T.N.T.-SHOW

メカデザイナー山本薫のBlogです~2006・11・30 お仕事募集中 sp2q6z79@polka.ocn.ne.jp

銃器の設定 3

2008-02-25 00:26:53 | 設定画

 銃器の設定を書くときに、根本的なアイディアから考える場合があることは

以前、銃器の設定の項で述べました。今回はその例について紹介します。

 そして物によっては、それが外部へ影響をあたえることもあります。

今回の場合、その判断はご覧になる皆さんにゆだねましょう。

Photo

  •  

 ● グレネード・ガン ラフ

 宮武一貴氏が新たにデザインしたパワードスーツのために、武装のバリエーション

を増やす為に考えられたデザインです。このアイディアはゲーム世界にありがちな

無限に撃てる銃器の要求に対して、ささやかな抵抗を示したものです。

 図のようにチューブ内に弾丸が5発装填されており、スプリングで後方の機関部へ

送られます。1チューブを撃ちつくすとストッパーが外れ、ゼンマイバネによって弾装

自体が1/6回転し、次のチューブが機関部へ弾を供給する仕組みです。

 平成10年4月10日の日付があり、このアイディアは採用されず眠る事になります。

ゲーム自体も製作会社間のトラブルで製作中止になり、その後会社も倒産しました。

Photo_2

  •  

 ● ショットガン ロング

 のちに上のアイディアを引き継いで、この設定が描かれました。

弾装チューブは控えめに四本になっていますが、作動原理自体は同じです。

このゲームも製作会社が売り込みに失敗して製作中止となり、設定は日の目

を見ずに今日までお蔵入りとなりました。

 さて、先日ある筋から以下のショットガンの発表があったことを知りました。

SRM Arms High-Capacity Model 1216 Rotary-Mag Semi-Auto Combat Shotgun

http://www.defensereview.com/modules.php?name=News&file=article&sid=1095

ロータリーマガジンのショットガンとあります。これはおそらく、私のアイディアとほぼ同じ物

ではないでしょうか?

Photo_3

Photo_4

  ● セミ・ブルパップガン

 と名付けましたが、実際のところ名称がどうなるか分かりません。

と言うのも、上のアイディアと同じく、同一の作動原理の銃が先日発表されたからです。

 設定自体は、ショットガンと同じゲーム企画のために描かれた物で、外見は普通の

銃器に見えます。しかし、銃器に詳しい方が良く注意して見れば分かりますが、銃身

が、かなり後方にまで延びており、内部構造が特殊な状態になっている事が分かります。

Photo_5

Photo_6

  ● セミ・ブルパップガン アイディアスケッチ

 左上が平成12年10月23日の初期スケッチです。これは重機関銃のベルトリンク

から弾丸を引き出す機構から思いついたもので、簡単な概要をメモしたものです。

少しでも銃身の長さを稼ぐ為のみならず、私独自の考えに基づいて、ブルパップ形式

は銃口の跳ね上がりを押さえやすいという特徴を具現化したものです。

 弾丸はマガジンから後方へ抜き取られ、ショットガンの機構のようなキャリアーに

よって上に持ち上げられ銃身に装填されます。この時点で、マガジンから弾丸を

引き出す方法と押し出す方法の二つを考えています。

Photo

  ● 発射サイクル

 発射サイクルを具体的に考えました。一応、押し出し式を元に描いてありますが、

引き抜き式のほうが銃機関銃のメカを応用できると思います。

 こちらの銃器についても、先日よく似たものの発表がありました。

The Boberg XR9 Introducing the world's most powerful 9mm pocket-sized pistol.

