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【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

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『チョコレート工場の秘密』 ロアルド・ダール クェンティン・ブレイク(絵) 柳瀬尚紀(訳)

2007年05月22日 | 児童文学・ライトノベル・子供向け

チョコレート工場の秘密.jpg


偶然見つけた大変おもしろい一冊で、張り切って紹介しようと、ちょっと調べてみたら、そもそも大変な名作で、すでに40年以上も前、1964年に原作が出版され、71年には日本でも翻訳が出されていました。恥ずかしながら、本書の存在を知りませんでしたので、ちょっと驚き(汗)。


また 2005年に『チャーリーとチョコレート工場』 という題でアメリカで二度目の映画化までなされていて、日本でも公開されていた超有名作品でした。DVDにもなって、CDまでヒットしていたんですね(滝汗)。

今さら…とも思いましたが、まぁそれでも、私と同じように、知らない人もいるだろうからブログで取り上げようと決めて、入手できるかどうか確認しようと、アマゾンの書評を見てみると…、人気作品で書評が70以上もあるのですが、本書に対する評価が低くて、もう一度びっくり。


あれれ?どうしてなのかなと読んでみますと、本書の新しい訳者が書いたあとがきが原因でした。

私は旧訳を知らないので、何の違和感もなく楽しく読み進めましたし、もちろん訳者が違えば訳も変わるわけです。ただ、この新訳に変わった際に、ちょっとした改訳ではなく、有名で親しまれてきた旧版での登場人物の名前を変えてしまったそうなのです。

しかも、本書のあとがきで旧版の訳を痛烈に批判してしまったことが、これまでのファンの大きな反発にあっていました。


こんなこともあるんですね。そういういわく付きの一冊だということを知ってしまったので、紹介しようかどうか迷ったのですが、生徒にこういう語学の問題も含めて、翻訳書のことを考えてもらえば良いし、何より純粋に楽しめて、子どもたちが読んで読書感想文にもしやすい一冊ですので記事にしました。



ストーリー■~■



主人公の少年チャーリーの住む家の近くには、世界一有名で、世界一不思議なワンカさんのチョコレート工場があります。とても大きな工場なのに、だれも働く人を見たことがない。ワンカさんさえ姿を消したまま。

まるで夢に出てくる魔法のように、その工場からは、すばらしいチョコレートが世界中に送り出されています。

ある日ワンカさんは新聞で、その秘密工場に世界で5人の子どもを招待すると発表します。もしそれに選ばれれば、ワンカさんの工場を見学できるだけでなく、一生分のチョコレートとキャンディーまでプレゼントするという企画です。

買ったチョコレートの中に、当たり券が入っているのですが、世界中でたった5人。そのチケットをめぐって大騒動になります。

チャーリーの家は極貧で、一年に一度、自分の誕生日しかチョコレートは買ってもらえませんから、絶望的な状況ですが、奇跡が起こり、チャーリーはそれに選ばれます。

当日、チャーリーは他の4人の親子と一緒にワンカさんの工場に行き、現実とは思えないようなできごとを次々と経験します。他の親子は欲張りだったり、わがままだったりしたために、それぞれがとんでもないトラブルに巻き込まれてしまいます。

ラストは…、お楽しみ。




まるで、花さかじいさんのように、正直者が報われ、強欲な人々は結局そのために墓穴を掘ってしまうというお話です。万国共通のテーマですが、本書ではそれぞれの子どもと親のキャラクターが強烈、個性的でおもしろく読めます。

単純な構図ではあっても、工場での突拍子もないできごとや、ブラックユーモアのような要素をふんだんに取り入れているところが人気の秘密でしょう。


上で述べたように、妙ないわくつきですが(笑)、大変おもしろい一冊ですからおススメです。




P.S. そういえば村上春樹が、意欲的に名著の翻訳に取り組み、『グレートギャツビー』 を訳した時に、“永遠の名作はあっても、永遠の名訳はない” という趣旨をあとがきで述べていました。

本書は児童書でありながら、あとがきで旧訳をののしってしまったということでした。たとえ、それが正義感、あるいは、語学上の正確さという観点から出されていたとしても、名作の新訳は難しいのですね。意外なところで勉強になった一冊でもありました。


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チョコレート工場の秘密?
ロアルド・ダールコレクション (2)


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チョコレート工場の秘密

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チャーリーとチョコレート工場 特別版

ワーナー・ホーム・ビデオ

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Willy Wonka & The Chocolate Factory:
Music From The Original Soundtrack Of
The Paramount Picture

Leslie Bricusse, Anthony Newley
Hip-O

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『ラストイニング』 あさのあつこ  (“バッテリー”の続編)

2007年05月11日 | 児童文学・ライトノベル・子供向け


ラストイニング.jpg


先日ラジオを聞いていたら、本書の筆者、あさのあつこさんがバッテリーに対する思いを語っていました。もっと熱い方を想像していましたが、予想外に落ち着いた穏やかな話し振りでした。

当教室の子どもたちもバッテリー大好きというのが多くいましたし、私の息子も好きでしたから、私自身は未読なのですが、ストーリーはほぼ完璧に知っています(笑)。


また、ある先生はバッテリーの第5巻までは、それこそ大ファンでしたが、最後の第6巻で運命の戦いの決着が無かったことに憤慨しておりました。乾坤一擲の大勝負を期待していたのに、あの終わり方がどうしても許せないようです。他の先生には、余韻があって、あれで良いという意見もありました。

いずれにしろ、続きがあったら読みたいか、と聞かれればほぼ全員がYESではないでしょうか。あったんですね、続編が。知りませんでした。サイドストーリーとでもいうのでしょうか。


今月の当教室のメルマガ、読書コーナーは小説特集でして、その中で monta 先生が取り上げて下さいましたので、紹介したいと思います。



以下が monta先生の紹介文です。


■■■


ふと本屋に行っていろいろな本をながめていると、鮮やかな芝生の緑と土の茶色が映える野球グランドの表紙の本に眼がいきました。何だろうと思って手に取ると、あさのあつこ。

あれ、著者の名前と野球の組み合わせですから、”バッテリー” とは違うのかな?と思ってよく見てみると、続編なんですね、バッテリーの。

バッテリーを最後まで読んでいなかったので、ちゃんと読んでから、やはり読みたくなってこの本も購入しました。バッテリーだけでも話の終わり方としては、十分よいものだと思いますが、これで話が完結したという感じでしょうか。

