセンター試験ということでも注目されていますが…。



さて、今年のセンター試験、英語の講評です。


昨年、大きく傾向の変わったセンター試験の英語ですから、今年はどうなるか注目です。ある年に大きな変更があれば、その後数年はそれを踏襲するのが普通だと思tっておりましたが、今年も昨年に続き、予想以上に大きな変化がありました。


第1問の新しいタイプのアクセントや発音の出題形式、第6問が物語から論説のような内容へ変わったことと、内容一致が消えたことが目に付きます。これには驚きました。

51番の最後のマークをしたあと、きっとその続きの設問を捜した生徒もいたでしょう(笑)。他のところでも割りに大胆な変化が見られました。


ただし、2年連続での変化ですから、昨年ほどのインパクトは無く、あわてない限り充分対処可能な範囲ですし、むしろ受験生にとってはやりやすくなる方への変化だったのではないでしょうか。


というのも、全体で見れば確かに問題の語数自体は昨年からまた更に増え、ますますスピードは要求されているように見えましたが、設問数は逆に減っているからです。また、その選択肢に紛らわしいものがほとんどないため、問題形式が変わったことによる影響は少ないでしょう。


大手予備校では、現段階で “昨年並み” あるいは “難化” と予想しているようですが、個人的には偏差値65以上の上位層にとっては差がつきにくい、満点狙いの問題設定だと思います。むしろ “易化”。


昨年のセンター試験の講評 でも指摘しましたが、センター試験を受ける層が年々拡大していますし、今年はゆとり教育の世代の受験ということで、全体の平均点を予想するのは困難ですが、問題のレベル自体は易しくなっています。


ですから、個々の受験生は全体の平均点が上がっても下がっても、あくまで参考程度にし、センターリサーチなどでなるべく正確に自分の出願する大学の受験生の位置を把握しておくことが必要です。全体の偏差値だけをあてにしては危険です。


2年連続で大きな変化があったものの、今年はこれまでのセンスが左右するタイプの問題に比べれば、良い方向への変化だと私はそれなりには評価しますが、やや易しすぎないかな、というのが率直な感想です。


例えば、象徴的なのは発音問題で、下線部の発音が異なるものを選ぶのですが、

① brther    ② ousin   ③ ouble   ④ nest

ブラザーとダブルは日本語と同じですし、どう見ても高校入試レベルかなと。配点はわずか2点で、別に悪い問題というのではありませんが…。

やはり50万人以上の受験生の学力をたった一回の全国一斉試験で見ようという発想自体がそもそも不合理なのではないかと。


まぁ、個人的なグチはともかく(笑)、いずれにせよ、一日目が終了しました。



受験生諸君、どうだろう、英語がこの問題なら、おそらく大過なく明日を迎えられると信じているんだけど。
ただ、明日は関東地方でも雪の予報が…、。 その準備だけはしっかりしておこう。

やっかいだけど何も自分だけに雪が降るわけじゃあない!条件はみんな同じだから、何事も前向きに考えて、ドラマチックな展開の中で自分が成功するイメージトレーニングをしてふとんに入ろう。そのためにここまで頑張ってきたんだから。


二日目になれば、もう緊張もないだろう。今日うまくいった人も、ちょっと失敗と思っている人もすぐに頭を切り替えて、明日からまた、精一杯頑張ってもらいたい!



さらなる健闘を祈る!


Good luck!



■■■ ブログランキング ■■■

がんばる受験生に引き続きエールを!

はげましのクリック、よろしくお願いします。



↓            ↓

人気blogランキングへ  にほんブログ村 本ブログ  



http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】

Homeへ

 


年末ごあいさつ + 増刷決定!『灘高キムタツの国立大学英語リーディング超難関大学編』 

2007年12月31日 | 大学受験【英語】参考書など



国立大学リーディング.gif


年末のご挨拶を何とか記事にしようと思っていた今日、大晦日ですが、とてもうれしいニュースが届きました。

灘高キムタツこと、灘高の英語教師、木村達哉先生の、『国立大学英語リーディング(超難関大学編)』 の増刷が決まったとご連絡をいただいたのです。

出ては消える英語参考書の厳しい競争の世界で、良書が広く受験生に使われるのは実に喜ばしいことです。


何度かブログに書かせていただきましたが、木村先生とは、拙ブログで 先生のリスニングのテキスト を取り上げたことがきっかけで、今ではたびたび電話などでお話をさせていただけるようになりました。(先日は、“イディオムとはいったい何だろう” という哲学論争!?まで)。

本書の中で、キムタツ先生が、私VIVAと 当教室 をご紹介をしていただき、私も1ページのコラムを書かせていただいたという、拙ブログにとっても、私にとっても記念碑的な一冊なのです

(まっ、どうせ出ているので…、わたくし、VIVA、本名は光岡誠司と申します。塾名は「個人特訓教室」と言います。よろしくお願いします。ついでに一年前の木村先生との写真 ⇒ Enjoyed Ourselves


というわけで、内容はご紹介した時の 本書の記事 もご覧いただきたいのですが、あらためてこうして記事にさせていただきました。



■■■■■


さて、夏休み以降、なかなかブログを更新をできないにもかかわらず、たびたび拙ブログを訪れていただいたみなさまにご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。

平成も20年を迎える来年は、また気持ちを新たにして、多くの方とのコミュニケーションができるようにしたいと考えております。

 

今年一年本当にありがとうございました。

 


みなさま、どうぞ良いお年をお迎えください。




●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、クリックをしていただけるとありがたいです。応援お願いします。m(__)m


⇒    にほんブログ村 本ブログへ

http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】



灘高キムタツの国立大学英語リーディング超難関大学編

灘高キムタツの国立大学英語リーディング超難関大学編

アルク

詳細を見る


モバイル用リンク ⇒灘高キムタツの国立大学英語リーディング超難関大学編

Homeへ


『ロイヤル英文法ー徹底例解』 綿貫陽・宮川幸久・須貝猛敏・高松尚弘・マークピーターセン

2007年07月18日 | 大学受験【英語】参考書など


ロイヤル英文法.jpg


いわゆる文法書の中で中級以上の受験生に薦めるとすれば、本書です。

代表的な一冊、英文法解説- 江川泰一郎 も文法書の中の名著と言われ、私も時々参考にします。他にも十数冊は持っていますが、例えば江川先生のものなどはやや専門的で問題数も多く、英文科を目指す方ならともかく、一般の受験生には薦めかねます。

また、以前 『コンプリート高校総合英語』 や 『Forest』 をご紹介しました。これらは逆に高校生には大変使いやすいのですが、入試での最高レベルの踏み込んだ理解をしたい時にはやや物足りない。事典として引くのか、参考書として読んでいくのかきわどいところです。


本書にはそれらより詳しい解説が載っています。900ページ近い分量ですから、私のような文法大好き人間ならともかく、受験生は最初から読んでいくのではなく、わからない文法が出てきたら引く。すなわち文法事典ですね。

こういう本を使うときの問題は、ある程度学習者に文法知識がないと、該当する箇所にすらたどり着けないという点です。そういう意味では索引がこの種の本ではある意味生命線ですが、本書は非常によくできています。語句索引も充実しています。

そもそも引きやすいことをコンセプトに作られており、索引だけで50ページを越えています。

文法事典の良し悪しは、内容だけでは決まりません。あいうえお順の辞典とは違い、事典とはいえ参考書ですから、使う側の学力次第という面があります。どれを選ぶか迷ったら、引き比べをすることです。

例えば、自分は “関係副詞” というのがわからない。そうなったら実際に図書館や本屋さんへ行って、それぞれの文法書を引いて、もっとも引きやすいもの、解説がわかりやすいものを選べば良いわけです。ただし、少なくとも5つくらいは項目を比べて下さい。

“仮定法現在” とか “叙述用法” “決定詞” といった少し高度な文法用語で引いてみたり、 should とか the という語句索引で使いやすいものはどれか探してみたり、“副詞” や “so~that” という基本事項で比較することをぜひお勧めします。

さらに練習問題がたくさん付いていたほうが良いのか、いらないのか、そういったチェックポイントは人によって異なります。問題より例文の量や質とその解説も比べられます。難しすぎると思ったら敬遠してください。

受験生は志が高いので、たいてい難しそうなものを選ぶのですが、受験後も使うというくらいの覚悟なくして買ってしまうと宝の持ち腐れで、無理に使えば混乱するだけです。勉強はとにかく積み上げですから、難しそうなものは、次に買えば良いと割り切ることです。

