T.N.T.-SHOW

メカデザイナー山本薫のBlogです~2006・11・30 お仕事募集中 sp2q6z79@polka.ocn.ne.jp

2007年04月19日 プロジェクト・シルフィードの駆逐艦

2007-11-30 20:30:30 | 設定画

 プロジェクト・シルフィードで私が個人的に一番気に入っていたのが駆逐艦です。
宇宙駆逐艦は大変地味な存在で、駆逐艦の研究に熱心だったのは、当時私くらい
だったでしょう。大抵の人は戦艦や空母と言ったイメージ的にもはっきりした物
を好み、巡洋艦や駆逐艦は戦艦のダウングレード艦艇程度に捕らえていました。

 ●駆逐艦
 実際の海に浮かぶ駆逐艦が宇宙駆逐艦と同じというわけでは在りませんが、
少なくとも艦隊の中の位置付けから来る設計概念くらいは参考になる事でしょう。
 駆逐艦はスピードを出すために細長く、強力なエンジンを搭載し、短時間に
集中的に発揮される強力な武装を備えています。これの意味する所は、スピード
を生かした一撃離脱戦法に特化した艦艇と言うことです。
 軽量化が進んでおり、装甲板すらなく、損害によっては船体がポッキリと折れる
事も珍しくありません。
 量産によって多数が建造され、数量で威力を発揮する事を前提にしており、消耗
しても補充をしやすいよう、2~4隻で駆逐隊を編成して行動します。これらは
戦闘機の概念とよく似ていると言えるでしょう。

 おおよそ、このような概念を押さえていましたが、絵にしてOKが出なければ
意味がありません。幸い、最初のラフスケッチでOKが出ましたが、立体的に
不完全だったらしく、モデリングの時点で形が変わってしまいました。
 このような時、メール等で連絡を取り合えば、数時間でスケッチによる指示を
出せるのですが、当時の状況はひっ迫していたのか、それはなされませんでした。
Photo_110

 ●駆逐艦 リファイン
 一度手がけた仕事を、後になって私的に書き直したりする事はまずありません。
しかし、クリンナップするとラフの時の勢いが薄れてしまったり、仕事をしていた
当時、コンディションが悪かったりすると、後々まで後悔が残ったりします。
 これは良くある、「今描いたらこうなる」ラフです。少しはましに見えますね。
Photo_111


2007年02月15日 プロジェクト・シルフィードの対空フリゲート

2007-11-30 20:01:23 | 設定画

 去年発売されたXBOX360用TVゲーム「プロジェクト・シルフィード」の
宇宙艦艇のデザインに参加していました。
 艦艇のほとんどはゲーム上に存在して、被弾したり破壊したりします。主人公の
機体との大きさの対比が厳密に求められ、デザインへの反映が必要でした。
 以下、チーフデザイナーY氏とのやり取りに使ったラフスケッチとクリンナップ
直前の下書きです。デザインの変遷の流れをご覧下さい。

 ●対空フリゲート ラフ 1
 最初は、大型艦艇の周囲をフォーメーションを組んで守る事を考えました。
 ゲームの見やすさの関係で、宇宙船に上下を付けると言う注文があり、それを
取り入れたものですが、これは不評で、次のデザインを考えました。
Photo_105

 ●対空フリゲート ラフ 2
 可動式のアームに砲塔群を配置した分りやすいデザインに変更しました。
傘型に対空砲火を前面に展開して、僚艦と防御網を形成します。
 砲塔が大きく、スケール感が合わないと指摘を受け、修正する事になりました。
また、可動部もオミットされ、矢印のような形に固定されます。
Photo_106

 ●対空フリゲート ラフ 3
 ほぼこの形でOKが出ました。細かな指摘がいくつか出て、時間もないので
下書きからクリンナップに移ります。
 この艦艇の前に、別のデザイナーの手になる大型戦艦の設定画があり、
同じ陣営の艦艇に見えるよう、特徴を合わせて行きました。
Photo_107

 ●対空フリゲート 下書き
 モデリングのスタッフが立体的に分りやすいように、 斜めからデッサン
して行きます。一枚の設定画に2パースをレイアウトして、全周囲を把握
できるように描きます。
 後方パースの艦尾を長く描きすぎたので、切り貼りで修正してあります。

Photo_108 Photo_109

このデザインがどのようになったかは確認していません。
ムービー内には小さく写っていますが、それと注意しないと分りません。
前から見ると一本の棒になってしまうせいかもしれません。


2007年02月12日 海中の建造物

2007-11-30 19:22:53 | 設定画

 通信対戦ゲーム「ブルー・スフィア」のために潜水艇と海中建造物を手がけました。
このゲームは製作発表はあったものの、技術的な困難のため開発中止となりました。
当時のネット通信速度は、現在と比べてると非常に遅く不安定でしたので、通信対戦
ゲームの企画の多くが開発中止となったそうです。
 ●海底ドーム 1
 ゲームでは、プレイヤーは潜水艇の搭乗者となり、様々な仕事をこなして報酬を
受け取ります。そうしてパーツや船体を買い換えて、より高性能な機体を手に入れる
と言うシステムでした。
 海底ドームは、そのための根拠地として各所に設置されています。各種ドックと
生活のための機能や、場所によっては工場や採掘場がある場合もあります。
 このラフは、あたりをつけるために好きなようにイメージ展開したものです。
Photo_99

 ●海底ドーム 2
 ドームには、小さなユニットが多数集まった村型のものと、大きなユニットが少数
ある城型のものがあります。いずれもその地の歴史や地理的事情を反映した物ですが、
製作の事情としてポリゴン数を少なくする事が必須でした。丸や曲面はポリゴン数
を沢山必要とするので、出来るだけ控え、形も簡単にするように指示を受けました。Photo_100

  •  

 ●海底ドーム 3
 このドームは、少し変わった形を意図してデザインしました。
平面の海底にばかりドームが建造されているとは限らないと思い、崖の中腹や入り
組んだ隠れた場所にあったらドラマチックだと考えました。
 しかし、海底のポリゴンの表現の関係で、オーバーハングした地形は不可能だと言う
事が判り、アイディアは没となりました。Photo_101

 ●海底ドーム 4
 このドームは、海溝の底部に設置された地熱発電所です。
 架空の惑星ブルースフィアは、厚い海洋に覆われた海の星です。そこには独自の
生態系と惑星の地殻運動があります。私は、SF設定として、惑星が衛星と恒星の
潮汐力によって変形を繰り返す事による地熱の発生を考えました。地熱は海底の
熱水鉱床となって噴出し、その周囲に生物の生態系を形成するのです。
 当然、その熱水を発電に使う事ができるはずです。

Photo_102

●海上ロケット発射場
 先ごろ、ボーイング社傘下のシー・ローンチの海上ロケット発射施設オデッセイで
爆発事故がありました。メインロケット点火直後に爆発し施設は火に包まれましたが、
被害はほとんどなかったそうです。このような事態を想定して、耐爆仕様になって
いたのでしょう。
 約8年前にも、私はその様な事を考えてこのようなデザインを描きました。
 海中のフロート部から支柱でプラットフォーム部を支える形式は、波浪に影響され
にくいと聞いて取り入れたのです。オデッセイもこのような形式になっており、この型
は今後のオーソドックスな形になると感じました。Photo_103

●軌道エレベーター基部
 大規模な惑星開発の場であるブルースフィアには、数基の軌道エレベーターが設置
されています。その基部をどうするかを考えました。
 海底までエレベーターシャフトを伸ばすかどうかは考えず、交通の頻繁な海面付近
がどうなっているかに関心がありましたので、そこをアップで描きました。Photo_104

 ブルースフィアの製作当時、青の6号の製作も発表されており、意識してデザイン
を進めたのを憶えています。元々、向こうはアニメで、こちらは通信対戦ゲームでし
たので、使えるポリゴン数に雲泥の差があり、アイディア勝負になると考えていました。
 しかし、前述のようにゲームは開発中止になり、潜水艇のデザインは一部がサイト
で紹介されましたが、ゲーム上で動かされる事はありませんでした。


