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【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

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『評論家入門』 小谷野敦

2008年07月04日 | 新書教養


評論家入門.jpg



 『禁煙ファシズムと闘う』 と 『バカのための読書術』 の2冊 、いずれも大変刺激的な小谷野氏の著作(前者は共著)をこれまで拙ブログで取り上げましたが、本書もそれら同様に非常におもしろい一冊でした。

私はこうしてブログは書いていても、自分が、“物を書く” ことを職業にしようなどとは、まったく考えたこともないのですが、塾講師でいるとまわりに “いずれは小説家になりたい” という夢を持っている人間に何人か出会うものです。

もちろん国語や社会など文系の講師に多いのですが、やはり常人とは違うスケールというか、考え方というか…。そういう人の授業を聞いていますと、おもしろいし、読解などにも妥協がありませんね。問題集に付いている解説よりも詳しいし、奥が深い。


また、こうしてブログを通して、小説ではなくても、灘高の キムタツ先生 や、当教室の吉野先生など、実際にご自分の著作を何冊も持っている方々と直接お知り合いにもなることができました。出版に関するお話をうかがうのは興味深く、現実の世界は想像とは違っていることが多いですね。


本書は、ものを書くことを職業にするとはどういうものなのか、“(小谷野氏のような)評論家になりたい” という人に向けて書かれています。

ご自分の経験を中心にして、評論家とはいったいどういう商売なのか、どれほどの勉強が必要で、収入はどうで、世に出るためにはこんな苦労があるぞ、などということを教えてくれます。

新書が一冊でもヒットすればそこそこ生活できる…、な~んて考えている人々にも、それで得られる収入が、世間で想像されているよりずっと低いことなどをストレートに語り、それでも書きたい人には、“エッセーを書く” ように勧めています。

さらに、言論界の裏話のようなものから良い評論や悪いものなど、本書自体が入門書であると同時に、評論、エッセーとして私は楽しめました。小谷野氏の歯切れの良い切り口が魅力的です。


以下が目次です。

第1章 評論とは何か―「学問」との違い
第2章 基本的な事柄とよくある過ち
第3章 評論をどう読むか
第4章 『日本近代文学の起源』を読む
第5章 評論家修行
第6章 論争の愉しみと苦しみ
第7章 エッセイストのすすめ、清貧のすすめ


最終章にある、“清貧のすすめ” が本書全体の主張となっているのではないでしょうか。新進気鋭、人気の売れっ子評論家のように外からは見えても、そうなるためには大変な量の勉強や読書が必要であるし、そうなったとしても甘い生活があるわけではないということが分かります。

評論家志望でなくても、本好きの方ならばきっと興味深く読める一冊だと思います。



P.S. 久しぶりの書籍紹介になってしまいました。時々、のぞいて頂いた方、本当にすみません。 


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評論家入門―清貧でもいいから物書きになりたい人に (平凡社新書)
小谷野 敦
平凡社

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『クレーマー・シンドローム―「いちゃもん化社会」を生き抜く交渉術』 吉野秀

2007年11月26日 | 新書教養


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↓の記事のコラムでも取り上げました、当教室の国語講師、吉野秀先生の新刊が発売されましたので、ご紹介しましょう。発売早々に増刷が決まったようで、すばらしいですね。

つい先日は日本経済新聞の一面にも広告が出ておりましたので、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。

(久々の更新なのに、身内の宣伝をするようで気が引けるのですが…、すみません)


■目次は以下のとおりです。

蔓延する「いちゃもん化社会」

クレーマー「悪魔の手口」解体白書

ケチをつける人、つけられる人

コンセプトワーク―現状把握と「8つの不」の解消

観察力と聴察力―相手の言葉でストーリーを読む

いちゃもんに立ち向かうための準備と攻略法 総集編



確かに、ギスギスした世の中になっているのかもしれません。そもそも “claimer” (クレーマー) という言葉が、定着しつつあるのは驚きました。

■■■


ところで、大学入試では、claimer ではなく、動詞の claim が重要単語です。普段は、やはり、“文句を言う” あるいは “いちゃもんをつける” という意味で使っていますから、生徒諸君は間違えてしまう人が多いのですが、正しい意味は “(権利などを)主張する” ですね。注意してくださいよ!

受験生は同じ語源の proclaim と exclaim が基本単語。続けて reclaim acclaim さらに、clamor まで覚えておけば、万全です。


ガンバレ!受験生!



■■■



さて、空きはわずかですが、吉野先生の授業は代々木教室で受けられます。

私、VIVAの英語の授業もよろしければぜひ…。

冬期講習でお会いしましょう!



  同時に一緒に働いていただける講師も大募集中です!

   お気軽にお問い合わせ下さい。


東京の 代々木教室 (03-3370-4440)

横浜市都筑区にある中川教室 (045-912-0092)



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クレーマー・シンドローム―「いちゃもん化社会」を生き抜く交渉術 (サンガ新書 17)
吉野 秀
サンガ

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『悪の対話術』 福田和也

2007年10月11日 | 新書教養


悪の対話術.jpg


さまざまな場面での会話、言葉遣いなど、自分はいつもどのくらい気を配っているでしょうか。あらためて聞かれるとどう答えたら良いのでしょうか。一応、言葉には気を使っているつもりでもあるようで、気軽に話すことも始終ありますから。

もちろん面接試験や何かのスピーチをしたり、原稿を書いたりする時などは、誰でも最大限に言葉遣いに慎重になるでしょうが、本書では常にその気持ちを維持すべきだと主張します。

私も言葉の大切さはどれだけ強調してもし過ぎることはないと信じておりますが、筆者のように、普段の会話から、それを意識的に、友人はもちろん夫婦や家族であっても相手の気持ちを推し測り、言葉を選んで話すということは、そう簡単に実践できるものではないでしょう。


