「男女七歳にして席を同じうせず」という儒教の教えに忠実なはずの韓国だが、現代のカップルは別のようです。
手をつないだり肩を組んだり腰に手を回したり、街角で恋人たちのスキンシップはいたるところで見られます。
そうした濃厚な距離の近さは、互いの呼びかけ合いにも反映されています。
女性が年長のボーイフレンドを呼ぶときの呼称「オッパ」を韓流ドラマで知った人も少なくないでしょう。
これは本来、血縁関係にある兄を妹が呼ぶときの呼称、つまり韓国語の「お兄ちゃん」にあたります。
日本と異なり、韓国では姉や兄の呼び方を、弟が呼ぶか妹が呼ぶかで使い分けます。
弟から見た姉は「ヌナ」、兄は「ヒョン」。
妹から見た姉が「オンニ」、そして兄が「オッパ」というわけです。
「オッパ」は血縁関係がなくても、女性から見て親しい年上の男性に対して使われることも一般的です。
ただしボーイフレンドに対して使う場合、そこに込められる愛情表現や甘えたニュアンスはひと味違います。
かわいいガールフレンドが腕に抱きついて「オッパ~」と甘えた声を出したりすれば、韓国人男性は喜びをかみしめます。
つまり男性は包容力があってたくましいお兄ちゃん、そして女性はお兄ちゃんに頼り切っている甘えん坊の妹。
これが韓国のカップルの基本形のようです。
ちなみに、ソウル588などのガラス戸の風俗街でアガシが男性客に「オッパ~」と呼び掛けます。