新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

炭焼きには性格が反映する

2016年03月24日 | 日記


 窯づめにはつめる人の性格が現れる。前回の窯づめはYさんが初めから終わりまでのほとんどをしてくれた。窯内は炭材がびっしりと隙間なくつまった。80センチの炭材といってもまっすぐなものばかりではないし、ときには二股になった材もある。それを窯のなかで垂直に立てておいていく。ともすると斜めに寝かせるような置きかたになってしまうことがある。また窯の天井と80センチの炭材との間には高さ10センチから30センチの隙間ができる。それを短い炭材、細い炭材で埋めていく。窯のなかでも天井はいちばん弱い部分で、手荒に扱うと土がぼろぼろと剥がれ落ち、ゆくゆくは天井に穴が開く結果になりかねない。炭材で隙間を埋めていくときにいちばん注意を要する点だ。前回のYさんの仕事はていねいだった。隙間を感じさせないほどびっしりと詰まっていた。
 今回はKHさんが窯の手前部分3分の2ほどをつめてくれた。窯の手前、焚口に近い部分まで詰めが進んでくるにつれ作業に使える空間がだんだんと狭くなり、前かがみの窮屈な姿勢をとりながら最後の詰めをする。焚口の内壁をつくり、そのうえで内壁の奥に隙間ができないようにさらに炭材を加える。ここがむずかしい。どうせ燃えて灰になってしまう部分だからといい加減な詰めかたになってしまうことが過去には多かった。KHさんは内壁の内側までぎっしりと詰めてくれた。こうすることにより窯内に火が入りやすくなる。内壁の奥に隙間があると、その分だけ焚口の火が届きにくいのだから、この部分をきちんと炭材で埋めることは肝要だ。
 前回も今回も窯づめに人材をえて、理想的な窯づめができた。