言葉や会話が生き方そのものだというレベルにまで意識を高めているとでも申し上げれば良いのでしょうか。

ただし、単に “人の気分を害さないために” 言葉に気を付けようとか、口は災いの元だからね、というような生やさしいことではありません。


題名が示すとおり、意図的に “悪” であっても、すべての会話を意識して行うべきであるという意見です。ですからお世辞の使い方から、悪口の言い方、挨拶の意味、うわさの流し方などなど、すべて会話には常に意識を集中し緊張して当たれと説いています。こういう主張は初めて耳にしました。


目次をご紹介しましょう。


対話とその悪

お世辞について

悪口について

虚偽と韜晦

礼儀と挨拶

敬語について

社交と立場

紹介と自己

多弁と無言

観察と刺激

焦りと緊張

話題について

結び―言葉の快と悪と



人と真正面から向き合えない、携帯電話を手放せない若者たちに対しても対話の意味、そして人生における対話の意味を説きます。悪口、お世辞などの実例が載っていて楽しく読めますが、賛同できるかどうか、読者によってかなり意見が分かれるかもしれません。

私も言葉は大切だと思っていても、いつも長電話をするとか、おしゃべりが大好きという性質ではないので、正直、会話がついつい面倒くさいと思うことがあります。が、それを筆者はたしなめます。みなさんはどうなんでしょう。


ひとつ、挨拶に関して、私がいつも生徒たちに言っているのと同じような一節があってびっくりしました。この部分は思わずひざを打ちました。

『男の子であれば、挨拶がきちんとできて、時間を守ればそれだけで何とか生きてゆける』

というものですが、どうでしょう(笑)。


P.S. このブログでは以前に、福田氏の 『魂の昭和史』 と 『総理の値打ち』 を取り上げました。よろしければご覧下さい。それにしても氏の著作はどれも刺激的です。



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悪の対話術 (講談社現代新書)
福田 和也
講談社

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『女性はどう学んできたか―卑弥呼から江戸庶民の女まで』 杉本苑子

2007年09月03日 | 新書教養


女性はどう学んできたか.jpg


9月、新学期の始まりですね。当教室の夏期講習も終わったわけですが、毎年のことながら、受験生はみんなよく頑張っていました。もちろんそれに応える講師陣も真剣そのもの。みなさんご苦労さまでした。

やっと終わった一休み、といきたいところですが、ふと気が付いてみると大学センター試験まであと4ヶ月半、中学入試も5ヶ月を切ってしまいました。

やれやれやっと秋らしく、涼しくなったなどと世間がほっとしている一方で、徐々に緊張感が高まるのが受験生ですから、ゆっくり本を読む時間もなかなか確保できないでしょう。


いったいなんでこんなに勉強するの(させられるの) と思っている諸君におもしろい一冊を紹介しましょう。書名通り、女性がどのように学問と関わってきたかについて言及した本です。


歴史学者が書くと小難しい研究書になりそうなテーマですが、著者の杉本苑子氏は言わずと知れた歴史小説家。吉川英治氏氏に師事しており、直木賞など多くの賞を受賞していますね。

想像力を駆使して、日本史や国文学に興味がない人でも楽しく読める書に仕上げています。配列は年代順ですが、章ごとに違う人を取り上げているので、興味のある章から読むことも出来ます。


目次です。

第1章 女王ヒミコは、外国語がペラペラだった?嘘ォ、信じられないわ。

第2章 女帝は飛鳥・奈良朝の専売にあらず。江戸時代にもいましたよ。

第3章 いよいよ花ひらいた女帝の世紀。そしてその、明と暗。

第4章 時代の生証人ケヤキの厨子。しかし彼は黙して語らず。

第5章 猛勉強した光明皇后。その師はなんと、則天武后!

第6章 漢詩が得意な内親王、坊さんキラーの皇太后など、世はさまざま。

第7章 女がひっぱる女の足。本箱は壁に向けて置くのが安全よ。

第8章 娘に着せる正月小袖、生首一つで買えるかなあ。

第9章 女の子の教育はおッ母さんの受け持ち。子供は遊ぶひまもない。
 


“女がそんなに勉強してどうする” というような親ごさんは、今ほとんどいなくなったと思います。申し上げるまでもなく、女性が学ぶことは、現代では当たり前ですが、日本の教育制度がととのって、「教育を受ける権利」 が保障されてから、わずか半世紀ほどですよね。

しかし、さらに歴史を振り返ると、三世紀半ば頃、きっとまだ日本独自の文字のなかった時代に邪馬台国の女王・卑弥呼は、民衆の上に君臨し、なんと隣国・魏の言葉に堪能だったとか。本当でしょうか。

あの聖武天皇の皇后・光明子は、中国の女傑・則天武后の著した書物を、そして紫式部は漢籍を読んでいたらしい。女性と学問の通史とでも言えば良いのでしょうか。

受験に役立つ一冊というのではありませんが、秋の夜長に想像力をかりたてられる、楽しめる良書だと思います。 


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女性はどう学んできたか―卑弥呼から江戸庶民の女まで (集英社新書)
杉本 苑子
集英社

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『「みんな」のバカ - 無責任になる構造』 仲正昌樹

2007年08月02日 | 新書教養

 

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きっと安倍首相の現在の気持ちが、この書名ではないでしょうか。

それにしても今回の参議院の選挙結果。ついこの前、衆議院選挙で歴史的大勝利をした自民党が、今度は歴史的大敗北…。

安倍自民党が負けた要因を挙げるのには苦労しませんが、社会が短期間に変わったわけではないのですから政治の厳しさを痛感します。


小泉首相時代の、衆議院選での大勝利の立役者、今回も見事一人区で当選を果たした世耕弘成氏の『プロフェッショナル広報戦略』をご紹介しましたが、今回はどうにもならなかった、広報がどう戦略をねろうとも手に負えない事件が次々とあったということでしょう。


さて、今回もタレントを含め、さまざまな経歴の方が出馬されましたが、 「みんな」 の代表として選ぶのが選挙ですが、選ばれるのはもっとも「みんな」とかけ離れたような性格の人ばかり だと思いませんか。