視点が巧ではなく、瑞垣になっていたのは驚きでした。それぞれの人物の思いを細かく描写し、読み手を引きつけていくような表現が本当にすばらしいなと思わされます。バッテリーを読んだ生徒にはぜひおすすめです。
        



■■■


というものでした。バッテーリーファン待望の一冊なんでしょう。続きが読むことができて良かったですね。



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ラスト・イニング

角川グループパブリッシング

詳  細

バッテリー

角川書店

詳  細

 

 小説ベストセラー(アマゾン)

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『心に太陽を唇に歌を - 未来に生きる君たちへ』 藤原正彦

2007年05月08日 | 児童文学・ライトノベル・子供向け


心に太陽を唇に歌を.jpg

 

藤原正彦氏のすばらしい小説が出されました。大変注目が集まっているようでうれしく思います。大型本でわずか56ページ、1260円だそうです。 “だそうです” というのは、まだ私は手に取っていません。


ただ、アマゾンの解説や、以前ご紹介した拙文 『古風堂々数学者』 のアマゾンでの書評を見ますと、その中に含まれている 『心に太陽を唇に歌を』 と同じ作品ですね、きっと。今、手元にないので確認できませんが…。

私は、“古風堂々数学者” の紹介文の中で、こう書きました。



どの内容も鋭い洞察に基づいた、刮目に価するものなのですが、特に最後の「心に太陽を、唇に歌を」は是非お読みいただきたいものです。本書全体が210ページほどで、その短編小説に40ページが割かれていますが、その章だけでも本書を読む価値が充分にありそうです。




それにしても、同じ作品が、“単行本” と “文庫本” とさらに本書とすべて出版社が違うことがあるのですね。講談社と新潮社と世界文化社…。よくあるのでしょうか???


すばらしい小説ですが、“古風堂々~” に含まれていますので、お子さんにプレゼントでもするのでなければ、文庫でもいいかなと思いまして…。ご存じないまま購入を考えていらっしゃる方のために、あわてて取り上げてみました。




心に太陽を 唇に歌を

世界文化社

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古風堂々数学者

講談社

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古風堂々数学者

新潮社

詳  細   

 副題が司馬遼太郎氏の  “二十一世紀へ生きる君たちへ” とそっくりで…。


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『Girls' Day / Boys' Day』 Minako Ishii (石井美奈子)

2007年05月05日 | 児童文学・ライトノベル・子供向け









今日5月5日は 端午の節句、こどもの日。というわけで、今日は写真をふんだんに使って、ど~ん!と、こどもの日スペシャルです!


生徒たちは5月3日や11月3日が何の日かわからなくても、5月5日だけは絶対に知っています。ただし、もうちょっと突っ込んで、じゃあ “端午” ってどういう意味?となると、もうこれは大人でもいけませんね、きっと。


“なぜ鯉のぼりをあげるの”、“なぜかぶとを飾るの”、と聞かれるまでは何とかなっても、どうして “菖蒲(湯)” なのか、“かしわ餅” なのかと聞かれたら……、 “うるさい!” って言っちゃあ駄目ですよ(笑)。



そこで、すばらしい写真集をご紹介しましょう。現代日本から平安時代にまでさかのぼる、端午の節句と桃の節句の伝統、そして今に伝えられる地方の風習を美しい写真とともに易しい英語で子ども向けに解説した一冊です。


↑の写真だと二冊のように見えますが、これで一冊。両表(おもて)と言えば良いのか、リバーシブルとでも呼ぶのでしょうか。要するに、写真は本書の表と裏です。


ハワイ在住の日本人カメラマン、Minako Ishii (石井美奈子)氏の作品で、文章も石井氏が書いています。この本、ハワイではベストセラーになったそうですが、日本ではアマゾンと紀伊国屋でしか扱っていないとのこと。英語の本ですから仕方ないのかも知れませんが、日本中の子どもたちにプレゼントしたくなるようなキュートな写真集です。



BBI carps.JPG





BBI doll.JPG




子ども用とはいえ、中身はなかなか本格的です。プロカメラマンの本ですから、写真がすばらしいのは言うまでもないのですが、この文化の由来や日本各地の節句の祝い方、そしてハワイでの様子まで紹介してくれています。


ひな祭りは地方によっていろいろな祝い方があるものなんですね。知りませんでした。そして、それぞれの風習について、宗教やら風土と関連付けて短く説明されています。



nagasibina.JPG



 

こいのぼり 職人.JPG

 


実は著者である石井さんのお知り合いが拙ブログを紹介してくださったそうで、石井さんと数回メールのやりとりをする中で、その文化伝承や異文化交流に対する情熱と作品のすばらしさに感銘を受けてご紹介させていただきました。


石井さんはソニーに8年間勤められ、世界中を飛び回っていたそうですが、教育への思い絶ちがたく、同じ自分の時間・労力を費やすのであれば、一会社の利益追求ではなく、コミュニティに接して子どもたちに伝統・文化を伝え、それを広げていくことに使命感を持ち転職されたそうです。


実際に、“写真を通しての教育” という、大変興味深い実践もされています。



hawaii students.JPG



↓がその活動を紹介しているHPです。 Beyond Borders Images 【国境を越える映像】 とでも訳すのでしょうか。子どもの笑顔は国境を越えるというポリシーが感じられます。

 

↓↓↓

Minako Ishii(ENTER).jpg




本の中で、各写真の横にわずか数行、英語で解説が書かれていますが、そうですねぇ、中3なら辞書を使えば、何とか訳せるレベルだと思います。ハワイでも日本文化を残そうと努めている方がいらっしゃるんですね。


石井さんは写真という手法で後世にまで文化を伝え、我々が何気なく祝っている、3月3日、5月5日の持つ歴史の重みを子どもだけでなく、大人にも感じ取ってもらえるように一生懸命工夫されている様子です。


日本に祖先を持つ方々が多く住まわれるブラジルやハワイで、日本の土地に足を踏み入れたことがない日系の方々が、現代日本人よりさらに日本文化を大事になされている様子にも感銘を受けました” とおっしゃっていました。



 


hawaii girl.JPG




先日ご紹介した、『日本文明の真価』 の著者も強調していましたが、石井さんも本書の取材を通して、日本には自然に密接なつながりを持った神道の文化が根付いていると感じられたそうです。


もとをたどれば、はるか唐の時代に、中国から伝わってきたひな祭りと端午の節句。日本人が独特の文化に昇華させ、風情、情緒あふれる自国の風物詩に溶け込ませていますね。日本文化のふところの深さ、海外にいる日系の方々の望郷の念までも伝わってくる良書だと思います。


たまたま、ピッタリのタイミングで今日、5月5日に本書を取り上げることができましたが、単なる “季節もの” の写真集でなく、子どもたちにぜひ見せたい一冊で、こういった活動をされている方の作品をご紹介できるのは大変うれしいことです。

 



P.S. 偶然、つい最近ソニーの
出井氏の著作を取り上げたばかりですし、数日前には私のヘタなこいのぼりの写真をUPしたところですので、かなりはずかしかった(笑)。こういうこともあるんですね。本物でお口直し(?)をどうぞ!