http://bobergengineering.com/cross-section.htm

 ほぼ同一の作動アイディアです。若干異なるのは、私が銃身をもっと後方へ

延ばしたために、作動方式がガス圧になってスライドが二つになっている点でしょう。

 勿論、このアイディアも本日が初公開となります。個人的にも他人に解説したりは

していません。

 一体、どういった経緯をたどって情報が流れたのか、非常に興味のあるところです。

ご存知の方は通報もしくは書き込みでお知らせ下さい。

 ただ、ここで一つ明らかにしなければならないのは、私の態度と立場です。

私は、上リンクで示された銃器会社を告訴しようとか難癖を付けようとか言うわけではありません。

私の所有するアイディアを盗み、流通させた不法行為にたいして嫌悪を抱いているのです。

彼らの行為は私に不利益を与えるばかりか、クリエーター間に不信と対立をはびこらせるものです。

今後の創作者たちの正常な進歩発展を考えると、彼らのような不法行為は厳しく断罪されるべき

行為であると考えます。

 この項で示された物意外にも、多くのアイディアや個人情報が不法に持ち去られた形跡があります。

それらは、今後もおりに触れ公開してゆく予定ですが、不法行為の断罪については、ご覧の方々の

御協力を切に望むものであります。

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ガングリフォンの戦車

2008-02-16 22:04:09 | 設定画

B

陸上自衛隊の新戦車が発表されたので、戦車の設定を紹介します。

上図は、没になったゲーム企画のために描かれたもので、「戦車と詩」

に貼ってあるやつです。TK-Xにちょっと似てますので。

 ガングリフォン・アライドストライクでは二輌の戦車を新しく設定しました。

ゲーム世界の舞台は未来のミャンマー。敵として登場する兵器は、先進国

から見れば既に過去の二線級となった兵器が中心で、登場する戦車には、

その微妙な背景が投影される必要がありました。

T10

T10_2

  ● ロシア輸出戦車 T-10

 2002年当時、集められる限りの資料を元に、ロシア的な戦車を考えました。

飛来するミサイルを迎撃する近接防御システムを搭載し、砲塔のバスルに

自動装填装置用の砲弾を備えます。

 前述の事情で革新的な設定はされておらず、普通のロシア的戦車に見える

ように描かれています。

Photo

Photo_2

  •  

  ● 中国 6式戦車

 当時中国は様々な戦車のバリエーションを開発し、躍進期にありました。

ソ連から供与された戦車のコピー生産から脱し、独自のデザインを持った

戦車が登場していました。

 ゲームの製作現場では、過去に作ったポリゴンモデルの使いまわしが出来

ないかと相談されており、右図の提示がありました。

 そこで、若干の修正と追加で再使用できるように答えたのが、この設定です。

縦に長い砲塔のポリゴンモデルを、後ろをバスケットと解釈すると同時に、各種

センサーやキューポラを追加して中国戦車らしさを演出しました。

  • Photo_3

  ● 戦車撃破 ラフ

 宣伝用のカラーイラストのラフです。

このゲームでは、戦車は撃破されるターゲットであり、脇役にすぎません。

いつか戦車が主役のゲームに携わってみたいものです。

  • Photo_4

   ● 半固定レーダーサイト

 おまけです。

 旧式に見える設備を要求されて、牽引式のレーダーを描きました。

このゲームでは他にいくつもの車両や設備を描きましたが、それらは

またの機会にいたしましょう。

 こう言う味のあるデザインも好きなのですが、ゲーム画面に反映され

るケースは少ないです。

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人物の設定

2008-02-14 00:03:13 | 設定画

 昨日まで、新規の仕事をしておりました。

このブログの初期の目的が新規仕事の獲得にあるのですが、ここに一応

目的を達したことになります。

 仕事は単発で純粋なメカの仕事ではないので、今後の発展を祈るのみ

ではありますが、ほぼ2年ぶりの仕事はさすがに有り難く、楽しみながら

させて頂きました。

  • Photo
  • Photo_2

   ● ガングレイヴ 傭兵

 以前にも似たような仕事をしたことがありますので、それを掲載します。

ガングレイヴODと言うTVゲームの敵側兵士の設定をしました。

東欧風傭兵集団という指定でしたが、そこそこコミカライズした設定を

要求されたのを憶えています。 

 この設定は、公式設定書で公開されています。

 Donnar   

Donnar_2

  •  

 ● ボディ-スーツのスケッチ

 これは、私的な漫画企画のために書かれたスケッチです。 

平成12年11月6日の日付けがありますが、今日が初公開になります。

どこかで見かけた場合、それは不正に流通したものなので、通報して下さい。

 今回の仕事はこれと上の兵士の中間のような設定を描きました。

 昨日は、某画像掲示板でこのブログに関するスレが立ったらしく、250

ほどの異例に多いアクセスを戴きました。これによって、何らかの発展が

あるとよいのですが。また、それとは別にガングリフォン系のサイトから多数

のアクセスがあり、管理者の方からもコンタクトをいただきましたが、なにぶん

6~7年以上前のことでもあり、対応に微妙なニュアンスを含んでおります。

 リサーチしてみますと、厳しいご意見の中にも評価される意見もあり、今後

の参照として大いに参考となる重要な機会となりました。関係者各位の方々

には、感謝いたします。

 それと、本日は陸上自衛隊の新戦車の公開がありました。そのデザインが

意外と今風で、かっこよかったのには驚かされます。機能的にも、革新的

な部分が多くあり、新時代の到来を予感させるものでありました。

 空自の技術開発のための機体・心神と言い、日本の兵器開発もまだまだ

捨てたものではないないようです。

 

