水中花

あの下田逸郎さんは「漂々」という歌の中で、

さりげなく「命には形なんてないのさ」と歌っています、

そう言われてみれば、

まさにその通りでございます、

形はおろか、

なんにもありません、





いろいろな命があるように、

愛にもいろいろあるのでしょうが、

「あの人を愛したいならまっすぐに見つめろよ」

と続きます、

言われなくても、

だれだって見つめるだろうと思います、

でも彼の歌はとても、

すてきなのであります、





本日もすてきな紫陽花です、

たぶんですが、

人生はとても愛おしくてすてきなのです、

気づくのが遅いのですが、

それも人生です、

これも愛あれも愛、

たぶん愛きっと愛なのです。

西麻布

雨宿りでございます、

それはいまだに私が父を信じなかった、

とても寒い６月のとある金曜日に雨が降りまして、

私はとても長い名前の公民館で、

雨宿りを致しました、





雨宿りをしていてもあなたは来てくれませんし、

父に頭を撫でてもらっても、

痛くも痒くもありませんので退屈すぎて、

寝てしまっておりました、

東京ぼん太じゃありませんが夢も希望もありません、





美化運動展開中の砂浜を左に見ながら、

小雨の中を歩きます、

「そして女は濡れたまま」

雨の西麻布。