新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

年末なのに

2016年12月23日 | 日記

 年末なのに糸魚川で大火災が発生した。焼け出された人たちには心からお見舞い申しあげる。
 ヨーロッパでは民族の大移動のようなことが起きている。シリアの政情不安から国を出て、トルコ、ギリシャを経由し、ドイツ、スウェーデンなどへ移動しようとする人たちが何十万人といる。ハンガリーがセルビアとの国境にバリケードを築いて難民の流入を阻止するようになってからもう1年になる。当初は喜んで難民を受け入れると表明していたドイツが、テロ事件や難民が引き起こしたレイプ事件などを受けて、かなり厳しい入国審査をし始めている。
 私が6月に訪れたスペイン、マドリッドでさえ高速列車に乗るためにはセキュリティ・チェックを受けなければならない事態になっている。
 東京でオリンピックが開催されることが決まったのは2年前の夏だった。あのころトルコのイスタンブールが候補地のひとつに名を連ねていた。いまではトルコは政情不安でオリンピックの準備どころではなくなっている。政治情勢の移り変わりの速さをひしひしと感じる。
 毎日新聞の記者が追いかけて取材したアフガン難民アリさん一家はドイツで難民用住居を借り、支援金をもらいながら正式な移民許可が出るのを待っているようだ。この人たちはまだ順調にいっている(「ルポ難民追跡」岩波新書)。
 年の瀬、みんながしあわせに年を越せる世の中は夢の夢のようだ。