本書の副題は 「無責任になる構造」です。ヘンな題名で、筆者も認めているように、ややとりとめのないエッセーのような、現代思想入門のような一冊ですが、おもしろく読めました。

私たちが頻繁に用いる「みんな」という言葉についての考察です。

どうご紹介したら良いのか迷ってしまいますが…、 「みんな」という言葉は、社会における無責任体性をもっとも象徴的に表している言葉という認識でしょう。みんなで首相に推薦したけど、流れが変わればみんなで降ろそうとする。

「みんなで決めようよ」 とか 「赤信号みんなで渡れば~」 と言う時は、当然、自分もみんなに入りますが、「みんなが私をいじめる」とか 「みんな分かってくれない」 の時は自分はみんなには入っていません。

その都合によって “We” にも “They” にもなる言葉を日本人は使い分けているのですが、いつも変わらずに存在する 「私」 は 「みんな」 なるものをどのように意識しているのか、あるいは無意識に影響を受けるのでしょうか。


例えば、「みんな」とは違うんだというところを見せたくて、ファッションでも、情報でも競って手に入れようとする時、それこそまさに「みんな」に向かって自分を受け入れるように働きかけているという矛盾が起きます。わかりますかね

以下が目次です。


1章 「みんな」って誰?(「みんなやっていることやないか!」;「赤信号」の法則 ほか)

2章
 「みんな」の西欧思想史(法とは「みんな」の意志である;「みんな」による「みんな」の支配・全体主義 ほか)

3章
 「みんなの責任」をどうするか?(「みんなの責任」の範囲;「自分で語ることのできない他者」への「責任」 ほか)

4章
 「みんな」と「わたし」の物語(「みんな」から押し出された「わたし」;「わたし」が「みんな」から目覚める時 ほか)

5章
 そして、「みんな」いなくなった!(「みんな」はいつまでも「みんな」なのか?;危ない時に出てくる「みんな」 ほか)


私は仲正氏の本が結構好きなのですが、本書はあまり評判がよくないようです(笑)。先日ご紹介した、『新書365冊』 の中で、宮崎哲弥氏が評価していた程度でしょうか。

ただ、選挙のたびに、投票率を聞くたびに思い出す一冊です。この紹介文こそ“とりとめのない”ものになってしまいましたが、目次がおもしろそうだと思われましたら、手に取ってくださいね。


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「みんな」のバカ! 無責任になる構造 (光文社新書)
仲正 昌樹
光文社

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『頭がいい人、悪い人の話し方』 樋口裕一 / 『博覧会の政治学ーまなざしの近代』 吉見俊哉

2007年06月16日 | 新書教養


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『博覧会の政治学』 吉見俊哉

以前取り上げました、『家族と幸福の戦後史(三浦展)』 も非常におもしろい一冊で、ニューヨーク万博の政治的意味などを解説していました。本書は、“博覧会” の、より根源的な分析をしています。いつもユニークで魅力的な本を紹介してくれるK先生の書評です。

■ 

かつて世界は書物のようなものであり、人々はあらゆるものに何らかのきざしを見出し、物語を展開しつつ理解してきました。

15世紀の大航海時代とそれに続く征服の時代を経た西欧の近代は、自ら産み出したもののみならず新しく発見された土地の自然や文化を一望の元に広げ、帝国主義や消費社会の戦略と絡ませながら比較し、分類、整理し世界像を織り成していく視線を確立します。

本書で扱われている博覧会という事例はまさに「見せ物」として、こうした世界を再編する作業の事例であり、筆者が言うようにそこを訪れた人々の日常的な感覚や欲望までも変容させるほどの強烈な経験であったことでしょう。

しかしとりあえずは、1851年に開かれた最初のロンドン万博の会場であったガラスと鉄骨だけで作られた巨大な水晶宮の中を行くような戸惑いと高揚感、視覚のきらめきの中に足を踏み入れてみては如何でしょうか。

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『頭がいい人、悪い人の話し方』 樋口裕一

こちらは大ベストセラー。monta先生の紹介です。

見た目が8割なんて本もありますが、話し方も人の印象を決める大きな要素だと思います。この本では極端に言えば、バカに見えてしまう話し方の例が書いてあります。

例えば、根拠を言わずに決め付ける。 抽象的な難しい言葉を使う。 自分のことしか話さない。自分も気をつけなければいけないなというとことがありました。

今回久しぶりに手にとってまた読んでみようと思った本です。



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bk1書籍年間売上ランキング [文庫・新書・ブックレット]
1 さおだけ屋はなぜ潰れないのか?
2 宝はマのつく土の中!
3 キスは大事にさりげなく
4 頭がいい人、悪い人の話し方
5 耳をすませばかすかな海
6 ハチミツ浸透圧
7 今宵、雲の上のキッチンで
8 彩雲国物語
9 ネコソギラジカル中
10 ネコソギラジカル上
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博覧会の政。学.jpg
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『寝ながら学べる構造主義』 内田樹 / 『愛国者は信用できるか』鈴木邦男

2007年06月15日 | 新書教養


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『寝ながら学べる構造主義』 内田樹


内田氏の著作は私も好きで、本書を含め数冊読んでおります。ブログで取り上げたのは、疲れすぎて眠れぬ夜のために』 『街場の現代思想』 『女は何を欲望するか』 『先生はえらい などでしょうか。


内田氏の著作もよく入試に出されるのですね。今回は天才RYU先生が本書を取り上げます。



■■■

いわゆる「構造主義」についての入門書。だいたいこの手の入門書というものは「入門」とは名ばかりで難しいモノが多いのだけれど、この本は高校の社会科レベルの知識があれば十分読み進められると思います。

逆に言えば、少なくとも大学を目指す高校生であれば、この本を読み進められるだけの知識は付けて欲しい。また、下世話な話にはなりますが、この本に書かれているような知識は、大学入試の現代文でも頻出です。