また受験生の心理として “この一冊さえあれば” という気持ちを持ちたがるのですが、それを抑え、何冊か揃っていても良いくらいの気持ちで選ぶこと。それがこういう本を選ぶ時のポイントです。



●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。なかなか伸びませんが、よろしくお願いします。m(__)m


⇒ (4位)    にほんブログ村 本ブログへ(1位)



http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】





ブログランキング     





ロイヤル英文法―徹底例解

旺文社

詳細を見る

Homeへ

『全解説頻出英文法・語法問題1000』 瓜生 豊 , 篠田 重晃

2007年07月17日 | 大学受験【英語】参考書など


頻出英文法・語法.jpg


なんと! 当教室 に通っている中学生が、自分のお兄さんのためにこのテキストの書評・解説を書いて下さい!と持ってきたものです。お兄さんが夏休みの家庭学習でこれを使いたいということです。

いや、それにしてもけなげ。心優しい弟くんですが…、『 弟なんか使わずに、塾に来て私の授業を受けなさい!』 と伝えたのですが、どうでしょう(笑)。


まぁ、それはともかく、本書です。良い本ですね、きちんと使いこなすことができれば。


Next Stage(ネクステージ)英文法・語法問題』 でおなじみの瓜生豊・篠田重晃の両先生のテキストです。拙ブログでもお二人の 『英文法ファイナル問題集』 を以前、取り上げました。

実は、本書と上で挙げた2冊はそれこそ “兄弟” と呼べるほど、問題も解説も似ています。どれか一冊を徹底してやれば、ほぼ文法や語法はマスターできそうですが、それぞれ構成が異なるということ、本の形式が違いますので使い方も工夫して下さい。


学校などから生徒に渡しているのは、『Next Stage(ネクステージ)』 です。持っている生徒が多いのですが、一人で勉強するとなると、実はこれが一番使いにくいというか、解説が少ないので、私はお薦めしません。

『Next Stage』 は、他の2冊と違い、問題と解説が別冊になっておらず、同じ見開きの左右のページにあります。もうひとつの特徴は一番広範な分野を扱っているということ。例えば、発音・アクセントは 『Next Stage』 にしか入っていません。

そういったことが、学校の授業では使いやすい理由なのかもしれませんが、その分解説の内容が薄くなっている印象は免れません。発音やアクセントなども、一応付いているという程度で、その情報量はわずかですから、別のテキストでも十分補えます。


英文法ファイナル』 に関しては記事にしましたので、それを参考にしていただきたいのですが、特徴はまず、標準編と難関大学編の2冊に分かれていること。さらに答案用紙まで用意され、設問に配点を付けたテスト形式であるということです。

それが使いやすいかどうかは個人の好みにもよるでしょう。そういった形式を考えれば、夏休みに集中的に文法をやるという時に使うより、一通り学習し終わった生徒が、自分の理解度や弱点を確認するのに良い本です。制限時間内で目標点を決め、緊張感を持って解いていけば、この形式が活かせます。

“英文法” という名が付いていますが、語法やイディオムや会話表現などの暗記部分もしっかり入っています。また解説も非常に充実していますから、復習もしやすいはずです。


そして、本書。たとえば本書には会話表現という項目こそ設定されておりませんが、入試に必要なものはある程度問題に含まれていますから、実質は『英文法ファイナル』と大差ありません。

少なくとも、ファイナルよりは先にやるべきテキストです。ファイナルが総仕上げ的に、分野の区別のないテスト形式になっているのに対し、こちらは時制からオーソドックスに始まりますし、基本からセンターレベル、さらにそれ以上へと段階的に導いてくれます。

ただし、まったく初歩の文法からやりたい人には向きません。すべて入試問題ですから、いくら解説が詳しいといっても、1000題プラス復習200題を初歩から理解するには、膨大な時間がかかりますから注意して下さい。中級から難関レベル向けです。


結局、この3冊(英文法ファイナルは標準編と難関大学編)は、どれを使っても、その内容すべてを理解すれば、結果的には似たような効果があると言えますが、上記の理由で夏休みに独習するなら、本書がベストです。


個人的には、このお二人の参考書はどれも解説が詳しく大変気に入っていますが、どうして、こう似たような本を何冊も出されるのか、事情がよくわかりません。これら以外にもまだ何冊かありますから、受験生はどれを使ったらよいのか迷うのも無理からぬところです。(確かに、弟まで使いたくなる気持ちもわかる(笑)。)

こういうタイプの本は、いろいろ中途半端に手を出すのではなく、しっかり一冊を仕上げる方が学習効果は高いはずです。特に本書は問題が小冊子となっており、できない問題にしるしを付けて一つ一つつぶしていけば、自分の学習進捗度も把握しやすいでしょう。

本書の中のどこから出されても大丈夫と言えるくらい使い込む。そういう覚悟で頑張って下さい。かなり量がありますので、短期間でやり切るのは大変ですが、良質の問題集であることは間違いありません。



P.S. お兄さん!読んでくれたかな?わからなかったり、くじけそうになったら夏期講習に来て一緒に頑張ろうね(笑)。英文法博士になろう。必ずマスターさせるから!



●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。なかなか伸びませんが、よろしくお願いします。m(__)m


⇒ (4位)    にほんブログ村 本ブログへ(1位)



http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】





ブログランキング     

 


 

全解説頻出英文法・語法問題1000

桐原書店

詳細を見る

HOMEへ

『ビジュアル英文解釈 (Part1・2)』 伊藤和夫

2007年07月06日 | 大学受験【英語】参考書など


ビジュアル英文解゜.jpg

 
いわずと知れた、伊藤和夫先生の代表的テキスト 『ビジュアル英文解釈』 を取り上げましょう。こちらは昨日ご紹介した、西田実先生の 『英文解釈のトレーニング PLUS』 や 木村達哉先生の 『灘高キムタツの国立大学英語リーディング超難関大学編』 よりずっと易しいところから始まります。 


なんと中学生レベルの英語から難関大学の受験でも役に立つような英文解釈力を付けさせようという意図です。英語が苦手な人用の本というのは、たいてい、単に内容が削られていたり、単語が簡単になっているだけですが、本書は違います。

その点がすばらしいですね。英語が苦手だからといって、詳しい説明を省いたら、普通ますます分からなくなります。できないからこそ丁寧に時間をかけて説明してあげなければならないはずですものね。というわけで本書もかなりのボリュームです。


我々がつい何気なく使う、“中学英語” とか “高校英語” という言葉がありますが、もちろん本来英語にその区別があるわけではなく、日本の教育界の事情で勝手に区切っているわけです。

ところがいったん区切ってしまいますと、それをもとに教科書ができあがり、参考書ができ、受験もそれにあわせます。従って、中学英語は中学のその割り当てられた学年でしっかり理解しておかなければ、後から戻ることは困難です。

いったん英語が苦手になると、それを克服するのがなかなか難しいのは、そういう事情があるからで、数学など他の科目でも同様でしょう。さらに中学・高校のつながりが問題で、日本の区切り方ですと、中学英語が年々とても少なくなり、高校にはぎゅうぎゅうに詰まっています。

従って、高校生になってから英語が突然難しくなり、英語嫌いが急増しますが、上で述べたような事情で、戻って学習する機会はなかなかないのです。ですから中高一貫校などで、中3時点で高校の内容を勉強するのは、バランスから考えて当然のことで、詰め込みでも何でもなく、理にかなっているわけです。


本書は英語が苦手になってしまった人でも独習で、英語の全体像が理解できるように工夫されたものです。書名に “ビジュアル” とありますが、イラストがじゃまにならない程度入っているのと、わかりにくいところは英文のつながりを図で示しているからでしょう。


解説が語り口調ですし、会話などもふんだんに入っていますので、イメージとしては以前ご紹介した 『山口英文法講義の実況中継』 的な読み方ができるのですが、何度も前にやったことに言及をしたり、簡単な確認の質問があったりして、筆者の工夫、熱意が伝わってきます。

説明の仕方も、伊藤先生独自というか、これまでの豊富な指導経験から、生徒が理解しにくいところ、間違えやすいところを指摘し、一般の参考書と比べれば、大胆に説明の順番や仕方を変えています。そういう意味では英語が苦手な生徒にどう教えるかというヒントにもなりますので、教える立場の人も一読されたらいかがでしょう。


ただし、実際の生徒に薦めるには、本書が非常に個性的なものゆえ、かなり判断に迷います。生徒と一緒に読んでいくぶんには良いのですが、生徒一人で、Part1・Part2 を通読して理解するとなりますと、ページ数で、600近くになり、相当の時間がかかりますので、今の時期の高校3年生にはちょっと薦めにくい。高1か高2でしょう。