  

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Girls` Day / Boys` Day

Bess Pr Inc

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P.S.2 ysbeeさん、お近くじゃありませんか?ホノルルだそうですが…。


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『森と海からの贈りものー二人の自然の使者』 ジェーン・グドール、 ジャック・T.モイヤー著

2007年05月04日 | 児童文学・ライトノベル・子供向け


森と海からの贈りもの.jpg


みどりの日は、この本!と、以前から決めていました。大変美しく、またいろいろ勉強になる一冊です。

著者の一人である、ジェーン・グドール博士、ご存知でしょうか。タンザニアのジャングルで辛抱強く観察を重ね、ついに世界ではじめてチンパンジーが道具を使うことを報告して、一躍有名になりました。テレビで活動を記録したドキュメンタリー映画のようなものの宣伝を見たことがある気がしますが…。


1934年生まれということですが、現在も精力的に世界中をまわり、自然教育、そして国連平和大使として、講演などをされているそうです。平和、教育に対してものすごい情熱を感じます。

日本でも熱心に活動されているようで、夏休みの間に、日本から氏の活動の原点であるタンザニアへ10日間行くツアーも企画されているようですよ。料金は格安の約43万円だそうです。行ってみたいと思いませんか。


ジェーン・グドールインスティテュート・ジャパン

ジェーンクドール博士.jpg



もう一人の著者である、ジャック・T・モイヤー博士。こちらもやはり世界的な生物学者で、三宅島でさまざまな研究をされていました。日本の自然を愛し、三宅島で英語教師をしながら永住することに決めていました。


ジェーン・クドール博士同様、子どもたちの教育にも熱心でしたし、朝鮮戦争当時もトルーマン大統領の側近に自然保護を進言するほどの信念の人でした。ただ、2000年の三宅島の噴火で、あきる野市での避難生活を余儀なくされたあと、悲しいことに自殺してしまいました。


モイヤー博士.jpg

 
そんなお二人が一緒に出したのが本書ですから、期待しない方が無理ですね。お二人の活動記録と研究成果、そして環境保護のための活動が紹介されています。

目次は以下のようなものです。



第1章 自然との出会い―ナチュラリストに生まれついた二人

第2章 フィールドへ―専門教育を受けずに野外研究の舞台に上る二人

第3章 常識をくつがえす発見―思いもよらない新発見で世界を驚かせる二人

第4章 学問の世界―学問というフィールドへも分け入る二人

第5章 動物たちと過ごした日々―森で、海で、動物たちのおりなす物語を見守る二人

第6章 自然と動物たちを守る―自然保護の道へと踏み出す二人

第7章 子どもの教育プログラム―若者たちの力に希望を見出す二人



チンパンジーの生態に驚き、海の生き物の不思議さに心惹かれます。またページ途中にある写真も印象的で、目に焼き付きます。こうした書籍が多くの図書館に置かれて、環境問題に対する認識が高まると良いのですが…。


先日、カナダが地球温暖化に関する取り決めの京都議定書の履行をあきらめたと報道されました。言うは易く、行なうは難し。ダイエットでも勉強でも同じですが、 環境問題に関しても実際の行動に移すのは難しいようです。


アルゴア氏の『不都合な真実』や、武田邦彦氏の『リサイクル幻想』 などの本を読んでみるとやはり危機感がつのります。少なくとも先進国と呼ばれるところでは、深刻な事態だという認識が広まり、企業の広告にも “環境” “エコ” という言葉が増えている印象ですし、バイオガソリンなど、環境技術の開発も進んでいます。


ゴールデンウィーク中にガソリンの値上げがありましたが、やっぱり車を使って大勢の人が出かけます。その中で一日でも自然と触れ合ったり、地球環境のことを考えてくれるといいなと思っての紹介です。
 


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森と海からの贈りもの―二人の「自然の使者」から子どもたちへ

ティビーエスブリタニカ

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アフリカの森の日々―わたしの愛したチンパンジー

BL出版

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『なんて素敵にジャパネスク』 氷室冴子 (ライトノベル)

2007年04月20日 | 児童文学・ライトノベル・子供向け


なんて素敵にジャパネスク.jpg


“ラノベ” という言葉、皆さんご存知でしたか。ライトノベルを短くして、“ラノベ” だそうです。私ははじめて見た言葉で、知りませんでしたが、相互リンクの “すずさん” に教えていただきました。

じゃあ、“ライトノベル” って何かとなりますと、これまたいろいろな定義があるようですが、要するに、中高生などを対象にした娯楽小説で、イラストが入っているのが特徴らしいですね。確かに本書も、表紙だけ見ると、コミックだと勘違いしますね。


出版社によってはそういうタイプのものに、“ヤングアダルト” とか “ジュヴナイル”と名付けているようで、いったいどういう作品があるのかということで、やはり、すずさんにおススメを教えていただきました。それが本書です。


はっきり言って…、めちゃくちゃおもしろかったです(笑)。


しかも高校生の古典の入門書にぴったりだと思いますので、ラノベ、はじめて取り上げてみます。ただ、“知らなかったのは、わたしだけ?” と思うほどのベストセラー、有名な作品なのですね。一応、簡単に紹介しましょう。


平安時代の貴族、おてんばな16歳の姫、瑠璃姫(源氏物語に出てくる玉鬘の幼名)が主人公です。京都で一・二を争う名門貴族で、すでに結婚適齢期なのに、その気はまったくなし。

その父、大納言忠宗が数々の陰謀まで企てて結婚させようとしても、あの手この手でかいくぐる。ついに観念し、弟の親友で幼なじみの高彬との結婚をやっと決意をするも、今度は逆に、いろいろな事件や事情がからんで、一緒にいたくても、いつまでたっても新婚の生活が始められません。


