AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

乃木坂46高山一実著『トラペジウム』を読む。ネタバレ少々。(ときめき研究家)

2019-01-14 16:53:34 | ときめき研究家
乃木坂46の高山一実が書いた小説『トラペジウム』がベストセラーになっていると聞き、早速入手して読んでみた。なかなか面白かった。

主人公の「東ちゃん」はアイドルになることを目指し、グループを形成する他の「西」「南」「北」3人のメンバーを探し、「東西南北アイドル」として自分たちをプロデュースして行く。果たして彼女たちは人気アイドルグループになれるのか?という筋書きだ。
メンバーを1人ずつ見つけ、リクルートして行く過程は「八犬伝」のようでワクワクする。4人とも個性的でアイドル性がある。個人的には「西」ことロボコンクイーンのくるみ推しになってしまった。
その後、アイドルとしてセルフプロデュースして行く過程は、やや稚拙である。いくつかの幸運もあって、アイドルとして世に出ることになるが、順調な日々は長くは続かない・・・。

現役のアイドルが書いたアイドル小説。その割にはアイドルになってからの描写が短い。できればアイドルになってからの日々をもう少し読みたかったが、そこは作者が書きたかったことではないのだろう。

タイトルの「トラペジウム」とは、不等辺四角形のこと。どの辺も並行でない四角形。4人の関係を象徴しているのだろう。4人は4人とも可愛らしく、アイドル性はあったが、結局アイドルになりたかったのは東ちゃんだけだったのだ。アイドルにならなくても輝いている少女は大勢いる。アイドルは特別な存在ではなく、輝いている少女のうち一部に過ぎない。
不等辺四角形ではあっても、4人の友情は変わらない。

高山一実のことはあまり知らなかった。昨年の「芸能人格付チェック」に出演した時に正解率が高かったという記憶がある。小説を書くくらいだから文才もあり、多芸なのだろう。
文体が若い。おじさんが読むと少し気恥しい感じもするが、ややシニカルな語り口でテンポ良く物語を進める。榊原郁恵、お蝶夫人、NHKロボコン、萌え袖、アヒル口、プチ整形などサブカルチャー系の語彙が満載。それでいて日本の英語教育への批判や、不登校問題、アイドルの恋愛についても盛り込んでいる。彼女の書きたいことをどんどん盛り込んだのだろう。
彼女自身のアイドル体験も素材の一部にはしているが、それだけではないエンタメ作品になっている。次回作が出ることがあれば、また読んでみたい。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2018年紅白歌合戦の感想など... | トップ | NGT48事件と楽曲のこと。どう... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ときめき研究家」カテゴリの最新記事