2007年02月07日 巨大飛行艇

2007-11-30 19:14:04 | 設定画

 ガングレイヴODというTVゲームの為に描かれた巨大輸送機の設定です。
 最初にハワード・ヒューズの巨大飛行艇の写真資料を参考資料として渡され、
バトルステージとなるので内部の様子も必要だと依頼されました。
 デザインは少しレトロな感じにして、内部に巨大なカーゴスペースを作り、
主翼は高翼配置でエンジンは六機と言う指定があり、オーソドックスな形態に
なりました。

 ●巨大輸送機
 演出の関係で、飛行艇でありながら車輪を出し入れできて、地上からも発着
できるようにデザインされています。エンジンやコクピットを、わざと小さく
描く事で巨大感を出しました。
 主翼を直線テーパー翼にして古い感じを出しましたが、ここが戦闘のステージ
となるため、それ以上の事はしませんでした。Photo_96

  •  

●巨大輸送機 内部
 尾翼近くから侵入した主人公は、敵を倒しつつ前へ・・・と言うシナリオ
を具体的に実現するため、上下二階建ての構造を提案し、OKをもらいました。
現実にこのような機体構造は可能です。
 翼内通路は、旧式の大型機にあった物ですが、普通はインテグラルタンク
となって燃料が入っているものです。これは主人公とステージのラスボスが
主翼上で対峙するイメージスケッチのために描きました。
Photo_97

 ●巨大輸送機 コクピット
 レトロな感じのコクピットと言う事で、メーター類やレバー類に工夫が必要
でした。正・複操縦手の後ろは通信士席(右)機関士席(左)となっています。
しかし、ポリゴンでの表現となるので、あくまで立体的には簡単にするのが
基本ですね。
Photo_98

  •  

●VTOL機
 ガングレイブの敵には東欧風傭兵団が出るという事で、旧ソ連兵器がモデルの
機体がいくつか出てきます。このVTOL機は没になった物で、ヤコブレフの
試作機Yak-141をそのまま描いてあります。
 まだ開発スタッフの方でイメージがまとまっていなかった段階だったので、
その後ヘリコプターを経てフライングジープと呼ばれるVTOLマシンに
変更されました。
 実機をそのまま描くと言うのも、むずかしいものです。

Vtol

 リアルで使い込んである兵器は、日ごろからの研究やこだわりが物を言います。
しかし、実際にはそれほど需要がないという労多くして実り少ないメカです。


2007年02月02日 宇宙の戦士のパワードスーツ(オリジナル)

2007-11-30 19:06:44 | 設定画

 シドミードがSF映画のメカデザインで活躍した80年代、私も影響を受けて
そのタッチを模倣していました。その後の自分の絵柄をそのまま固定するつもり
ではなく、一種の通過点として学習するつもりでした。
 1985年ごろ描いたこのパワードスーツは、NASAの宇宙服を参考にスタジオぬえ
の物と違うイメージを探りました。その当時の流行に逆行し、スマートなフォルム
と柔らかいパーツを取り入れたため、全くアニメ的ではありませんでした。
しかし、複合材等の特性から、充分な防弾性を持った材質が将来的に実現すると
考えていたので、その点は問題にしていませんでした。

 ●装甲強化服 (前)
 問題だったのは、「いかにして動力によるアシストをするか。」でした。
 当時はロボット工学もまだ稚拙で、小説内にもそれほど具体的に描写されて
いた訳ではありません。人間の関節をその外側からトレースするには、構造的
にどうしたらよいか。これが、一つの命題でした。
 結局、絵のように肩は後上方から支え、脚は腰の後から支えるという方法
になります。Photo_93