なぜなら、今現在の大学の先生方は、好き嫌いはともかく、必ずどこかで「構造主義」に触れながらその研究生活を送っているからです。純粋な知識欲という意味でも、大学入試対策という意味でも、読んでおいて損はない本と言えるでしょう。

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◎◎◎◎◎

 

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 『愛国者は信用できるか』 鈴木邦男


鈴木邦男さんは、右翼の論客だと言われていますが、本を読むと意外や意外、まったく従来の右翼のイメージとは異なった主張をされるので驚きます。何と最近は、あの『日本共産党』 を書いた筆阪秀世氏と一緒に!『私たち日本共産党の味方です』 という本まで出しています。

本書もなかなか深い議論が展開されています。

伊藤先生の書評です。



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教育基本法改正で大きく取り上げられた愛国心について、新右翼と呼ばれる鈴木氏が語ります。愛国心だけでなく天皇制についても取り上げています。

過激なことが書かれているかと思いましたが、愛国心という言葉が使われだした歴史や経緯など詳しく書かれており読みやすく、かつ興味深く読み進めることができます。

特に
三島由紀夫の愛国心についての考えについては感心させられました。新右翼ということで身構える必要もなく安心して読めますのでご心配なく。

■■■


新書ブームと言われ、高校生でも読めるようなものはもちろん、中学生で理解できるようなものも増えてきた印象です。その分、玉石混交なのかもしれません。

生徒諸君!ここで紹介したもので、おもしろそうだなと思ったら、ぜひチャレンジしよう。


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寝ながら学べる構造主義

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愛国者は信用できるか

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『ツイてる !』 斎藤一人 / 『個人主義とは何か』 西尾幹二

2007年06月13日 | 新書教養


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『ツイてる !』 斎藤一人


本書を推薦してくれたのは、代々木校の吉野先生ですが、吉野先生ご自身も優れた著作が何冊もある偉い方なんです。なんとあの 『笑っていいとも!』 にタモリさんと一緒にレギュラー出演していたこともあるという大物です。

今度、吉野先生の本もど~んと取り上げますので、期待していて下さいね!また吉野先生の授業を受けたい方は、当教室 までご連絡下さい。あっ、VIVAの授業もなかなか良いですよ(笑)。


さて、本書ですが、著者の斎藤一人さん。毎年長者番付の上位にランクされ、非常に注目を集めた人物ですね。とにかく楽観主義。見習いたい。

では、吉野先生の書評です。


■■■

著者はサプリメント「スリムドカン」などの大ヒット商品で知られる、銀座まるかんの創業者。全国累積納税額の日本一でも有名なつわものだ。

「カネは天下の回り物」ではなく、「カネは天下で回りっぱなし」 を地で進む生き方が投影した堅牢で創造的な文章。私たちの悩んでいることが、どんなにかちっぽけなモノだという現実がよくわかる。

「現在悩んでいることは一年後には消えてしまう」の一文を読んだだけでも、心の霧が消えていくではないか。


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個人主義とは何か.jpg

『個人主義とは何か』西尾幹二



こちらを紹介してくれたのは、テレビにこそ出ておりませんが(笑)、ハンサム、独身、英検一級の福原先生です。

西尾幹二氏と言えば、もとは哲学者で文学博士なのですが、例の 『新しい歴史教科書を作る会』 の旗振り役としての方がずっと有名になってしまいましたね。朝まで生テレビなどに出演し、右翼の思想的リーダーのように言われることがありますが、本書はまったくそういう本ではありません。

本書のありとあらゆるページが入試に引用されているという事実からも、その内容の濃さがうかがえると思います。決して易しくはありませんが。

福原先生の書評です。


■■■

40年前に出版され3年ほど前に絶版になった『ヨーロッパの個人主義』という本に、新しく最終章を加えてこのたび新書として発売されました。

「個人主義」とか「個性」というのは入試の現代文や小論文で頻出のテーマですが、この筆者の本もこれまで何度も取り上げられています。

上智大学で出題された問題を筆者自ら解いたらどうなったか、そのエピソードも収録されていて面白いです。堅い文体で難解な部分もありますが、受験生の方にもチャレンジしてもらいたい一冊です。

■■■


それにしても、30才代で書いた本を70才を越えてから、少し加筆して復刊させるというのはすごいことですね。小林よしのり氏や西部邁氏、それに作る会の幹部とケンカしたり、仲直りしたり…、話題に事欠きませんね(笑)。



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『裁判官の爆笑お言葉集』 長嶺超輝 / 『物語スペインの歴史(人物篇)』岩根圀和

2007年06月12日 | 新書教養

 

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『裁判官の爆笑お言葉集』 長嶺超輝



当教室 6月号のメルマガは、“新書” の特集でした。塾の先生というのは本当に本好きが多く、紹介をお願いしますと、あっという間に興味深い本がいろいろ集まります。先生方本当にありがとうございます。今月も超強力ラインナップです。2冊ずつ紹介しましょう。


さて、いきなり話題の一冊です。このブログでも、法律や裁判に関して 『裁判官が日本を滅ぼす (門田隆将) 』 『最終弁論 (マイケル・S・リーフ)』 『真実無罪(宮本雅史)』 それに、佐藤優氏の『国家の自縛』 など、いずれも印象深い作品を紹介してきましたが、本書も趣はまったく異なりますが、負けていません。

そういえば、昔、さだまさしの『償い』という唄を引用して、被告に反省を促したという裁判官がいたのことが大きな話題になりましたね。今『償い』は絵本にまでなっているんですよ。ご存知でしたか。

本書は裁判官のそういった “不規則発言” とでもいうものを集めた一冊です。

村井先生が書評を書いてくれました。


■■■

裁判官は「法の声」を代弁する。そこに私情は無く、ただ法による無味乾燥な判決文を読み上げるだけ。そういうシステムなので裁判にはどこか無機質なイメージがありますが、人が人を裁くからにはそんなシンプルな話では済まず、やはりそこにも人間の感情がしっかり存在しているようです。

