MTさんが亡くなった。享年67。パソコンのそばに置いてお守りのように使っている炭(写真)の炭材である樫の丸太をもたらしてくれたのがMTさんだった。炭はなんども床に落とし、あちこちが剥がれ落ちたが、手にしたときの備長炭なみの堅い感触が気に入り、いつもそばに置いている。
樫の木を炭にしたのは後にも先にもこの1回だけだった。それほど入手困難な炭材だった。炭にするには堅い木が好まれる。当地に生えている炭材としては、コナラとクヌギがもっとも好まれる。その他の木は雑木扱いにされるのがふつうだ。
MTさんは調布市在住でありながら車で1時間以上もある藤野、日影原の地へよく来られていた。60歳を過ぎたころからは趣味の山歩きの合間に植木屋稼業をしているようだった。仕事にあくせくしないゆったりした生き方に共感したものだ。NPOがるでんでは森林隊に参加し、枝打ち技術などを学んでいた。炭にした巨大ひょうたんを家の前に飾り、道行く人たちを楽しませているともいっていた。
新型コロナのせいで家を出る機会が減り、持病を悪化させたらしい。残念な最期だった。