ラブコメディーとでもいうのでしょうか、姫のずっこけぶりもかなりのものですが、とにかく楽しく笑えるところがたくさんあって、ついつい引き込まれました。途中でやめられず、あっという間に読了。ブログ放り出して、続きをすぐに読みたいくらいです(笑)。本が好きな子どももきっと同じでしょうね。


そもそも学校で習う古典の内容とは、“好きだ”、“会いたい” みたいなものがとても多いわけですから、そんな気持ちからどう進展していくのか、歌のやりとりや、“家(系)” を通した結婚の様子など、本書を読むとすんなり頭に入ります。

難しい漢字も一杯出てきますが、ルビがふってあるし、パワーあふれるストーリー展開ですから、気にせず読めて、そのうち何となく頭に残るでしょう。皇太子や天皇即位の問題など政治的な話題がふんだんにあるのも良いですね。


最初に登場人物をイラストで紹介しているのを見た時は、あれ、普通のコミックじゃんと思ってしまいましたが、あとは300ページある中でわずか4.5ページにイラストがあるだけですね。要するに、ジャンルはどうであれ、良い本は良い。そう感じました。


以前ご紹介した、あーりーさんの『歴史パロディー』が歴史嫌いの解毒剤なら、本書は、間違いなく古典嫌いの解毒剤。しかもかなり強力に効きそうですし、副作用もなさそうです(笑)。


すずさん、良い本を教えていただきありがとうございました。古典が苦手な諸君、すぐに読もう!


 

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おもしろくてためになる本でした。

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『なんて素敵にジャパネスク』氷室冴子
集英社:304P:560円

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『蛇の石(スネークストーン) 秘密の谷』バーリー・ドハティ著 中川千尋 訳(アンモナイトの谷:改題)

2007年03月30日 | 児童文学・ライトノベル・子供向け


ヨの石(スネークストーン)秘密の谷.jpg

 
これも小学校高学年以上の生徒たちに、春休みにぜひ読んでもらいたい一冊です。以前ご紹介した 『ミラクル(辻仁成)』も忘れられない名作だと思いますが、本書もそれに劣らないすばらしい作品です。どちらも、母親をさがすお話しです。


たった一人での母親さがしの冒険ですが、『アルケミスト』のように魔法も奇跡も出てきませんし、太陽や風もしゃべりませんので、全然、売れてはいませんが(笑)、じっくり読んで、深く感動できるのではないかと思います。



ストーリーを紹介します。■~■



主人公のジェームスは15歳の少年で、飛び込みの選手。将来オリンピックも狙えるかというほどの有望な人材です。父親はその鬼コーチですが、普段は父母ともに優しい家庭です。


ただ、ジェームスは養子であり、両親はそのことをオープンに話してきました。それで幸せに暮らしていましたが、ある日の飛び込みの練習中に、父親が想像を絶する厳しい指示を出し、そのせいでジェームスの仲間に事故が起こります。


その時は激しく父を憎み、それをきっかけに親子にわずかな溝ができてしまい、どうしてもジェームズは自分の本当の親、自分の出生に関して知りたくなってしまうのです。

ついに両親をごまかして、飛び込みの合宿に行く途中、自分で本当の親を捜す旅に出かけてしまいます。生みの母が書いた、“サミー(ジェームスの元の名)をお願い” の紙辺と、自分がもらわれた時に身に付けていたアンモナイトを手がかりに。


そこからは、ちょっとした探偵なみの推理力と、思い切りのよい行動力で先の見えない冒険にいどみます。途中で知り合った人が力になってくれるなどして、とうとう産みの母に再会します。

最後、アンモナイトを見たお母さんは、それと悟り、
『幸せなの?サミー』 と聞き、それに頷くと『よかった』 と答えて、家族の方へ歩いていきます。

その後、ジェームスは家にもどり、元の生活の中で飛び込み選手として活躍します。




少年や少女が、成長する過程でどうしても、これまでの自分や家族の枠を超えて何かを知りたいと思う時期が訪れます。親子であるがゆえに、教えにくいことや、聞きにくいこともあるでしょう。

親のかわりに、塾の講師に聞いて、ことが足りれば良いのですが、どうせ親と裏でつながってるし(笑)、で、結局は 『勉強しろ!』 と言われることは目に見えていますから、本でも読もうと。


そして本では得られないものを得るために、本に書いてあることを自分の目で見てみたい、あるいは好きな本を書いた人の境地に近付こうと思って、きっと少年たちは旅に出るのでしょう。


冒険や旅を終えて自分が知ったことを、どういうわけか成長した子どもは心にそっとしまっておく。きっと、こういう時から、自分と自分の親を客観的に見られるようになるのだと思います。

非常にすがすがしい一冊です。自分の子が反抗期だと感じている親御さん、お子さんに薦めてみたらいかがでしょうか。

蛇の石(スネークストーン)秘密の谷

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『蛇の石(スネークストーン) 秘密の谷』バーリー・ドハティ著 中川千尋 訳
新潮社:219P:499円

 

 

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『星のアカバール』 オグ・マンディーノ バディ・ケイ(著) 牧野・M・美枝(訳)

2007年03月24日 | 児童文学・ライトノベル・子供向け


星のアカバール.jpg


アルケミスト』 では、錬金術師に導かれる主人公が、身近にあるものをすべて捨ててでも、夢だけは捨てず、ピラミッドにある宝物を追い続けることで、奇跡を起こすという物語でした。賢者の石 をあきらめずに求め続ける人も描かれます。

同じく、奇跡を起こす、“あきらめないで信じることで、望みがかなう” ということを示す小説であっても、逆に “賢者の石など無いのだ!” と、主人公を叱りつける一冊をご紹介しましょう。おもしろいですね。


オグ・マンディーノは10年ほど前に亡くなりましたが、『十二番目の天使』『この世で一番の奇跡』や『史上最強の商人』などの作品が、世界中で何百万部も売れた作家です。

ご紹介する本は『アルケミスト』以上に宗教が色濃く出ていて、やはり日本では苦手な人もいるでしょう。ただそれを割り引いても夢のある一冊だと思います。


本書の舞台はフィンランドのラップランド。いきなりですが、そうです、サンタクロースが住んでいると言われているところですね。この極寒の地に生まれた一人の才気煥発な少年トゥロが主人公です。


ストーリーを紹介します。■~■




両親と妹の4人で幸せな生活を送っていた少年トゥロの家族に、ある日突然、信じられない不幸が降りかかります。トナカイの扱いに失敗したトゥロを助けようとして、父親が命を落としてしまうのです。