 ●装甲強化服 (後)
 小説中では、パワードスーツが空を舞い、核砲弾を発射し、火炎放射器や
手榴弾を使って破壊の限りを尽くします。そうした描写を小説中から抜き出し、
外形に反映させて行きました。ジェット噴射ノズルを重心付近に持ってきた
のは、この位置にないと飛行中の姿勢制御が難しいのではないかと考えたから
ですが、この大きさでは小さすぎるようです。Photo_94

 ●撤退用小宇宙船
 おまけですが、彼等の命綱とも言えるロケットです。
ベトナム戦争では、兵士がヘリボーン作戦を展開し、小説のごとく敵中から
空へ撤退して行きました。
 ロケットは底部を下に着地し、兵士の搭乗を待って発進します。
搭乗のしやすさから言うとスロープをもっとゆるやかにするべきでした。Photo_95

少しいじれば、今でも通用するデザインではないかと思っていますが、
いかがでしょうか?

追記:この三点のイラストは、既に小部数ながら個人誌で発表ずみのものです。
 


2006年12月27日 使われなかったロボット 2

2007-11-30 02:23:38 | 設定画

メカのモデリングには三面図を要求される場合があり、それを元にポリゴンCGが
作られます。例の使われなかったロボットも三面図を書く予定でしたが、下書き段階
で止まっています。Photo_59

このような作業は、単調で苦痛に満ちていますがCGに起こす手間を軽減するため
有効な手段だと言えます。最近では自ら3Dモデリングを行うメカデザイナーが主流
だそうです。

 メカデザインで楽しいと思えるのは、アイディアをラフにまとめる段階だと思います。
しかし他人とのチーム作業である以上、自分の気に入った案が通る訳ではありません。
 使われなかったロボットのラフ段階はこのような物でした。☆印の「角っぽくとがらす」
は、打ち合わせでの要求です。武器の装備ポイントが胸のファンの周囲をレールに
そって動くアイディアでしたが、この時点で没になりました。

  • Photo_33

ラフをもう一枚。これは実際にゲームに登場した機体の第二案です。
この時点でかなり気に入っていたのですが、日本の機体だからもっと日本らしくする
ように要求が入り、さらにモデリングのチームが全く三面図を無視してしまい、結果的に
残念な評価を得るに至りました。
デザイナーの立場では監督発言に制約があり、それが悪い方向に出る事があります。
それらは反省材料とするしかないのです。Photo_60


2006年12月19日 プロジェクト・シルフィード

2007-11-30 02:21:32 | 設定画

今年10月発売されたTVゲーム「プロジェクト・シルフィード」に参加していました。
私の担当したのは、主に宇宙船と絵コンテでした。地球側戦艦と巡洋艦はCGムービーで
きれいに動いていましたが、設定画はおそらく初公開でしょう。一応許可も得ております。

●戦艦
ポリゴン数を低く抑え、かつ巨大感を出すという相反する要求に応えた上に、
製作を簡単にしてスタッフの負担を減らす目的から、このような形状になりました。
演出の関係で、他のデザイナーの手によって艦首に砲塔といわゆる波動砲が書き加え
られました。私は不満でしたが、製作上飲まねばならない要件でした。Photo_57

●巡洋艦
やはりポリゴン数の制限からこのようになりました。上下がなく、完全に対称です。
船体中央の四角い物は動力炉で、そこから出ている四本のアンテナのような棒は、
動力炉直結で一発のみ横方向へ撃てるエネルギー砲でした。演出上使われない
と考えオミットしました。Photo_58

●巡洋艦・補稿
主砲塔を特別にデザインしました。元になったのは旧日本海軍の駆逐艦の砲塔です。
宇宙戦艦の主砲といえば、細長い多連装の砲身というイメージが強いので、その逆
をやって独自性を出しました。Img00001


2006年12月13日 未使用になったロボット

2007-11-30 02:19:34 | 設定画

外国にモデリングが発注される事がよくある業界ですが、完成度が不充分なため
リテークを重ねることがよくあります。
そのためスケジュールが圧迫され、断念せざるを得ない部分も多々出てきます。
このロボットもそうした一つです。
登場機種を減らして他の完成度を高める目的でお蔵入りにしました。