また、中学生レベルの英語から入りますので、ある程度の実力がすでにある人には特にPart1はまどろっこしく感じるかもしれません。が、だからといって Part2 のみで勉強するとなると、これまでの解説が充分に参考にできず、果たして大きな効果が上がるかというジレンマがあります。しかも単語のレベルが一気に上がる印象です。


こちらは1987年に出されており、すでに20年も前の本ですから、この息の長い人気が本書の良さを示しているものの、どんな人に薦めるのが非常に難しいと感じます。極めてユニークな構成ですから、生徒によって合う・合わないが大きいということです。

一般的に言えば、適しているのは、英語が得意な高校1年生、苦手な2年生という気がします。ただ、最低限の文法用語は理解していないと最初からつまづきます。

ですから、購入を考えている生徒は、 最初のそうですね20ページくらいは実際に手にとって読んでみてから決めた方が無難でしょう。よく知られている本書ですから、当教室の生徒でも実際に持っている人が何人もいましたが、Part1の最後までやり終えるのでさえ、残念ながら少数でした。


くどいようですが、万人に最高の参考書などというのはありません。良い内容であっても、自分にとって良いかどうかはまた別の問題ですから、個性的な本は自分で確かめるしかないということですね。


●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。m(__)m



⇒ (3位)    にほんブログ村 本ブログへ(1位)

http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】



ブログランキング     

ビジュアル英文解釈 (Part1)

駿台文庫

詳細を見る

Homeへ

『英文解釈のトレーニング PLUS』 西田実

2007年07月05日 | 大学受験【英語】参考書など


英文解゜のトレーニング PLUS.jpg



当教室も夏期講習に向けて、準備が一段と忙しくなってきました。夏休みはすぐそこですし、とうとう、来年のセンター試験まで、あと200日を切りましたが…、受験生諸君、気付いていましたか。来年は1月19日・20日がセンター試験です。

夏休みの重要性は大学も高校・中学受験も変わりません。まとまって時間が取れるこの期間に大きく学力を伸ばしたいところです。まずは自分の課題を正しく把握し、しっかりと計画を立てて、それらを克服、悔いのない夏を過ごして欲しいものです。


さて、そういう時間のたっぷりある時期に、京都大学の英語入試問題のように和訳が大きな比重も占めている大学の受験生に向いているのが本書です。和訳や大意要約ばかりの問題集ですから、他の大学の受験生にとっては実践的ではありませんが、私の好きな参考書の一冊でかなりハイレベルです。

似たタイプのテキストで以前、西きょうじ先生の 『ポレポレ英文読解プロセス50』 を取り上げました。そちらも私にとっては貴重な英文集ですが、本書の方が英文が長く、さらに難易度が上がっています。したがって相当、実力のある受験生でないと一人で最後までやるのは厳しいと思われます。

英文の問題の方が薄い冊子で別になっており、本書自体はその文法解説や解答・解説が各問題に対し、4ページずつ書かれています。切り離せる英文問題の方が45題で80ページほど。本体の方は、最後に本文で出てきた単語と語源のまとめが入って274ページというボリュームです。


最近珍しく、訳順、つまり英文のつながりがわかったあとに日本語に直す際の解説が詳しいのですが、まぁこれは英文科に進むのでなければそこまでは必要ないかという気もします。

出されている英文もかなりヘビーで、E.H.カーM.ペイなどの学者の論文、W.チャーチルB.ラッセルなど本格的なものばかりです。ですから気軽に手を出すのは危険です(笑)。哲学や宗教、社会学的な内容で読み応えがあります。その分、やや古めかしい印象はぬぐえません。


そこが本書の長所でもあり、短所でもあります。つまり時代を超えて読まれるようなすばらしい英文ばかりで、受験生にもじっくり読んで欲しいのですが、例えば地球の温暖化とか遺伝子治療、ましてネット社会の問題などというものは出てきませんから、直接の入試対策にはやや心もとないということです。


『ポレポレ英文読解50』 の記事でも指摘しましたが、本書も10年以上前、1994年に出されていますので、今や必修単語の、Global warming や Internet に関わる単語が出ていないことと、CDが付いていないのが残念です。


先日取り上げました、『灘高キムタツの国立大学英語リーディング超難関大学編(木村達哉)』 とそこが大きく異なる点です。まぁ、木村先生のテキストは和訳の技術を磨くということに主眼を置いたテキストではありませんが。


京大志望で、なおかつ英語が得意な生徒が、受験のためにさらに幅を広げる、教養を深めるという目的にはぴったりの一冊だと思います。また、こういう英文集は貴重だと思いますので、英語を大学受験生に教えている方が読んでおいて損のないテキストではないでしょうか。



●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。m(__)m


⇒ (3位)    にほんブログ村 本ブログへ(1位)

http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】



ブログランキング     



英文解釈のトレーニングPLUS

Z会出版

詳細を見る

Homeへ


『灘高キムタツの国立大学英語リーディング超難関大学編』 木村達哉 

2007年06月22日 | 大学受験【英語】参考書など


国立大学リーディング.gif


灘高キムタツこと、木村達哉先生の注目の一冊、『国立大学英語リーディング(超難関大学編)』 が発売されました。以前、ご報告させていただきましたが、本書の中で、私と当教室をご紹介をしていただき、私も1ページのコラムを書かせていただきました

(まっ、どうせ出ているので…、不肖、VIVA、本名は光岡誠司と申します。塾名は「個人特訓教室」と言います。よろしくお願いします。照れる…。ついでに木村先生との写真 ⇒ Enjoyed Ourselves


というわけで、ただでさえお薦め(笑)で、多くの生徒に使ってもらいたいのですが、生徒が使い方などを間違えることのないように、この書評も厳しい眼でしっかり書いておこうと思います。


まず、特徴は何と言ってもその英文のレベルの高さです。難関の国公立大学や医学部志望の生徒が対象ですから当然です。以前、同じカリスマ教師、同じ “超難関” を謳った竹岡広信先生の 『入試超難関突破!解ける!英語長文』 をご紹介しました。しかし、本書とは難易度にかなりの違いがあり、こちらの方が英文の質も量も数段レベルが上です。


従いまして、いくら仮に国公立大学志望だとしても、現在偏差値50以下の生徒が一人で本書に取り組むのは薦められません。目安として偏差値55、できれば60くらいないと独習は苦労してしまう可能性が高いので、現状そこまで届いていない生徒は、家庭教師なり、学校や塾なりで解説してもらうのがベストでしょう

(あっ、もう宣伝ついでに…、もちろん私で良ければいつでもやりますし、当教室には私なんぞより力のある英語教師がたくさんおります。はい)


後から触れますが、選択された英文は国公立受験生にはうってつけのものですから、偏差値を問わず、国公立を狙うなら読んでおきたいところではあります。


解説も木村先生のセンターレベルのリスニング参考書 『センター試験英語リスニング合格の法則』 で見られるような基本的な説明はありません。ただ各英文の終わりに、単語の意味だけは、【 prepare for ~:~のための準備をする / seek to do :~しようとする 】 など、かなり易しいものから載せてくれています。

ですから、それを頼りに “チカラ技” で意味をつなげ、本書の訳と比較し、さらに解説を読んでも分からないところを先生に聞くという使い方も可能でしょう。何しろ20もの難解な英語長文が詰まっているわけですから、それなりの覚悟をして取り組んで下さい。


さて、扱われている英文ですが、トピックは苦労して厳選された跡がうかがえます。

“大学入試の英文なんて、何が出るか分からない、分かれば苦労しない” などと生徒はもちろん、教師も考えがちですが、実はそうでもないのです。特に国公立の二次では、同じ論旨が何度も出されます。(『英文快読術(行方昭夫)』にも、そのあたりの事情が出ています。)

なぜ、そうなるかと言えば…、 例えば、今、憲法改正や年金や選挙が話題だからと言って、自民党や改憲の話が入試に出るでしょうか。大学は政治的な中立が旨とされていますから、まず出ることはありません。

同じ理由で、戦争というものの悲惨さ、経済格差の問題は出されたとしても、直接アメリカ、中国やイラクを非難したり、賛同したりするものも出しにくいですね。また、もちろん殺人事件やギャンブルなどは教育上ふさわしくありません。


スポーツについてはどうでしょう。本書で木村先生はサッカーの話題が出た時のことを、Chapter1の Strategy12 “予備知識を増やそう” のところで書いておられます。まさにその通り、正論で、実際、サッカーに関する英文を出す大学もあります。

