今宵は中秋の名月なので初恋を偲ぶ夜だと、
井伏鱒二さんの詩をここ数年は無断借用していたのですが、
去年もそうだったのですが今年は特に、
だれかさんがぬる燗も熱燗も飲めないことになってしまいましたので、
それは止めに致します、
それにしても秋雨前線か酷いスーパー台風のせいなのか、
もしくは複合作用なのか不明ですが、
兎に角雨ばかりのお天気になってしまいましたので、
今夜はお月様を拝めそうにはありません、
本日付の天声人語によりますとロシアの民俗学者ネフスキーは、
日本や中国の詩には、
極めて月のモチーフが多いことに驚いたそうでございます、
彼は日本人にとっての月とは、
「世の中の歓楽喜悦は永劫のものではなく何時か最後が訪れる」
ことを感じさせるものだと説いたそうであります、
同じく秋野静江さんという方の作だそうでございます、
「来世と過去世宙に綯い交ぜて圧し光るものを月と謂うべし」
なるほど月とはそうしたものだと思います、
私も万感の思いで眺めたいのでございます、
悲しいかな、
だれかさんとお団子三本食べながら、
眺めるのです。