Amax Amax_2

  • こうした設定には、補稿を書いて理解を深めてもらう努力もします。
    外形だけをモデリングする場合、不必要な部分でもありますが、設定の
    作家性・オリジナリティーを考えると、外せない部分だと考えています。
  • Amax_3

2007年01月30日 パワーローダー

2007-11-30 01:43:28 | 設定画

 映画「エイリアン2」の作業用パワードスーツがパワーローダーと呼ばれる物です。
CGに頼らず実物大で画面内を動くパワーローダーの迫力は、以後多くの影響を残し
ました。一種の固有名詞であるにもかかわらず、パワーローダーを描いて欲しい、と
発注され描いたのがこれです。
 それそのものではまずいので、フォークリフトを元に独自の形態を考えました。
しかし、あくまで発注通りパワーローダーに見えるような配慮はしました。

 ●パワーローダー (前)
 ラフスケッチの時点では、ガラスで被ったキャビン部分がもう少しつぶれた感じ
でしたが、なぜか再三リテークが出され、エイリアン2の物とよく似た形に戻され
ました。そっくりでは都合が悪いと考えたので、独自のギミックも考えましたが、
ゲーム上で再現されたかはわかりません。
 右腕の削岩機は、杭を撃ち出す兵器として使われたそうです。そして、歩行では
なくローラーダッシュで動き回ったとの事ですが、それは未確認です。

  • Photo_24

 ●パワーローダー (後)
 肩の部分がフォークリフトのように上下するようになっていて、作業用のローダー
には専用の腕が付きます。重い貨物を持ち上げるために、バラストを兼ねたパーツ
が背面に配置されています。

Photo_54

●パワーローダー輸送車
 輸送車に乗って、複数のローダーが主人公の前に現れるというステージの演出
のために描かれました。ただのトラックでは面白くないので、背の低いシャーシに
ロールバー等を配置し、特殊な形としました。Photo_55

  • Photo_56

今見ると、各図の人物対比が少し大きいようです。


2007年01月29日 パワードスーツ

2007-11-30 01:43:02 | 設定画

 HALと言う介護用パワードスーツが実用段階になっていますが、私の世代の
メカデザイナーにとってパワードスーツといえば「宇宙の戦士」のそれです。
 宮武一貴氏によって描かれた小説用挿絵は、小説本編をはるかに越えて、私達
に影響を及ぼしました。その後、多くのクリエイターがそのデザインに挑みます。
 機械のパワーによってアシストされた鎧は、一種の憧れと羨望を持って男の心
をひきつけたのです。しかし、時代が下って萌え全盛となると、なぜかその魅力
は薄らいで行きました。半ばあたりまえのファッションのように軽々と画面の中
を飛び回るパワードスーツには、以前のような威容も重厚さもなくなったのです。

 ●パワードスーツ (前)
 このパワードスーツはヒロインが乗り回す車等の中の一つとして、脇役程度に
描かれました。普通なら箱に手足をつけた位でよかったのかも知れませんが、
それではアピールしないと考え、凝った形を考えてみました。
当時から日本のアニメが海外から注目されており、外国向けも視野に入れた
ゲームでは、デザインにアニメ的要素が必要ではないかと考えたのです。
 それでも時間の制約があったので、かなり妥協したギミックとなっています。

Photo_22

●パワードスーツ (後)
 装着者の両腕は胸部の内部におさまってマニュピレーターを操作します。
足はパワードスーツの膝のあたりまでしか入らず、太ももの部分に足を曲げるだけ
の空間があります。脚を支えるメカニズムが背中まで被っており、その上の上半身
との結合部は、スリップする1/4のターンテーブルになっています。
 明らかに、必要な間接数が不足しているのですが、モーションの方に任せるしか
ありませんでした。これは私の研究不足です。

Photo_23

  •  

これがいったいどんな評価を受けたのか、結局は判らずじまいでした。
これに限らず、私のデザインは沈黙を持って迎えられる事が多く、いつも
苦慮しているのです。