しかし、突き詰めれば、まさか国公立大学が、我が校の新入生にサッカーの知識を求めるはずは無く、求めているのはそういう情報を“一応”持っている常識人だということです。木村先生の言わんとするところもそこでしょう。

大リーグが話題になっても、野球部とそうでない人、男子と女子におのずと有利不利が想定できるような内容ですから、ほとんど具体的内容が出されることもありません。他に、例えば茶道や花道などの芸術分野も同じようなことが言えます。

イチローやポケモンのように社会現象にまでたどり着けば出される可能性が一応は高まるわけですが、それでもなかなか中立な話題というのは少ないというのが現実です。

そう考えると、では、いったいどういうものが出やすいのか…。

環境問題などは最も出しやすい話題です。今なら、たとえ日本語のものでも、環境に関してはいくら知識を入れても入れすぎることはありません。また健康や男女、人種、年齢の平等や民主主義、平和、言語や教育にコミュニケーション。遺伝子やクローン、臓器移植などの先端技術やそれにともなうモラルの問題。ほんの数年前は、携帯電話のマナーがこれでもかというくらいいろんな大学で出されました。

そして、もっとも中立なトピックである、“動物” に関しては、意外なほどよく出されます。今も昔も。とにかく 繰り返し似た内容の英文が出されるわけですから、しっかりやっておけば、初見であっても何となく推測できる内容というのは、特に国公立には多く出されます。

実際、本書の題材を挙げますと


・仕事と余暇に関する考察(神戸大)
 
・知能の高さと老齢期の幸福に関して(名古屋大)
 
・動物実験と医学に関して(北海道大)
 
・ロンドンで通じなかった英語(神戸大)
 
・3つの国のはざまで揺れるアイデンティティ(東北大)
 
・コンピューターの普及と情報量(東京工業大)
 
・幼児期のテレビ視聴と注意欠陥障害(名古屋大)
 
・現代科学の発展と芸術との相違点(東北大)
 
・ストレスの功罪とコントロール法(神戸大)
 
・美の本質に関して(九州大)
 
・クローン人間の正当性(大阪大)
 
・見合い結婚の効用と結婚生活について(名古屋大)
 
・男の子に泣くなと教えることの妥当性(北海道大)
 
・コンピューターの世界における女性差別(名古屋大)
 
・生物兵器と化学兵器に関する国際的取り組み(九州大)
 
・生態系の経済的価値(大阪大)
 
・幸福になるために必要な要素(大阪大)

・地球温暖化に関する議論(オリジナル)CD解説あり
 
・キッチンにおける男女の役割の変化(オリジナル)CD解説あり
 
・チンパンジー社会と文化に関する考察(オリジナル)CD解説あり


わかりますよね。すべてニュートラルな話題で、これからも出され続けられそうなものばかりです。こういう言い方は、木村先生の揚げ足を取るようで、申し訳ないのですが、やはり先生ご自身もサッカーの話題は出されません。旧帝大は私立とは違うのだと感じておられるのだと推察します。

先生は、国公立大学の出題範囲が多岐に渡るとお考えになり本書を執筆されたそうですが、私は逆に以上の理由で、国公立の出題可能分野は狭いので、本書のように全体的なものをやっておけば、かなり有利だと考えます。

もちろんチンパンジーじゃなく、ゴリラもあれば、カバも犬もねずみや鯨や鳥や恐竜だってありますから(笑)、そういう意味では広いのですが、それが自然保護や種の保存という観点から述べられていれば、ジャイアントパンダであれ、メダカであれ、英語としては同じ論理展開です。


で、ここが重要ですが、本書を一通りやってから、個々が自分の志望校の過去問で傾向を分析、確認し、さらに絞り込む と実に能率的に勉強できます。


さらに長くなりますが、大変、重要な点をもう一つ。


企画段階で、すべての英文にキムタツ先生の解説CDを付けてしまうと、生徒の考える余地を無くしてしまうので、それは止めましょうと、私自身が進言しておきながら何ですが…、最後の3題に付いているCDは大変分かりやすく、解説に無駄がありません。英語が苦手な生徒にはとてもありがたい。

私もはじめて先生の授業を拝聴しましたが、先生、授業がものすごくうまいんです。当たり前ですね (あ~まずい)。


そこで、本書の構成を台無しにする気か!と今度は本当に怒られるかもしれませんが、偏差値が、上で申し上げたように、ある水準に届いていない生徒は、ぜひ、まずこの最後のCD付きの問題からやれば良いと気付きました。


本来、これは木村先生やアルクの意図では、締めくくりの実力テストの形で付いているものに想定されていますが、解説がとても詳しく、ゆっくり丁寧になされていますので、読むだけでは理解しにくい生徒も、鉛筆で印を付けながら、授業を聞くようにその英文を追っていけば、勉強の仕方がわかるというものです。英語のつながりを確認するとはこういうことかと…。

先にそのCDを聞くことで、解説を読んでも、今ひとつ理解できなかったものが、同じパターンで出てくる英語表現がたくさんありますし、CDの方はほぼ全文を解説してくれているので、読むよりも、ずっと短時間で分かるはずです。英文解釈のコツのようなものをCDでつかんでから、前に戻ってやる勉強方法を強く薦めます。


その方法なら現在の成績に関係なく使えます。入試最高レベルの英文を読む楽しみや難しさが見えるでしょう。


そして、最後に付いている単語集。これは、木村先生とご一緒させていただいた時に私自身がぜひともと要望したものなので、見かけはちっぽけですが、的を射た選択で、発音記号も必ず付けて欲しいとお願いしたのですが、そうなっています。ですから、大げさですが…、感無量です。

私が高校生なら、この部分をきれいにカッターで切り取り、最後の先生のメッセージと一緒に持ち歩いて、通学時間でチェックし暗記に使います。今では身近にコピーがありますから、単語集を自分専用の冊子に作り変えて覚え切ってしまったらどうでしょうか。


以上、というような訳で、トップレベルの生徒にとっては夏休み中に本書を完全に理解できれば、相当な実力者となれるでしょう。実力が届いていない人はうしろのCDを聞いてから、あるいは最後の単語集を覚え切ってから使うのが良いはずです。

私にとっても貴重な体験をさせていただいた思い出の一冊になりますし、国公立大学合格を目指す受験生にとっては、内容も申し分ありません。本書がぼろぼろになるくらい反復して下さい。


まぁ、木村先生から、時折、ご相談を持ちかけられたことを良いことに、出版の世界の事情などお構いなしに、とにかく受験生にとって理想的なことばかり注文を付けたのですが、それに近いものが (ついでに申し上げれば、2000円未満で) 本当に出来上がりました。

本書のおかげで、私も英文テキスト選択の手間が大幅に省けますので、どんどん使わせてもらいます。ありがとうございました。


●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。応援お願いします。m(__)m


⇒ (2位)    にほんブログ村 本ブログへ(1位)

http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】


ブログランキング     



灘高キムタツの国立大学英語リーディング超難関大学編

灘高キムタツの国立大学英語リーディング超難関大学編

アルク

詳細を見る

P.S. 一点だけ、残念でならないのが、せっかくの私のコラム、一生に一度のつもりで書いたのに…、ひどい誤植がありました(泣)。一番良いところで…。まぁ、アペンディックス(おまけ)なので受験生にはどうでも良いことですが、見た瞬間ぶっ倒れそうになりました。くやしい~。ふ~、ま、探してみて下さい…。

モバイル用リンク ⇒灘高キムタツの国立大学英語リーディング超難関大学編

Homeへ


『コンプリート高校総合英語』 山口俊治

2007年06月07日 | 大学受験【英語】参考書など


コンプリート桐原.JPG


本書もいろいろな高校で薦められいる参考書で、実際に、当教室でも持っている生徒が結構います。著者の並外れた英語力を感じさせる良い本なのですが、使い方が非常に難しい。

英語の参考書をどう使うのか…。

ターゲット』 や 『DUO』 あるいは極めつけは 『キクタン』 のような単語集なら、何の問題もありません。徹底して効率を優先した暗記専用の本ですから、片っ端からページをめくって覚えるという社会科の勉強に似ているかもしれません。

ところが同じ英語の参考書でも、それが “文法書” となれば、今度は逆に、数学的な理屈を納得させるためには、じっくりゆっくりわかるところから繰り返し読んで、問題などを慎重に解きながら、読み進める必要があります。

英語という科目のおもしろさと同時に、難しさは、社会科的なのか数学的なのか、その微妙なところにあります。どちらかだけでも集中的に努力すれば、確かに相当程度マスターできるわけですが、そのかわりどちらかが中途半端だと、決してパーフェクトにはならないという感じでしょうか。


一冊の参考書が、読み流すだけで、英語の全体像を生徒につかませようとするのか、または、繰り返し読ませて文法を極めさせようとするのか、暗記してセンスを磨くためのものなのか…。センターレベルか超難関レベルか、さらにその上か、などなど、筆者や学習者のねらいもさまざまです。


いつも申し上げるように、万人に最適な参考書はない!ということの典型だと感じさせるのが本書です。

構成から見ても、本書は“文法書” という分類になると思うのですが、文法事典とまではいかず、書名には、『総合英語』 とあります。つまり、総合的に…、文法の初歩の初歩から載っているのですが、非常に高度なイディオム、口語表現まで、“発展学習” として暗記専用の付録のように付いており、どこに重点をおいているのか分かりません。しかも、どちらもそれが本書の “売り” なのですから。


いずれの項目でも、まず分かりやすい “基本例文” を太字で挙げています。とても易しい文を“あえて”選んでいます。一番最初、第1章『主語と述語動詞』 に登場する二つの英文は


(1)My mother is a very good cook.

