大賞

トリプルスリーはどうやら知らなくても、

それが普通かもしれないような雰囲気ですね、

そりゃそうでしょうと偉そうに言いながら、

少しだけ父は安心をしています、

もちろんそういう問題だけでもないのは、

承知の上でございます、





ある言葉の大賞取りを阻むための口実として、

こんなことがあったとしたら、

もう来年からは流行語大賞なんか止めましょうね、

ユーキャンは決して未来を変えません、

勿論あなたのお友達でもないのです、

寧ろ敵なのかもしれないですね、

もし自分の言葉が大賞になったら困るって、

あのA君が言っていましたが、

あなたはそれを、

知っていましたか。

北風

北風は明日のお昼くらいまで強いようです、

本日付朝日新聞掲載の漱石の「門」の一説でございます、

そのうち年が片寄って、

夜が世界の三分の二を領するように押し詰まって来た。

風が毎日吹いた。その音を聞いているだけでも、

生活(ライフ）に陰気な響きを与えた。

小六はどうしても、六畳に籠もって、一日を送るに堪えなかった。

落ち着いて考えれば考えるほど、

頭が寂しくなって、

いたたまれなくなるばかりであった。





こうしてみると漱石さんも暗いですね、

私も気持ちは良く解ります、

こういう夜はお暇なら来てよね私寂しいのでございます、

みどりお姉さんの「お暇なら来てよね」を、

歌って心を誤魔化します。

飛沫

一晩中続いた北風はまだ吹き荒れています、

波が高く堤防を越えることもあります、

時折潮の飛沫が飛んで来て私の頬を濡らすのです、

帰ってからはドライシャンプー致します、

とても寒くていつものお散歩と言うよりも、

私もお天気お姉さんの気持ちです、





泣きたくなってしまいます。