一家を支えるために働き続けた母親も、過労のためか突然死亡してしまい、運命が一気に暗転します。残された兄妹二人だけで人の世話にならずに生きていこうと決めたのですが、その冬は猛烈な嵐が村を襲います。トゥロたちだけでなく、村中が食糧不足、燃料不足に見舞われ、パニックに陥ります。

絶望的な状況下、トゥロは自分が上げた凧で星をつかめるという、夢で見たことを信じて、なけなしの金をはたき、あるだけの糸を買い込み、嵐の中、凧を高く高く上げます。なんとその夢は実現し、アカバールという名の星がトゥロのところの木に降りてきて二人は友人になります。奇跡が起こったのです。

何万年も生きてきた星のアカバールは、トゥロに人間の物質主義などのおろかさを説きます。賢者の石に象徴されるような、一攫千金を求める人間のおろかさを指摘します。そしてどうすれば地球が救われるのかをトゥロに教える、君は選ばれた人間なんだとほのめかします。

村は昼間でも日の昇ることのない冬の北極圏付近、アカバールの放つ光と熱があれば、村は救われるというので村中が大騒ぎ。案の定、そのアカバールを自分のところへ置いて欲しい人たちの奪い合いが始まります。

やっと話しが付いて、アカバールを移動させる際に、作業がうまくいかず、アカバールを木から転落させてしまい、メッセージを言えないままその場で絶命させてしまいます。

たった一つの希望を失った村の重鎮たちは、トゥロに凧を使ってもう一つ星をつかまえてくれと懇願します。人々のために再び、トゥロは命がけで、奇跡にいどみ、アカバールの友人の星ヤーナを同じ木に降ろすことに成功。

ヤーナはアカバールから聞かされてきたメッセージをトゥロに伝えたあと、村のどこにでも自分は行くというのですが、冷静さを取り戻した村では、奪い合いはおきず、トゥロと一緒に時間を過ごします。

やがてヤーナが空に戻る日になって、もう一度凧を上げるのですが、なんとトゥロはヤーナと一緒に空へ消えてしまい、自らも星になろうとします。一人残された妹ですが、その後は幸せに暮らします。






つまり、この本では、賢者の石を夢見ることは富や名声だけを追い求める行為として批判されるわけですね。自然の法則に反したら人間は必ず滅亡するという強いメッセージが込められています。


オグマンディーノ自身、まもなく大学入学という時、これまで作家になることを薦めていた母親がなんと昼食をつくっている最中、急死してしまい、大学進学、そして作家への夢を同時に失うという経験をしています。トゥロとイメージがダブります。

軍隊時代にためたお金で、アパートを借り、作家に挑むも挫折。故郷に戻って、セールスの仕事に就き、結婚、娘が誕生しますが、借金でどうにもならず、アルコール中毒に。妻子は去り、仕事、家をも失っています。

そして『アルケミスト』の著者パウロ コエーリョと同じく、彼も放浪します。安酒を買う金のために、どんな仕事でもやりました。ついにはあまりのみじめさに自殺が脳裏をよぎるのですが、ある朝気づいた時には図書館の前にたっていたそうです。

そこで、成功哲学の本(自己啓発の類でしょうか) を読み始め、これを境に、マンディーノの人生は変わり始めるんですね。本書でも父親が息子のトゥロにふんだんに本を与えるシーンがあります。

マンディーノはある本に感化されて、その著者の会社に入ってからは再び猛烈に働き、次々と成功をおさめます。ついには世界的な作家になるわけですから、自分の人生が並の小説以上に劇的なわけで、まさに奇跡を体現しています。


アカバールは、キリスト教の教えを明確にトゥロ(人類)に伝えるために地球に来たことが分かります。地球上の一人ひとりにみな、一つずつ星が見守っているというメッセージ、人のために尽くした人間は、死んでも星になれるのだという勇気をたたえています。

きっと、どん底だと感じている人々を勇気付けてくれると思います。興味のある方はぜひ。


星のアカバール

ダイヤモンド社

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『星のアカバール』オグ・マンディーノ バディ・ケイ著 牧野・M・美枝訳
ダイヤモンド社:197P:1365円

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『アルケミストー夢を旅した少年』パウロ コエーリョ著 山川紘矢,山川亜希子訳

2007年03月23日 | 児童文学・ライトノベル・子供向け


アルケミスト.jpg



“アルケミスト” とは “錬金術師”のこと。大人気の “鋼の錬金術師” は知っていても、本書を知らない、またハリーポッターの “賢者の石” は読んでいても、こちらは読んでいないという人はぜひ。

本書はブラジル人作家が1988年に書いたベストセラーの翻訳で、すでに世界20カ国以上で読まれている名作、古典とさえ呼べますね。ご存知の方も多いでしょう。

今日、都内の小学校の卒業式です。卒業生に贈る一冊で、春休みに読んでもらいたいですね。

一応…

“錬金術” というのは、簡単に言えば、安物の金属を高価な金や銀などに変えてしまう方法のことで、“賢者の石” というのは、それを可能にするために絶対に必要な材料、難しい言葉だと触媒(しょくばい)のようなものです。


昔の錬金術の話しなど欲張り者たちの夢物語、などとあなどることなかれ。現代化学の基礎のほとんどがこの錬金術の研究から生まれているのです。ヨーロッパを中心に世界中の多くの人がその夢を見てくれたおかげで、現代の進歩した科学ができたというわけです。

あのニュートンまでも錬金術を相当に研究したそうですよ。(Wikipedia)

錬金術師.jpg


さて、物語では一人の羊飼いの少年が、こつこつと貯めたお金を手に、エジプトのピラミッドにある宝物を求めて旅に出ます。

その旅の途中で出会ういろいろな苦難。素直な世間知らずの少年はだまされます。おどされます。なぐられます。盗まれます。殺されそうになって我を失います。挫折しそうになって、羊たちの元に帰りたくなるのですが、それでも夢をあきらめない少年を支えたものは何なのか・・・。

題名からも想像できるように、奥義を極めている錬金術師が大きな役割を果たします。“賢者の石” と “不老不死の薬” をどこまでも求める人々と、逆に疲れてすっかり安定を求める人々、厳しい砂漠や太陽や風の自然条件との交わりのなかで、もがき、成長する姿が印象的です。


命がけで賢者の石を競って探す中で、化学が発達したように、きっと不老不死の薬を追い求めた傲慢な人たちのおかげで現代の医療もあるはずです。人間は単純といえば単純、不思議といえば不思議な存在ですね(笑)。