(2)The old man died last week. 


このレベルから始めてくれています。

私も一流大学を目指す受験生のクラスでさえ、“あえて” “わざと” 中学生レベルの英文だけを使って説明することが多いので、本書が文法に限定した参考書なら、むしろ大歓迎で何の問題もありません。

ところが、本書はこの基本例文を暗唱するよう勧めています。はっきり言って、高校生がこれを暗唱する必要はまったくありません。仮に文法が苦手な大学受験生が暗唱するとしても、その後にある “活用例文” のところでしょう。


(1)He lay on the grass.

(2)Tom and I are good friends.

(3)What happened last week?
  など…


(1)は入試で定番の、lieーlay-lain (lay-laid-laid または lie-lied -lied) などの活用を叩き込む。(2)はトイックやトフルでも頻出、大学入試の誤文訂正でも中心の、SVの関係に  “I are” と言わせて注目させる。(3)は疑問詞が主語になる場合のつながりを意識させる意図ですね。これなら英語が苦手な生徒に対する、著者の英文選びのセンスがものすごく光っています。

そういうところだけに的を絞った一冊でしたら、本当にすばらしい参考書になったと思います。

筆者の山口俊治先生は、『山口英文法講義の実況中継 (上・下)』 を読めば分かるように、文法解説の名人と言っても良いですし、本書にもところどころで、その片鱗が見て取れます。

しかし本書を受験生が自分一人で、短い時間内に偏差値を上げるという目的で使うとすれば、あまり効果は期待できないでしょう。やはり高1あたりから、じっくり使うための内容です。


学校の先生などの指導の元で、授業と平行して使うか、一番良いのは、これから英語の先生や塾講師になろうという人が自分の英語知識を再確認または総整理するという利用法ではないでしょうか。

短時間で偏差値を上げるというのが目的で、同じ著者の参考書を選びたい生徒なら、まだ、実況中継の方が良いだろうと考えます。

 

●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。

⇒ (3位) にほんブログ村 本ブログへ(1位) 応援お願いします。m(__)m


http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】


ブログランキング     

 



 

コンプリート高校総合英語

桐原書店

このアイテムの詳細を見る

『英文法ファイナル問題集-文法・語法・イディオム・会話表現の総仕上げ(標準編)』瓜生豊・篠田重晃

2007年04月09日 | 大学受験【英語】参考書など

 

英文法ファイナル(難関大学).jpg    英文法ファイナル(標準).jpg


英検一級、独身、ハンサムの福原先生の登場です(笑)。

今回は 当教室 のメルマガ用の紹介記事からの抜粋ですから、ちょっと短いので、不肖VIVAが補足します。


まずは福原先生の書評・解説です。



■■

大学受験生にとって英文法は早めに仕上げておきたいものです。理想的には高校2年まで、どんなに遅くとも3年の夏頃には完璧といえる状態にしたいですね。

いうまでもなく、長文読解や英作文で得点するにも文法の知識は欠かせません。

そこで、今の自分の文法力を測定し、同時に苦手単元を知るための一冊として、これはお勧めの一冊です。標準編の方は、レベルとしてはセンター試験から~中堅私立大学向けで、それより上のレベル用に『難関大学編』も用意されています。

1回50題×10回分と区切りも明確になっていますので、学習スケジュールも立てやすくなっています。文法・語法問題を探している人はチェックしてみて下さい。

■■


“英文法・語法学習の問題集” としては、私も本書を薦めます。ただし、あくまで入試問題を集めた問題集ですから、少なくとも一回り、理想的には2回以上は、学校や塾で文法を学習した後に利用して欲しいものです。

本書の特徴として特筆すべきは、解説が非常に詳しいこと。これに尽きます。


例えば、とても単純な例で言えば、enjoy のあとの動詞は~ingにするというのは常識ですが、仮にその問題を間違えて復習する時に、解説に 『enjoy は目的語として動名詞を取る』 と書いてあれば、確かに、その問題に関する解説としては100%ですが、本書はそれ以外に…、

『他に動名詞を目的語に取る動詞は…』 という調子で、enjoy以外の覚えるべき動詞を列挙し、問題解説にとどまらない、入試に必要な知識をまとめてくれているという点で、私は高く評価しています。

偏差値で55くらいあれば、自分ひとりで解説を読みながら勉強が進められるでしょう。


もう一つの特徴は、分野別でありながら、それを生徒にわからないようにしていることです。文法の問題集の大半は分野別になっています。弱点を見つけるにはそれが良いのですが、例えば、誤文訂正など、不定詞の分野に出ていれば、きっと間違っているのは不定詞のところだと、簡単に予想が付いてしまうという、どうしようもない欠点があります。

本書は自己採点したあとに、自分がどの分野に弱点があるのかを指摘するしくみです。よく考えられていますね。受験勉強現場の気持ちをよく理解しています。涙ぐましい工夫ですよ(笑)。

難関大学編をやる場合は、自分の志望校の過去問で、文法が出題されているかどうか確認をしてからでも良いでしょう。標準編だけでも、しっかり解説を読んで復習すればかなりの知識は得られます。


同じ桐原書店から出されている、いわゆる“英頻” は、本書と対照的にとても解説が少ないので、とっつきやすいようであまり効果的な勉強方法とは思えません。文法の問題集というのならこちらの方がずっと良いでしょう。



http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】

全解説実力判定英文法ファイナル問題集―文法・語法・イディオム・会話表現の総仕上げ (標準編)

桐原書店

詳細

全解説実力判定英文法ファイナル問題集―文法・語法・イディオム・会話表現の総仕上げ (難関大学編)

桐原書店

詳細

■ ブログランキング ■

さぁ新学期ですからガンガン追い上げますよ!

どこまで行けるか、クリックをしていただけるとありがたいです。(*^^)v
 

(2位)

にほんブログ村 本ブログへ (1位) 

ブログランキング (2位)

 (7位)


 (お試し)
  




 『全解実力判定英文法ファイナル問題集-文法・語法・イディオム・会話表現の総仕上げ(標準編)』瓜生豊・篠田重晃編集 
桐原書店:208P:1155円

『全解実力判定英文法ファイナル問題集-文法・語法・イディオム・会話表現の総仕上げ(難関大学編)』瓜生豊・篠田重晃編集 
桐原書店:226P:1260円



『キクジュク―聞いて覚えるコーパス英熟語』 一杉武史 (おすすめ 英語参考書)

2007年04月09日 | 大学受験【英語】参考書など

キクジュク Basic.jpg     キクジュク Super.jpg

 

今週から、いよいよ本格的に新学期がスタートしましたね。真新しい教科書に新品のノートや鉛筆、生徒諸君はいやがうえにも、勉強するぞ!っと盛り上がっているでしょう(と信じたい)。

というわけで、参考書に関して、学校の先生や先輩のアドバイスがあるだろうけれど、このブログでも、当教室のプロ教師の仲間に協力してもらって、なるべく有益な情報をお知らせしようと思っております。今月は特に多めに。


今日、ご紹介するのは、以前、わたくしVIVAがご紹介した 『キクタンコーパス英単語【スーパー12000】』 の 姉妹品、『キクジュク-コーパス英熟語【Super3600】』 です(テレビショッピングみたい(笑))。同じコンセプトのBasic1800もあります。


解説をお願いしたのは、速読英単語(必修編)』 でも登場してくれたKOU先生です。


以下がKOU先生の解説・書評です。

■■


キクタン12000のようにレベルの高い熟語集だとしたら、一体どんな感じになるのかが気になり、チェックしてみました。全体として、キクタン12000よりは、受験生が覚えるべきものが多く含まれているという印象です。