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ノガホート クラーバ

2008-02-06 23:48:38 | 設定画

Photo_5

  •  

  ● ロシア四脚戦闘車 

 ガングリフォン・アライドストライクで唯一新しく登場する四脚AWGSです。

厚い装甲と多くの機材を搭載し、設定の上では飛来するミサイルを撃墜する

装備も備えています。車体に二名の乗員と無人砲塔を備え、実在の戦車が

そうであるように移動要塞のような雰囲気を出しました。

 名称のノガホートとは、ロシア語の「歩行」「車両」の直訳から作った造語で、

ゲーム上では使われていません。クラーバとは「蟹」クラブの事で、ブルータル

クラブなどの四脚AWGSとの共通点を考えて命名しました。

  • Photo_6  

  ● ロシア四脚戦闘車 三面図

 ご覧のように特殊な脚構造をしています。

 四脚歩行メカを考えた場合、前後の脚が干渉して歩幅が狭くなる

ため、移動速度や運動性が制約されます。この図ように、前後の脚

の長さを変えて干渉しないようにすれば、運動性能が向上するという

アイディアです。

 ローラーダッシュ等の手段に頼らない限りでは、かなりのスピード

アップが期待されました。

  • Photo_7

   ● 上下運動

 とはいえ、HIGH-MACS等の二脚AWGSに比べれば劣速の四脚

ですから、それなりの戦法で闘う必要があります。車高を高い位置から

低い位置まで素早く変化させる構造を考え、遮蔽物の後ろに隠れて

有効な装甲と火力で攻撃する、パックフロント戦法を示唆しました。

 実現していれば、面白いオブジェクトになったと思います。

Photo_8

   ● 細部 etc

 このように、脇役としては細かいディテールと性格付けをしましたが、

ゲーム上では単なるマトとして少ない登場回数しか与えられず、こちら

からの注文等は製作時間の制約から、断念せざるを得ませんでした。

 脚構造が未完成で練り直しが必要なのではと思う私の懸念とは、遥か

に違う次元でゲームの製作は進んでいました。

 私は、製作会社との長大な距離的隔たり以上に、ゲーム作りにかける

明らかな温度差のような物を感じざるを得ませんでした。

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R-MACS ミル アリヨール

2008-01-28 22:48:50 | 設定画

 引き続き、ガングリフォン・アライドストライクから。ロシアのAWGS R-MACS アリヨールです。

アリヨールは、ロシアが過去の戦訓を元に開発した輸出機体で、HIGH-MACSの

半分の価格と同等の武装、はるかに高速の飛行性能を持っています。

  •  Photo

  ● R-MACS 前

非常に細い印象を与える前からの絵ですが、これでもいくらか太めに修正してあります。

このメカに限らず、アライドストライクで私がデザインしたAWGS陣は、正面からの眺め

に適していません。理由としては、航空機の特徴を大幅に取り入れたため、側面や上面

で特徴が出やすくなっており、斜め前方がベストアングルになっているからです。

 これは、とりもなおさず立体にして見栄えがよい物を狙ったためであり、見せる演出にも

注意が必要だと言えます。

Photo_5

 ● R-MACS ラフ

 これは今描いたラフです。このように見せれば特長的な外観をアピールできます。

しかし、当時の製作スタッフはガンダムなどに慣れ親しんだ方達で、ロボットは

正面立ちポーズが基本であると言う固定観念を持っていたふしがあります。

 ゲーム内の機体のセレクト場面では、残念ながらその辺が裏目に出てしまい、

大失敗となりました。

  • Photo_7

 ● R-MACS 飛行形態

 旧ソ連では、海面効果船と呼ばれる特殊な飛行機の研究を行っていました。

その特徴は、地面すれすれから数10mまでの飛行高度で、地面と主翼の

間にはさんだ空気層をクッションのように使う飛行方法にあります。

 ロシアのAWGSと言う事で、それを特徴的に使う事を考えデザインを進めました。

脚部分は単なる降着装置であり、走るのは苦手です。実際の戦闘ともなれば、

高速で飛行して一撃離脱を繰り返す事になるはずでしたが、ゲーム上のそれは

高速で肉薄して着地・横移動で攻撃を繰り返すものであり、華麗に飛行する

私のイメージとは、いささか異なるものだったのは残念なところであります。

  • Photo_8

 ● R-MACS 改稿

コクピットが狭いのではないかと指摘を受け、改稿を描きました。

造形スタッフの方々は、捉えにくい胴体の形状を良く再現して下さいました。

 私はゲームのデバックに参加し、一ヶ月あまりをゲームの操作に費やしました。

操作の仕方によっては、非常に高等な戦闘場面を演出できるゲームでしたが、

少々やった程度では真価を引き出す事は難しく、プレイヤーを選ぶと感じました。

 

