プロジェクト・シルフィードで私が個人的に一番気に入っていたのが駆逐艦です。
宇宙駆逐艦は大変地味な存在で、駆逐艦の研究に熱心だったのは、当時私くらい
だったでしょう。大抵の人は戦艦や空母と言ったイメージ的にもはっきりした物
を好み、巡洋艦や駆逐艦は戦艦のダウングレード艦艇程度に捕らえていました。
●駆逐艦
実際の海に浮かぶ駆逐艦が宇宙駆逐艦と同じというわけでは在りませんが、
少なくとも艦隊の中の位置付けから来る設計概念くらいは参考になる事でしょう。
駆逐艦はスピードを出すために細長く、強力なエンジンを搭載し、短時間に
集中的に発揮される強力な武装を備えています。これの意味する所は、スピード
を生かした一撃離脱戦法に特化した艦艇と言うことです。
軽量化が進んでおり、装甲板すらなく、損害によっては船体がポッキリと折れる
事も珍しくありません。
量産によって多数が建造され、数量で威力を発揮する事を前提にしており、消耗
しても補充をしやすいよう、2~4隻で駆逐隊を編成して行動します。これらは
戦闘機の概念とよく似ていると言えるでしょう。
おおよそ、このような概念を押さえていましたが、絵にしてOKが出なければ
意味がありません。幸い、最初のラフスケッチでOKが出ましたが、立体的に
不完全だったらしく、モデリングの時点で形が変わってしまいました。
このような時、メール等で連絡を取り合えば、数時間でスケッチによる指示を
出せるのですが、当時の状況はひっ迫していたのか、それはなされませんでした。
●駆逐艦 リファイン
一度手がけた仕事を、後になって私的に書き直したりする事はまずありません。
しかし、クリンナップするとラフの時の勢いが薄れてしまったり、仕事をしていた
当時、コンディションが悪かったりすると、後々まで後悔が残ったりします。
これは良くある、「今描いたらこうなる」ラフです。少しはましに見えますね。