新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

意図不明な駅弁動画

2018年08月25日 | 日記

 IT時代らしい雰囲気をまざまざと感じたひとときだった。
 新横浜から新幹線に乗った。指定席は2人席の通路側だった。窓側では30代ぐらいの男性がタブレットを使って一心に仕事している。左隣の3人席では会社の同僚らしい若い3人組が親しく会話しながらタブレットやらスマホやらを操作している。開いているタブレットの画面からして、IT関係の会社に勤める仲間たちとみえる。新幹線の座席には電気プラグがついているし、東京、新大阪間はWifiが無料で使える。これを利用しない手はないとばかりに社用族たちは電車のなかでも仕事する。
 3人組が気になって、ちらちら横目で観察していた。真ん中に女性が、両脇に男性が座り、女性を中心に会話が進んでいるようだ。3人とも駅弁を座席前のテーブルにおいている。窓側の男性がまず駅弁を広げて食べおえた。3人同時に駅弁を食べないところがまず不思議だ。時間が10時と昼食には早いせいか。やがて女性が駅弁を広げた。何かぶつぶついいながら食べ始める。それを窓側の男性がスマホで撮影している。ははあ、動画を撮ってインスタグラムにでも投稿するのか。女性を撮るというより、駅弁を撮っている。女性のぶつぶつは駅弁の説明らしい。男性の駅弁よりは高級そうだ。それでもわざわざネット上にアップして他人に見せるほどのものなのか。動画をネット上に投稿する光景は私にはめずらしいので、ますます見入ってしまった。
 それにしてもいったい何のために駅弁を食べる動画を他人に見せる必要があるのか。意図がいまいち分からない。意図不明なネット投稿が増えていることはたしかだ。
 ただよく考えてみると、現代は記録の時代といってもよいほど大量の記録がネット上に残されている。これはあながち悪いことではない。いまから500年、1000年が経過し、2018年の生活のようすを再現しようとするとき、とてもだいじな資料になるはずだ。あの忌まわしいリベンジポルノまでもが時代を知るための貴重な資料として扱われるだろう。ネット上の記録はどれくらい長く保存されるのか。いまネット上にある情報のなかのどれくらいの量が後世まで保存されていくのか、を知りたい。