せっかくなので、いくつかの点からこの2冊を比較検討しつつ、キクジュク3600を中心に講評してみます。

<共通点>

・それぞれの熟語(単語)について、「解説+フレーズ+例文」でワンセットになっている。 →キクジュクも解説は丁寧です。熟語の核になる単語の意味がのっていたり、同義語、反意語、ニュアンスなどの解説も随所にあり。

・1日分が16語という区切りになっている。 →きちんとこなすとなると楽ではないですが、苦痛にはなりにくく続けやすい分量と言えるのではないでしょうか。

・欄外に前日分のチェックテストがついている。 →使ってみるとわかりますが、これがなかなか便利。1日以内に復習すると効果が大きいという記憶の仕組みにもかなっています。

・チャプターごとに小テストがついている。 →復習のタイミングとしては良いですね。また同義語や反意語を選ばせる問題も悪くないですが、選択式なのでやや簡単過ぎかもしれません。

・装丁のカジュアルさ →キャラクター作りやカジュアルさを意識していますね。学習参考書にまでデザイン性重視の波がきているのでしょうか。個人的にはこのシリーズのデザイン、気に入ってますけど。

・チャンツ形式のCD →キクジュクの方がゆったりしたBGMです。リズムに乗って熟語を読む際に、「ネイティブの連語の発音」が意識できるのがグッド。


<相違点>

最も大きな相違点は、キクタンがレベル別の区分法になっているのに対し、キクジュクは、熟語の構成などに焦点を当てた区分法になっていることです。全体としての統一感よりも、「こういうまとめ方をしてあると嬉しい」というものを各章ごとに独立して集めた感じです。

(*キクタン12000は、6000語レベルから1000語ずつレベル分けされ、12000語レベルまで。各レベルで収録されているのは100語程度ずつで、6000語のっているわけではない。)

(*キクジュク3600は、全体として1800語~3600語レベルの熟語を収録。姉妹書としてキクジュク1800もある。)


ちなみに、以下のような章構成になっています。

 基本動詞で覚える熟語(動詞:go/come;動詞:take ほか)
 前置詞・副詞で覚える熟語(前置詞:on;前置詞:in ほか)
 語順で覚える熟語(動詞+to do/動詞+to A;動詞+on A/動詞+for A ほか)
 数語で1つの品詞の働きをする熟語(前置詞;副詞:時 ほか)
 その他の熟語(強調;数量表現 ほか)


Basicも同じような区分ですが、この区分はよく練られたもので、参照用にも便利だと感じました。また、各章の最初に、1章ならば基本動詞の、2章ならば前置詞・副詞の、大まかな解説がついていることも好感です。

長くなりましたが、全体として良く練られたテキストだと思います。講師が持っていても便利な一冊ではないでしょうか。ただし、いつもの繰り返しになりますが、万人にぴったりのテキストはありません。自分に必要なレベルをよく検討した上で購入して下さい。


■■


私は、純粋な熟語集というのは、受験指導では使っておらず、『入試頻出 構文とイディオム』 が、文法事項と一緒になっているので、それを使っています。今のところ浮気をする気はないのですが(笑)、CDはぜひ聞いてみたいですね。


くどいようですが、KOU先生も指摘してくれているように、“万人にぴったりのテキストはない”。いいですね。


他の単語集などは以下を参考にして下さい。


コロケーション英単語ー単語と単語の結びつき』  『DUO 3.0』 

英単語ターゲット1900』 音読英単語Stage2』 


キクジュク―聞いて覚えるコーパス英熟語 Basic1800

アルク

詳  細

キクジュクSuper3600―聞いて覚えるコーパス英熟語

アルク

詳  細

 

http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】

■ ブログランキングです 

記事が参考になりましたら、クリックをしていただけるとありがたいです。
 

(2位)

にほんブログ村 本ブログへ (1位) 

ブログランキング (2位)

 (7位)


 (お試し)
  

英語関連書籍 BEST100  


『キクジュク―聞いて覚えるコーパス英熟語 Basic1800』 一杉武史
アルク:264P:1470円

キクジュク―聞いて覚えるコーパス英熟語 Super3600』 一杉武史
アルク:288P:1680円



『システム英単語Ver.2』 刀弥雅彦 霜康司

2007年04月01日 | 大学受験【英語】参考書など


システム英単語 Ver.2.jpg


大学受験の英単語暗記用のテキストで、今もっとも人気があるのが本書ではないでしょうか。実際に、大学受験生の学習効率を上げる、無駄を省くという点では、大変よく工夫されています。


特徴は何と言っても、膨大な量の新しい英文で使われている単語をコンピューター解析をし、ある単語の使用頻度が少ない意味や、あまり使われない品詞などは思い切って省いてあるという点です。例えば、



senior を 代表的な 「~より年上」 be senior to - と覚えても、入試ではほとんど出ていないから、a senior member of the club  というつながりで覚えようとします。訳語には 「先輩の」 とあてられています。

industry には「工業」の他に 「勤勉」 という意味があるが、後者は前者の300分の1くらいの出題頻度なので、覚えなくてよいだろう。(ただし、と言いながら後ろのdiligent の同意語に industrious が出ている)



という具合です。


もう一つの特徴、私がもっとも高く評価できるのは、すべてコロケーション形式、つまり単語だけでもなく、無理に作った一文でもなく、数語のつながりで列挙されているところです。

そして、ここでも使われる形について頻度を解析し、受身で多く使われるものは受身で、決まった前置詞とくっつきやすいものはそのかたちで一緒に書いてあります。従って、その形で完全に覚えることができれば、英作文などにもかなりの効果が期待できます。


CDが別売りで出ていますが、そのコロケーションの組み合わせで記憶に残すために、単語⇒フレーズ⇒その訳⇒フレーズ⇒フレーズ と繰り返してくれています。3回聞けるわけです。シャドーイングが非常にやりやすいですね。


逆に、私が気になるところは、あまりにも贅肉をそぎ落としてしまったために、テキストにおける単語の説明が淡白で、深みがないという点です。完全に暗記作業になってしまいますので、記述は少ないけれど逆に、果たして頭に残るのかという心配があります。



例えば、sympathy の反対語が antipathy というのですが、前者が10年間の入試に200回以上出ているのに対し、後者はたった4回だけだから覚える必要がないと主張し、実際本書には見出し語に出ていません。


しかし、私の考えでは、sympathy を印象付けるためにも antipathy と一緒に提示しておくべきだし、~pathy の部分が同じで、sym~ と anti~ の接頭語の意味も覚えられ、未知の単語にであっても推測する手段が増えますし、ものすごく大切な要素だと考えます。語源を知ることは単語学習、異文化理解の近道です。


また、industry にしても 『「(人に)本来備わっている性質」「勤勉」⇒「(それによって生み出される)「産業」』という語源があるわけですから、それを書けとは言いませんが、テストに出ないから省くというのでは、深みに欠けると思えます。

確かにみなが英文科を受けるわけでも、塾の英語講師になるわけでもありませんが、まったく異なるように見えるものが、実は地下水脈でつながっていることを発見することは、すべての学問にとってのダイナミズムではないでしょうか。という訳でテキストの記述が不十分です。


(高校野球を例にとると、ピッチャーは時速160kmの速球は絶対投げないし、140Kmだってめったにないから、130kmのストレートを集中的に練習する。そういう姿勢は理にかなっていますが、面白みに欠けるように思うわけです(笑)。特にトップレベルを目指すなら。どうせなら160Kmや、161Kmで練習しておく方が、練習が楽しいし、そういうことがあるということを知っているだけでも、伸びが全然違うと思います。)



あとは本書に限らず、使用頻度順になっている単語集の宿命ですが、同じ意味でも、例えば「混乱させる」 の puzzle は一番基本のところにあり、perplex は一番最後まで出てきません。私なら、confuse などと一緒に教えてしまいます。その方が別々にやるよりもずっと頭に残りますから。


もう一つはやはり量の問題ですね。繰り返し読んでくれるのは確かに印象に残りやすいのですが、CDが5枚。ひたすら単語ですから、よほどうまく計画を立てなければ、挫折してしまいそうです。本書をキクタンのように “Basic” と “Adovanced” のように二つに分けていただいて、さらに各語の解説が丁寧になっていれば、かなり生徒に薦めやすくなります。


良い面と気になった面を上げてみましたが、いかがでしょうか。主要な単語集は、これでほぼ網羅できたと思いますが、まだ何かありますかね。これまで扱った単語集は以下のようなものです。