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A-MAX ブラック・フット 2

2008-01-13 22:46:26 | 設定画

  ●HIGH-MAX 初期ラフ

 A-MAXは、最初は新ガンガングリフォンとして考えてデザインされていました。

実際に仕事を契約する前からアイディアをまとめに入り、完成度を高める努力を

していますが、これは多くの仕事の場合、普通に行うプロセスです。

 日付は2001年6月13日とあります。

Hightmax_2

  •  

 ● HIGH-MAX 構造図

 大体の形を考えるため、内部構造やブロックの組み立てをラフでメモ

して行きます。プロポーションやイメージから入る場合もありますが、

ガングリフォンの場合、実際の兵器のリアルさを反映した緻密さが求め

られていましたので、このような手順を踏んだのです。

 エンジンとリフト・ファンを中心としたフレームが全体を持ち上げるように

強固な構造を持っていると言うアイディアと、コクピットが円筒形の脱出

モジュールになっていると言うアイディアが、このメカの骨子になりました。

ただし、それがゲーム中で反映されるかどうかは、この段階では判りません。

可能な限り世界観を膨らませておき、打ち合わせの段階で妥協したり削除

したりする事を覚悟しておくのです。

Highmax

Hightmax_3

  •  

 ● HIGH-MAX 第四ラフ

 一通り細部のアイディアを出すと、それをプロポーションに反映させ、

見た目の統一をはかります。見た目のちぐはぐさを解消するのが目的

ですが、この段階で新しいアイディアが加算される場合もあります。

 この場合、主翼の折りたたみ機構や顔の造形、排気管の形などが

加わり、全体に重量感が強調されています。

 このラフの前にも、何点かのラフを描いています。

Hightmax_4

  •  

 ● HIGH-MAX 第五ラフ

 さらに10点ほどのラフの後、ステルス・デザインを徹底させて、

飛行形態に見合った軽快さをデザインに取り入れるべく思案します。

この段階で、ようやく先代のガングリフォンと肩を並べるレべルに目処

が立ち、クリンナップに入る事となりました。

 このように、非常な労力を注ぎ込んで完成したデザインですが、

どこから情報が漏れたか、某アニメに類似したデザインが出てしまい

ゲームの制作期間の長さも手伝って、後塵を拝する結果となったのです。

Hightmax_5

  •   

  このゲーム自体が不評で、このデザインは半ば抹殺される形で忘れ去られました。

私にようやく巡って来た主役級のデザインワークでありながら、評価もほとんどなく、

このような結果となったのは、誠に無念でありました。

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A-MAX ブラック・フット

2007-12-29 18:36:24 | 設定画

  XBOXの通信対戦ゲーム ガングリフォン・アライドストライクに登場する

A-MAXと呼ばれる機体です。最初私は、これを新ガングリフォンとすべくデザイン

したのですが、ゲーム企画の関係でアメリカの機体という事になりました。

Photo

  •  

●A-MAX

全面的にステルスデザインを取り入れて他の機体との差別化を図っています。

かなりの期待を込めてデザインしましたが、担当氏は宮武一貴氏のデザインした

ステルスタイプのバルキリーを見せて、暗に難色を示しました。はっきりとは

言いませんでしたが、それの亜流と言いたかったのでしょう。

しかし、実在のステルスデザインをメカデザイナーが研究して取り入れる事は

普通のことであり、それ以外の接点がないのにデザインを取り下げるのはナンセンス

と言えました。 ただ、ゲーム自体が酷評されたため、デザインについての論評は

ほとんどありませんでした。これは非常に残念なことでした。

Photo_2 Photo_3

  •  

 ●A-MAX 三面図

 ステルスデザインを表現するために、描線の角度を統一する必要があリました。

複雑なロボットをすべて同一角度で描くのは難しく、雰囲気だけの表現となった事

が判ると思います。実際問題、低高度しか飛ばないA-MAXに厳密なステルス

