新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

ジュンク堂書店発祥の地

2018年08月01日 | 日記
  
 サンチカから三宮センター街(写真)を元町まで歩いてみた。半世紀ぶりだろうか。そして探していたものを見つけた。ジュンク堂書店発祥の地(写真)を。
 神戸、三宮駅を降りると地下街がある。むかし三宮地下街といえば「サンチカ」の愛称で呼ばれるモダンな地下街だった。ガラス張りのブースにサテライトスタジオがあり、そこでラジオ放送がおこなわれていた。1960年代後半、そこを通り抜け、元町へ向かってつづくアーケード街をよく歩いたものだ。三宮センター街にはモダンな店が並んでいた。星電社という電器店があり、そこで当時としては最小、最軽量のカセット式テープレコーダーを購入した。映画館に持ちこんで英語の音声を録音するためだった。南雲堂から出ていたシナリオつき映画録音テープはまだオープンリールのもので、大きな再生機を必要とし、取り扱いにくかった。
 それから20年が経過した1980年代の後半、ジュンク堂書店の書籍通信販売を利用するようになった。ジュンク堂書店は書籍通信販売の草分け的存在で、注文専用はがきに必要事項を記入して送ると1週間もたたないうちに注文した本が届いた。便利だった。「道標」という書店の月刊広報誌も無料で送ってくれた。「道標」と書いてたしか「しるべ」と読んでいた。たぶんその「道標」でだったと思う、本店が三宮センター街にあることを知ったのは。商店街のあの辺にあるのか、と親近感がわいた。ファーストネームを淳久さんという人が開業した店だと思っていたが、ネット情報ではこれは間違いだったようだ。また1976年開業とのことで、私がよくぶらついた1960年代後半には書店自体はまだ存在しなかったことになる。
 さて1995年1月、あの忌まわしい阪神淡路大震災がその地を襲った。三宮駅南ののっぽビルが傾き、老舗デパート「そごう」の一階部分がいまにも崩れ落ちそうな写真がメディアに流れた。ジュンク堂書店本店が営業不能になったことをなにかで知ったのもそのころだった。月刊誌「道標」の送付が止まった。
 いまでは日本を代表する大型書店網をもつジュンク堂書店だが、三宮のせせこましいアーケード商店街でもりっぱに営業を続けているのを見ることは、うれしい。なんといっても、ジュンク堂書店はここから始まったのだから。