こういった話は、日本の小説よりも頻繁に “神” や “魂” “運命” といった宗教的なことばが出てきますし、それがストーリーに大きく影響しますので、読みにくい、理解しにくいと感じる生徒もいるだろうと、最初は紹介するのをためらっていたのですが、アマゾンで見たらびっくり。

100以上のレビューがあって、多くが賞賛しているではないですか。杞憂だったとわかりました。ただし、ただしです、“大人が読め”という内容も多かった(笑)。


なるほど、その通りで、夢をあきらめているのは子どもより大人。

いつも書籍の売り上げランキングなどで、ビジネス書や自己啓発書がすごく売れていて驚くのですが、その意味するところは、やはり日本の大人たちが、あきらめそうになりながら、この少年のように懸命に夢に向かって努力しているということだと思います。大人を励ます一冊でもあるわけです。

という訳で、私ももう一度はじめから読んでみますと、一度目は大して気に留めなかったセリフの中に、自己啓発書などでも見られるような “至言” が多く散りばめられていてうなりました。


すでに人生を悟っている、錬金術師に導かれながら、人との出会いと別れを繰り返しつつ、危機を乗り越え目的地に近付いていく夢と勇気の物語です。

小学校卒業のみんな (大人の我々も) 夢に向かってスタート!

アルケミスト―夢を旅した少年

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鋼の錬金術師 (11)

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『アルケミストー夢を旅した少年』パウロ コエーリョ著 山川紘矢,山川亜希子訳
角川書店:199P:580円



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『子どもたちが地球を救う50の方法』アース・ワークスグループ編

2007年02月06日 | 児童文学・ライトノベル・子供向け


子どもたちが地球を救う50の方法.jpg



今日の東京の気温も予想では16度!確かに暖かかった。2月ですよ、まだ。寒くなくていいなぁ~と喜ぶ以上に、やっぱり地球の温暖化だろうと不安になりますね。

ただ、そうは言いながら、私も恥ずかしながら、使っていない部屋の電気を消したり、ゴミの分別に気を遣ったりはしますが、生活の利便性を犠牲にしてまで環境に配慮しているとは言えません。


昨日、ご紹介したゴア氏の本『不都合な真実』にも、最後に我々ができる温暖化防止策がいくつかまとめられています。それらは何も目新しい指摘ではなく、やはり簡単に言えば、個人の節電や節水などの行動が中心です。


つまり、大人も子どもも、専門知識はなくとも、ある程度は知っている内容で、あとは実際に行動に移すかどうかということがポイントになっているわけです。


そこで本書です。こちらは子ども用に書かれた一冊で、さまざまな環境問題をわかりやすい例をいくつも挙げて解説するだけでなく、環境を守る行動を起こすように強くうながします。

子どもたちが、利便性を犠牲にせずとも、あるいは少しのがまんでできることがこんなにあるのかということに感銘を受けました。

環境問題や生活のムダをまず、“知っているかな” という形で問いかけ、“きみにできること” さらに “たしかめよう” と導いてくれます。


例えばトイレの水を一回流すと20リットルから27リットルの水が流れるそうです。ご存知でした? 確かにトイレを清潔に保ちたいので、ふんだんに水を流したいのですが、それでも20リットルというのは多すぎるように思います。

そこでトイレのタンクの中にビンを沈めておくと、一回あたり、少なくとも4・5リットルは節約できる…。一日に何回トイレに行き、家族が何人で…、というふうに計算するとすぐにお風呂一杯分くらい節約できそうです。なるほど…、すぐにできます。


最後には環境実験もいくつか付いていて、再生紙の作り方などを教えてくれます。小学生以上全員に配ってもらいたいような一冊でした。


ただ、私はおそらく一昨年に読んだと思うのですが、今検索してみますと、ネットではこの黄色の本は入手しにくく、続編でしょうか、下の赤と青が出ています。それぞれ書名の頭に “日本の” “21世紀の” と付いています。

 

21世紀 赤.jpg        21世紀 青.jpg       



私は未読ですが、ご参考までに…。




■■■ あとちょっとで 4冠 ■■■

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P.S.今日は柳澤伯夫大臣の、発言問題を取り上げようと思っておりましたが、相互リンクの ysbee さんの環境問題に対する熱意に打たれ、予定変更。


ゴア氏に関するすばらしい記事です。どうぞご覧下さい。


   特集「地球温暖化とアル・ゴア」 (英語も勉強できますよ!)


 公式サイトでは映画の模様なども紹介されています。

   『不都合な真実


21世紀の子どもたちが地球を救う50の方法

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『子どもたちが地球を救う50の方法』アース・ワークスグループ編
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『二十一世紀に生きる君たちへ 洪庵のたいまつ』司馬遼太郎 +対訳版(ドナルドキーン訳)

2007年01月02日 | 児童文学・ライトノベル・子供向け

 

一世紀に生きる君たちへ.jpg



新年にふさわしい一冊だと思います。


数多くの著作のある司馬遼太郎氏ですが、子ども向けに書かれたのは、本書におさめられている二作品だけだそうです。

一つは本書の書名である 『二十一世紀に生きる君たちへ』。これは小学校六年生の教科書に採用されています。もう一作品は 『洪庵のたいまつ』 という、緒方洪庵の生涯を扱ったもので、こちらは五年生の教科書に載っています。

自然との共生、他人への思いやり、歴史の重みを、前者はストレートに、後者は洪庵の生き方を通して、21世紀を生きる子どもたちに語りかけています。 カバーには“むだのない、考え抜かれた名文が私達の感動をよび起します”とあります。


どんな内容か、それぞれ書き出しをご紹介してみましょう。


 

    ■■■ 二十一世紀に生きる君たちへ ■■■

私は歴史小説を書いてきた。
 
もともと歴史が好きなのである。両親を愛するようにして、歴史を愛している。

歴史とはなんでしょう、と聞かれるとき、

「それは、大きな世界です。かつて存在した何億という人生がそこにつめこまれている世界なのです。」と、答えることにしている。

私には、幸い、この世にたくさんのすばらしい友人がいる。

歴史の中にもいる。そこには、この世ではもとめがたいほどにすばらしい人たちがいて、私の日常を、はげましたり、なぐさめたりしてくれているのである。

 

 