押さえ込まれるはずの裁判官自身の声が聞こえる、この本ではそんな瞬間が見開きごとに集められています。爆笑は言い過ぎかもしれませんが、クスッと笑えるものから感動するものまで、100近い語録とエピソードがあり楽しめました。

裁判員制度の下準備として、「裁判も人なり」を感じておくのも良いかもしれません。

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『物語スペインの歴史(人物篇)』岩根圀和



実はとっても多くの生徒が「新書」を新しい本、新刊本と勘違いしています。「新書」は“文庫”などと呼ぶのと同じで、本のスタイル、形のことですよ。生徒の皆さん、本屋さんへ行ったら確認しておいてね。

さて、こちらはスペイン史を扱ったもので、ぐっと専門性が高くなりますが、世界史受験生なら特に読んでおきたい一冊です。

genio先生による紹介文です。



■■■

中世の大国スペインを彩った6人を贅沢に1冊にまとめたものです。

ドン=キホーテ』の作者セルバンテスや、未完の聖堂サグラダ=ファミリアなど傑作を残したガウディは世界史学習者でなくともご存知のことでしょう。

しかし、私が一番オススメしたいのは、スペイン女王ファナです。神聖ローマ皇帝カール 5世の母親であるにも拘わらず、恋に生きたが故に半世紀も幽閉され続けた彼女は時代に抹殺された悲劇の人と言えるでしょう。

映画化もされていますので、先に映画を観るのも手ですね。


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このブログでスペインを扱ったものがあるかと探してみたら、スペインのみではありませんが大航海時代を扱ったオススメの大作 スパイス戦争
がありました。とてもおもしろい一冊です。



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裁判官の爆笑お言葉集

幻冬舎

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償い

サンマーク出版

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物語 スペインの歴史 人物篇―エル・シドからガウディまで

中央公論新社

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『クジラは食べていい』 小松正之

2007年05月30日 | 新書教養


クジラは食べていい!.jpg



今年はアラスカのアンカレッジで、国際捕鯨委員会(IWC)が始まりました。例によって、捕鯨国イジメのようなものが展開されるはずですが、ここ数年は徐々に環境団体のあやしさが知れわたり、日本などの捕鯨国が他国の理解を得つつあったと感じていましたが、今年はまた厳しい状況に追い込まれそうだと報道がありました。


かつては、日本は単にクジラを獲って食べるということだけで、国際的に孤立し、商業捕鯨を止めさせられ、いまだに調査捕鯨しかできなくなってしまいました。日本人が普通に考えれば、同じ哺乳類である牛を何万頭も殺して食べているのが許されて、なぜ鯨は許せないのか理解に苦しみますよね。

しかも捕鯨に強行に反対している英、米もつい一世代前は捕鯨大国で、儲からなくなったからやめただけです。少し前に、ご紹介した衝撃的なノンフィクション大作、『復讐する海ー捕鯨船エセックス号の悲劇(ナサニエル・フィルブリック(著) 相原真理子(訳) )』 には、実に情け容赦なく、アメリカがクジラを殺して、油だけをとっていたかが書かれています。


ところが今では、国際捕鯨委員会(IWC)が開かれると、周辺で米・英・豪の国々、グリーピースなどの環境保護団体が過激な運動を展開します。そんな中で孤軍奮闘、外国政府や環境団体と“正論”で渡り合ってきた、当時、農林水産庁の小松氏の胸のすくような主張と実際の活動が描かれているのが本書です。 

クジラは食べていい(小松).jpg


官僚と言えば…、松岡利勝氏が自殺しただけでなく、官製談合システムを発案した緑資源機構の「陰のドン」と呼ばれた山崎進一氏までも自殺してしまいましたので、ますます官僚や官僚出身の政治家には、不信の目が向けられて当然でしょう。そんな農林水産庁の一官僚の本なのです。


この方は、本当にすごいです。官僚はどこの国でも悪人と決め付けられている印象ですが、(あえて否定はしませんが(笑))、小松氏の活動がなかったら今頃、捕鯨船は博物館の展示品だけになったのじゃないかと思われるほどの活躍ぶりです。


以下が目次です。



序章 日本の市場から魚が消えてしまう!?(クジラ過剰保護が生んだ漁業者の嘆き)

第1章
 食糧危機を救えるのはクジラだ(このままでは魚がいなくなる!?;「捕鯨禁止」が生態系を破壊する! ほか)

第2章
 IWCに巣食う魔物たち(捕鯨を葬り去ろうとする反捕鯨国の数の暴力;科学的根拠をねじ曲げるIWC本会議の実態 ほか)

第3章
 反捕鯨「環境団体」の正体(金集めのために宣伝行為をする反捕鯨環境団体;南氷洋調査を妨害するグリーンピースの卑怯なやりくち ほか)

第4章
 捕鯨再開までのカウントダウン(京都会議合意からはじまる日本の捕鯨推進運動;IWC健全化は会議の透明化からはじまる ほか)



環境団体の金の流れや、それに乗って票を集めるためには何でもしようとする政治家連中を描いたり、突然、捕鯨反対にまわってしまった小国が、裏で大国や環境団体からのイジメ(おどし)をうけていたなどの事情を調べ上げ、一歩も引かぬ交渉を展開しています。

そういった態度が徐々にではありますが、捕鯨反対だった諸外国の尊敬や信頼感を生み、本当に少しずつ状況は改善されつつあるそうです。こんなサムライのような官僚ばかりなら日本の未来は明るいと感じる次第です。 


本書は確か、勝谷誠彦氏の著作の中で(書名は失念) 推薦されていたもので、勝谷氏は小松氏のような方こそ、総理大臣になれば良いのだとまで述べていたと記憶しています。その気持ちがよく分かりました。真の国際人とはこういう方じゃないかと思います。

