さまざまな談合や不動産に関わる問題、また薬物や不正入国、密輸出入の事件、いわゆる、裏社会と呼ばれる世界が関わっているだろうということは間違いないと思うのですが、それがどの程度、表の社会に食い込んでいるのか、あるいは、それによってどれほど、現実の経済や政治に影響を与えているのでしょう。
少なくとも、私のような塾講師という仕事には、表面上、まったくその影響はありませんが、『東京アンダーワールド(ロバートホワイティング)』、などを読みますと、例えば、不動産などでつながっていても不思議ではないという気がします。
著者は、グリコ森永事件で キツネ目の男ではないかと疑われた宮崎学氏です。あの時は話題になりましたが、それ以降、時おり、マスコミに登場する程度でしたね。ところが、最近になって、ラスプーチン、『国家の罠』 などを書いた、あの佐藤優氏との関係で著作まで出しており(近々、UPします)、興味を持って本書を読みました。
佐藤氏は、日本の政界、官界の権力構造などを知っているだけでなく、ロシアの裏の裏まで知り尽くしている印象です。
読んでみますと、本書は、高校生にも充分読めるわかりやすい内容です。ただし、地下経済を高校生に教えるというのも変な話しですし、夢を抱く若者には、積極的に薦められる本だとは思いませんが…。
おもしろくて、どんどん読めるのですが、論理的に説明しているのではなく、やや乱暴で、断定調で書かれていますので、全部を真に受けてもらっては困るかなと…(大人の世の中、すべてが腐敗していると思ってしまう)。
まったく知らなかったのですが、宮崎氏はヤクザの組長の息子として生まれ、裏の世界にも詳しく、自分自身がわいろを渡した政治家や、起こした事件などについても、警察や検察の動きを紹介しています。鈴木宗男氏や自身の逮捕を、国策捜査だと指摘した佐藤氏とこのあたりは共通した認識があるのでしょう。
学生運動や裏の活動で警察ににらまれたりした経験から、この日本の置かれた、地下経済が支配するという状況を憂い、読者にも被害者シンドロームに陥ることなく、なんだったら加害者になるくらいの意気込みで生きて抜いて欲しいそうです(笑)。
そんなぁ~。これでは身も蓋もありません。
おや?と思ったのは、中坊公平氏に対する指摘です。
中坊氏は住専回収機構の社長に就任した瞬間、それまでの「国民の側」から「国家の側」に寝返ったというわけです。その理屈がいまだにわかりません。国民の税金を取り返そうとしている、正義感に燃えるヒーローだと思っておりましたから。
本書を書いた時点では、あの中坊氏を批判するのは、タブーといっても良いくらい、中坊氏は(神格化といえば大げさですが) 庶民、または正義の味方だと思われていたはずです。NHKでも特番が組まれたり、民主党の党首候補にしようという動きまであったと記憶しています。
ところが宮崎氏は 「わたしに中坊批判をやめさせるのは、フセインに写経をさせるより難しいのだ」 とまで、憎悪むき出しで書いています。本書を読んでも詳しい事情はわかりませんでしたが、中坊氏は、しばらく前、検察の取調べを受けて弁護士を辞めましたよね。いつか真相は明らかになるのでしょうか。
こんな調子で歯切れがよく読みやすくておもしろいのですが、ではどういう社会が良いのか、そこが描かれていないのが悔やまれます。
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P.S. 当教室(中川校) の生徒諸君、ご父母のみなさま、また、ご心配頂いた方々へ。
昨日、伊藤先生と一緒に、Pochi 先生の見舞いに行ってまいりました。数年前に私が入院したのと同じ、かつての国立病院でした。(私も、Pochi先生も世田谷区在住です) みなさまにご迷惑、ご心配をおかけしたことを心から悔やみ、大変恐縮しておりました。現在は、大変元気で、早く復帰したいという様子でした。容態に心配がなくなったので、看護師さんや、先生のお子さんもあまり相手にしてくれないそうです(笑)。ただし、検査に時間がかかるとのことで、復帰の時期はまだ決まっておりません。その間、またご迷惑をおかけすることになるかと思いますが、最善を尽くしますので、なにとぞ、ご理解を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。
また、本来ならば、コメントなどを入れていただいたブロガーのみなさんの方へ出向いてお礼を申し上げたいのですが、なかなかそれができずにおります。これまであまり親しくやり取りをしていないような方からも、VIVA、Pochi ガンバレと励ましのメールまで頂戴しておりますのに、本当に申し訳ございません。お許し下さい。