コロケーション英単語ー単語と単語の結びつき』  『DUO 3.0』 

英単語ターゲット1900』  『キクタンコーパス英単語【スーパー12000】』 

音読英単語Stage2』  『速読英単語(必修編)



いずれにしろ単語集は、常に学習においては “主” ではなく、“従” であるということを肝に銘じておいて下さい。授業や過去問で出てきた単語をしっかり覚え、その上空いた時間を利用して使うというのがベストです。


私の単語集に対する考え方は、各記事で述べましたので繰り返しませんが、本書のようなタイプは特にそう感じます。もし使われる方はCDを利用して通学時間などを有効に活かすというのが一番良いはずです。

システム英単語

駿台文庫

詳  細

システム英単語 Ver.2[CD] (2)

駿台文庫

詳  細

 ブログランキングです 


記事が参考になりましたら、クリックをしていただけるとありがたいです。
 

(2位)

にほんブログ村 本ブログへ (1位) 

ブログランキング (2位)

  (6位)
 


http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】




『システム英単語Ver.2』 刀弥雅彦 霜康司
駿台文庫:359P:999円


 


 


『入試頻出 構文とイディオム』 中尾孝司 (“英頻”との比較など)

2007年03月20日 | 大学受験【英語】参考書など


文とイディオム.jpg



本書は私が長年授業で使っている、大学受験用の英語構文・イディオム集です。どういうわけか、あまり売れていないようですが(笑)、類書の中では際立って使いやすい一冊で、多くの高校生に薦めたいテキストです。


載っている構文・イディオムの数は全部で800。当教室の高校生(2年生以上)には全員本書を渡し、暗記テストを実施しています。また私の授業では、浪人生まで含め、必ず本書を持参させ、“この構文は○○番に出ているから、確認するように”、とよく指示をします。(何番に何があるか暗記してしまうほど使い込んでいます)


すべて覚えきった段階でかなり英語の成績は安定します。もちろんいくらすばらしいテキストでも、最後までやらせるにはそれなりの工夫は欠かせません。生徒というのは“ブランド”に弱いので、無名テキストの良さを伝えるのは至難の技ですからね。


残念なところは、構文・文法のテキストとはいえ、見出し語や入試問題の改定がされていない点です。細かな部分で解説に加筆はされていますが、それだけでなく、口語表現と呼ばれるものを追加されれば、さらに良くなると思っています。


本書の最大の特徴は、前半の構文部分では、不定詞・比較などの文法分野別、次に結果・譲歩・程度など意味別に配置され、非常に詳しい説明がほどこされている点で、類書にはまず見当たりません。後半のイディオム部分では同意表現などをまとめてくれているのが大助かりです。すべて左ページに入試問題、右には解説という形です。


似たようなものに “英頻(えいひん)” と呼ばれる、大御所、受験英語の神様、伊藤和夫先生の書かれた 『英文法頻出問題演習』 という有名なものが駿台文庫から出ていますが、良い例文や問題が載っていても、解説が荒く、とても英語が苦手な生徒には薦められません。文法嫌いになってしまいそうですし、何を覚えたら良いのかわかりにくいと感じます。


また同じく、英頻といえば、今やこちらを指すぐらい、学校にも浸透し広く使われているのが、桐原書店の 『即戦ゼミ3 大学入試英語頻出問題総演習』 です。しかしこれも解説が淡白で、一通り終えた人が総復習するのには最適でしょうが、これから学ぼうという人には、やはりとても薦められません。私にはどうして多くの高校でこれが推薦されるのか実に不可解です。


本書なら、生徒一人でもある程度は進められます。実は現在は旺文社から出ていますが、かつては別の出版社が出していましたが、倒産して版権が移ったのでしょう。当時、大旺文社から継続して提供されると聞いてホッとしたものです。(ガーンと値上げしてしまいましたが)


構文・イディオムのセクションのあとに、それらを使った短い英文解釈問題(和訳)が付いていますが、これも独習をする人はぜひチャレンジしてもらいたいです。最後が例によって、バートランド・ラッセルの『幸福論』 からの抜粋(笑)ですが、そこまでできるようになればかなりの実力です。


その英文解釈は全部で50題ありますが、そこのセクションだけで、以前ご紹介した 『ポレポレ英文読解プロセス50- 代々木ゼミ方式(西きょうじ)』 の練習量に相当するのではないでしょうか。かなり難しいです。


私の授業では本書に載っていない構文や同意(反意)表現を、追加でさらに本書に書き込ませ、万全を期しています。入試英語は年々、少しずつ変わっており、気が抜けませんから。


また、800ある項目の問題文の全訳が別冊の小冊子で付くようになりましたので、それを利用すれば、上位の大学受験生では、英作文でどの構文を使うかという練習にもなります。


英頻などと異なり、本書には発音などの問題はないこと、会話調の表現、いわゆる口語表現が少ないという点は考慮に入れるべきですが、長く使っていることもあって愛着もあり(笑)、個人的には“受験生のバイブル” と呼んでも差し支えないくらいの一冊だと思っています。



P.S.
 アマゾンで見ますと表紙が別のものもいまだに出まわっているようです。下のようなものですが、内容は同じです。

文とイディオム.jpg

英語問題総合演習―入試頻出項目202

旺文社

詳細


 ブログランキングです 

記事が参考になりましたら、クリックしていただけるとうれしいです。
 

(1位)

にほんブログ村 本ブログへ (1位) 

ブログランキング (2位)

  (7位)
  
 


http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】


 


『入試頻出 構文とイディオム』 中尾孝司
旺文社:272P:1260円



『コロケーション英単語ー単語と単語の結びつき』LSC研究会 金谷憲

2007年02月10日 | 大学受験【英語】参考書など


コロケーション英単語 桐原.jpg


私は自分の授業では、生徒に覚える単語を指示し、暗記用の単語集プリントも渡しますし、その単語テストはレベル別に何種類も作っていますので、基本的にはこういった暗記用の単語集を使いません。

ですが、どうしても市販のもので、どれかを薦めて欲しいと言われたら本書かなという一冊です。ただし、あくまで 英語学習の補助が目的で、最高レベルではありませんし、CD付きでないのが残念ですが。


受験生の心理としてはどうしてもベストの一冊を望みます。“これさえやれば大丈夫!”という単語集が欲しいのですね。そうでしょ? 当然、出版する側もその意気込みで作っていますので、結果的に膨大な情報が詰め込まれますが、果たしてすべて完璧に覚えられる生徒はどのくらいいるでしょう。


学校や塾で強制的にやらされれば話は別ですが、一人で覚えきってしまう生徒は、かなり少ないでしょう。

どんなすばらしい単語集でも覚えきることができないのでは無意味ですね。これまでご紹介してきた単語集はどれも申し分のない受験英語の情報が詰まっていますし、内容も良く練られています。

多くの時間をかけて、すべてを覚えれば、単語力だけはいきなりトップレベルの受験生に仲間入りですが、果たして時間対効果はどうでしょう。


暗記スピードに自信のある人以外は、明らかに“やりすぎ”になっているはずです。

どういうことかといえば、社会人が英検やTOEICのために英語を勉強をするのであれば、時間をかければかけるだけ得点力UPにつながりますから、何の問題もないのですが、受験生の場合、英語に時間をかけるということは、すなわち他の科目の勉強時間を奪っていることにもなります。


ターゲット” や “速読英単語” は覚えたけど、古文単語はダメ、とか歴史の勉強が遅れているとなってはいけないわけです。各科目ごとの攻略法だけでなく、受験勉強全体のスケジューリングを誤っている人が非常に多いですね。


なるべく能率良く単語を覚えるには、英文解釈や長文読解のテキスト、あるいは過去問で使われている単語を中心にすべきです。ただ、いわゆる難関大学を現役で合格したいという生徒にとっては、それだけでは単語の数が不足しかねませんので、単語集を使うのが良いでしょう。


その点で、本書は量が適切ですし、コロケーションという語のつながりを重視した編集になっていますので、非常に使いやすく、最後まで覚えられる確率が他書に比べて圧倒的に高いと思います。

トップレベルの生徒には情報が少ないのですが、上で述べたような意味での推薦ですから、その点は考慮に入れた上で検討して下さい。


本書で、一番上のレベルとして挙げられているコロケーションを10ほど紹介しておきますので、これがすでに半分くらい分かる人は、易し過ぎますから、もう少し難しいものの方が良いでしょう。