鯨の問題に限らず、日本の外交交渉を考えさせてくれる一冊で、多くの方にお薦めします。


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『死ぬための教養』 嵐山光三郎

2007年05月25日 | 新書教養

 

死ぬための教養.jpg


筆者の嵐山光三郎氏は昭和17年生まれ、“笑っていいとも!増刊号” に出演していましたからおなじみでしょう。昨日紹介した、『新書365冊(宮崎哲弥)』 の中でも本書が取り上げられており、評価は BETTER (BESTのひとつ下) でした。

ちなみに、その同じ章にあって、以前ご紹介した 『教養としての「死」を考える(鷲田清一)』の方が、私には印象的だったのですが、宮崎氏の評価は同じ BETTERでした。

本書と鷲田氏の著作はタイトルがそっくりですが、内容はまったく違い、こちらは読書案内として読める一冊です。その刺激的なタイトルでつい読んでみました。本の帯には「『宗教』なんてもういらない。いかに死ぬか、それが問題だ」 とあります。


嵐山氏はこれまで5回、“死にかけた” ことがあるそうで、その治療中、病床で死を意識しながら読んだ本の数々が紹介されています。

その5回がそのまま章立てに使われています。


第1章 一九八七年、四十五歳。生まれて初めての吐血(血を吐いた程度じゃ死ねない(『ミニヤコンカ奇跡の生還』)
物としての自分か、あるいは生命としての自分か(『死をめぐる対話』) ほか)

第2章
 一九九二年、五十歳。人生を一度チャラにする(全勝なんて力士には興味ない(『人間 この未知なるもの』)
芭蕉が最後にたどり着いたのは、「絶望」(『芭蕉の誘惑』) ほか)

第3章
 一九四五年、三歳。初めて死にかけた(作家が書いたものはすべて、小説という形を借りた遺書である(『豊饒の海』)
川端康成の小説にせまりくる人間の死(『山の音』) ほか)

第4章
 一九九八年、五十六歳。ふたたび激しく吐血(そうだ、生きていたいのだ(『大西洋漂流76日間』)
死ぬときは、みんな一人(『たった一人の生還』) ほか)

第5章
 二〇〇一年、五十九歳。タクシーに乗って交通事故(人の一生も国の歴史も川の流れと同じ(『日本人の死生観』)
遺族には、長い悲しみが待っている(『死ぬ瞬間』) ほか)



以下は、そのあとがきの一部です。

長い闘病生活のはてに死ぬ人も多く、いまの時代に求められるのは、自分が死んでいく覚悟と認識である。来世などあるはずがない。いかなる高僧や哲学者でも、自己の死をうけいれるのには力がいる。いかにして悠々と死んでいくことが出来るか。いかにして安心し自分の死を受容することが出来るか。自分を救済しうるのは、使いふるした神様や仏様ではなく、自分自身の教養のみである。

祖母は、九十九歳のときに「いままで好きなことをしてきたから、この世に未練はないが、死んだことはないから、死ぬとはどういうことなんだろうねえ」と言いながら死んでいった。こうなると死ぬことが愉しみにさえ思えてくる。死への考察は、人間の最高の興味の対象であろう。



ホスピスの本をはじめとした、医学関連の本。三島由紀夫の小説、宮沢賢治などなど46冊。非常に幅広く紹介されており、楽しく読めました。実際に本書を読んで購入した本も何冊かあります。


宮崎氏の書評によれば、本書は “看板に偽りあり” だそうです。というのは、竹内久美子氏のような、怪しい科学に感心しているのが気になるということ。また、“死には尊厳などなく、生にもない” という認識に達するのは、教養の出口であり、逆に宗教の入口だというわけです。なるほど、おもしろい見方です。


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『新書365冊』 宮崎哲弥

2007年05月24日 | 新書教養


新書365冊.jpg


最近よくテレビで拝見する評論家、宮崎哲弥氏の書評を集めた一冊で、かなり売れているようです。確かにこれだけ新しい本を一堂に集めたものは、読書の参考にもなるでしょうし、本書を読むだけでもおもしろいです。雑誌『諸君』に連載していたものを、分野別にまとめたものです。

宮崎氏は月に新書を60冊~100冊という膨大な読書量を誇るそうですが、読むだけでなくこうしてすべてを、“ベスト” “ベター” “モア”と “ワースト”を少し、にランク付けをし、講評まで書くというのは、いくら仕事とはいえすごい。


以前取り上げました日垣隆氏も大変な読書家で、『情報の目利きになる』 の中で、速読などについて触れていますが、その時でも話題になったのは、月30冊でした。新書とは書いてありませんが…。


さて、365冊の中身ですが、かなりバラエティーに富んでおり、↓のように分類されています。ただし、分野によって偏りは大きいと思います。


教養    哲学・論理学・数学   政治・国際問題   経済と金融・会計   法と自由   歴史・文学・ことば   社会・会社   若者・教育   犯罪と監視社会   
生きる・死ぬ   科学   脳・心・からだ   メディア   文化   宗教   問題な新書   


ところで宮崎さんという人物に対しては、どうも好悪がはっきり分かれる印象で、私はどちらかというと、(著作を読んだのはこれがはじめてですが)、氏がものをはっきり言うので好きなのですが、みなさんはどうでしょう。ネットではひどい悪口も目にします。

本書を読むと、宮崎氏自身も好き嫌いが激しいのではないかと感じます。365冊の中で私が読んでいたのは、数えてみると30冊ほどしかありませんでした。宗教などの分野が多いのですが、残念ながら私はほとんど宗教関連の新書は未読なので、仕方のないところです。

BESTの評価で、自分もそう感じたものが、『国際政治とは何か(中西寛)』 や 『日本の「ミドルパワー」外交(添谷芳秀)』 と『 ニートって言うな!』。ワーストで拙ブログでも取り上げたのが 『ケータイを持ったサル(正高信男)』。 

