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『入試超難関突破!解ける!英語長文』竹岡広信

2006年06月08日 | 大学受験【英語】参考書など
 

ドラゴンイングリッシュの竹岡先生の長文問題集、16題の長文からなります。CDが音読用に1枚付いています。

竹岡先生をTVで拝見し、その情熱、共感できる指導方法など、すばらしいと思っておりますし、これまで 『ドラゴンイングリッシュ基本英文100』や『センター英語[文法・語句整序・リスニング]の点数が面白いほど取れる本』 も満足できる参考書でした。

しかし誠に申し上げにくいのですが、本書の英文はとても超難関突破のものではありませんし、かなり古く10年以上前のものも含まれており、すでにどこかのテキストに載っているものや、私の知っているものばかりでした。

その上、易しすぎます。確かに学力低下は顕著だと感じておりますが、このレベルでは家で予習すれば、ほとんど間違えないでしょう。東大の英語は、英文自体は易しくても、設問が難しく、ワナがあったりしますが、それにしても、という気がします。せいぜいセンター試験、私立中堅レベルで、“超”難関とはとても呼べない。残念です。

ただし、解説自体はすばらしいです。さすがです。通常の長文読解テキストには出ていない説明がたくさんちりばめられています。それはいくつもあるのですが、一番単純な例で、私もどうしてテキストに載っていないのだろうと思っていたテクニックの一つに『アー』の発音があります。 【要するに、hard と heard などの違いです】

生徒はみんな悩みます。しかし、例外もあるのですが、単に【 ar のつづりと ar以外のもの 】と区別しておけばほとんど正解できると思います。これがうれしいことに本書には出ています。私ははじめて見ました。(ただし、【 ar と ear は違う 】さらに、【 例外は heart と guard 】、と書かれているとより親切ですが)

こういう竹岡先生ならではの、受験生にとって得がたい情報がいくつも載っています。
結局、竹岡先生ほどの力があれば、料理する英文がなんであれ、そこにいろいろな味付けを加えて、内容の濃いテキストに仕上げられるということでしょう。選択した英文だけが悔やまれます。

教える側からすると、確かに英文を選ぶ作業は大変で、ついつい予習や細かなチェックの要らない、知っている英文に頼りがちです。痛いほどわかりますが、やはり竹岡先生には、その労をいとわず、最高の問題集を作って欲しかったですね。

(そういう事情があり、灘高キムタツ先生の東大リスニングのような英文を読解に使いたいと申し上げたわけです)



http://tokkun.net/jump.htm


『入試超難関突破!解ける!英語長文』竹岡広信
旺文社:208P:1428円


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入試超難関突破!解ける!英語長文

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