天然居士のとっておきの話

実生活には役に立たないけど、知っていると人生が豊かになるような話を綴りたいと思います。

ラマダン

2009-04-08 | Weblog
 もう一つ、片倉もと子さんの「イスラームの日常生活」に載っていた話です。
 イスラム教には、断食月があります。
 ラマダンと言います。

 かつて、キリスト教においても断食の風習はあったらしいのですが、
 今ではすっかり廃れてしまったようです。
 イスラム教では、断食月になると、
 日の出から日没までの間は、食べ物はもちろん、
 水や煙草までも口にしないそうです。
 中には、唾を飲み込んでもいけないと言う人もいるとか・・・

 そうして、太陽が沈むと、断食は解除になりますが、
 日没後に食べる最初の食事をイフタールと言い、
 これは英語のブレックファーストと同じように、
 「断食を破る」と言う意味だそうです。
 このイフタールはなるべく外で多くの人と食べるのが良いとされており、
 ピクニックのように公園や海岸で月明かりの下で食べる人が多く、
 そのため街の中が普段よりもはるかに賑やかになるそうです。

 断食のために、官公庁や銀行、企業などでは、
 始業時間が1時間程度遅れ、さらに終業時間も1時間程度早まるのだそうで、
 概ね2~3時間程度の短縮になります。
 更に、学校や病院なども断食月用の時間となり、
 短縮できない工場などでは、
 例えば3交代制が4交代制になるなどの措置が取られているそうです。
 もちろん、この断食は、10歳以下の子どもや高齢者、
 病気の人、妊婦、旅人、戦場の兵士などは免れています。
 このため、断食月に海外に旅行に出る人もいるようです。
 イスラム教では、太陰暦を用いているため、
 1年の長さが太陽暦より11日短くなっています。
 このため、断食月も少しづつ季節が変わり、
 暑い盛りの断食月になると大変なようですが、
 今はクーラーなどが入っているので昔より楽になったと言う人もいるようです。
 1ヶ月続けた断食が終わると、
 人々は興奮のうちに断食月明けの祭りを行って、断食の終了を祝うそうです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする