八丁堀のふぐ料理屋にむかしの仲間が集まった。みな私と同年齢で、いわゆる准高齢者であることを自覚しているものの、隠居生活に甘んじている人はいない。ひれ酒を飲みながら話が弾む。
ベトナムに関係する人が増えている。元高級官僚のFくんは、ベトナムに大学を作る運動をすすめ、すでにハノイで開校し、生徒募集をはじめている。大手ゼネコンを退職したMくんは、ハノイに居を定め、観光ビザで往復しながら友人、知人のネットワークづくりをしている。中堅メーカーの副社長を務めるKくんはときどきハノイに出張する。
ベトナムは北のハノイと南のホーチミンの2大都市に人口が集中する。ホーチミンはむかしサイゴンと呼ばれていた町だ。中部にダナンという歴史観光都市があるのだが、ハノイ、ホーチミンからダナンへ移動するには飛行機に乗るしかない。またハノイとホーチミンは車とバイクの排気ガス問題が深刻だし、歩行者が道路を横切るのに苦労するほど車、バイクの通行マナーが悪い。病気やけがの際に利用できる医療保険はまったく整備されていない。社会主義政権が続いており、ロシアとは仲がよいが、中国とは対立しがちだ。むしろ政権はアメリカの援助に頼っている。キューバ、旧ソ連から続くロシア、北朝鮮、中国のように社会主義政権によく見られる独裁者はいない。だから社会主義の臭いがまったくしない社会主義国を実現している。ここ10年の発展ぶりには目を見張るものがあり、日本企業が続々と進出しているし、ベトナム人はとても親日的だ。
2年まえにホーチミンに滞在するUくんから聞いたところでは、その時点でのベトナムの平均年齢は28歳だったという。ベトナム戦争終了から40年が経過した時点での平均年齢がこれほど若いとは一瞬耳を疑ったものだが、彼はコンビニのレジがひそかに入力する客層の年齢を把握しているし、ベトナム全般について確かな知識をもっているので、間違いはないはずだ。日本の戦後40年といえば1985年時点になるが、国民の平均年齢ははたしてそれほど若かっただろうか。
飛行機の乗り方を指南してもらった。大韓航空に乗ってソウル経由で行くのがもっとも安い。高くてもビジネスクラスを利用するのがよい。エコノミークラスだと隣に座る人のマナーが悪い場合に5、6時間、不快な思いをすることになる。成田からならダナンへ直行する便も出ている。
それにしてもふぐ刺しを食べながらのひれ酒はうまかった。鯨のトロもいただいた。
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