デザインは不必要なのですが。

  • Photo_4
  •  

● A-MAX 脚構造

 降着装置が航空機のように備わっていることで、より現実の兵器

に近く見せています。コクピットへパイロットを乗せるため、しゃがみ

ポーズを考えましたが、これは使われなかったようです。

  • Photo_5

A-MAXは、エンジンの開発不調から、低出力のエンジンを搭載

しており、そのため間欠的なジャンプ飛行能力しかないという後付け

設定があります。

私は、この機体が飛行形態である程度の巡航ができる事にしたかった

のですが、(もちろん設定上で)担当氏からそれを止められたので

設定でフォローしたのです。

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ブルースフィアの潜水艇 2

2007-12-14 21:52:52 | 設定画

 ゲーマーズドリームでは、ホームページが開設されゲームの世界を

定期的に紹介していました。いくつかの潜水艇はポリゴンモデルが掲載され、

擬似的なゲーム画面も紹介されました。

ユーザーがゲームで自機を見るのは、どのゲームでもおおよそ後斜め上

からです。そこで、各機体が後斜め上から見て判別がつくように、特徴を

比較する図を作りました。Photo

いくつかの艇が、相互に見分けがつきにくい(矢印)ので、

若干の変更が加わっています。

 ●SSE-1 ソードフィッシュ

小型で速力を重視した軽快な艇としてデザインされました。

20mくらいの大きさで、小型のキャビンに数名の搭乗者を乗せ、

戦闘機のように水中を運動します。

Sse1

  •  

 ●SUB-1

上の艇より一回り大型の武装と速力に重点をおいたタイプです。

他の艇と違った直線的なデザインを使って、差異を出しています。

ポリゴンモデルの省略のきつさが気になって、銃塔の省略方法

まで指定しましたが、どうなったかは不明です。

Sub1

  ●SAC-3

 複葉にしてデザインに変化をつけた、中型の輸送艇です。

それほど複雑な形でなく、かつ特徴を持たせると言う意味で

地味ながら好きなデザインです。

Sac3

  •  
  •  

  ●STA-1

 大型の客船のイメージでデザインされています。

非常用のスクリューは艇尾に収納され、翼のような電磁推進機

によって静かに航行します。

Sta1

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ブルースフィアの潜水艇

2007-12-13 19:29:15 | 設定画

 平成11年当時、NTTデータはゲーマーズドリームというコンテンツを立ち上げました。

ゲームパッケージを購入してホームページにアクセスし、複数のゲームに参加できるもの

でしたが、当時のネット環境は通信対戦ゲームを行うのに充分なスペックが出ず、企画は

立ち消えとなりました。

 その後のことはわかりませんが、この潜水艇シューティングゲームはその後製作中止に

なったようです。

 ●潜水艦A

最初に、何隻か書いてみてくれと言われ描いた内の一隻です。

通信対戦では表示できるポリゴン数に極端な制約があり、単純な形状

が求められました。未来的なデザインとバリエーションごとの特徴が

必要でしたが、それほどリアルな形状は要求されませんでした。

Sab1 Sab1_b

 ●潜水艇A 三面図

最初だけ三面図を要求され、簡単な作図をしました。

これをもとにモデルが作られ、当時ゲームショーで配布されたパンフレット

に掲載されましたが、ポリゴンモデルは極限まで簡略化されたものでした。

丸い形状はポリゴンにとっては鬼門でしたから覚悟はしていましたが。

Sab1_2

 ●潜水艇C

これらの潜水艇にはニックネームがいくつか用意されていましたが、ゲームが

製作中止になった時点でポリゴンモデルができていなかったものには、コード

ナンバーしかついていません。

この潜水艇はスクリューを船体が囲みこむようなデザインになっている所が

特徴です。ゲーマーの視点が、後方ななめ上からなので、画面上では

判りにくい形状ですが、私は気に入っています。

Sab2

  •  

●潜水艇D

