パリ、ルーヴル美術館のなかでもいちばん見やすい位置に「ミロのヴィーナス」が置かれ、それに劣らないほどの好位置に「サモトラケのニケー」像がある。ニケー像は首から上がないが、そのトルソは理想的なバランスをしている。ニケーとはギリシャ神話に登場する勝利の女神のことであり、ローマ神話ではヴィクトリアという。
いっぽうアメリカ合衆国のスポーツシューズ・メーカーにナイキというとても有名な会社がある。ナイキがニケーの英語読みだということを知っている人はきわめて少ない。Nikeをナイキと読むかニケーと読むかでまったく違った単語に聞こえてしまう。
ユリウス・カエサルをジュリアス・シーザーに、ヴェネチアをヴェニスにされては別人、別都市のようでなんとも落ち着かない。極めつけはドン・キホーテをドン・クワイクソットと読むことだ。英語国の人たちはもっと原語読みを尊重して欲しいものだ。
日本でも同じようなことが昔あった。「ギョエテとはわれのことかとゲーテいい」という川柳があるほどだ。こころして原語読みを追求していきたい。
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