新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

クリスマス・コンサート

2016年12月17日 | 日記

 クリスマス前になると、さまざまなコンサートが催される。友人、知人の誘いで先週末は2つのコンサートに行ってきた。
 ひの煉瓦ホールのロビーで行われたミニコンサートでは、女性の声楽家2人と男性ピアニストの、それでも本格的な歌唱を鑑賞することができた。モーツァルト作曲の歌劇「魔笛」の一節は、さすがにモーツァルトだけあって、遊び心十分な曲で、踊り狂っているような、人をおちょくっているような節回しに感心し、またそれをうまく歌いこなす若いソプラノ歌手の歌唱力に魅了されたものだった。
 藤野中央公民館でおこなわれたハーモニカのコンサートは珍しいものだった。10ホールズハーモニカは10個しか穴がない小さなハーモニカだが、世界でもっとも多く出回っているハーモニカらしい。シンセサイザーによる伴奏に乗せて奏でるハーモニカの音色に、しばらくは師走の慌ただしさを忘れることができた。
 ハーモニカといえば、むかしは庶民がふつうに使う楽器だったのではないか。近所のIさんがときどき吹いて聞かせてくれるし、Tさんはハーモニカ奏者の楽団に加入して練習していると聞いている。いずれもいまは80歳をすぎている。この年代の人たちにとってハーモニカは、一種独特の愛着がある楽器なのだろう。私でさえ父が買ってくれた小さなハーモニカを幼いころ吹いていたぐらいだ。
 このコンサートを企画、実行し、私を誘ってくれたHさんご夫妻に感謝!





冷蔵庫がダウンした

2016年12月15日 | 日記

 20年近く使ったわが家の冷蔵庫がとつぜん機能を停止した。ご臨終! たいへんだ。しかしこの時期でよかった。この時期、冷蔵庫はほんとうに必要なのだろうか。
 きょうの外気温は日中で9度、朝がたはマイナス2度まで下がっていた。食品が腐るほどの気温ではないから、保管したい食品を屋外へ出しておけばよい。鳥獣の餌にしたくなければ、なにか枠をこしらえればよい。冷凍食品の保管はどうか。朝方は氷が張るほど冷えるのだから屋外へ出しておけば十分に凍る。昼間はいったん溶けるが明くる朝また凍る。それでよいではないか。
 冬の間、冷蔵庫を使わなければ電気の消費量はかなり減る。むかしの生活に戻ることができるうえ、電気代の節約にもなる。
 幼いころは電気冷蔵庫などなかった。小学生ぐらいになると夏場は毎日売りに来る一貫目の氷を上の壇に入れて小さな空間を冷やすアイスボックスを使うようになった。おかずの残りものを入れる箱だった。懐かしいな。
 冷蔵庫がなくなると、私にとって困ることは、水割り用の氷が作れないことだ。夕方になって水割りが飲めないと一日が終えられないので、さっそく代わりの冷蔵庫を買いに行った。






カヴァレリア・ルスティカーナ

2016年12月04日 | 日記

 調布市民オペラを鑑賞した。演目はカヴァレリア・ルスティカーナ。「田舎の騎士道」という邦訳をつけている。
 舞台はイタリア、シチリア島のある村。男女が恋仲になり結婚を誓うが、男が兵役に行っている間に、女が近所の羽振りのよい車夫と結婚してしまう。兵役を終えて戻った男は落胆し、別の女に慰みを見いだす。もとの女は結婚を誓った男とその相手女に嫉妬し、もとの男に言い寄る。2人は不倫の関係になる。車夫はそれに腹を立て、男に決闘を申し込む。決闘の結果、男は死ぬ。たわいないストーリーだが、オペラ仕立てにはこの種の単純明快さが脚色を盛り上げる結果になる。
 5人のプロオペラ歌手を、調布市民50人が応援出演する形に舞台が設定され、迫力あるオペラができあがっている。全曲をイタリア語で歌っている。歌詞を憶えるのは容易でなかっただろうと推測される。
 ところで「田舎の騎士道」という邦訳には直訳すぎてかなりの違和感をおぼえる。Cavalleria RusticanaのCavalleriaはcavaliere(騎士)から派生した抽象名詞だろう。そのcavaliereは「cavalloつまり馬」に乗る人のこと、したがって「騎士」または「騎士のような人」、すこし転じて「紳士的な人」の意味に使われているはずだ。「紳士的な人」を抽象名詞にしたものがcavalleriaであるから、その意味は「紳士的であること」になる。そこへrusticanaという形容語句が付加され、都会で見うけられる紳士然とした人物でなく、紳士ぶっていても実際にはかなりピントはずれな行動をする粗忽な田舎者を連想させる。cavalleriaで背筋がとおった気品ある人物を連想させておいて、rusticanaで突き落とす、語順による手法はみごとだが、邦訳することは難しい。
 そこでもし私がこのタイトルを邦訳するとしたら、オペラのどたばたストーリーを斟酌して「田舎っぺ紳士・恋の顛末」としたい。最後の4文字はいいすぎだろうか。