 現代の潜水艦は涙滴型をしています。水中での抵抗を最小にする為です。

そう言う基本的な形状を取り入れつつ、未来的な形状を探ったのがこれです。

ほとんど直感的にできたものですが、スクリューの直径が大きいせいか、

飛行機みたいです。

 ゲーム中でスクリューが小さいと、回転している様子がわかりづらいから

ですが、プロペラみたいでへんですね。

Sab3

  •  

●潜水艇 SUA-1

この潜水艇は、バリエーションを増やす段階で描かれたものです。

上の三隻と違って、輸送力を重視した大型船です。ゲーム中では、

様々なミッションをこなして収入を得、船体や装備を買い換えたり

できます。輸送力を増やせば物品の運送を請け負う事ができるのです。

 単純な棒状の船体にするよりも、双胴にした方が、輸送力を強調

できるのではないかと考え、こうしました。

Sua1

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2007年07月23日 プロジェクト・シルフィードの敵空母

2007-11-30 21:04:00 | 設定画

 先月、シルフィードの無料ダウンロードコンテンツが配布されました。
チャレンジステージ6ミッションのタイムアタックや、クリアボーナスの
追加装備があります。
この内、敵空母を撃破するステージの空母が私のデザインになるものです。

 デザインは2005年6月22日のものなので2年も前に手がけた事になるわけです。
リテークの連続で、かなりご迷惑をかけた事を憶えていますが、こうして形に
なると苦労した甲斐があったというか、報われて嬉しくなります。

  ●敵空母
 打ち合わせのときに出たキーワードが、機動戦士ガンダムの空母ドロスでした。
我々の世代で宇宙空母と言うと、宇宙戦艦ヤマトの空母群やマクロス・ホワイトベース
等で、多少リアルな物としてドロスはそこそこ知られていました。
 しかし、このキーワードを聞いたとき私は嫌な予感がしました。米村氏の
手による空母アクロポリスの初期ラフを見たとき、ドロスの面影があったからです。
 この業界では、あるキーワードがパッと広がる現象があり、他の製作会社等で
同様の事があった場合、ネタのバッティングという最悪の形で現れてしまうのです。
 危険は避けるべきですが、私の杞憂かもしれません。そこで、ドロスのイメージ
を取り入れつつ、独自色も打ち出すという方法が唯一の道となります。

 既に敵戦艦のデザインが他のデザイナーさんの手によって出来上がっており
その上でのデザイン依頼でしたので、細部を合わせるのが前提でした。
 これに加えて、ポリゴン数の制限が厳しく、できうる限り単純な形を要求
されていましたので、デザインは最初から難航しました。

 エンジン部分と船体のパターン等を戦艦の物と合わせ、艦載機の発進口を
ドロスのイメージとし、双胴形式の間を平らな部分にして、多少空母らしさ
をだします。理屈の上で分かっていても、なかなか自分なりのまとめ方にならず
苦悶しました。製作会社の方々は、何を迷っているのか不可解に思った事でしょう。Photo_112

Photo_113

  •   

●敵空母 イメージラフ
 このラフは今描いた物です。イメージ的にはこちらの方が近いでしょう。
 とはいえ、実際にポリゴンCGにしてゲーム画面に登場すると、全く違うイメージ
になるのが当たり前で、デザイン画の作成に特別の配慮が必要になります。
 アニメ設定なら正確さより絵的なカッコ良さが許されますが、ポリゴンですと
立体的に正確な上に良いデザインを追及する必要があります。これは、CG製作者
の方にも経験と技量が必要になります。Photo_114

 立体を把握しやすい設定画は、カッコ良さという点からは物足りないもので、
絵的なアピールに欠けるのが、いつも困る所であります。

  • Photo_115

  ●敵空母 補稿
 補講が見つかったので上げておきます。
細部のディテールと構成図です。両サイドの船体は上下対称にして製作を簡単
にしてあり、面構成も極力分かりやすく簡単にしました。
そのため、テクスチュアーによって巨大感を出さねばならず、別稿としました。

宇宙空母はまだ実在せず、テクノロジー的に不明な部分が多く、細部は適当
になってしまいました。

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