ソウルの街を歩くと教会の多さに驚かされます。
韓国人の根底に根づく宗教は儒教だとされるが、儒教の核心である先祖祭祀は宗教的意味よりは社会規範である「考」を実践するという面が大きく、仏教やキリスト教などとは比較できない面があります。
儒教が他の宗教と異なる点は、それがあまりにも厳格で理想を追求するスタイルであるため、人々の迷いや苦しみに優しく手をさしのべる魂の救済が救済がない点です。
宗教で見ると実は韓国には、キリスト教徒が一番多いのです。
そのキリスト教徒は全体で29.2%、仏教が22.8%を占め、残りが儒教系教団、始祖神・壇君系教団、天道教、円仏教など近代以降に生まれた宗教団体です。
元来「神の下に人は皆平等」を唱えるキリスト教と「生まれついての不平等」を教え込む儒教とは相容れず、草創期の18~19世紀は迫害の歴史でありました。
だがキリスト教は、信者に多くの教育者、革新派の人士を擁し、確実に信者を増やしていったようです。