    ■■■ 洪庵のたいまつ ■■■

世のためにつくした人の一生ほど、美しいものはない。 

ここでは、特に美しい生涯を送った人について語りたい。 

緒方洪庵のことである。 

この人は、江戸末期に生まれた。 

医者であった。 

彼は名を求めず、利を求めなかった。

あふれるほどの実力がありながら、しかも他人のために生き続けた。そういう生涯は、はるかな山河のように、実に美しく思えるのである。

といって、洪庵は変人ではなかった。どの村やどの町内にもいそうな、ごくふつうのおだやかな人がらの人だった。

 


ホリエモンや村上ファンドの村上氏、ボクシングの亀田選手など、何でもあけすけに言うことがウケて、マスコミもそういうキャラクターを持ち上げるという世相です。かつては、ビートたけしさんやさんまさんなど、コメディアンが人の本音やあさましさをネタにしていただけのような気がしますが、もちろん今はお二人とも大物スターです。


昔は裏でこっそりと言ってきたことがどんどん表に出てきた印象で、司馬遼太郎がここで語っていることが、子どもたちに響くかどうか…。いやむしろ、大人たちが読むべきか。 私も繰り返し読みました。


当教室の中川にある集団指導部門は、“中川適塾” と言いますが、まさに洪庵の築き上げた適塾の理想を、少しでも現代に引き継ぎたいと考えてのものです)


司馬氏は96年に亡くなっていますが、自分が21世紀を生きられないということを覚悟した上でのメッセージで、本書の他に、「このままではこの国は滅びる」という危機感が書かせた、“日本人への遺言” という本もありました。


本書は、そういう時代を生きていかねばならない子どもたちに、何をしたらよいのか、何のために生きるのかを伝えたいという意思(遺志)を感じます。美しい写真がふんだんに使われた一冊で、司馬氏の言葉とともに印象深い本になっています。



生徒諸君!お年玉のことばかり気にしてないで(笑)、お年玉をもらったら、たまにはこういうまじめな本を買ってみて下さいね。




■■ ランキング、1位でスタートです ■■

おかげさまで、昨年は大変ありがたいことに、両方のランキングとも1位で締めくくることができました。ありがとうございました。

こうなりますと、理論上、あとは落ちるだけですが(笑)、そう簡単に負けるわけにもいかず、どこまで続けられるのか楽しみながら挑戦します。なるべくお役に立てるような良書を取り上げたいと思いますので、どうか昨年同様、応援下さるよう、よろしくお願いします。

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『二十一世紀に生きる君たちへ』 司馬遼太郎
世界文化社:47P:1260円

二十一世紀に生きる君たちへ

世界文化社

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P.S. 私はまだ入手しておりませんが、ドナルドキーンさんが英訳したものがあるようです。知りませんでした。こちらもすぐに見てみたいと思っております。
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対訳 21世紀に生きる君たちへ

朝日出版社

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『21世紀に生きる君たちへ』司馬遼太郎・ドナルドキーン 訳・ロバートミンツァー 訳 朝日出版社:41P:893円

 

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『約束』 村山由佳 画・はまのゆか

2006年12月24日 | 児童文学・ライトノベル・子供向け

 

約束 村山由佳2.jpg


みんなが楽しく過ごすクリスマス。テレビにはにぎやかな番組がたっぷりあるし、お正月もすぐそこ。冬休みは楽しいことがいっぱいあるけれど、子どもたちにその休みの間に読んで欲しい一冊を取り上げます。


小説すばる新人賞直木賞など数々の賞をとっている村山由佳さん。筆者はじめての短編で、一日で読めますし、中学入試にも出される感動の一冊で、挿入される絵もすばらしい。


■■■ ストーリー ■■■


場面は昭和61年(1986年)、小学校4年生の主人公のワタル、その仲間ハム太、ノリオ、ヤンチャ4人の物語です。いつも一緒に遊び、出かけるのも、いたずらをして叱られるのも一緒。

ところがある日突然、ヤンチャが原因不明の病気にかかって入院してしまいます。 見舞いに行くと、元気の固まりのようだったヤンチャの、やせ細り、体中に発疹のある変わり果てた姿に3人はたじろぎます。そんなヤンチャを喜ばせたい一心で、彼らはタイムマシーンを作りはじめます。

もちろん遊びで作ったおもちゃのようなものですが、それでもいいからヤンチャは乗ってみたいというのです。

クリスマス直前、やっと完成したタイムマシーンの写真を持って、ヤンチャのいる病室に駆け込むのですが、彼はそこにはおらず、ヤンチャのベッドがきれいにされています。ヤンチャはその日の朝、突然、発作を起こし亡くなっていたのでした。

そして、ヤンチャのお葬式の日、残された3人は、ヤンチャを助けるのには間に合わなかったけれど、将来、大人になったら絶対にタイムマシーンを作ろうと固い約束をします。

やがて、月日が流れ、世紀が変わる2001年、当時10歳だった彼らも25歳になりますが、あの約束はもちろん果たせないまま。約束には決着が付かないまま、3人がおのおのの人生を歩み始めていますが…。現実にタイムマシーンが作れなくとも、果たせなかった過去の約束を忘れない。

 

■■■

 

友情の物語とも、大人への成長の物語とも言えます。最後はやや哲学的な独白で終わっていますが、それが、すっと頭に入るかどうかは個人差がありそうです。まぁ入試で狙われるのもこのあたりでしょう。


クリスマス直前に友達が死んでしまうという展開ですから、明るい話ではありませんが、筆者のすぐれたユーモアのセンスと、印象的なエピソードで読み手を離しません。短時間で読めて、しかも深い、子どもに何かを考えさせるには絶好の一冊だという気がします。

 

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『約束』村山由佳 画・はまのゆか
集英社:96P:1680円

 

 

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『ブンナよ、木からおりてこい』水上勉

2006年11月27日 | 児童文学・ライトノベル・子供向け


ブンナよ、木からおりてこい.jpg


水上勉氏の児童文学です。


本書は舞台でも上演され、数々の賞を受賞している名作です。舞台になる作品というのはほぼ間違いなく、メッセージ性のある、おもしろいものが多いと思います。映画だと、ストーリーが単純でも、映像テクニックで見せる場面がありますが、舞台は装置プラス “感動”がないと、ロングランはできませんよね。


