アジア歴史資料センター

2011年09月21日 | 歴史を尋ねる

 近隣諸国との間に「歴史認識」をめぐる議論が繰り返され、「歴史認識」の共有を議論するためには、まず史実を確認する作業が必要との観点にたって、平成6年8月、当時の村山首相は翌年の戦後50周年を記念した「平和友好交流計画」に関する談話の中で、「アジア歴史資料センター」設立の検討を指示したという。「アジア歴史資料センター」をどのようなものにするかについては、戦後50年に当たる平成7年以降、さまざまな角度から検討が進められ、「我が国とアジア近隣諸国等との間の歴史に関し、国が保管する資料について国民一般及び関係諸国民の利用を容易にし、併せて、これら諸国との相互理解の促進に資することを目的」とする「アジア歴史資料センター」が、国立公文書館の一組織として平成13年11月30日に開設された。

 「アジア歴史資料センター」は、インターネットを通じて、国の機関が保管するアジア歴史資料(原資料=オリジナル資料)を、パソコン画面上で提供する電子資料センターであり、国立公文書館において運営されている。このアジア歴史資料とは、近現代の我が国とアジア近隣諸国等との関係に関わる歴史資料として重要な我が国の公文書及びその他の記録のこと。開設以来10年近い蓄積を重ね、現在約2,090万画像が「いつでも、どこでも、誰でも、無料で」閲覧することができるようになったという。確かにのぞいてみると、次から次に大変な量の資料が自由に閲覧できるようになっている。歴史家はクリスマスであれ正月であれお盆であれ、国立公文書館などで歴史史料のマイクロフィルムをジーツと見ているのがこれまでだったようだ。その意味では大変な変革である。しかし、当時の手書き文字を読みこなせる力がないと、せっかくの資料もただ眺めるだけで終わってしまう。この膨大な資料から、読み解いて作成されたのが、先に紹介した「きままに歴史資料集」だと思われる。資料の解読、資料の整理、そしてよみがえる当時の状況、歴史はそのよみがえる力が人をひきつけるのではないか。

 明治初期の日朝関係をネットサーフィンし、ブックサーフィンしても、当時の状況がなかなかよみがえらない、判で押したような当時の解説がある中で、「きままに歴史資料集」は眼を見張らせてくれる。さらに一次資料がふんだんに使われ、安心して当時の想像させてくれる。もう少し本ブログを活用して見たい。