This fablic wears well.  launch a satelite into orbit

burst into flames     a reign of law

win by sheer luck    the privileged classes

an abrupt change    be reinforced by the evidence

groan in pain       scatter in all directions



いかがでしょうか。本当はそれぞれの単語帳に適した使いかたというのもあるのですが、使う人の学力などにもよりますのでここでは述べません。

一つ言えることは…

単語集に限らず、受験生はどうしても背伸びした、自分の学力より上のレベルの参考書を使いたがります。特に、“○○大学に受かった先輩” が薦める参考書は要注意です(笑)し、“ブランド品” を好むのは何もファッションに限りません。


本当は自分の力や、できれば性格まで知ってくれている、信頼できる先生に相談すべきです。難しいものにチャレンジする気持ち自体は大変良いことですが、能率が悪いと感じたら、ためらわずに他のものに代えて下さい。

この時ばかりは“もったいない”などとは考えず、学力UPしてから使えば良いのですから、しまっておいて下さいね。


コロケーション英単語

桐原書店

詳  細



■■■ ランキング ■■■

記事がいくらかでも参考になりましたら

クリックしていただけるとありがたいです。お願いしますm(__)m


↓                 ↓

人気blogランキングへ   にほんブログ村 本ブログ 

ブログランキング     ← 3位です


http://tokkun.net/jump.htm 

(当教室HPへ)



『コロケーション英単語ー単語と単語の結びつき』LSC研究会 金谷憲
桐原書店:317P:918円



『DUO 3.0』 鈴木陽一 (英単語・暗記用単語集・CD別売)

2007年02月08日 | 大学受験【英語】参考書など

 

Duo 3.0.jpg


今年のセンター試験の平均点が発表されましたね。→ 『センター試験平均点一覧

予想どおり、文系・理系とも全体的には下がりましたが、英語の平均点は筆記が131.08 リスニングが32.47の合計163.55です。昨年がそれぞれ、127.52と36.25で合計163.77ですから、全く同じようなものでした。

大学受験生諸君、もうひと頑張りです!


さて、今一番売れている単語集はこれではないでしょうか。『DUO3.0』ですね。受験生だけでなく、社会人でも多くの方が使っているようです。学校などで指定されているところも多いですね。

人気を誇るだけあって、なかなか工夫された作りにはなっていますが、どうでしょうか。

本書の解説は、『音読英単語Stage2』 でも登場願った、Jonny先生です。Jonny先生、知らないうちに会話が英語になってます(笑)。



以下がJonny先生の解説です。



■■■

DUOがなぜ売れていると言われているのかは、はっきりとはわかりませんが、受験生や単語を基本から勉強したい人にとっては、いきなり始めるレベルではないことは開いてみると分かります。

レベル別に分かれている従来の単語帳と違って、日常会話らしいような一文、仕事場で言うかもしれないし言わないかもしれない一文、その単語の意味からなんとか説明的ながらも作り上げた一文が例文として載っています。

難易度やストーリー性など関係なく、合計560文ランダムに列挙されてあり、その中から取り上げられた単語・熟語が2500以上詰まっているという感じの一冊です。


さらに各単語には類義語、派生語、対義語、よく使うようなフレーズが細かく載っているので全体の情報量はほんとうに莫大です。

この単語帳の表紙の裏には「本書の達成可能レベル」が「英検準1級」ということで、まあ納得しますし、これを全部覚えたらすごくレベルアップできることは確かだと思います。

これだけの膨大な量をひとりでどこまで続けられるかは本人の意思次第ですが、例文の英語も日本語訳も「現代英語」とうたっているだけあって、他の単語帳にありがちな、まじめな英文に直訳っぽくて硬い日本語訳が付いているものとは違って読みやすいです。

いろいろな単語帳を見てきましたが、やはり例文はあるほうが嬉しいですし、その例文が日常的な方が頭の中に入りやすいと思います。

やはり最後にどうしても気になるのが、これだけの量とレベルが詰まった単語帳をいつ読破できるかは、我慢強いほうとは言えない私にとっては多少きついかと。


■■■


そうなんですね。小さな字で書いてあって、しかも500ページを超えるボリュームとなると、相当うまく計画を立てないと挫折しかねません。その点がまず気にかかります。

何度も受験できるTOEICや英検対策としてなら良いでしょうが、“入試までに” という時間が限られた受験生はよく考えて使う必要があります。


また、レベル別になっていませんから『英単語ターゲット1900』をご紹介した記事のコメント欄で、灘高キムタツ先生が “最初の超基礎部分800語が使える” と教えてくださいましたが、そういう目的を絞り込んで、部分的に利用するという方法も、DUOでは難しいですね。


ただ、別売りなのが残念ではありますが、↓のCDに付いている小冊子が便利です。これには感動しました(笑)。通勤や通学中に確認できるようにとポケットに入るサイズのものが付いています。

リスニングが苦手な人なら基礎編でも良いでしょうが、一般的には復習用のナチュラルスピードの方が良いと思います。


 Duo3.0 基礎用CD.jpg Duo3.0 復習用CD.jpg


『CD Duo3.0基礎用』鈴木陽一 2940円

『CD Duo3.0復習用』鈴木陽一 1260円


いずれにせよ、上で挙げたような内容、特徴を持っていますので、大学受験というよりは、英検やTOEICなどの資格試験に向いている教材だと思います。


http://tokkun.net/jump.htm 

(当教室HPへ)

Duo 3.0

アイシーピー

このアイテムの詳細を見る


■■■ ランキング ■■■

記事がいくらかでも参考になりましたら

クリックしていただけるとありがたいです。お願いしますm(__)m


↓                 ↓

人気blogランキングへ   にほんブログ村 本ブログ 

ブログランキング     ← 3位です



『Duo 3.0』鈴木陽一
アイシーピー:559P:1260円

  


『総合英語 Forest』 墺タカユキ 石黒昭博

2007年01月29日 | 大学受験【英語】参考書など


総合英語 Forest.jpg


『総合英語 Forest』 の第5版が一ヶ月ほど前にリリースされました。ものすごい勢いですね。学校で使っているところも多く、この改訂版に私も注目していました。


本書の解説は、中川教室の Mie先生にお願いしました。初登場ですね。


以下がMie先生の書評です。



■■■

こんにちは、中川教室で英語を担当しております。 Mieです。

初心者から上級者、内部進学生から受験生まで幅広く使えます。文法の丸暗記ではなく、理解を深めることに重点が置かれています。イラストを使った説明があるのが特徴です。


英語を日本語に訳すとき、「頭の中で状況を絵にできる」 ということはとても重要です。簡単な文章では必要ないかもしれませんが、複雑である場合、どっちつかずの「何となくの日本語」で訳してしまうこと、誰にでも経験があると思います。


まずは頭でイメージでき、さらに絵に描ければ、理解度は100%と言えるでしょう。

辞書の意味をそのまま暗記し日本語訳に使用すると、日本語として意味が通じないこともあります。これが丸暗記による弊害です。文法だって同じです。その場に応じて臨機応変に対応する必要があります。

理解度が深まれば誤訳は減ります。丸暗記はその場しのぎにすぎません。 高校生にとっては、今更聞けないと言ったような情報が含まれている点は助かるでしょう。さらに、基礎文法の他に高度な情報も多く含まれています。

英文法には例外が多く存在するので、この点もカバーすることができます。また、小テストも数多く用意されているので、分からない箇所を残さないようになっています。


但し、併せて問題集も発行されていますが、書店で購入することができません。問題集は学校関係者のみを対象としているようです。

使用者の立場に立てば、参考書と問題集をセットで売ってほしいものです。参考書のみとは、何とも残念です。


■■■


Mie先生のおっしゃるとおりで、かなり高い評価を与えられる参考書だと思いますが、私も正直、こういう学校優先という販売戦略がどうも気に入りません(笑)。


“業界” の事情はよく知りませんが…

使い方が意見の分かれるところなので、注意してください。具体的に説明するのは長くなりますので控えますが、要するに、607ページというボリュームがありますから、辞書的に使うのか、勉強の中心にして何度も通読するのか。


生徒の学年や学力によっても使い方が違います。


個人的には、生徒に対してというより、これから英語の教師になろうという人が、じっくりすべて理解できるまで読むのに最適かと思っています。(変な感想ですが…)

 

総合英語Forest

桐原書店

詳  細

 

■■■ ブログランキング ■■■


ガンバレ受験生の

応援のクリック、よろしくお願いします。



↓            ↓

人気blogランキングへ  にほんブログ村 本ブログ  




kazuさんysbeeさんにあやかって…、でも先は長いぞ~


かつては両方とも1位でしたが…。


  31位  

 ブログランキング 9位  

http://tokkun.net/jump.htm 
(当教室HPへ)



『総合英語 Forest』 墺タカユキ 石黒昭博
桐原書店:607P:1523円