また、個人的に世間一般よりもっとずっと高く評価したい仲正昌樹氏の著作、『不自由論』 や他書に、宮崎氏が高評価を与えていると、僭越にも、“おおちゃんと読んでるな” などと、うれしくなったりしますが、逆に、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか(山田真哉)』 などがベストに挙げられていると、“わかってんのかなぁ~”と(笑)。


まぁそんな調子で評価が自分と一致しないものも多いのですが、それはそれで勉強になりますし、365冊もあれば、ほとんど書名程度しかないのかと思ったら、できる限り丁寧にコメントをしている印象で、好感が持てます。

いずれにしろ、どんなレベルになっても、読書とは“独断と偏見”(読書だけじゃないか)なんですね(笑)。


小谷野敦氏の『バカのための読書術』 を読みますと、“知識人という狭い業界” で、付き合いのある著者や著作に、はっきりと優劣を付けるのは難しいと感じますが、本書はどうなんでしょうね。私には、そこまでは判断できません。

そういう懸念や自分との違いなどがあったとしても、これだけの情報量は助かりました。じっくりお読みになって、自分の読書案内というか、参考にされたらいかがでしょうか。私も今後たびたび参考にすると思います。



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『砂の文明、石の文明、泥の文明』 松本健一

2007年04月12日 | 新書教養

 

砂の文明・石の文明・泥の文明.jpg


温家宝氏が国会で演説しました。日本と中国で、“戦略的互恵関係” を築くのだそうですが、何が具体化してくるのでしょう。


さて、昨日取り上げました、『文明の衝突(ハンチントン)』 および 『文明の衝突と21世紀の日本』 では、日本と中国を異なる文明に分類していました。だからぶつかることが多いと。確かに中華思想にあるような、東夷・南蛮・西戎・北狄 という考え方は、日本では異質かなと思います。


ところが、今日、ご紹介する本では、日本・中国だけでなくインドまでを “泥の文明” として一くくりにしています。いろいろな見方があっておもしろいですね。

泥の文明というのは、日・中・印などの東アジアで、水田や、湿地、雨林などが多く、作物など恵みを与えてくれる天を神とみなし、共同体的作業や品種改良といったことが得意な人々が住んでいるところに生まれた文明です。


砂の文明は、アラブ、イスラムなど砂漠地帯の文明で、自ら生産活動ができないために、らくだに乗ってさまざまな物資や情報のネットワークを利用した交易が生まれたところ。バクダッドなどはその折のオアシスの一つだったそうです。  


石はヨーロッパに代表されるような、表土が薄く畑作をしようにも、すぐに岩盤に当たってしまうような土地に栄えた文明です。そういう地では農業の生産性は上がらないために、放牧や、それに手を加えるため、自然を理解し克服するために自然科学や、輸送などの技術開発が進んだという分析です。


簡単に言えばこのように分析をし、それぞれの民族性や社会を論じます。なるほどこうした視点から、世界を三つに分けて俯瞰してみると、すっきり整理できたような気がします。日本人論もおもしろかったです。


主な話題を取り上げますと

■人はなぜ「不毛」な砂漠に住むのか

■中国の「精神文明」、日本の「精神文化」

■「文化」は民族の生きるかたち

■「文明の衝突」はあり得ない

■「アメリカ原理主義」という病理

■アラブの国境線が点線である理由

■なぜ日本車が世界を制覇したのか

■日本文化の底層にあるインド文明

■力のヨーロッパ、美のアジア 



文明論と言っても、系統だった論文ではなく、エッセイのような書き方で読みやすくなっています。3つの文明をそれぞれ比較し、論ずる前に、第1章として「文明と文化の違い」があります。そこの部分だけは中学生にはちょっと難しいかなという気がしました。

目次です

●序章 砂の風土との戦い 

●第1章 文化と文明の違い 

●第2章 石の文明―外に進出する力 

●第3章 砂の文明―ネットワークする力 

●第4章 泥の文明―内に蓄積する力 

●第5章 「泥の文明」の中の日本 

●終章 文明としてのインド再発見




目次や内容を見て、おもしろそうだと思いませんか。実際、おもしろかったので興味のある方はぜひお読み下さい。

 


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『物語の役割』 小川洋子

2007年04月09日 | 新書教養
 

物語の役割.jpg


“人間は、なぜ物語を必要とするのか?”  と帯に書かれています。私は今でも小説を読む割合は10冊に1冊くらいでしょうか。つまり、好きではあっても、あまり読む方ではないのです。


自分にとっての良書というものは、きっといつ読んでも価値が失われることはないのでしょうが、“小説” は特に、“いつでも読める” という気になってしまうので、ついつい後回しにしている気がします。高校生くらいまでは、なぜみんな小説に夢中になれるのか本当に不思議でした。


みなさんはどう思われます。 いったい人はどうして物語を必要とするのでしょうか。


以前、ある英文(英字新聞か入試問題)にそのことについて書かれていたのを読みました。以下のような内容でした。



およそ人の集まりであれば、物語を作らない社会はない。

小さな部族であれ、近代社会であれ、すべて物語を作っている。

人に何かを伝えたい時に、物語にせずに伝えたとしても、それは水蒸気のように蒸発してしまう曖昧なもので、相手の心に残らない。

ストーリーにすれば、人に訴えかける力がある。

昔から、偉大なリーダーたちはストーリーの力をよく知っていて、みなそれを利用している。



なるほど、そう言えば、聖書だって物語かもしれないですね。また、“愛がすべてだよ” と直接言うより、スリリングで感動的な愛情物語の方が心に残るに決まっています。その時はなるほどと思ったのですが、本書ではもっと根源的なことに言及しています。


どんな人でも、物語を心の中で作っていて、それがあるからこそ生きていけるのだというのです。特に受け入れ困難なことに接した時、その現実を誰でも自分の心に合うように転換しながら生きているのだと。