主人公はトノサマガエルです。そのトノサマガエルが椎の木のてっぺんまで登り、得意になっていました。

その木の頂上は広場になっていて、土もあり、まるで天国のようでした。そこで一晩過ごそうとしたのですが、実はそこは鳶(トビ) がエサを運ぶ中継所だったのです。


スズメ、百舌(モズ)、ヘビ、ネズミ、牛がえるつぐみなどといった鳶に捕らえられた瀕死の状態の小動物が次々に運び込まれ、そして、鳶のえさとなるべく連れ去られていきます。

これら捕らえられている動物たちは、逆に、すべてトノサマガエルを食べてしまう小動物たちです。恐ろしくてじっと土の中に隠れ、小動物たちの会話を聞くことになります。

その会話こそが、いろいろ示唆に富んだ内容であり、著者の思いが込められているメッセージです。単純に食物連鎖の勉強にもなるでしょうし、今、いじめの問題、食育にも関わってくるように思います。、


最後に著者が、“母たちへの一文”  ーあとがきにかえてー で、どういう思いを持って本書を書いたのか説明しています。


子どもたちはもちろん、小さいお子さんを持つお母さん、お父さん、幅広い世代に読んでもらいたい一冊です。



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ブンナよ、木からおりてこい

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『兎の眼』 灰谷健次郎

2006年11月24日 | 児童文学・ライトノベル・子供向け


兎の眼 灰谷健次郎.jpg


小説家の灰谷健次郎氏が、お亡くなりになりました。大変残念です。灰谷氏の作品は 入試にもよく出題される ことで、このブログでもご紹介したことがあります。今日は、氏の代表作、“兎の眼” を取り上げます。


“真の教育とは何なのか” と帯に書かれたこの一冊。涙なくして読めない、多くの感動を与えてくれる名著だと思いますが、灰谷氏自身が “欠点の多い作品” とも述べています。書き足りないところがあったのでしょう。


灰谷氏を語る上で、象徴的なできごとは、神戸連続児童殺傷事件で、「フォーカス」が、当時中学3年生であった少年Aの写真を公開したことに対し、出版社に抗議の執筆拒否を宣言したことです。同時に、ご自分の代表作を含む全ての著作権を引き揚げてしまいました。非常に過激な行動ですね。


世間は、あまりに続いた少年事件の残忍さに対し、少年法 を改正し、厳罰化を求めていく流れでしたが、この行動に灰谷氏の思想を見て取れますね。“子どもに甘い” ということで、激しい批判が時として、灰谷氏に浴びせられる要因です。


陳腐な表現ですが、氏にとって、子どもは神聖なもの、あるいは天使と言ったら良いのでしょうか。そして教師はどこまでも、生徒を理解しようと努め、ともに生きていく使命を帯びているというお考えのような感じがします。


本書では、問題児、鉄三のいるクラスの担任となり、孤軍奮闘の新任教師、小谷先生を描きます。結婚したばかりの小谷先生が、戸惑いながら、時に失神するようなできごとに悩みながらも、苦心に苦心を重ね、鉄三の心を開こうとします。

次第に、人生を深く考えはじめ、まるで成長しない夫とどことなくすれ違いも生じてきてしまいますが、一教師として成長していく中で、クラスは一歩一歩確実に成長していきます。


言葉の一つ一つに子どもたちへの温かい眼差しを感じる作品で、単に美化された子どもたちの純粋さを楽観的に描くのではなく、葛藤の中から弱い立場におかれた者への愛情があふれ出てくるところに灰谷氏の豊富な経験を感じます。

表現方法は小学校の中学年程度から読めるように工夫されており、内容的には大人の心も強く突き動かすものがあります。ぜひお読みください。



灰谷氏のご冥福をお祈りいたします。



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 子どもは社会の宝です。健やかに育って欲しい。
灰谷さんの作品に救われた先生や生徒も多いはず。
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兎の眼

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『兎の眼』灰谷健次郎 
角川書店:339P:600円


P.S.  私の思い違いかもしれませんが、灰谷さんのお子さんに関する新聞記事などをご記憶の方がいらっしゃっいましたら、教えていただけるとありがたいです。お願いします。

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『 天は人の上に人をつくらず 』 安野光雄

2006年09月07日 | 児童文学・ライトノベル・子供向け




想定外の記事UPですが…、ちょうど良い本がありました。と申しますのは…

先日、“ 学問のすすめ・最中(もなか)” の記事を見た、当教室 の生徒が、この “天は人の上に人をつくらず~” のフレーズを話題にしました。

“人間はみんな平等なんでしょ” と言うわけです。まぁ、その通りですが、それで思考がストップしてはいけないよと話しました。

福沢諭吉は、世界人権宣言 にあるような “すべての人は生まれながらに自由であって、~平等である” というような、美しいスローガンを掲げたというより、“学問を真剣にすれば、家柄などに関係なく出世できる” そういう世の中が来たのだ。貧乏人でも努力して学問をすれば偉くなれる。言ってみれば、逆に、厳しい現実、競争原理を説明したかったのではないかということです。


英語の “competition” を “競争” と最初に訳したのは、福沢諭吉だそうです。ところがその言葉を見たお役人は、翻訳を頼んでおきながら、競争とは、あまりにも“きつい言葉”だということで、その訳語を了承しなかったと、確か、会田雄次 氏の何かの本に出ていました。それに怒った、諭吉はその訳をすべて墨で消してしまったとか…。

有名な言葉や演説は、その全文を読んでみたり、時代背景を考えてみたりすると、自分が思っていたのと大きく異なる意味を持っていたりします。

本書ではそのあたりの説明をわかりやすくしてくれ、さらに今なら…というふうに解説というより、優しい言葉で語りかけています。すべてに読み仮名が付いています。 扱っているのは、主に キング牧師リンカーン と福沢諭吉、そして日米の小史です。

中学生以上に絶対お薦めの本です。わずか70ページほどですし、値段も300円。ナイーブな本だと言う人もいるかもしれませんが、平和、人権に関して、歴史に関して興味を沸きたたせ、素直に学べる良書だと思います。


尚、この童話社のシリーズで、『 日本国憲法 』 を以前ご紹介しました。生徒にはとても読みやすいシリーズです。他の本をさがしてもおもしろいものが見つかるのではないでしょうか。

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天は人の上に人をつくらず

童話屋

詳  細
『 天は人の上に人をつくらず 』 安野光雄
童話社:78P:300円

■■  上にも下にも人がいっぱい ■■
ランキングも競争かぁ。上にも下にもいっぱいおられます。 努力が報われるという諭吉の考えが正しいことを生徒に証明するために(笑)、ご協力の クリックをいただけると大変ありがたいのです。
 
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