例えば、最愛の子が交通事故で死んでしまった人がいる、実際には飲酒運転をしたドライバーに100%責任があっても、親はおつかいに出した “私のせいで死んだのだ” とか “今は星になって見守ってくれている” そして “残された私の使命は○○をすることだ” というような考えはすべてストーリーを作っているというわけです。


誰でも物語を持っているので、普通の人と小説家の違いは、それを文字に残して表現しているかどうかに過ぎないということになります。「みんな知っていることだけど、言えないことを発見している」 だけだと。そして、ホロコースト文学や日航機の墜落事故のときの遺族のエピソードなどから、人々が作り出している物語を紹介します。


ポールオースターの ナショナルストーリープロジェクト は、拙ブログでも紹介しましたが、本書でもそれを題材にそのあたりのことを説明してくれます。ありとあらゆる困難や逆に楽しいできごとを、みな心で、ある形にして残している。

つまり、小説のストーリーはすでに人の心にあって、それを逃さないようにキャッチするのが小説家だというのです。


そういう意味では、小説家はみんなの後を追いかける役割であって、自分がぐいぐい引っ張る小説などおもしろくないと言い切ります。想像力や空想力もある程度必要だが、むしろ現実に対する観察力や注意力が決定的に重要になってきます。


小川氏の博士の愛した数式 は心に残る名作でしたが、それを例にキャラクターである博士や家政婦さんやルート君が、作者の小川氏より先を行っていて、物語を作っていく様子が感じられると思います。小説の作り方を非常に興味深いたとえで示してくれます。

目次は


第1部 物語の役割(藤原正彦先生との出会い;『博士の愛した数式』が生まれるまで;誰もが物語を作り出している ほか)

第2部 物語が生まれる現場(私が学生だったころ;言葉は常に遅れてやってくる;テーマは最初から存在していない ほか)

第3部 物語と私(最初の読書の感触;物語が自分を救ってくれた;『ファーブル昆虫記』―世界を形作る大きな流れを知る ほか)



もちろん小説家によって考え方も、作り方も違うでしょうが、本書は実におもしろかったです。小説家の心が手に取るように分かりますし、人に対して、人生に対してどこまでも謙虚な姿勢が印象的です。

もっと小説を読もう、という気にさせてくれました。講演の内容をもとに書かれている本ですから、一般の人がその場で聞いて理解できるような分かりやすい言葉遣いです。


多くの人が読んで欲しい一冊です。

物語の役割

筑摩書房

詳 細


P.S. 本書は、大変な読書家で、受験生の母でもある相互リンクの bucky さんに教えてもらいました。ありがとうございました。

buckyさん、絶対一緒に 【中学入試サクセスストーリー】 作りましょうね!



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『この言葉 -生き方を考える50話 』 森本哲郎

2007年04月01日 | 新書教養


この言葉.jpg



いよいよ4月1日、新年度の始まりですね。 当教室 ではまだ春期講習の真っ最中ですが、早いところでは今日が入学式。人生の新しい1ページが開かれる日ですね。


みんな入学おめでとう!


今日もきっと入学式で校長先生に、また教室では新しい担任の先生から、いろんなお祝い、励ましの言葉をかけてもらうと思うけれど、筆者に言わせれば、


言葉は単なる記号や道具ではない、まさに人生の糧である」 


本当にそう思います。君たちも自分の好きな言葉を持っておくのはとっても良いこと。迷ったり、悩んだりした時にどれほどそういう言葉が力になってくれるか知ってほしい。本を読んだり、人から聞いたものの中で、気に入った言葉を見つけたらメモするくらいになれば完璧。自分だけの名言集はかけがえのない宝になります。


この本は、少し前まで、公立高校入試出題率第1位 でした。森本氏は元新聞記者です。筆者が自分の心に残る様々な言葉を紹介し、それをそのまま受け取るのではなく、その言葉に対しさまざまな思索をめぐらし、人生を考えていきます。


古典や文学作品からの、また宗教、哲学など偉人の言葉が多く、それを料理する森本氏の教養や思索の深さがにじみ出ているのですが、その金言をすべて平易な言葉で言い換えたり、具体的なものにあてはめたりして、読みやすいエッセイになっています。全部で50の言葉が出ているのですが、一つの言葉に対しては4ページずつと分量もそれぞれ一定です。


一つ一つが独立した内容ですから、自分のペースで好きな時に、好きなだけ読めばいいと思います。子ども向けに書かれたのではないでしょうが、高校入試に出るくらいですから、中学生でも読めますし、我々大人にとっても大変示唆に富む一冊になると思います。


どんな言葉が取り上げられているのか紹介しましょう。本当は言葉そのものを見てもよく分からないと思いますし、言葉そのものより、それをもとにした森本氏の文章の方がわたしは気に入っているのですが…、参考までに。



おまえじゃない、おまえのいる場所だ―イソップ

機事ある者は、必ず機心あり―荘子

人間は万物の尺度である―プロタゴラス

得たきものはしゐて得るがよし―与謝蕪村

運命は、かく扉を叩く―ベートーヴェン

犀の角のように、ただ独り歩め―仏陀

結婚とは、男が自分の権利を半分にした上で、義務を二倍に増やすことだ―ショーペンハウアー

人間として生きるつもりなら、賢さなんか持つべきでない―エラスムス

問いの悪い者には答えるな―荀子

はなよりほかに知る人もなし―蜀山人

世に盗人の種は尽きまじ―石川五右衛門

諸君、この世は退屈だ―ゴーゴリ

人間は、努力するかぎり迷うものだ―ゲーテ



私は本書を、京都大学をはじめとする国公立大学の長い英作文対策にいつも使っています。京大英語をご存知の方は、あぁ、あんな感じのエッセイかなと思っていただけると思いますが…。


それぞれの文章の中で、たくさんの偉人たちの他の著作も紹介されており、生徒諸君が興味を持って、それらを読んでくれたらとてもうれしいですし、わたし自身、これからもたびたび参考にさせてもらいたい本でした。


皆さんにお薦めします。一年のスタートにもふさわしいと思います。

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